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黒部源流/沢登り&温泉三昧

6日間のわりには効率の悪い行程になってしまった。予定のところには行けたし、まあ、“のんびり”がテーマなのでよしとしよう。
 
 山域  北アルプス 黒部源流 
 山行日時  2001年8月11(土)〜16日(木)
 登山形態  縦走&沢登り&温泉
 メンバー  T本
 行程  1日目  折立⇒薬師峠
 2日目  薬師峠⇒雲ノ平
 3日目  雲ノ平⇒高天原⇒岩苔乗越⇒雲ノ平
 4日目  雲ノ平⇒薬師峠
 5日目  薬師峠⇒薬師沢⇒赤木沢出合⇒赤木沢⇒薬師峠
 6日目  薬師峠⇒太郎沢遡行⇒薬師峠⇒折立
 温泉    奥飛騨温泉郷 日帰り温泉マップ




2001年のお盆休みは6連休。T本さんとのんびり黒部源流地帯を歩くことにした。今回のメインとしては、@赤木沢 A高天原温泉 B太郎沢。5泊6日の長丁場だが、軽量化はとくに計らなかった。食事はかなり豪勢で、沢の装備も加わるので、荷物の重さは30キロ弱になってしまった。軽量化したといえば、登山靴くらいか・・・。沢靴もあるので、今回は東京靴流通センターで2980円で買った靴を履いて、登山道を歩くことにした。



■8月11日(土)   折立⇒薬師峠   くもり午後一時霧雨

深夜に出発して、折立で仮眠の予定だったが、有峰の有料道路が夜間は閉まっており、仕方なくゲート手前で寝ることに。ゲートが開き折立に向かったが、さすがにお盆ということで、折立の駐車場はすでに満杯。少し戻ったところにスペースが残っており、なんとか車を止めることができた。人を掻き分けるように登山口へ。


折立(7:38)⇒三角点(9:20)⇒太郎平(11:45)⇒薬師峠(12:10)

荷物は30キロ弱と重い。これだけの荷物を背負うのは、1998年の北アルプス全山縦走以来だ。前半の急登は抑え気味に歩く。折立から太郎平までは半日の行程なので、少々ゆっくり歩いても大丈夫だろう。早く着いてもヒマなだけだし・・・。

急登が終わり、広くなだらかな尾根になる。天気が良ければ、薬師岳や立山・剣が徐々に見え始めるはずだが、今日はあいにく曇り空。整備されすぎた登山道を黙々と歩くしかなかった。昼過ぎには薬師峠のテン場に到着。早く着いたらヒマだが、場所取りのことを考えると、このくらいの時間に着いておいたほうが無難かもしれない。



■8月12日(日)   薬師峠⇒雲ノ平   くもり朝夕雨

薬師峠(8:15)⇒薬師沢小屋(11:10〜30)⇒雲ノ平山荘(15:00〜10)⇒テン場(15:30)

予定では今日を赤木沢に当てていたが、朝から天気は芳しくない。せっかくの赤木沢をこんな天気の日に遡行するのはもったいない。予定を変更して、今日は雲ノ平に移動することにした。2日がかりで折立〜雲の平というのは、効率が悪すぎるなあ・・・。まあ、どっちみち天気が悪いからいいか・・・。

今日は背負う予定ではなかったメインザックを背負って出発。まだまだ重い。太郎平から沢筋に降りるまでの下りは、さすがに肩にこたえた。カベッケヶ原周辺の緩いところは快適だった。薬師沢からは雲ノ平へ向けて、今度は急登。この登りも昨日と同様ゆっくりと歩いた。この道は岩がゴロゴロしているところが多いのだが、その岩は角がなくてみんな丸い。濡れていたりしたら、大変滑りやすい。下りはなおさらいやらしいだろうなあ・・・。まあ、こんな運動靴に毛が生えた程度の靴で来るほうが悪いのかもしれないが・・・。

雲ノ平のテン場はだだっ広いわりに、快適なスペースというのが少ない。6テンくらい張れそうなところに陣取った。夕方は土砂降りになる。一瞬であたりは川のようになったが、しばらくで収まった。典型的な夕立かな。

■8月13日(月)   雲ノ平⇒高天原⇒岩苔乗越⇒雲ノ平   晴れ

テン場(6:10)⇒高天原温泉(9:00〜12:00)⇒岩苔乗越(15:10〜30)⇒テン場(16:40)
高天原からの薬師岳

今日は3日目にしてやっと朝から快晴!こんな日に赤木沢に行きたいところだが、雲ノ平からではちょっと時間的に厳しいか・・・。祖父沢を下降する手もあるが、今日は高天原温泉へ行くことにした。今日は重荷から開放され、サブザックで身軽に行動できる。天国のようだ。

高天原からの薬師岳は本当にきれいだ。さて、メインの温泉。時間的に中途半端なのか、混浴のほうは誰も入っていない。山で温泉に入れるというのは、本当にありがたい。

入浴後は横の河原でボケーっとしていた。入浴後のほてった体に涼しい沢風が吹いてくる。空は快晴で、横を流れる沢の音が本当に心地よかった。前回来た時も、風呂で力を吸い取られて、しばらく歩くことができず、河原でボケーッとしていたような記憶が・・・。

このまま来た道を戻っても芸がないので、ちょっと時間はかかるが岩苔小谷沿いの道を、岩苔乗越目指して登ることにした。前半は樹林帯で暗めだったが、中間から上は沢が開けていて気持ちよかった。また、もうお盆だというのに、この沢沿いには花びらつきのお花畑が残っていた。岩苔乗越からは祖父岳経由で雲ノ平に戻った。


■8月14日(火)   雲ノ平⇒薬師峠   晴れ午後雷雨

テン場(6:00)⇒薬師沢小屋(8:50〜9:10)⇒薬師峠(12:10)

今日はまた薬師峠までの移動のみ。天気が良いというのにもったいない。それにしても、かなりムダだらけの行程だ。お昼頃には薬師峠に着きそうなので、ヒマを持て余しそうだったら、薬師岳にでも登ってくればいいかと思っていた。しかし、テン場に着く頃には雲行きが怪しくなり、そのうち雷雨となってしまった。おかげで、テントにこもりっきりの午後となった。



■8月15日(水)   薬師峠⇒赤木沢⇒薬師峠   晴れ午後雷雨

薬師峠(6:00)⇒薬師沢小屋(7:40〜8:15)⇒赤木沢出合(8:50〜9:10)⇒稜線(12:10)⇒薬師峠(15:00)

今日がこの6日間の山行のメインイベントの赤木沢だ。天気は期待通りの快晴!そそくさと準備を済ませ出発。薬師沢小屋で沢装備を整え、黒部川へと入る。前にも後にも人がいて、人気の沢だということがうかがえた。平凡なゴーロを、右に左に徒渉しながら進む。やがて、ちょっとしたゴルジュとなり、左岸を高巻く。その先で堰堤のような幅広の滝(?)が現れる。ふと右を見ると、瀞の先に赤木沢が流れ込んでいた。

他の人たちは濡れないようにへつりながら赤木沢へ入っていたが、ボクたちは沢通しに進む。おなかくらいまで水に浸かれば大丈夫だった。水の中から岩に這い上がった瞬間、さっきまでとは別世界のお見事な渓相!滝、ナメ、水流、岩の色、周囲の潅木、青空・・・、全てが上手く絡み合って、この見事な景観を作り出している。思わず、「ワーッ!」と声が出てしまう。庭園のような感じなのだが、これを人工で作れといっても絶対にできないような、洗練された景観だ。


遡行自体もナメあり、滝ありで、どれも難しくなく、飽きがこない。疲れなんて全く感じない。もう終わるかな・・・と思いながら遡るが、いっこうに絶景が終わることはない。ひたすら形を変えながら絶景が続いている、なんか早く登ってしまうのがもったいないくらいだった。しかし、だんだんと雲が増えてきて、日が陰るようになってきた。さすがに日が陰ると、沢のキラキラした感じがなくなってくる。

30mの大滝に出くわした。みんな手前の草付を登っているが、なんだか登りにくそうにしている。手前の潅木と岩のほうが楽そうに見えたので、そこに取り付いた。草付を登っている人たちをごぼう抜きして、大滝の滝上に出た。さすがにこの先は渓相が変わる。二俣の連続で、水量も見る見る減っていった。二俣を右に右に進めば、赤木岳の近くに出るはずだったが、ちょっと狂ったのか赤木岳と中俣乗越の中間くらいいに詰め上がった。ツメも花は咲いていないものの、広々とした草原になっていて気持ちが良い。振り返ると薬師岳が大きかった。登山道に出て、赤木岳、北ノ俣岳、太郎山を越えてテン場に戻った。


■8月16日(木)   薬師峠⇒太郎沢⇒薬師峠⇒折立   晴れのちくもり

今日は太郎沢を遡行した後、折立へと下山する。ちょっと忙しいかもしれない。太郎平から薬師沢方面に下るのは、この山行今回で3回目だ。ただ、今日は沢に降りついたところが遡行開始地点となる。

薬師峠(5:50)⇒太郎沢出合(6:55〜7:10)⇒稜線(9:05)⇒薬師峠(10:05〜11:45)⇒折立(14:30)

太郎沢は薬師沢の中俣から分かれているコンパクトな沢。以前雑誌で紹介されていて、手頃で時間的にもちょうど良いので遡行してみることにした。沢の感じはやや暗め。でも、チョコチョコと滝が出てくるので飽きてしまうことはない。まあ、なんといっても昨日が赤木沢。どうしても昨日の残像が残っているので、公平な評価はしにくいところだ。

ボクの印象としては、この沢の真骨頂はツメにあるのではないか。沢の中がやや暗めなのに対して、ツメは大草原のお花畑。赤木沢はお花畑の中に踏み跡がついていて、そこを歩けばよかったが、太郎沢のツメは、遡行する人が少ないせいか、ほとんど踏み跡がついていなかった。罪悪感にかられながらも、仕方がないのでお花畑の上をズカズカと登山道に出るまで歩くしかない。まあ、とにかく気持ちの良い草原のツメであった。あとは薬師峠に戻り、下山するのみだ。



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