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越百山はラッセル天国

伊奈川ダムから越百山に登ってきました。大雪直後で深雪と戯れてきました
 
 山域  中央アルプス 越百山 
 山行日時  2001年1月6日(土)〜7日(日)
 登山形態  積雪期 一般道
 メンバー  単独
 行程  1日目  伊奈川ダム⇒越百小屋
 2日目  越百小屋⇒越百山⇒伊奈川ダム
 温泉  木曽ネット 温泉サイトに木曽郡全ての温泉が掲載


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今年の正月休も槍ヶ岳、上高地と消化し、残すところあと2日。さすがにあと2日、ボケ−ッとするのはもったいないので、越百山に行くことにした。1月2日から強い寒波がきて、山にはかなりの雪が降ったと思われる。どちらかというとマイナーな越百山、人が入ってなかったら登頂は難しいかも・・・。まあ、1人で気楽なので、山頂にはこだわらず、どっぷりと山に浸ってこよう。

■1月6日(土)   晴れ   伊奈川ダム⇒越百小屋

4時半に起きて、小牧のアパートを5時過ぎに出発。大桑村で19号からはずれると道は圧雪に。伊奈川ダムから先は車が入ってなくて、あわやスタックするところだった。車はおろか、人の足跡もなかったので、越百山に向かった人はいないということだ。天気のほうは、長かった冬型はようやく緩み、中央アルプスは稜線以外はだいたい晴れてきた。ダムから少し上にある駐車場に車を止めた。

伊奈川ダム(8:00発)⇒登山口(9:00〜10)⇒下のコル(9:57〜10:10)⇒1900m看板(11:02〜15)⇒水場(12:03〜30)⇒越百小屋(15:00着)

歩き出してすぐ、車のヘッドランプを消したかどうか不安になり、一度車に戻った。点いていなかった。もちろん林道にも足跡はない。正月のものと思われるトレースの名残だけあった。荷物は22キロ。槍の時に比べると軽いが、それでも重荷には違いない。

林道から登山道に入るあたりの積雪はヒザ下くらいだった。まさか、樹林帯の登りでアイゼンはいらないと思っていたが、1つ目のつづら折りのコーナーで靴が滑って登れない。なんとか登ったものの、この先のことも考えてアイゼンを履く。イマイチ身体の調子が悪いのか、息切れが激しい。当たり前だが、登るにつれて積雪が増していく。雪の重みで木が垂れ下がっていて歩きにくい。積雪で地面が上がっているのもあるだろう。

1900mの看板を越えると、雪の増え方が大きくなってきた。とはいっても、まだヒザ前後なので、それほど時間のロスにはならない。まあ、今日は越百小屋まで行けばいいのだから気が楽だ。新しい踏み跡はないが、雪面が少したわんだトレースの名残がある。尾根道となり、南駒ヶ岳が見える。稜線の雲もすっかり取れている。

2200m弱のところにある水場。このあたりまで来ると雪はたっぷりだ。越百小屋までのコースタイム(夏)は1時間。今は12時半。2時に着いたとしたら、うまくすれば今日のうちに越百山の山頂を往復できるかもしれない。天気も快晴なので、行けたら行ってみようと思った。ところが、そんなにうまくはいかない。ここから先は雪がどっと増えてきて、ラッセルらしいラッセルになってきた。同時にトレースの名残も不明瞭になってきた。ところどころ赤布がぶらさがっているものの、絶対数が少ない。地図を見ながら上を上を目指すしかなかった。これはもう、今日の山頂は不可能だ。そればかりか、小屋まで辿り着けるかどうかわからない。

小屋まであと30分の看板があってから、2時間半ラッセルして小屋に着いた。傾斜も急だったため、時折胸上のラッセルとなり、襟元から雪が進入してきた。疲労は隠せなかったが、こうやって頑張っている自分は好きだ。登り切ってトラバースになる頃、やっと後続の人が追いついてきて、ラッセルを代わってもらった。

越百小屋に着く。小屋は2棟あり、どちらが開放されているのかわからない。1周回ってみてもよくわからない。さっきの人がやっと入口を発見。スコップで雪に埋もれた扉を掘り起こす。中は狭かったが、2段になっており、上下それぞれ1張りずつテントが張れそうだった。下のスペースに張らせてもらった。レトルト牛丼が今日の夕食。つまみは柿の種とセサミ。酒はウォッカ+オレンジジュースと日本酒。ちょっと飲みすぎたか、寝る前は少し気持ち悪かった。




■1月7日(日)   くもり   越百小屋⇒越百山⇒伊奈川ダム

越百小屋(7:00発)⇒越百山(8:45〜9:20)⇒越百小屋(9:52〜10:15)⇒遠見尾根(11:00〜10)⇒登山口(11:48〜12:10)⇒伊奈川ダム(12:50着)

小屋にテントを張れると快適だ。夜はまったく寒くなかった。トイレに行くにはちょっと遠くなるが、雪でも降っている時にはとても楽チンだ。一緒に泊まったおじさんは早くから動き出していた。おじさんが出て行ってから、20〜30分後にボクも出発。

小屋を出ると1本のトレースがついていた。トレースといっても、あのおじさん1人のものなので、ただの足跡と言ったほうがいいかもしれない。小屋からはいったん下る。そして右に進路を変えて登りとなる。登り始めて少ししたらおじさんに追いついた。やはりトレースがあると楽だ。小屋の横にあるピークと越百山のコルに当たる部分は、雪が溜まりやすいのか、ひどいラッセルだった。おじさんが休憩中に前に出る。少しラッセルしただけで尾根道になり、ひどいラッセルからは開放された。しかし、まだ樹林帯なので潜るところもいっぱいある。小さいコブをいくつか越すと森林限界に。ここで深雪とはお別れ。クラスト気味の夏道を快適に歩く。さっきまで遠かった山頂がみるみる近づいてくる。

山頂の天気は高曇り。気圧の谷が近づいてきているようだ。晴れてはいないが、展望には差し支えない。見えるべき山は全て見えていた。風を避けるために岩陰に移動。おじさんもやってきた。おじさんは千葉から来ていて、いろいろ山の話をしてくれた。北海道の山が好きなようで、冬の日高や知床にも行ったことがあるらしい。林道を丸2日ラッセルしたとか・・・。ほとんど単独で行くようだ。

登りと違って下りは快適!1時間半かけて登ったところを、わずか30分で越百小屋に着いた。まとめてあった荷物をパッキングし下山開始。下山なのに、小屋からはだらだら登りがしばらく続く。きのうつけたトレースは風のせいか、または木から落ちてきた雪のせいか、だいぶ埋まってしまっていた。下りになってからはザックザックと駆け下りる。あれだけ苦労した登りも、下りだと足踏みしていたら勝手に下っていく。登山口から約6時間かけて登ったところを、下りは2時間そこそこ。馬鹿らしいけど早くてよい。

駐車場に着くと除雪が入ったみたいだった。おかげで駐車場の入口には除雪による壁ができて、車を出すためにもうひと仕事、土木作業をしなければならなかった。やれやれ・・・正月休もおわってしまったか・・・。



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