南岳新道と白出沢の道を歩く新穂高から南岳に登ってダイキレット通って白出沢で降りてきました 涸沢岳あたりからの槍ヶ岳
山に登る目的にも色々とありまして…。○○山山頂を目指す、稜線をつなげる、高山植物や紅葉を楽しむ…等々。で、今回はと言いますと、歩いたことない登山道を歩く!です。山と高原地図の『槍ヶ岳・穂高岳』にある登山道は主なところはだいたい歩いていますが、今回の南岳新道と白出沢の道は、長年の懸案となっていたのであります。無事歩くことができ、残るは下記の6か所のみ。覚え書きがてら書いておきます。 ・中尾温泉から焼岳 ◇8月25日(木) 新穂高から南岳小屋■新穂高の駐車場事情新穂高というと駐車場が悩みの種。谷間で土地がないのに、登山者が大勢集まるので、駐車場不足が慢性化しております。槍、穂高、笠、双六方面…と色んな山のベースとなってますからね。川沿いの駐車場はいつ行っても満車で、約200m高いところにある鍋平の駐車場へと追い上げられます。数年前まではこんなことなかったのになあ…。しかも今日は平日。 鍋平の無料駐車場に止めると、新穂高のロープウェイ乗り場あたりまで、標高差200m下って30分かかります。帰りはこれを登らねばなりません…。着いて200mは登れないので、今回はロープウェイを使いました。片道400円なので許せる範囲かな。それでも1.5キロ近く歩かされますが…。
■新穂高から槍平まではつまらん・・・新穂高から白出沢出合までは林道。そこから登山道になりますが、暗い樹林の中の登りで楽しくないです。黙々と歩くのみ。それに比べると上高地側は単調ながらもロケーションは良好です。穂高の西と東でえらい違い。槍平の直前でやっと明るく開けてくる感じです。天気は今のところ予想よりも晴れてます。稜線までもってくれるかな…。槍平でしばらく休憩。
■未踏の南岳新道へ けっこうハードさて、いよいよ今回の目的の一つであります南岳新道。南沢を渡ったあとは急斜面が連続。地形図見ると等高線が詰まりまくってますね〜。体力的にも一歩一歩が辛くなってきました。登る人も多くはないでしょうし、登る人もレベルが高そうな…?登山道の手入れもそれなりといった感じです。 急斜面が終わると尾根道となります。晴れていれば展望が開けるとこなんでしょうが、すっかり雲に覆われてしまいました。尾根道からトラバースしてカール状地形へ。ここも晴れてればなあ…といったロケーション良さそうなとこ。再び尾根に乗り直して、ひと頑張りで南岳小屋に登りあげます。
■夕方は日が沈んでから雲が取れましたテントの先客は1張りのみ。まだ12時半ですからね。最終的には10張りくらいになったのかな。今日は天気が不安定で、午後になって雷雨の予報。なので、できるだけ早く着いておきたかったのです。テント張っちゃえばこっちのもん!晴れてれば南岳とか散歩に行くけど、ガスってるのでテントで暇つぶします。そのうちウトウト…。 テン場代1000円/1人 水200円/1L ビール500円/350ml トイレは小屋 夕方近くなって晴れるかと思いきや、相変わらず雲に覆われてます。ただ、時々薄日は感じられます。夕食を食べて、薄暗くなり始めたころにダメ元で外へ。するとタイミングの良いことに、急に雲がなくなり始めます。そして、大キレット越しの北穂高岳が出現!今日はダメかと思っていただけに見れてラッキー。ただ、雲海の雲が分厚くて、早々に太陽が沈んでしまいました。夕焼けの景色は見れなくて残念…。
◇8月26日(金) 南岳小屋〜大キレット〜白出沢〜新穂高4時に目を覚ましたらまだ真っ暗。8月も下旬になり、だいぶ朝が遅くなってきました。テントから顔を出すと晴れてそう!せっかくなので御来光でも見に行こう。朝ごはん食べてもまだ薄明るいので、テント畳んで荷造りしたあと常念平に向かうと、朝日が出る直前!ギリギリセーフでした。 ■日の出ショーをしばらく堪能朝日は常念岳の左から、ほぼ常念乗越の真上から出てきました。下界は雲海の下で、八ヶ岳や富士山、南アルプスが島のように浮かんでいます。3000mの高さから見ると、蝶ヶ岳はホント低く感じるなあ…。特徴もないので単なる山並みに見えるし。常念はさすがに存在感はあるな。圧巻はやっぱりキレットから北穂にかけて。朝日で赤く染まった岩稜は荘厳!
■いきなり大キレットから!今日は大キレット越えて、穂高岳山荘まで縦走して、白出沢を下るという長丁場。南岳スタートだと、ウォーミングアップなしで、いきなり大キレットから始まりますね。記憶では南岳からのザレザレ下りが大キレットの中で一番イヤだったような…。で、今回下ってみると、なんだか全くいやらしさがない…。整備されて階段が増えてる気がする。前は長い縦走で荷物が重かったから、下りが辛かったのかも…? 大キレットはこれで3度目になります。なんでだか全て北から南に縦走してます。北から南なのに、南岳から北穂なのがおもしろい。北穂側の方が岩場の難易度は高そうなので、そこが登りになる方が楽なのかな…。横尾谷左俣を登った時も、長谷川ピーク近くから北穂に登ってるし、北穂東稜の時も北穂の直下を登ってます。今日は平日ということで人が少なく、飛騨泣き?ですれ違いがあったくらいで、あとはほぼストレスなく歩くことができました。
■北穂高岳〜涸沢岳〜穂高岳山荘北穂の北峰でのんびりし、南峰でものんびりします。槍・穂高連峰の真ん中にあって、展望はピカイチですね。大キレット越しの槍ヶ岳はカッコいいし、穂高方面は岩稜に圧倒されます。北穂〜涸沢岳間はいやらしい感じの岩場が続きますね。大キレットの方が難しそうなイメージですが、北穂〜涸沢岳の方がずっと難易度高く感じます。 涸沢岳から穂高岳山荘までは、普通の登山道を下るのみ。雲はだいぶ増えてきて、前穂などにもかかるようになってきたけど、ここまで持ってくれたので十分です。あとは谷を下るだけですんでね。谷を下るだけなんですが、ここから新穂高までは2000m近くも下ることになります。その下りに備えて、穂高岳山荘でビールを飲んでおきます。
■白出沢はガレ場の激下り!白出沢を下る道は、穂高岳山荘の裏に回り込んで取り付きます。白出沢を見下ろせるんですけど、ひょえ〜って感じ。谷をガレが埋め尽くし、延々と一直線に下まで続いています。道の整備は最低限。時々道がわからなくなります。でも、このガレを下る以外に道はないので…。そのうちペンキがみつかります。きちんと整備したとしても、こんな谷の道はすぐに荒れてしまいますんでね… 約800m下った荷継沢でガレガレ下りから解放されます。解放といっても楽しかったですけどね。膝にはくるけど…。白出大滝というのがあって沢通しには下れないから、右から巻き下る形になります。巻くといってもかなり険しい地形。よくこんなとこに道付けたな…。ヘリを使うようになる前は、最短ルートの白出沢は重要だったんでしょう。左岸の台地に渡ってからは穏やかな道になり、右俣林道に降りつきます。お初の白出沢の道が無事終了!
■林道に降りてから車までが長かった・・・あとは林道を下るだけなんですが、これがしんどかったなあ…。足には負担かからないけど、肩と背中がもう限界…。この林道、いきよりずっと長く感じました。さすがに鍋平の駐車場まで歩く気はしません…。ここにきて200mは登れません。ロープウェイを使います。400円なのでアリですよね。標高差はロープウェイで解決できたけど、ロープウェイの駅から駐車場までがまた長くて疲れました…。しばらく新穂高起点の山はいいかな…という感じ。
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