千丈沢から槍ヶ岳 川歩き



北アルプスらしいスケールの大きな川でした


千丈沢の最後の詰め

■2016年8月13日(土)〜15日(月) ■北アルプス 槍ヶ岳 ■メンバー:T世
■コースタイム   ◇1日目 晴れのち時々くもり
高瀬ダム(6:00)⇒湯俣温泉(8:50〜9:10)⇒千天出合(11:25〜40)⇒テン場(14:30)
◇2日目 晴れのち時々くもり
テン場(6:40)⇒六ノ沢出合(7:15〜25)⇒2402m二俣(8:35〜45)⇒千丈沢乗越(9:55〜10:15)⇒槍ヶ岳肩の小屋(11:25〜35)⇒殺生ヒュッテ(11:55〜12:20)⇒ババ平(14:05〜10)⇒横尾(15:40)
◇3日目 くもり
横尾(6:25)⇒上高地(9:00)
■温泉:  ■食事:

高瀬ダムから入って千丈沢を登り槍ヶ岳へ。で、槍沢を下って上高地に降りてきました。もともとの予定は天上沢を下って高瀬ダムに戻るという、北鎌尾根をグルリと回るコースでしたが、諸事情あって上高地に下山です。中流部は渓谷美を楽しみ、源頭部は開けたカール状のロケーションを堪能です!

■1日目 高瀬ダム〜湯俣温泉〜千丈沢1950m付近 

不安定な天気が続いていましたが、盆前になってやや安定してきました。ただ、盆休み後半はどうなるか…って感じの中の出発です。七倉の駐車場は満車で、なんとか無事路駐!?七倉のゲートが開くのは5時半。タクシー待ちの列に並びますが、一便目には乗れず折り返しの車を待ちます。始発だけでも車増やしてくれればいいのに…。高瀬ダムの中ほどまで進んで降車。湯俣に行くのに行き過ぎだ〜

■高瀬ダムから湯俣温泉までの横歩き

タクシー数台分のお客さんは、うちらを除いて全てブナ立尾根方面へ。ダム湖の縁の水平な車道を歩きます。天気はどうかなと思ってたけど、朝からまずまずの晴天です。午後は降水確率高くなってますが、夕立は覚悟しておきます。すれ違うお客さんはわりといましたね。竹村新道を降りてきた人もいれば、湯俣温泉が目的の人もいそうな感じ。なんにしても、湯俣温泉までの3時間弱は疲れますな…。

吊り橋を渡れば晴嵐荘ですが、北鎌尾根や墳湯丘は吊り橋を渡らずに直進。そして、その先の取水堰堤の先が水俣川と湯俣川の出合いとなっております。その上流に架かる吊り橋を渡ってから川に降りて、そこで沢登りの格好になります。渓相は湯俣川のほうがキレイなので、そっちに心を惹かれました。

高瀬ダムの堰堤上 ダム湖のほとりを歩きます
ここから登山道
湯俣山荘 新旧標識が入り混じって

■いよいよ水俣川の川歩き

さて、水俣川の遡行開始!心配していた水量ですが、まあ想像していた範囲内かな…。それでも、水圧はなかなか強かったです。なので、どこでも自由に渡渉できるという感じではなかったです。今回は渡渉用にストック持参!3本目の足みたいなもので、安定感があって有効でした。さすがに北アルプス、水は冷たいです!

砂地には先行者の足跡がクッキリ残っています。前回の雨以降の足跡ですね。まあ、十中八九は北鎌尾根でしょうね〜。中間あたりにある中東沢からは、大量の土砂の押し出しが…。水俣川は河原になったり、両岸が切り立ったりしながら千天出合へ。出合で休憩していると、天上沢から4名が下ってきました。北鎌尾根からの帰りなのかなあ…?


こちらは湯俣川  惹かれます!


こちらがこれから歩く水俣川


沢じゃなくて川ですな


見た目より水圧ありました


中東沢からの土砂の押し出し


北鎌のアプローチ用?


北鎌尾根


川の感じもいい感じ


時々ゴルジュ状になります

■千天出合から千丈沢に入ります

千丈沢に入ります。単純に水量は半分になるはずだけど、そのぶん谷も細くなるのか水圧は相変わらず。何度も渡渉を繰り返しながら進みます。今夜のテン場は中山沢を越えたあたりを考えていました。出合付近は川の傾斜があり、川幅も狭くて適地なし…。

なんとなく水量が減ってきたな…と感じていたんですが、中山沢出合の先でいきなり伏流…。あの水量がいきなり伏流するなんて信じられなかったです。水がないと泊まれないぞ…。ちょっと焦りましたが、100mくらい登ったとこで水流が復活。だいぶ少ないですが。そして、そこにテン場適地も!


千天出合からすぐ先の巨岩?


水量はまだあります!


唯一といってよい滝といえるか・・・

■本日はナイスロケーションのテン場です

マキはありそうで意外と少な目。だいぶ遠征して集めてきました。2人なので大変です。覚悟していた夕立ですが、今のところ来そうな気配なし。テン場からは北鎌尾根と槍ヶ岳が見えています。谷底から槍の穂先が見えるとは思ってなかったです。日が沈むころには谷もガスに包まれてしまいました。明日の天気はどうかな?


本日のテン場


北鎌尾根と槍と小槍かな

■2日目 千丈沢1950m付近〜槍ヶ岳肩〜横尾 

暖かい夜でした。テントの玄関は網戸のまま寝てました…。テントの中から明るさを感じる5時ごろの起床です。恐る恐るテントから顔を出すと…晴れてる!今日も午後は夕立予報出てるだろうけど、千丈沢乗越に詰め上がるまでは晴れてて欲しい!焚火に火を点けます。晴れ続きでカラカラに乾いているので、夕べの薪はほぼ全て燃え尽きていました。

■六ノ沢出合まで本流筋を進みます

起きてから1時間半という、沢にしては早い出発。川幅は広いけど水は小川並み。今日は最初から登山靴で歩きます。上流に行くほど水量が復活してきましたが、登山靴で問題なく登っていけます。北鎌尾根から流れてくる支流をいくつか見送り、千丈沢乗越へと続く沢の出合で休憩します。出合には赤布がぶら下がっていました。この沢、エアリアには六ノ沢と出ています。本流にはまだ水が流れていて、平地も多いので、初日にここまでは進めますね。


早朝の槍と小槍


まだ日の刺さない谷間を出発


日が当たると明るくなりますね〜

■六ノ沢に入るとひたすらのガレ登り

六ノ沢は最初から水が流れていないガレ沢。はじめは傾斜も緩く、ガレも安定しているので登山道並みに歩けます。周囲はダケカンバやナナカマドなどの灌木。紅葉も良さそうですね〜。恐らく誰もいないでしょうから、素晴らしいロケーションの紅葉を独り占めできます。水の冷たさが問題だけど、秋になるぶん水量は減ってるかな…?

ガレ沢は徐々に斜度を増していきます。登るにつれ背後には硫黄尾根、その向こうには裏銀の山々も見えてきました。足元もだんだんと不安定になってきました。一歩一歩が重いです…。2402mの標高が打ってあるあたりで千丈沢最後の休憩。朝早くは北鎌尾根が盾になって日が射さないんですが、この時間になるともう射しっぱなしで暑いです!


千丈沢乗越へと詰め上げる六ノ沢に入ります


登るにつれ背後には硫黄尾根と裏銀の山々が


ひたすら登るという感じです

■千丈沢乗越への最後の詰め

このまま本流筋を詰めると、西鎌尾根の上部の岩稜に吸い込まれそう…。右の小尾根上から台地に出てみます。すると千丈沢乗越と思われる鞍部が確認できました。あとはひたすらカール状の浅い沢形を登るのみ。千丈沢乗越の標柱の立つ場所より右側は一段低くなっており、そこを狙って最後の力を振り絞ります。最後の数メートルは立っていて、登る場所を選びながらでしたが、なんとか西鎌尾根の縦走路に這い上がりました。


途中の喉の部分がちょっと急


稜線下のカール状


硫黄尾根が下に見えるようになってきた


北アルプスらしい詰めです


最後は急斜面を這い上がって西鎌尾根の縦走路へ

■西鎌尾根を登って槍沢を下っていきます

西鎌尾根に這い上がってホッとしたのも束の間、これから西鎌尾根の300m以上の登り。登山道は登るの楽だけど、もう体力的にキツイ…。ここは試練の登りでしたね〜。肩の小屋で少し休んで殺生ヒュッテへ。キヨシさんにご挨拶。ビール飲みながら休憩です。予定通り天上沢を下るのなら東鎌尾根ですが、今回は上高地に降りるので槍沢を下ります。ババ平のテン場はまだ隙間あったけど、時間もあるので横尾まで進んでおきます。最後はヨレヨレでした…


縦走路から見た千丈沢


写真よりは実物のほうが急です


さらに西鎌尾根を登って槍を目指します


この先に肩の小屋があります


こちらは槍沢カール


槍の穂先は面倒くさいのでパス


今年も殺生小屋に来れました

■3日目 横尾〜上高地 

最終日は横尾から上高地に歩くのみ。朝は晴れ間も多かったけど、時間とともに怪しい雲が…。上高地のバスターミナルに着いてバス待ってる間に雨が降り始めます。しかも本降り!きのうのうちに横尾まで進んでおいてホントに良かったです。バスと電車で自宅に戻り、七倉に置いてある車の回収がすんで、今年のお盆の山はオシマイ。。。







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