小仙丈沢 沢登り2個目の大滝
お盆明けの週末は南アルプスは仙丈ヶ岳、小仙丈カールに詰め上げる小仙丈沢に行ってきました。5年ぶり2度目となります。もともとの予定では北陸方面の沢でした。ところが直前の木曜夕方の予報で北陸方面に雨マークが付いてしまいます。で、もう新しいとこ考えるのも時間的に無理なので、代替え沢としてこの小仙丈沢が採用されたという運びであります。小仙丈沢は明るい沢で、最後は小仙丈カールに出ます。ややこしいところもなく、時間的にも余裕があるので、こんな感じの?の企画にはピッタリの沢なのかなと思います。 8月22日(日) 北沢峠から小仙丈沢2000m弱のテン場こんな感じの企画?のメンバーは関東チーム3名(まー君、まきchin隊)、松本チーム4名(S子ママ、ask、T世)の計7名。朝の7時頃長谷の仙流荘に集結です。盆も明けて若干シーズンオフになったのか、この時間でも駐車場には隙間がたくさん。8時5分のバスに乗り込みます。朝から既に400人上がって行ったそうだけど、今の時間はもうチョロチョロです。 ■北沢峠から小仙丈沢入渓点までは林道歩き北沢峠からは林道を歩きます。野呂川出合までバスだと10分。でも、乗り継ぎ悪いので歩きます。緩い下りで45分ほどなので、たいした苦にはなりません。空は雲が優勢だけど晴れ間もあり。北に悪いヤツがいるので南風。雲の流れが早いです。雨さえ降らないでくれれば今回は上出来です。野呂川出合から両俣小屋方面の林道へ。こちらは少し登り加減。宴会資材満載のザックだと、登りに差し掛かると急ブレーキかかってしまいます。 正面に小仙丈沢の全景を見渡せるようになってきたら入渓点近し。同時に見えてきたものは沢風の4人組の姿。もしや…。声を掛けると、やっぱり…というか当然小仙丈沢。しかも2000mのとこで泊まるそうな。4人でタープ1枚らしいので、コンパクトには収まりそう。ただ、こちらが…。テント2張りとタープだからなあ…。
■初日は沢を歩くのは1時間足らず・・・で宴会橋のたもとから沢に入ります。すぐの堰堤を右から越すけど下りが悪い。荷が重いので、ザックを受け渡しして空身で降りました。多分もうひと巻きした方が楽で早いです。こんな場合はこんな風にする…というだけの話。しばらくは倒木が多くて、渓相も暗めで不快。 最悪の場合を考えて、テン場を物色しながら登ります。7人分の宴会場となると簡単にはないです。それでも、優良とはいかないけど、何とかなりそうな物件は2つほど確認。5mほどの滝を越えると沢は開けます。そこからひと登りで宿泊予定地であります2000mの台地。先行の4人組は既に薪集めにかかってます。少しお話します。スペース的には2チーム合同も可でしたが、こっちは7人もいるので遠慮しとくのが筋かな。他になければアレですが、5mの滝を登ったすぐ右に7人分の宴会スペースはあったし。ということで、本日の宴会場決定!
■予定の宴会場は先客あり・・・で別の物件を宴会場が決まったら、さっそく宴会準備。薪拾い、テント&タープ建設。焚き火に火が着き、高級素麺が空いたお腹に流れ込みます。焚き火の勢いが落ち着いたところでBBQ!定番の豚バラ、鶏肉などが串に刺さります。公式食糧の他にも、みなさま持ち寄りの楽しい食材が途切れることなく出てきます。ちなみに酒類はビール4本、日本酒5合、焼酎500ml。完売!
■長時間宴会に突入!3時か4時くらいだったか、10人以上(2パーティー)が通過していきました。それにしても小仙丈沢、人気だなあ。5年前なんて、そんなに人が入った形跡なかったけどなあ…。2000mのテン場もキャンプ場みたいに整地されてたし。翌日通ってみると、その上に2段くらい快適スペースができていて、たき火跡も見ただけで4ヶ所もありました。4パーティー分なら余裕でした。 心配していた宴会中の雨。おかげ様で一滴も降らず!いつ降り出しても逃げ込めるように張っていたタープも出番ナシに終わりました。テン場に着いたのはお昼前、なんやかんや宴会開始はお昼過ぎ?最初頃は『まだ2時だ』とか『まだ3時だ』とか言ってたけど、いつの間にやら暗くなります。そのうち一人また一人、宴会から脱落。毎度のことながらワタクシは最後まで。そして翌日に影響が…。
8月23日(日) テン場〜小仙丈岳〜北沢峠ゆうべは最後まで起きてたのに、何故か一番に起きて焚き火に着火。そのうち一人また一人、起き出してきます。今朝の空は晴れ間が優勢!清々しい感じの朝です。朝飯は雑炊だったけど、ほんの少ししか食べれず…。でも、この時点では酒が残ってるような感覚はなかった…。ダラダラと準備をして7時頃スタート。
■1つ目の大滝へ なかなかご立派な滝です歩き出すとすぐ、前方に大きな滝が見えてきます。地形図の滝マークのある滝です。早くから見えてるもんで、なかなか近付いてきません。結局、滝の下まで30分。なかなか迫力のある滝です。この滝、2段になってて、上の段のが本体という感じ。本体はほぼ直瀑。滝は立ってるけど、側壁が緩いので圧迫感はないです。青空と木の緑と水の白がキレイ!
■2つ目の大滝はさらにご立派!1つ目の大滝を登ると、すぐに2つ目が見えてきます。その間はやや荒れた感じのゴーロ。近付くと2つ目も2段。上段は水流が一条、下段は幅広になってて、見た目もいい感じの滝です。左の枝沢に取り付きます。ロープは使わずに登りました。難しくはないけど高さがあるので、ここはロープ出した方がよかったな。抜け口が少し悪かったので…。残置もたくさんあったし。…と。いつも後から思うのであります。
■大滝を2つ越えると、小仙丈カールまでひたすらの登りとなります枝沢の滝を登り切って本流にトラバースしたとこで休憩。この頃から胃がむかつくように…。吐き気がしてきて脂汗がダラダラと…。吐けば楽になるんだろうけど、出てこない…。次の休憩くらいから少しずつリバース開始。このあとは歩きながらもリバース。ひたすら登るだけの区間は、とにかくしんどかった。一人だったらしばらく寝てたな。カールに出たところのリバースが最後で、そのあとは回復に向かいました。ただ、精根尽き果てたのか、下りでは普段感じたことのない疲労感がありました。 その話はいいとして、大滝二つを越えるとアトラクションと呼べるものはオシマイ。でも、沢はコンスタントに急傾斜。ほぼゴーロ滝なんですが、たまにトイ状の連瀑帯みたいなのもあって楽しいです。胃以外は。両岸の黄色い花がすごかったなあ。花自体は可愛くない花だけど、これだけ群落になると圧巻の景色だわ。
■だんだんと源頭の雰囲気に急傾斜のわりに彫は浅く、右岸が段丘のようになっています。段丘には薄く踏み跡があって歩きやすい。もちろん水流通しでも登れます。元気だったら水流歩いてたかも…?2550mあたりの二俣を右へ。左に行くと小仙丈カールの一段下のカールに行ってしまうのかな。カールはまだか、カールはまだか…と思い始めてからが長かったなあ…。
■小仙丈カールに登り上げました あとはカール壁を・・・水源で水汲み休憩。そしてカールのモレーンみたいなところで沢靴→山靴休憩。あとはどこから稜線に出るかだな。さっきまで青空が多かったのに、今は稜線に霧がかかってます。前に来た時は視界があって、稜線に続くザレのラインを登ったはず。靴を履きかえている間に稜線の霧がなくなってくれました。でも、ザレラインはよくわからん。 最低コルに直で登るのが最短だけど、ハイマツのヤブ漕ぎ付き。探りながら進んでみることに。すると結構な踏み跡がありますな〜。以前はこんなのなかった気がするが…。上半分はかなり急。小石が斜面に留まっていられる最高の斜度ってことかや。それ以上急になると岩だけ残る…?踏み跡ないと蟻地獄。良い踏み跡を選びながら登っていきました。登ってる時に視界があってよかったです。ないと不安に感じるだろうな。
■北沢峠に降ります稜線に出て沢登りは終了。疲れました…。胃の調子は良くなって、今度は空腹と水不足。ゼリー系をまきchinに恵んでもらって少し楽に。でも、下りでは荷物と体重を支える脚に力が入らず、辛い下りとなりました。多分、水不足だな。下山が仙丈ヶ岳のメインルートで助かりましたね。変な道だと、もっとキツかったに違いない。 北沢峠には14時くらいに着いたのかな。仙流荘に戻るバス、定期便は13時のあとは16時。その間は28人になりしだいバスを出すという仕組み。着いた時に出そうだったバス、あと5人乗れる状態だったけどウチらは7人。次に28人たまるまで待つことに。ちょうどビール飲んだり休憩できてよかったかな。
■仙流荘で温泉浸かって、ソースカツ丼へ!仙流荘で温泉。沢から降りて移動なしで温泉はありがたいです。本当に日曜の午後か…ってほど空いてたし。温泉手形も使えたし。温泉のあとはソースカツ丼。伊那の『たけだ』へ。5時過ぎに行ったらもう行列が。車は8割方は県外ナンバー。人気あるんですね〜。どうも回転が悪いようで、小一時間待たされました。後にいた人たちはもっと待ったんだろうなあ…。遠くから来てるのに。胃はほぼ復活したけど、さすがにロースの脂はもうたくさん食べれる歳ではありませんな。
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