堂津岳&地蔵山 スキー登山


2014GW前半は戸隠最奥の山へ行ってきました!


地蔵山からの妙高、火打、金山・・・


 山域  戸隠 堂津岳&地蔵山
 山行日時  2014年4月26日(土)〜27日(日)
 登山形態  山スキー
 天気  4/26 晴れ時々くもり、4/27 晴れ時々くもり
 メンバー  こーちゃん
 温泉・メシ  苗名の湯(450円)
 コースタイム ◇4/26 
笹ヶ峰 黒沢の橋(6:50)杉ノ沢橋(7:40)⇒テン場(11:05〜35)⇒柳原岳(12:55〜13:10)⇒堂津岳(14:40〜15:05)⇒テン場(16:25)
◇4/27 
テン場(6:30)⇒地蔵山(9:40〜10:25)⇒テン場(11:30〜12:10)⇒笹ヶ峰 黒沢の橋(15:05)

懸案だった地蔵山に登ってきました。ついでに堂津岳にも。地蔵山は戸隠エリアの真ん中にある地味な山。2000mを超えながらも登山道のない不遇?な山。でも、そそり立ってて目立つ存在で、それなりに主張はしてるんですよね〜。おいで!おいで!…と。堂津岳のほうは道が拓かれたようで、敷居が低くなったようです。残雪期に笹ヶ峰からスキーで二兎を追ってきました。


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今年のGW前半は4連休で、こーちゃんと北アルプスに行く予定にしてました。でも後ろの2日が良くない予報…。前の2日は文句なしの晴れ予報なんですがね〜。GWに行くような山ではない気もしましたが、この機に2つやっつけておきましょう。創作系なので返り討ちに遭う可能性もありましたが、とりあえずトライです!

◆4月26日(土) 堂津岳 晴れ時々くもり

なんとまあ3週連続の笹ヶ峰。除雪の壁がみるみる低くなり、雪融けの推移がよくわかります。今日は笹ヶ峰を通り越し、黒沢の橋を渡った先の除雪終点まで進みます。すでに先客あり。惣兵エさんや鍋倉谷のデポ車とか、さらには天狗原山、金山あたりのお客さんでしょう。二グロ川の方に進む人はいないでしょうね〜。

 
黒沢渡ったとこから出発 杉ノ沢橋

久々のテント入り荷物。直前に腰をやっててやや不安。背負ってみると大丈夫そうな…。ただ、ここから杉ノ沢橋までは緩く下るので、シールなしで滑ることになります。おっかなビックリで滑ってなんとか杉の沢橋。ここからシールで林道歩き。シールの方が安定して腰には安心であります。そうはいっても今日の行程のほぼ半分が林道歩き。推定12km。先は長い…。

 
真川の上流方向 二グロ川沿いにはブナの台地があちこちにあります

杉ノ沢橋から赤尾岳の北のコルを抜ければ近いのかと思いつつも、最初の段差が壁のようで(河岸段丘?)おとなしく林道を進むことに。近道は帰りに通ってみよう!南下が終わって西に向きを変える地点がスタート地点のほぼ対岸。橋があればあっという間なんですけどね。明日登る予定の地蔵山に近付いたり、逆に遠ざかったりと無駄にジグザグしながら進みます。

 
明日登る予定の地蔵山 広大なブナの台地がテン場です

林道は長いですが、いい感じのブナ台地が大半で苦痛を紛らせてくれます。とはいえ12kmは長過ぎ!途中、林道を見失ってロスこいたり、いい加減ウンザリしてきます。4時間強歩いてやっとテン場着。ここは地蔵山北西斜面からの沢が出合う位置になります。テン場にするにはここが一番効率的なのかなと。テントを張って、いざ堂津岳へ!

 
まずは柳原岳を目指します 稜線は割れ目あり

荷物が軽くなって楽になりました!堂津岳へは二グロ川の西俣川を遡るのが一番早いと思われますが、せっかくなので稜線も歩いてみたいとまずは柳原岳を目指します。柳原岳北に突き上げる沢を詰めます。沢床の広い谷で滑るのもいい感じです。沢の斜度は緩いままに楽勝で稜線へ。

 
地蔵山と乙妻山 ありゃりゃ・・・

柳原岳への稜線は傾斜もきつくて雪も割れてたりで苦労。腰痛用のコルセットを締め過ぎたためか息切れが激しく、なんだか身体がおかしな感じに。普段ほとんど攣らない体質なのですが、脚だけでなく腹筋や腕、ストックを握る手のひらまで攣るように。コルセット締め過ぎで、身体が酸欠になってしまったのかも…?コルセットをはずして息切れは解消しましたが、攣るのは戻らず…。

 
ここは板を背負って歩く 堂津岳山頂

雪割れ、雪庇…やはり残雪期の稜線歩きは前途多難なのか…?果たして堂津岳まで辿り着けるのか…?柳原岳山頂は絶景でありました!頸城三山がパノラマで広がっています。目指す堂津岳は手前のピークに阻まれて見えず…。先へと進みます。1832mのピークから先はしばらく二重山稜に広い尾根ではかどります。そして、堂津岳の手前のピークと思われる真っ白なポコが目に入ってきました。あそこまでは行けそうだ!


火打山、妙高山


天狗原山、焼山、火打山

…と思ったら、1ヶ所雪が切れててスキーを背負う羽目に。まあ、難所ではなかったのでホッ…。地図上では堂津岳手前のポコから堂津岳までが痩せ尾根に見ます。ここが一番の懸念でしたが、行ってみるとスタスタと歩けます。そして難なく堂津岳登頂!眺めはいいんですが、空気が霞んでて北アルプスとかは近くが薄っすら見える程度。妙高、火打、焼山、天狗原山、雨飾山、大渚山…も見えるけど、クッキリ見えなくて残念でした。もう春ですからね〜。


明日登る地蔵山 左に下がる斜面を滑りました

水を500mlしか持って来なかったので水不足。これも攣る原因だったかも。山頂ビールはこの上ない美味しさ。もっとたくさん飲みたかっなあ〜。でも、これ以上飲むとこの先に影響しそう。滑る斜面は急ですねぇ〜。西俣川を詰めた場合でも、最後は相当な急傾斜で大変だったかも…。

 
大渚山と雨飾山 東山

堂津岳は奥裾花自然園の方から登ってくるのが普通のようです。拓かれた道もそちら方面から。今年は奥裾花自然園への林道が大規模な土砂崩れで開通の目途が立たないようです。例年だったら奥裾花方面から登ってくる人がいたのかもしれませんが、今年は断念してるでしょうね…。

 
稜線からは結構な急斜面 ひと滑りして

堂津岳のひとつ南のピークから滑ります。稜線から一段は急ですが、スキーで降りるには問題なし。上手には滑れませんが…。雪はグサグサです。堂津岳山頂直下は大規模な全層雪崩で地肌が露出。怖い怖い!斜度が緩むまでは腰が怖いので降りるだけ。谷に降りて手頃な斜度になってからはテレマーク!雪もザラメで快適テレマーク!今日はスキー登山なんですが、1本でも気持ち良く滑れたので満足です。

 
大規模な雪崩 デブリ末端より
 
堂津岳の東面 二グロ川上流は癒し系

本流に合流してからは、時々漕いだりカニ歩きする場面も。それでも滑って進めるので楽です。ブナの谷を気持ちよく流します。東俣川との二俣には広大なデルタ地帯があります。このあたりから谷が開き始めます。テン場に着く前にどこかで水補給しなければ。東俣川と出合ってすぐのとことで無事水補給。明日のぶんまで確保したので安心です。

 
途中で水を汲んで テン場に着いて宴会!

テン場に着いてさっそく宴会開始!ビールが旨すぎます!テン場のロケーションは最高!この台地は数百張り以上張れるスペースがあって、そこに自分たちだけという贅沢なロケーション。1泊なのでツマミもしこたま。夕飯本体までにだいたいお腹は満たされます。西の山に日が落ちると寒くなります。適当なところでテントに入って夕食。夕食はラーメン。身体は水分と塩分を欲しているので、そのぶん余計に美味しかったような…。今晩は暖かいとふんで、夏用の寝袋持参です。シュラフカバーもナシ。その代わりに夏と違うのはユニクロダウンジャケットとフリースのズボン着用。気温は夏の北アルプス3000m並みだったと思うけど、地べたが雪ってぶん寒かったのかなあ…という感じ。とりあえずぐっすり寝ることができました。

◆4月27日(日) 地蔵山  晴れ時々くもり

5時に起きます。今日も快晴ですね〜。ただ、やっぱりちょっとシラ〜ッとしてますね。気温高いから仕方ないです。自分の中では今日の地蔵山が本番。きのうの堂津岳は信州百名山にラインアップされてて、いつかは登らねばならない山なんですが…。地蔵山も堂津岳同様に一筋縄ではいかない雰囲気があります。トライして跳ね返されたら仕方ないと…。

 
朝のテン場 ブナの台地を出発

二グロ川のテン場付近、こんなに立派な川とは思いませんでした。かなり上流なのでてっきり難なく渡渉できるのかな…と。きのうの堂津岳の帰りに渡渉ポイントを確認しておいて正解です。最悪でもあそこで対岸に渡れる…。とりあえず川に降ります。渡渉ポイントを探りながら遡りますが、やっぱりないです。結局はきのう確認済のポイントへ。

 
無事渡渉 少し登ると火打山など

対岸に渡渉して、適当に登っていきます。谷から尾根へ。朝の西面ということで雪は堅くて登りにくい。地蔵山の山頂まではずっと西面なので、この先も雪が堅いことが懸念されます。登ってるところは地蔵山の西北西の尾根。日当たりは良くないものの、気温が高いので急斜面でもわりと登っていけます。

 
目指す地蔵山 昨日登った堂津岳

1700mの三角の頂点で一休み。振り返れば昨日の堂津岳が見えますね〜。そんなに存在感のある山には見えません。やっぱり火打山、焼山は立派です。さらにシールで登ります。頂稜への最後の200mくらいは急なのでアイゼンかと予想してましたが、意外と登っていけますね。もしや、このままシールで…は甘く、最後のひと登りが不可能っぽい。その前に予めアイゼンに切り替えておきました。

 
中腹はいい感じのとこが多かった 頂稜直下は急斜面

ダケカンバの窪でアイゼン装着。あらら…左のアイゼン壊れてます。長さ調節の留め具が破損…。思い起こしてみると買ったのは1996年か。18年…。とりあえず今シーズンは補修でごまかすとしても、命を預かっている道具なので買い替え検討だな。雪もある程度緩んでいることだし、今日のところは右足のみアイゼンで登りましょう!緩んでいるとはいえ、なんかちょっと怖い気もするなあ…。傾斜は45度以上ありそうだし。ピッケルないし…。途中からこーちゃんに先行してもらい、足跡付けてもらいます。


天狗原山、焼山、火打山


火打山と妙高山

登り切ったところが地蔵山頂稜の西端になります。あとはテクテク横移動。歩いてるとツボ足トレースが合流。足跡の感じからして昨日かな。まさか登っている人がいるとは…。トレースは北斜面から来てました。どこからアプローチしたんだろ…?最後にひと登りして地蔵山山頂です。


黒姫山と佐渡山

針葉樹に囲まれてる地蔵山のイメージでしたが、展望はなかなか良好であります。妙高・火打・焼山はもちろんのこと、一番デカいのが乙妻山。有名な乙妻山北東斜面が間近に大きく見えます。カメラを望遠にして覗くと人がいるではないですか!残雪量的には北東斜面は十分です。戸隠大橋からでなく笹ヶ峰から入ってるんでしょうか…。あとは黒姫山が近い。


高妻山&乙妻山

無事、地蔵山に登頂したので、あとは無事に下山しなければ…。頂稜を少し西に戻って一段降りたところをドロップポイントに。ここは妙高方面から見ても疎林のきれいな斜面なんですが、上から覗いてもきれいな斜面が続いています。正面には火打山が見えて、ロケーションは最高です。


火打山を見ながら一直線の斜面を滑ります

こーちゃん滑ります。見えてる斜面を一気に滑り切ります。勘弁してぇ〜。雪はまあまあ緩んでいるものの、斜度があるので抑えるのが大変。太ももが悲鳴を上げます。2本目はこのまま降りるとデブリがあったので、ひとつ東の斜面に乗り換えます。斜度が少し緩んで滑りやすくなりました。さらに滑って、3本で谷地形となりました。なかなか爽快な斜面でした。でも、ここを滑りに来るまでに大変な労力が要るので二度目はないです…。

 
徐々に斜度が緩みます 無事渡渉終了

このまま沢を滑ると二グロ川を渡れないので、左岸の台地を滑ります。ブレーキかかりまくりになりになってきました。ある程度まで滑って1548mの南コルまで登り返して登りの渡渉点に降りる予定でしたが、なんとか降りながら巻き切れる感じだったのでそうします。うまいこと登りの渡渉点に戻ることができました。無事テン場へ。

あと1本残っていたビールを飲みながらテント撤収。来る時4時間かかった道のりを戻ります。帰りは赤尾岳北のコル経由で近道のつもりが、意外と手間食ったりで短縮できなかったような…。それでも1時間くらい短縮し、3時間ほどで車のところまで戻れました。最後の杉の沢橋からが疲れたなあ〜。

3週連続で苗名の湯です。たくさん汗かいたので気持ち良かったです。これで数年来懸案だった地蔵山が片付きました。ついでに堂津岳も登頂です。長いアプローチとスキー向きではない登りだっただけに、後に残すことなく登頂できて良かったとつくづく思いました。こんなのやり直しはしたくないですんで…!

    



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