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南アルプス南部の山を巡るには、椹島をベースとするのが最も効率的だ。しかし、長野県の穂高町に住むボクにとっては、ここから椹島まで移動するのに手間を食う。静岡県に入ってからは接近中の台風のためか、雨、風ともに強くなった。5時間以上かけてようやく井川まで来たが、この先で土砂崩れがあったようで、畑薙への道は通行止めになってしまっている。決断を迫られる。車を置いてここから歩くか、登山口を変えるか・・・。結局、畑薙からの入山はあきらめて、三伏峠から荒川岳と赤石岳をやっつけることにした。南アルプスを4分の3周する様な形で、一日がかりで大鹿村へ回る。鳥倉林道の登山口にはたくさんの車が止まっていた。少し戻った公衆便所の駐車場で泊まることにした。ちょうど大鹿村の花火大会があって、見下ろすような形で花火を楽しんだ。
■8月16日(金) 快晴のち霧 鳥倉林道⇒三伏峠⇒小河内岳⇒荒川岳⇒荒川小屋
夜中は満天の星空で、今日の好天を期待させられた。やや急登を登り切ると尾根に出て、そこからは緩やかな道となる。空は秋のようなさわやかな青空が広がっている。台風一過といったところか。塩川からの道と合流し、急登を少し登れば三伏峠。こんなに楽に南アルプスの主稜線に出れてもいいのか・・・と思える快適な道だ。
小屋に着いて受付をする。おねえさんと外人のにいちゃんが働いていた。隣の人は寝ているし、まわりに話す人がいない。ヒマなので寝るしかなかった。寝ていたところ、遅くなってお客さんが増えたため、移動するように言われた。せっかく寝ていたのに起こされて、このあとずっと寝れなくなってしまった。 ■8月17日(土) 一日中霧 荒川小屋⇒赤石岳⇒悪沢岳⇒高山裏
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荒川小屋(4:45発)⇒大聖寺平(5:20〜44)⇒赤石岳(7:10〜40)⇒大聖寺平(8:40〜47)⇒荒川小屋(9:08〜29)⇒中岳のコル(10:31〜40)⇒悪沢岳(11:40〜12:02)⇒中岳のコル(12:57)⇒カールの底(13:27〜14:04)⇒高山裏(15:02) |
今日は朝から天気がイマイチ。赤石岳の山頂では晴れて欲しいんだけど・・・。ダケカンバ林を水平に進むと、石がゴロゴロしただだっ広い大聖寺平に。分岐には大きなケルンが立っていた。小赤石まで斜面を登り、稜線を辿って赤石岳に。
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期待していた赤石岳の山頂は、あいにくガスに包まれていた。わずかに百阨スと思われるところが見えていた。今日はここで引き返すことになるが、早いうちにここから南を縦走しに来たいものだ。 「光岳から来た」とか「光岳に行く」・・・という声を聞くと、うらやましくなってしまう。ここから鳥倉林道まで引き返すなんて、なんでこんな計画をしてしまったんだろう・・・。鳥倉林道から赤石岳をピストンする人なんか、あんまりいないだろうなあ・・・。 来た道を引き返す。天気も良くないし、あまり楽しみがない。唯一、荒川小屋から中岳までのお花畑が気を紛らせてくれた。とはいっても、花もはよくわからないけど。 |
中岳のコルからは今回初めての道。しかし、天気が良くないので気分はあまり乗らない。せめて悪沢岳でも見えていたら・・・。中岳を越えて小屋へ。そして、下りが急になりだすところにザックをデポして、空身で悪沢岳に向かった。30分ほどで山頂に着くが、相変わらずガスガスで、景色を見ることができなかった。今日は高山裏まで行かなくてはいけない。あまり時間がないので、ピッチを上げなければ・・・。
きのう登った中岳のカール。下りはあっという間に下に着いた。登る人を見ていたら、全然進んでいないのには笑えた。カール底のモレーンで昼飯がてらの小休止。ここは暖かくて気持ちが良かった。しかし、いつの間にかガスに包まれてしまい、寒くなったので出発。
高山裏の管理人は風変わりでぶっきらぼうだ。受付で住所とかを書いている時、隣の人としゃべっていたら、「書いてからしゃべれ」と怒られた。風変わりには違いないが、しゃべっているとおもしろいおっさんだった。先客は2名。今日は話し相手には困らなかった。6時頃になって3人小屋に着き、今日の宿泊者は全部で9名ということになった。
高山裏(5:00発)⇒板屋岳(5:45)⇒小河内岳(7:25〜8:08)⇒前小河内岳(8:36〜49)⇒烏帽子岳(9:20〜10:02)⇒三伏峠(10:41〜11:11)⇒鳥倉林道(12:17) |
今日は朝から快晴。下界は雲海の底に沈んでいた。おとといと同じコースなので、少々天気が悪くても諦めがつくのに。きのうと今日が逆になれば一番良かったのだが・・・。小屋のおっさんはカッパを着て出ろと言っていた。なるほど、背丈の高い草に、朝露がビッシリついていて、あっという間にズボンはビショビショになってしまった。
樹林帯はハイペースで通過。展望の良いところではついついゆっくりしてしまう。小河内岳、烏帽子岳、三伏峠では、それぞれ30分以上も休憩してしまった。ただ、烏帽子岳に着く頃には少しずつガスが上がり始めてきた。たくさん休憩したわりには、わりと早く下山することができた。
今回の山行のメインは初日だったような・・・。2日目が天気がイマイチだっただけに・・・。展望も小河内岳がナンバー1か?小河内岳は周りの山々から比べるとやや低め。それだけに、塩見岳や荒川岳などの迫力が増すように思う。やはり、ちょっと低めの山から高い山を望むというのが一番理想だ。