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鹿島槍ヶ岳・五竜岳

扇沢から入って爺ヶ岳、鹿島槍ヶ岳、キレット小屋(泊)、五竜岳と縦走し、遠見尾根を下山しました

 
 山域  奥秩父 甲武信岳
 山行日時  1996年8月6日(火)〜7日(水)
 登山形態  無雪期 一般道
 行程  1日目  扇沢⇒種池⇒爺ヶ岳⇒冷池⇒鹿島槍ヶ岳⇒キレット小屋
 2日目  キレット小屋⇒五竜岳⇒遠見尾根⇒小遠見山⇒スキー場
 メンバー  単独



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もともとの予定は8月4日から3泊4日で、栂池⇒白馬岳⇒唐松岳⇒五竜岳⇒鹿島槍ヶ岳⇒爺ヶ岳⇒扇沢と縦走するはずだった。しかし、1泊目の白馬岳でいきなりテントをつぶされ、翌日はあえなく大雪渓を下って撤退。せっかくあと2日休みがあるので、続きを考えていた。大雪渓を登って忠実にこの山行の続きをするには日数が足りない。そこで、逆コースである扇沢から入山し、五竜岳まで縦走することにした。白岳から白馬岳までの間は歯抜けになってしまうが、この際仕方ないだろう。

■8月6日(火)   くもり(雲海)のち晴れ   扇沢⇒爺ヶ岳⇒鹿島槍ヶ岳⇒キレット小屋


扇沢(5:15発)⇒ケルン(6:05)〜種池山荘(7:50)⇒爺ヶ岳南峰(8:25〜45)⇒中央峰(9:05〜40)⇒冷池山荘(10:25〜47)⇒布引岳(11:37〜12:00)⇒鹿島槍ヶ岳南峰(12:37〜13:17)⇒北峰(13:50〜14:13)⇒キレット小屋(15:15着)

目覚ましは3時にセットしたが、起きたのは3時40分。4時頃に家を出て、扇沢へと向かう。天気はどんよりとした曇り空。でも、垂れ込めたような曇り空だったので、雲海の予感も少しあった。


雲海を突破!
扇沢にかかる橋からのスタート。沢沿いに進み、すぐに急登になる。道は急だが、きのうまでのテント装備から小屋泊まり装備になったので、足取りが軽く、気分まで軽かった。

1900mくらいで雲海を突破。やはり雲海だろうという予想は当たっていた。夏だというのに、種池から針ノ木岳にかけての稜線が、モヤもなくスッキリと見えていた。

稜線から離れて山腹を巻くようになると、小屋が見え始める。見え始めてからの道は傾斜も緩くて楽なのだが、距離が遠かった。
種池山荘の向こうに立山が見える
種池山荘へ荷揚げするヘリが、ひっきりなしに飛んでいて慌しい。立山と剣が始めて顔を出す。北には鹿島槍も見えてきた。鹿島槍はでっかくて、それより北の山の展望を遮っていた。

爺ヶ岳への登りは、ハイマツの中の緩やかな登り。楽なはずだが、もうすぐ山頂という気持ちが強かったせいか、やたらときつく感じた。爺ヶ岳南峰からの景色は素晴らしい!山頂には登ったものの、今日はあと中央峰、北峰、鹿島槍・・・と越えなければいけない。なかなかハードだ。とか思っていたら、知らないうちに北峰へ登る道を通り過ぎていた。
種池からの鹿島槍ヶ岳
爺ヶ岳からグッと下ると冷乗越。乗越から少し登ったところに、冷池山荘があった。水が乏しくなっていたので、1L(200円)補給しておいた。

ここから鹿島槍南峰までは、わりと緩やかな登りが続く。前半はお花畑が発達していた。南峰まで登ると初めて五竜岳を見ることができた。キレット越しに見る五竜岳は、思っていたよりも格好いい山だった。早く登ってみたい。

山頂でくつろいでいたら、「ヤマケイの取材で〜す!」の声。万歳山頂!の写真を撮るようだった。すかさず写りに行く。この写真は翌年のヤマケイJOYに掲載されたのでした。

北峰から眺める南峰は鋭く尖っていた。八ヶ岳の赤岳のようだった。キレット小屋への下りは、ザレ場と岩場の連続。岩場は両側切れ落ちて高度感があるものの、足場がしっかりしているので安心。ザレ場のほうが帰って下りにくかった。

キレット小屋の泊り客は、ざっと見で30人くらいか。ボクはお金がないので自炊だ。自炊室で上高地から親不知まで縦走中の久保君という人と一緒になった。今後のために、ここぞとばかりにノウハウ等を聞いておいた。




■8月7日(水)   晴れのち霧   キレット小屋⇒五竜岳⇒神城


キレット小屋(5:30発)⇒北尾根の頭(6:35〜50)⇒G5(7:38)⇒五竜岳(8:20〜58)⇒五竜山荘(9:35)⇒中遠見山(11:17)⇒小遠見山(11:36)⇒スキー場(12:05)


今日は八峰キレットの核心部。天気はまあまあだが、分厚い雲海になっていて、御来光はその上から出てきた。前半は軽いアップダウンの岩場で、調子よく進む。後半はアップダウンが大きくなり、かなり体力を使った。とくに、北尾根の頭への登りは傾斜がきつく、ザラザラの足場で登りづらい。

八峰のキレットは難所とされているが、足場はしっかりしており、技術的には問題はなかった。ただ、両側切れ落ちている部分があるので、うっかりつまずいたり、バランスを崩したりしたら大変だ。
五竜岳から鹿島槍ヶ岳を望む
G5に登り、少し下ってから最後の登りとなる。ジグザグ道、岩場・・・と、変化のある道で、辛いながらも気は紛れた。見えている一番高いところがニセピークだったらどうしようと、心配しながら登っていた。その心配は無用で、そのピークには看板と人がたむろっているのが見えた。山頂に間違いないだろう。

五竜岳の山頂に登りつくと、初めて北側の展望が開けた。しかし、今日はガスの上がりが早いようで、見えているピークは唐松岳のみ。白馬岳方面の展望に期待していたが、ガスの中で残念。
五竜山荘と唐松岳
名残惜しいが、五竜岳を後にする。これからは電車の時間との戦いだ。神城発は13:42と15時すぎ。15時過ぎには間に合うだろうが、なんとか13:42に間に合うように頑張って下ろう。

五竜山荘から白岳への登り、たいした登りではないのに、すでに下山モードなので精神的に苦しい。白岳からはハシゴや鎖があり、一気に高度を下げたが、それ以降は西遠見山、大遠見山、中遠見山、小遠見山と4つもピークを登り返さなくてはならない。
遠見尾根から五竜岳方面を振り返る
遠見尾根では常に最後の五竜岳のシャッターチャンスをうかがいながら歩いていた。しかし、もうちょっとのところで山頂に雲があり、なかなか全容を現してくれなかった。

歩けど歩けど先の見えない長い下り。いい加減にしてよ!というくらいにアップダウンがある。となりの八方尾根は木が生えてなくて、傾斜はなだらかで、うらやましくて仕方なかった。小遠見山からは遊歩道のようになっており、一般の観光客の姿も多く見られた。

12時すぎに最上部のリフトに到着。13:42の電車にはもう余裕だ。ゴンドラ乗り場までは歩くことにしよう。

当たり前だがゴンドラは早い。あっという間に下まで運んでくれた。しかし、ここから駅までが思いのほか遠かった。下りとはいえ、アスファルト歩きは辛かった。どっと疲れが出てきた。途中、道を間違えたりしながらも、15時ちょうどに神城駅に到着。結局、時間には余裕で、40分も待ち時間ができてしまった。大町駅まで電車に乗り、そこからはバスで扇沢へ。車を回収して、今回の登山は終わった。



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