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北海道登山の旅 日記(7月25日〜8月2日)
(富良野岳⇒十勝岳⇒美瑛岳、美瑛富士⇒トムラウシ⇒天人峡、その他・・・)


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■7月25日(木)  くもりのち晴れ   十勝岳温泉⇒▲富良野岳⇒上ホロ

十勝岳温泉(5:55発)⇒沢を渡るところ(7:07〜20)⇒稜線分岐(8:22〜45)⇒富良野岳(9:10〜30)⇒分岐(9:46〜10:15)⇒三峰山(11:0711:35)⇒上ホロ(12:28〜13:13)⇒上ホロ避難小屋(13:25着)

起きたら雨が降っており、風も少し強め。朝メシを食って外に出ると、だいぶ明るくなり、富良野岳に雲はかかっているものの、残りの物のような雲で、これから取れてきそうだ。天気チェックすると、今日は1日くもりとなっていた。そして、明日がなんと降水確率100%に。きのうの時点では0%だったのに・・・。1日で0%から100%に変わるものなの?

登山届を見ると、平日にもかかわらず10パ-ティーは入っている。みんな富良野岳のピストンで、泊まりの人は一人もいない。車が通れそうな道を歩く。富良野岳とは反対の方向に進んでおり、ほとんど登っていない。このころには山の雲は全て取れた。沢を渡渉するところでUターンして、富良野岳方向へと向きを変える。このままトラバース気味に少しずつ高度を上げて主稜線へ。

上ホロから富良野岳ここに荷物を置いて富良野岳ピストン。コースタイム50分だったが、25分で着く。花の百名山のようだが、花はすでに盛りを過ぎている。芦別岳、夕張岳、日高山脈が見えている。今日、幌尻に登っていたら、さぞかしきれいだったろうに。大雪方面は分厚い雲の下だ。

分岐に戻り、上ホロを目指す。ここらはコースタイムがえらい甘い。普通に歩いているとすぐにテン場に着いてしまいそうなので、ゆっくり歩いていた。太陽はガンガンだが、風が強いのでちょうど良い。三峰山周辺も大きなお花畑になっているが、ここもすでに終わりかけている。この稜線は西が爆裂火口壁の荒々しい景色、打って変わって東側はなだらかな高原状になっている。

テン場は風の通り道のようで、テントを張るのも苦労するほどの風だ。大雪から縦走してきた、年齢不詳の単独の人が来た。きのうは雨の中双子池でビショビショになりながら泊まったらしい。双子池から北の笹ヤブは、全て刈り払われているとのこと。他に関西弁のつがいもいたりで、早く着いたけど、しゃべっていてヒマはこかなかった。

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■7月26日(金)  晴れ   上ホロ⇒▲十勝岳⇒▲美瑛岳⇒望岳台

上ホロ(5:20)⇒▲十勝岳(6:08〜35)⇒▲美瑛岳(8:41〜9:28)⇒ポンピ沢(10:26〜37)⇒吹上温泉(12:45着)

起きてテントの入り口を開けると、きれいな朝焼け。そして雲海から太陽が出ようとしているところだった。風は依然として強い。夕方からまとまった雨になるようだが、そんな気配はまったく感じられない。

ここから十勝岳まではずっとロープが張ってあった。今日は北のほうも快晴で、大雪方面は全て見えている。十勝岳の北側は荒涼とした景色に一変した。南側も荒涼とはしていたが、北側はその倍くらい荒涼としている。火山灰が積もり、水が流れてできたシワのような模様が印象的だった。植物は一切ない。ザクザクの下りでは、靴の中に火山灰が入ってきて不快だった。

美瑛岳は主稜線からは離れているため、展望は抜群だった。初めてオプタテシケ山も見えた。ここから見る限りは、そうきついところはなさそうだが、実際はどうだろう・・・。わけあってこのまま縦走はできず、残念ながら今日は望岳台に下る。

稜線から離れると風がなくなり、とたんに汗が吹き出てきた。ポンピ沢の徒渉までは一気下り。沢で休んだのだが、ここは風が通って涼しかった。十勝岳の登山道と合流してからは、遊歩道のような道になった。望岳台の手前で、吹上温泉方面への道へ。水平な道かと思っていたのに、小さい沢をいくつも渡り、その度にちょっとした登りがあって疲れた。

バスの時間までに1時間弱あったので、その間に白銀荘で入浴。600円なのにシャンプー、石鹸は置いてなくて別売り。風呂自体は露天がたくあんあって良いのだが・・・。外人さんがいて、そのデカイいちもつに目が点になった。バスで十勝岳温泉まで行って、車を回収。

上富良野の日の出公園キャンプ場に行く。ここは大変な賑わいだった。洗濯を回している間に買出しに行き、そして夕飯。白銀荘で温泉に入ったが、今日は暑くてまた汗をかいたので、近くにあるフラヌイ温泉に行った。温泉に着く直前にポツリポツリと雨が・・・。ここも600円。シャンプー、石鹸があったかわりに、ここは銭湯のような感じだった。温泉から出ると土砂降りに。しばらく待合室で待機していた。小降りになったから出たが、途中でまた土砂降りになって、ビショビショになってしまった。

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■7月27日(土)  1日中霧   白金温泉⇒美瑛富士避難小屋

美瑛富士登山口(9:05発)⇒林道終点(10:04〜19)⇒地図上の登山口(10:37〜45)⇒1150m付近(11:50〜12:05)⇒森林限界付近(13:07〜18)⇒美瑛富士避難小屋(14:00着)

富良野岳の日あたりからツバを飲むとノドが痛かった。きのうからは食欲もない。それに追い討ちをかけたのが、温泉からの帰りの雨。どうやら風をひいてしまったようだ。天気は暗〜いくもり。予報では回復傾向なので出ることにする。

美瑛富士へは白金温泉から登ることにした。腰とヒザがビリビリするので、熱があるかもしれない。霧雨の中公共駐車場に車を置いて出発、車道を1時間ほど歩くと登山口。さらに20分ほどで地図上の登山口と思われるところに着いた。登山ポストを見ると、けっこうたくさん入山しているみたいだ。その中のほとんどがオプタテシケ山の往復のみ。4人組が双子池に向かっているようだ。

本格的な登山道になるが、傾斜はずっと緩く、なかなか高度を上げてくれない。粘土状の滑る土で、雨上がりでなおさら滑った。ストックで強引に体を持ち上げたりしていた。天然公園という晴れていれば良さそうなところがあったが、深い霧なので良くも何ともない。木が低くなり、チングルマが残っているだけの、小規模なお花畑が出てきた。最後まで傾斜が増すことなく避難小屋に着いた。

小屋には7人ほどいた。小屋に誘われたが、テントを張ることに。水場を聞いたところ、もう水は出ていないとのことだった。水はあまり持って上がってきてないので困った。仕方なく探しに行くことに。登山道をまた下り、途中で道から離れて沢を下る。このあたりはだいぶ下っても伏流しているようで、水が出てきそうな気配はなかった。ところどころ岩からきのう降った雨がしみ出ていたので、それを辛抱強く汲んだ。

避難小屋周辺は大きな岩がゴロゴロしている。ナキウサギの声がしたので探しに行った。そこら中で鳴いていたが、姿を確認できたのは1匹だけだった。依然として濃い霧が出ている。明日は晴れそうなので、朝に期待したいところだ。

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■7月28日(日)  晴れ   美瑛富士避難小屋⇒三川台

美瑛富士避難小屋(4:40発)⇒べべツ岳(5:35〜45)⇒オプタテシケ山(6:52〜7:13)⇒双子池(8:14〜40)⇒コスマヌプリ手前(9:46〜10:06)⇒ツリガネ山手前のピーク(11:15〜33)⇒ツリガネ山(12:20〜35)⇒三川台(14:15)

天気は上空に薄雲があるものの、山はしっかり見えている。風邪がきのうよりは良くなっているようだが、朝イチなのでイマイチよくわからない。

きのうはテン場も小屋もほぼいっぱいになった。その人たちがゾロゾロとオプタテに向かう。みんなピストンだけのようで、ザックが小さい。石垣山の登りでナキウサギを発見。このあたりにはたくさん棲んでいるようだ。あとはユキウサギを目撃しなければ・・・。風が強く、少し寒いくらいだ。ベベツ岳を越えてオプタテへ。

オプタテ山頂まではコースタイムの3分の2くらいで来ている。今日はあわよくば南沼まで、最悪三川台までは進まなくては。山頂から少し進むと、はるか下に双子池が・・・。標高差は500mもある。せっかく登ったのにもったいない。下りにかかると風がなくなり、とたんに汗が吹き出てくるほどの暑さに。

双子池は知床の二ツ池と似たような感じで、湿っぽいテン場だった。念のためここで水を汲んでいく。例年だとオプタテ方面の雪渓が遅くまで残り、水には困らないそうだが、今年は残雪が少なくて、もう涸れる寸前だ。これ以降来る人は、水に苦労するかもしれない。

風がなくなり、太陽も高くなってのここからの登りは大変だった。ここまでなんともなかったが、急に体調が悪くなってきた。体はだるいし、ノドは乾くし、息は切れる。また、アブがたくさんいて、服の上からも食いついてくる。ツリガネ山の手前の三角点があるピークでビールを開けた。この世のものとは思えないくらいおいしかったが、飲み終わってからはむなしさだけが残った。ツリガネ山あたりで振り返ると、なだらかな高原状のコスマヌプリがあり、その向こうに鋭く尖ったオプタテがそびえていた。

ツリガネ山からは大きく下って、三川台に登り返している。そのコルには人がいて、どうやらそこで泊まるようだ。稜線に出る手前に笹の中の踏み跡があり、そこに入ると水場があった。まだ大きな雪渓が残っており、その下はジャージャーと水が流れていた。稜線までは最後の力を振り絞って登った。ことのほかきつかった。

三川台からのトムラウシ三川台に到着。時間的には南沼まで行けたが、もうすでに精魂尽き果てていたので、ここで泊まることにした。誰も来ないだろうと、廃道との分岐にテントを張る。少し雲が出てきて、たまに太陽が隠れるようになる。その時は涼しくてよかったが、また太陽が出てきた時は地獄だった。虫が多くてうっとおしい。

通行止の道から2人が来てビックリ。話によると、最近開通した道があるらしく、ここへの最短のルートらしい。その人たちは少し先でテントを張った。メシの後、2人が来てしばらく話をしていた。1人は岐阜県多治見市の人で、妻の実家のとなり町。そんなことで話は盛り上がった。くちびるを虫にかまれ、ポンポンになってしまった。

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■7月29日(月)  くもり   三川台⇒▲トムラウシ山⇒天人峡

三川台(4:30発)⇒▲トムラウシ山(6:45〜7:05)⇒日本庭園(8:13〜20)⇒▲化雲岳(9:26〜42)⇒第2公園(11:26〜35)⇒天人峡(13:50)

8月1日のフェリーを予約している。今日のうちに下山できれば、ニペソツ山にも登る時間ができる。天気は上空の薄雲くらいで、視界は良好だ。ここからのトムラウシはきれいだ。今日は朝から体がだるく、食欲もない。

三川台からトムラウシの間にある、ハクサンイチゲの群落は跡形もなく終わっていて残念。南沼は三川台に比べると大変な賑わいで、まだ10張りくらいのテントが残っていた。テン場は賑わっていたが、トムラウシの山頂は2人しかいなかった。大雪〜十勝の真ん中にある山なので、展望は申し分ない。

下り始めると、ヒサゴからの人が押し寄せてきている。トムラウシの北側は岩がゴロゴロしたところが多い。化雲岳周辺は吹きさらしで、逃げ場はなさそうだが、この辺はどこにでも岩陰があって、風をしのげそうだったのに。どのあたりで遭難してしまったのだおう。

日本庭園で休憩。すると登山道から少し離れたところに死体が!頭から足までカッパにくるまった状態で、岩陰でピクリともせず横たわっている。遭難があったばかりで、まだ残っているのかもしれない。一人で確認しに行くのが恐かったので、近くにいた人と一緒に行く。大声で呼びかけると、ムクッと起きあがった。ただ寝ていただけだった。なんで朝っぱらから寒くもないのに、カッパにくるまって変なところで寝ていたの?

ヒサゴの分岐までは大下りで、化雲岳まで大登り。結構疲れた。ここからは前回台風の中を歩いた道だ。前回はたくさん残雪があり、お花畑ももう少しで見頃というタイミングだった。3週間たった今は、もう終わりかけといった感じだ。今日は展望がよく、前と比べたら天国だ。終始、旭岳から白雲岳の山並を見ながら歩く。道も前回川や池だったところも、かなり歩きやすく快適。ただ、この尾根は今日も風がビュービュー吹いていた。悪天時のエスケープルートには使わない方が良いと思った。

バスまでの時間を利用して天人閣で温泉に入る。岩壁をそのまま利用して作った内風呂、忠別川に面した露天風呂、となかなか気に入った。バスでまず旭川に出る。乗り換えて白金温泉へ。乗換え時間を含めて3時間バスの移動だった。そして、白金温泉の国設キャンプ場でテントを張った。

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■7月30日(火)  くもり時々晴れ   白金温泉⇒上士幌

今日は買い物やら洗濯やらをしながら休息。明日のニペソツに備えて、上士幌の航空公園へ移動する。上富良野のコインランドリ-で洗濯をして、千望峠へ。十勝連峰は雲がかぶっていて残念だった。天気の良い日にまた来てみた。雪のある時なんかはきれいだろうなあ。そのあとフラノーブルというでっかいみやげ物店に行って、ひととおり土産を買い込んだ。

上士幌までの道中といえば道中にある、屈足温泉に寄ることにした。ここはトムラ登山学校のあるところだ。露天に行こうと外に出た瞬間、3匹のアブに一気に食いつかれた。慌てて風呂に入るが、顔のあたりをブンブン飛びまわって落ち着かないので早々に上がった。ふくらはぎ、太ももの裏、ヒザの横をやられた。

航空公園に行くと、いきなりすごい数のアブに取り囲まれた。覚悟を決めて車から降りると、ついて来なかった。車が黒いので、それにたかってきたのかもしれない。どこもかしこもアブがいるが、ちょうど発生の時期なのかもしれない。温泉でアブに刺された3ヶ所は成長を続け、手のひらに収まらないくらいになった。おかげでヒザをたためなくなってしまった。

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■7月31日(水)  くもり一時雨   上士幌⇒真狩

ニペソツに登るには、ここを4時に出なければけなかったが、起きたら4時を回っていた。体調もイマイチ、天気も午後から雨ときている。あっさり中止にした。今度北海道に来る時は、優先的に登りたい山だ。

そんなわけで、今日は小樽に近いところまで進むことにした。旭川経由で向かうが、途中の三国峠からは大雪の一部が見えた。黒岳と赤岳か小泉岳あたりか。北海道最後の日になるので、ぜいたくをして1000円の温泉に行くことにした。定山渓の近所の豊平峡温泉というところだ。

旭川から札幌までの国道は、今回で一番楽しくないドライブ。日本一の直線も市街地なので、なんということはない。札幌手前のビックリドンキーで昼メシ。今日は完全に一般観光客だ。

豊平峡温泉はガイドの写真の中で一番そそる露天風呂だった。実際に行ってみると、ちょっと変わった感じの施設で、かなり古臭い感じ。それでも人はたくさん来ていた。知名度は高そうだ。古くから日帰り専門の温泉ということで、時代を先取りしていたのかも。露天はすごく広かった。

今日は雨なので、車を直付けできるキャンプ場を探す。小樽から遠すぎず近すぎずの真狩キャンプ場に決定。羊蹄山の真狩登山口になっているところだ。

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■8月1日(木)  くもり   真狩⇒小樽(フェリー)

天気が悪く、羊蹄山は望めない。小樽に向かって北海道最後のドライブだ。こガソリンはこっちの方が安いので、小樽で入れておいた。コンビニで買出しをして、フェリーターミナルへ。

6月に来た時のフェリーはガラガラだったが、8月上旬という観光シーズン真っ盛りともなれば、フェリーも大混雑のようだ。行きと同じように2等の雑魚部屋を予約していたが、2000円プラスすれば2等寝台に変更できるというので変更してもらった。これが大正解で、実際フェリーに乗りこむと、雑魚部屋はツアーっぽい団体さんに占拠されている。個人の客は肩身の狭い思いをしなくてはいけない。

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■8月2日(金)  くもり一時雨   フェリー⇒家

フェリーを降りると本州。下道で5時間ほどで家に着いてしまう。その瞬間に現実に戻ってしまうのだ。とりあえず、職安に行かなくては・・・。



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