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黒部源流の山々

薬師岳、黒部五郎岳、三俣蓮華岳、双六岳、鷲羽岳、水晶岳、雲ノ平

 
 山域  中央アルプス  木曽駒ヶ岳、三ノ沢岳
 山行日時  1997年10月20日(日)
 登山形態  無雪期 一般道 小屋泊まり
 メンバー  単独



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■8月16日   晴れ   折立⇒太郎平⇒薬師岳⇒太郎平小屋(泊)

■8月17日   晴れ   太郎平⇒北ノ俣岳⇒黒部五郎岳⇒三俣蓮華岳⇒双六岳⇒双六小屋(泊)

■8月18日   晴れ   双六小屋⇒三俣山荘⇒鷲羽岳⇒水晶岳⇒雲ノ平山荘(泊)

■8月19日   曇り時々晴れ   雲ノ平⇒薬師沢⇒太郎平⇒折立


お盆休明けに夏休みを取り、前から行きたかった北アルプスの最奥の地、黒部源流の山々へ行くことに。ここは、折立から入るとグルリと周回コースが取れるので、マイカー利用にとっては大変ありがたい。この夏は安定した晴天が続いている。お盆明けも引き続き好天が期待できそうだ。

折立を出発し、1871mあたりまでは急登が続くが、そこから先はタラリとした尾根道。よく整備された階段状の登山道だ。登るにつれて左に薬師岳、立山、そして剣岳と見えてくる。背後には有峰湖を見下ろすことができた。

登山地図には、折立から太郎平までコースタイム5時間となっていたが、半分の2時間半で着いた。コースタイムが相当甘いようだ。
太郎平に登りつくと、稜線の反対側が見える。のびやかな山並みが広がっている。景色に見とれながら休憩。コースタイム5時間ということで、初日は太郎平止まりかなと思っていたが、まだ午前中なので薬師岳に登ることにする。

薬師峠に向けて歩くと、東にギザギザの尾根が見え始めてきた。あれはなんだ・・・?周りの山々とは明らかに異なる山容だ。地図を広げて確認すると、どうやら槍ヶ岳の北鎌尾根のようだ。さらに進むと、槍の穂先も見えてきた。
登るにつれて展望が開ける。明日以降歩く予定の山並みがハッキリと見渡せる。明日以降が楽しみで仕方なかった。ニセ薬師に騙されたりしながらも、薬師岳に登頂。タイム的には早かったが、結構疲れてしまった。

山頂に登ると立山方面の展望が・・・。五色ヶ原の広がりが印象的だった。立山・剣の眺めも良かった。ここから立山への稜線も是非歩いてみたいと思った。

小屋に戻って受付をする。快適な小屋だった。
朝食を弁当にしてもらって、日の出直前に小屋を出る。ちょうど太郎山あたりでご来光となった。広くて緩い尾根を歩き北ノ俣岳を目指す。天国のような気持ちの良い稜線歩きだ。

北ノ俣岳の山頂からは、黒部川を挟んで薬師岳、雲ノ平、鷲羽岳などの山々が素晴らしい。
中俣乗越からは登りベースになる。今日初めての急登を登りきると黒部五郎岳だ。この山頂からの展望も素晴らしい。槍ヶ岳がグッと近づいてきた。双六川を挟んでの笠ヶ岳も特異な見え方をしている。

笠ヶ岳は穂高あたりから見ると横広い山だが、北側から見るととんがっている。笠ヶ岳にも登ってみたいなあ・・・。
黒部五郎岳から先はカールの中を歩くコースと、尾根をたどるコースの2通りある。別に根拠はなかったが、カールのコースを行くことにした。

黒部五郎岳のカールの中はまさに別天地だった。潅木の中に巨岩が点在し、そのバックが黒部五郎岳のカール壁。全てのバランスが素晴らしく、人工では作ることのできない見事な庭園だ。
その別天地のカールをダラダラと下っていくと、これまた印象的な形をした、黒部五郎小舎に着く。高原状の平原にポツリとたたずむ小さな小屋だった。泊まってみたいなと思わせる小屋だった。

三俣蓮華岳の山頂もこれまた素晴らしい。このへんは素晴らしいところだらけだ。予定では三俣山荘に泊まるつもりだったが、まだ時間に余裕があるので、双六小屋まで足を伸ばすことにした。丸山、双六岳と縦走し、双六小屋へ。最後のほうはさすがに疲れた。
今日は水晶岳に寄って、雲ノ平まで進む予定。三俣蓮華岳まではトラバースのルートで。三俣のカールもまた別天地。黒部五郎岳ほどの規模はないが、コンパクトでよい雰囲気だった。花の時期には良いかも・・・。

三俣山荘から見る鷲羽岳はすごい高かった。これはしんどいぞ・・・。登りはじめるとそうたいしたことはなく鷲羽岳へ。今日は昨日までに比べると、やや雲が多い。少し展望にも影響がある。鷲羽岳からの槍ヶ岳の眺望に期待していたが、ややモヤっぽい感じだった。
ワリモ岳、水晶小屋を通過し、水晶岳へ。登山口から一番時間のかかる山だけあって、さすがに奥深い感じがする。山奥に入っても、たいがいは下界が見えたりするが、水晶岳からは人工物は山小屋以外は何もない。下界からは見ることのできない山ということだ。黒部湖が見えた。これも人工物か・・・。

水晶岳で引き返すことになるが、この先もたおやかな尾根が続いている。この尾根の先には赤牛岳があるが、このころはまだ赤牛岳という認識がなかった。
岩苔乗越まで来た道を戻り、ここから雲ノ平へ向かう。岩苔乗越から祖父岳までのコースタイムはやたらと辛かった。

祖父岳もまたすごい展望。360度百名山という、贅沢な展望だった。曇り気味なのが残念なところだ。

ゴロゴロの下りを下って雲ノ平へ。ここもまた別天地。とにかく今回の山行は別天地だらけだ。


雲ノ平山荘は意外とすいていた。普通の休日ではこれないところにあるからだろう。夕食後は岐阜のおじさんだかおにいさんだかと延々消灯まで山の話で盛り上がった。というか、初心者のボクにいろいろとお勧めの場所とかを教えてくれた。

最終日は雲ノ平から薬師沢に下り、太郎平に登り返し、折立まで下山。天気はあまりよくなかったが、今回の見所はほぼ終えていたので問題はなし。結構よい時間になると思っていたが、お昼頃には折立に着いた。

この山行は天気にも恵まれ、行くところ行くところで素晴らしい景色に迎えられ、これ以上はないというくらい充実した山行だった。



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