烏帽子岳と竹村新道
なんなんでしょうね…今年のお盆の天気は…?お盆に悪天続くのはたまにあることだけど、今年はひどいかな。最初の土日は台風直撃で、台風が行ったあとは梅雨よりも梅雨っぽい天気が続いています。今年の梅雨が空梅雨気味だったので、埋め合わせをしてるかのようです。今年の盆休みは後ろ側の5日間だったんですが、5日山に入れるような予報ではございません…。なんとか隙を見て2日ほど山に入ってきました。 ◇8月13日(水) 七倉−烏帽子小屋 烏帽子岳から南沢岳散歩 晴れのち時々霧13日はまあまあの予報だけど、14日がなあ…。午後から雨っぽい。駐車場の心配やら、テン場の心配やら、天気のことやら…考えることが多過ぎ!そこで駐車場のハードルが低く、早く着けばテン場も大丈夫かな…ということで、ブナ立尾根から烏帽子に上がることにしました。天気のマシな初日は烏帽子岳−四十八池−南沢岳の散歩に当て、天気の良くない2日目は赤線引きに徹します。まだ通ったことのない竹村新道を下る予定にしときます。
6時頃に七倉に着くと、ほぼ満車でした。軽自動車なので隙間に突っ込みます。七倉といえどもナメてはいけませんな〜。タクシーの勧誘を振り切り、貧乏人は高瀬ダムまでトボトボ歩きます。相乗りすれば何百円で済むけど、なんか意地みたいなもんですね〜。ダムのジグザグは一つ目を直登してみますが、急なので結構足に負担が…。荷物が軽ければいいけど、重い時はおとなしく車道を歩いた方が身のためです。
ダムから登山口までも、なんやかんや30分くらいかかるんですが、こちらは車道じゃないので気分的に楽です。登山口の脇の水場でペットボトルを満タンに!ひたすら登るのみなので、ついつい力入り過ぎます。天気は今のところ上々!果たして昼の散歩の時間までもってくれるか…?今朝は冷え込んで安曇野市でも15度くらい。汗はかくけど、わりと涼しく登れたのかな。
最初頃は人が少ないなあと感じてたけど、登るにつれて追い越す人が増えました。荷物で判断するに、小屋泊まりよりもテント泊まりの人が多い感じです。しかも若いカップルの多いこと!逆に小屋泊まり風の若い人が少ないですね〜。昼に着けばスペースは余裕と思うけど、少しでもいい場所に張りたいところです。テント泊まり組を10組くらい抜いたかも…?11時前には烏帽子小屋到着。
今年から北アルプスのテン場は軒並み大幅値上げとなってますが、烏帽子小屋は据え置きの500円。ただ、ビール(350ml)が600円でした。珍しく500mlは売ってないような…。テン場は縦走路を南に数分。段々畑状のスペースと、下の池のほとりに広場風のスペース。池まで降りると小屋が遠くなるので、段々畑の中段くらいのところに決定。まだまだ余裕でしたが、それでも10数張りはあったのかなあ…。
ビールが旨いです!グビグビ飲みながらチンタラとテント設営。この時間が一番好きかな。のんびりしたいところですが、空の雲は多くなる傾向。少しでも天気の良い間に散歩に出掛けましょう。散歩といっても、地図の時間で3時間40分。チョロい日帰り登山レベル。チンタラ散歩してると、テン場に戻るのは夕方だな。ちゃんとザック背負って散歩です。
ニセ烏帽子からの眺めが絶品ですな〜。烏帽子岳がニョキっと聳えてカッコイイです。花崗岩の稜線は明るくて気持ちいいです!コマクサがたくさん咲いてますが、ほとんどヨレヨレで生きの良い花はもうないです。白っぽいコマクサが多かったです。完全に白ではない。遠くに立山、針ノ木岳、餓鬼岳&唐沢岳が見えています。だんだんと雲が増えてきましたなぁ〜。
帰りだと寄る気がしなくなるだろうから、はじめに烏帽子岳アタック!縦走路は何度か通ったけど、烏帽子岳山頂は16年ぶりだぞ!ブナ立尾根で頑張った代償か、登りの足が激重です。ほぼ空身なのに…。最後に岩をよじ登って烏帽子のピーク。山頂は平らなところがないけど、幸いにも誰もいませんでした。あとから若者3人組が登ってきたので、さっさと降りることにします。
烏帽子の登りくらいから雲というよりも、ここに霧がかかるように…。あ〜あ〜。と思ったらまた晴れたりで。烏帽子の次のお目当ては四十八池。池塘とお花畑がいいとこです。でも何か物足りない…と考えたところ、先週は白馬に行ってたんです。白馬と比較すると、さすがにショボく感じてしまいます。ちょっとモサい感じでした。
お盆にもなると花は終盤で、チングルマはほとんど綿毛になってます。ここはツガザクラが多いですね。あとはミヤマキンバイとキンポウゲがたくさん咲いてます。四十八池を抜けると再び花崗岩の乾いた稜線に。足がダルイので南沢岳の登りを前に引き返したくなりましたが、ここは気持ちに鞭打って頑張ります。烏帽子にニセがあるように、南沢岳にもニセがあります。さらにもうひと頑張りで南沢岳山頂です。
しかし人が少ないです。烏帽子岳にはたくさん人がいるけど、烏帽子岳から北はほとんど人影なし。船窪方面から縦走してくる1人に会っただけです。天気が悪いので縦走する人も少ないだろうし…。南沢岳には50分いましたが、誰一人現れませんでした。いいとこなのにな…。烏帽子から南沢岳までなら、たいし労力なしに来れるので、時間があったら是非登りたいところです。その先不動岳までというと、上り下りが激しいので厳しいですが…。
誰もいない山頂の大岩に腰を落ち着けます。ビールをプシュ!食い物も補給したいとこですが、なんとまあ食べ物を忘れてきたのであります。烏帽子で気付いたけど、時すでに遅し…。足のダルさもさることながら、お腹ペコペコで力が出なかったのであります。朝コンビニで食べた朝ご飯だけで、登りは何も食べなかったし…。ビールのカロリーでテン場まで持たせなければ…。
烏帽子でガスり始めたけど、また晴れたりを繰り返します。時々景色は見れたのでヨシとします。往きは景色を中心に、帰りは花を中心に写真を撮ります。南沢岳を下ると、あとはニセ烏帽子までダラダラと登ります。ニセ烏帽子の最後の登りはきつかったなあ…。結局テン場に戻ったのは4時過ぎでした。テン場はやっぱりかなりの埋まり具合い。快適スペースはもう残ってないのかな…?下の方まで降りて見てないのでわかりませんが…。
米は浸けておいたので、あとは炊くだけ。ところがライターが点かん…。予備を出して点けるもダメ…。先週は使えたのに…。となりのテントのおにいさんにライター借りました。助かりました。もし一人だったらどうしたかな?本日4本目のビール!3本は持って登ったので、小屋で買ったのは1本。最近では「スーパードライ」よりも「のどごし」の方が美味しく思います。貧乏性か。 ◇8月14日(木) 烏帽子小屋−竹村新道−湯俣温泉−七倉 曇りで降ったりやんだり夜は雨が降ったり、深夜に出ていく人がいたりで、何度も起きてあまり眠れず…。そのぶん明け方の目覚めが悪くウダウダ〜。ライターをお借りした隣人の出発の時に頑張って起き出し、ライターを返却です。助かりました〜。4時ごろに起きたんですが、この時で雨がパラツクお天気。予定は竹村新道。でも雨の中歩く気はしないので、昨日登ってきたブナ立尾根をそのまま下山ですな〜。
のんびりと朝飯食ったりしてたものの、雨はあれ以来落ちてきません。外を覗くと、空は鉛色ですが三ッ岳とかクッキリと見えてました。撤退する空模様でもないし、テント畳んでもこの状態だったら竹村新道に行こう!あとほど悪天予報だけど、稜線歩いている時だけでももってくれれば…。テン場のテントは大半が撤収済み。隣の人も、その隣の人も三俣山荘目指して出発。この先も雨マークが続く予報だけど、北アルプスの奥地に入ると大変だぞ〜。
空は相変わらずの鉛色。しかし、山の高さに雲はなく、視界はわりと良好です。どっちかというと南の方が空は暗く、北は明るく青空も見えます。北に向かいたいところですが、竹村新道は南の方角。悪い方に向かって歩くことになります。三ッ岳に登る途中、高瀬ダムと唐沢岳が漂う雲と朝の太陽で幻想的でした。
三ッ岳に登ると、先の野口五郎岳が見えてきますが、モワ〜っとしたガスに覆われています。燕岳の方も雨が降っている感じ。そして三ッ岳にもポツポツと雨が…。仕方ない、カメラしまうか。三ッ岳から野口五郎岳まではアップダウンの少ない稜線歩き。足は楽。天気が良ければ縦走感度の高いところです。しかし今日はイマイチで…。
野口五郎小屋に近づくにつれて天候悪化。ガスが濃くなってきて、西からの風も強くなってきました。周りの人はみんなカッパを着ますが、ボクはカッパ無しがちょうど涼しいくらいで気持ち良かったです。野口五郎小屋は結構な賑わい。普通、午前中のこの時間はガラガラですが、今日はこんな天気なのでオアシスっぽくなってるのかも。出発の様子見の人が多いのかな?今日はここで泊まるという声もありました。このままならまだしも、天候が悪化しての稜線歩きはキツイですからね。
野口五郎小屋から先は歩いている人がほとんどいません。みなさん小屋で足止め?野口五郎岳は巻きます。目的は竹村新道なので。悪いままかと思っていた天気ですが、時々霧が取れて視界が開けます。水晶岳や鷲羽岳など高いところは雲の中です。真砂岳を巻き切ったところが竹村新道の分岐。ちょうど隣のテントの人がいました。1時間半近くあとに出たのに…。
さてさて、ここから今回の命題であります竹村新道の赤線引き。縦走路から離れていきなり道が薄くなります。先が思いやられるなあ…と思っていたら、悪いのは最初のトラバースだけで、稜線に戻ったらまともな道になりました。ただ、稜線は険しくて崩壊してる箇所もあり、道は荒れていました。北東側を巻くところにはお花畑も。今回の中で一番感じの良いお花畑だったかも…?
気分は下山ですが、南真砂岳までは高度を下げません。まだまだ縦走感覚です。振り返ると野口五郎岳−ワリモ岳−鷲羽岳の稜線が見えるんですが、初めて見る角度なので新鮮。晴れて展望の良い日にまた来てみたいと思います。登山道を見てると、どうも今日っぽい足跡がありますね。多分下りの…。先客がいるようです。クモの巣は大丈夫だな!
南真砂岳直下で登山道は左から巻きます。せっかくなので南真砂岳にも立ち寄ります。展望いいですね〜。晴れてればなあ…。硫黄尾根が異様です。ひときわ赤茶けてます。その向こうに北鎌尾根の下部と、さらに向こうには東鎌尾根も見えています。もう少し雲が上がってくれれば、北鎌尾根から槍ヶ岳が姿を現してくれるのに…。残念。野口五郎岳から鷲羽岳にかけての稜線も迫力ありますね〜。
ここから下りの本番です。しかしまだ湯俣岳の登り返しが…。100mくらいの登りかな。ガンガン下ってると登りの登山者が。湯俣を朝出てきたんでしょうね。聞いてはないけど、テント入ってそうなので今日は三俣山荘でしょうね。天気によっては五郎の小屋の可能性もあるか。下るにつれ灌木帯となり、湯俣岳とのコルは針葉樹の暗い林に突入です。コルはちょっと湿っぽかったです。池もあったりで。
湯俣岳山頂で休憩のつもりでしたが、ザックをおろした途端に蚊が集合!一瞬で取り囲まれてしまいました。服の上から背中を数ヶ所。慌てて虫よけを噴射しますが、蚊が多過ぎて役に立たず。逃げるようにザックを背負って出発。ここまで時々霧雨は降っていたものの、粒のある雨は降っていませんでした。湯俣岳を発ったところで本降りの雨が…。カッパを着て汗をかいて濡れるか、カッパを着ずに雨で濡れるか…。雨に濡れましょう!樹林帯ですしね。 だいぶカッパ着ずに歩いてましたが、樹林からの滴がひどくなってやむなくカッパ着用。ズボンは着ず。泥やら木の根っこが滑るのがいやらしい。湯俣岳からはコンスタントに下ってくれました。だいぶ降りたところで岩稜となり、水俣川を見下ろす展望台に。いい景色!ザレた斜面を下ると晴嵐荘に到着です。竹村新道は登山者が少なく行程が長いので、荒れ気味の登山道なのかと思っていました。しかし、稜線直下の難所以外はキッチリと整備されていて、想像よりもずっと歩きやすい道でした。
雨でも休憩できるように、玄関先に屋根替わりにシートを張ってくれてます。その下で休憩。実は湯俣温泉に来るのは初めてであります。温泉にでも浸かっていけばいいんですが、まだまだ先は長い。時間的には大丈夫だけど、温泉に力を吸い取られそうなのでやめときます。温泉は湯俣温泉に泊まる時に入りたいと思います。
あとは登りも下りもほとんどありません。川沿いの道と車道歩きです。高瀬ダムまで9.4キロ、そこから七倉まで約5キロ。最後の最後にきてのコレはキツイです。救いは雨が上がったことくらい。途中で足が痛くなってサンダルに履き替えます。高瀬ダムでタクシーの勧誘を振り切り、車道をトボトボ歩きますが、タクシーが通るたびに拾ってくれないかなあ…と思いながら歩いていました。やっとって感じで七倉到着です。 お盆休みの最終日17日にコレを書いてるんですが、今日も朝から雨のお天気です。そして朝から遭難のニュースと大雨のニュースばかり。赤木沢や新穂高から槍への登山道でも発生してます。もしかしたら、まだ発覚してないのもあるかもです。今日は高山で豪雨。宮川が氾濫してるようです。まだ北アルプスにいる人も多いだろうから、新たな遭難が心配されるところです。こんな天気の時に山に入らなくてもね…。季節は一応盆ですけど、天気図は梅雨末期の大雨降る時と同じですから。
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