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三峰川〜仙丈岳

遡行自体はおもしろくないが、仙丈への登路としては興味深い
 
 山域  南アルプス 仙丈岳(3033m)
 山行日時  2003年7月12日(土)〜13日(日)
 登山形態  沢登り
 メンバー  K子、H野、M野、I永
 行程  1日目 大曲⇒熊沢(入渓)⇒岳沢出合
 2日目 岳沢出合⇒仙丈岳⇒北沢峠
 温泉  仙流荘(500円)  




この計画は名古屋ASCのK子さんの企画で、早くからH野君に誘われていた。三峰川自体はたいした滝もなく、遡行興味は沸かなかったが、釣りと宴会目的の長い川旅という感じで、おもしろそうだった。メンバーもASCから4人参加と楽しみだ。心配なのは天気のみ。週間予報は転々とし、前日には土、日とも雨マークがついてしまった。もう中止だろうなあと思っていたが、前日の夜9時になってもなにも連絡がない。こっちからH野君に連絡してみると、もうすでにみんな集合していて、行く気満々のようだった。


■7月12日(土)   くもり   大曲⇒岳沢出合

長谷村の道の駅に5時集合ということで、穂高の家を3時前に出た。4時半頃に道の駅に到着すると、みんな起き出しているところだった。2台で下山口となる仙流荘にボクの車をデポし、K子さんの車に5人乗って大曲へと向かった。大曲へ向かう車からは、茶色く増水した三峰川が見えた。かなり水量が多そうだ。これは徒渉がつらそうだなあ・・・。

長谷村道の駅(5:00集合)⇒大曲 林道終点(6:15発)⇒熊沢 入渓(8:30)⇒大横川(9:45)⇒小横川(10:40)⇒岳沢 泊(14:40)



大曲に着くと、相模ナンバーをはじめ、関東圏の釣り師と思われる車が数台止まっていた。出発の準備をしていたら、みんなのザックの小さいこと。予めガチャとハーネスは持って行かないとは聞いていたが、ヘルメットはH野君が持ってきているだけ。M野くんなんかは、日帰りに毛が生えた程度の荷物だった。ボクだけでかいザック。まあ、中にはビール6本と日本酒900mlが入っているので、いたしかたのないところだ。

林道を歩き始める。霧雨が降っていたがすぐやんだ。相変わらず川は茶色く濁っている。2時間林道を歩くのだが、釣り師と思われる人々は原付を抱えてゲートを越えたり、自転車で入ってきたりしていた。まあこの林道は誰でもパスしたいわなあ・・・。

入渓準備を終えて

熊沢のダムを過ぎてしばらくで沢に入る。K子さん先頭で歩き始めるが、これがまた早いこと・・・。付いていくのがやっとだった。だいたいは河原になっていたが、狭まっているところでは、腰まで入ってのヘツリをするところもあった。テン場に良さそうなところは、釣りのベースにしているテントがいたるところに張ってある。家型テントの上にタープが張ってある、豪勢なものもあった。

これまで対岸に渡ることはなかったが、大横川を越えて少しのところで徒渉。K子さんとH野くんが流れにあおられながらもなんとか対岸へ。体重48キロしかないM野君のために、残り3人でスクラムを組んで渡った。M野君は完全に浮いており、川下側にいたボクに圧をかけていた。相変わらずのハイペース。こっちは付いて行くのもやっとというのに、ルートを見ながらこのペースで歩いているK子さんはすごいなと思った。

小横川から竿を出す。これでハイペースからは開放だ。ボクは沢で釣りをするのは2度目。釣りにはたいして興味はないが、ただゆっくり歩いていても仕方ないので、竿を出しながら歩いていた。竿を持っていないのはM野君だけ。釣果はK子さん6匹、H野君1匹、I永くんとボクは0だった。K子さんによると、ここの魚はかなりスレているとのこと。インターネットで見た記録には、歩いていると岩魚が足に当たってくるとか書いてあったけど、どうやらハッタリのようだ。

焚き火を囲んで

3時前に岳沢出合に着き、ここで今日は泊まることに。この時点では、この支流は兎台川と思っていた。釣りに夢中になって、兎台川が入ってくるのを見落としていたと思われる。ここが岳沢だと気付いたのは、翌日なかなか岳沢が出てこなかったから。いきなり三軒岩小屋沢に出合ってしまったのである。

テン場は下手な稜線のテン場よりも快適で、サイトがちゃんとできていた。これだけ人が泊まった形跡があるのに、マキはたいへん豊富。今日はタープの下に3人、ツエルトに2人泊まる予定。タープの下には泊まったことがなかったので、泊まってみたかった。K子さんが岩魚をさばき終わって、やっとビールで乾杯。天気は思ったよりもずっと良く、歩き始めた時に霧雨が降ってからは、まったく降っていない。せめて寝るまでの間は降らないで欲しいものだ。

岩魚を焼く若者2人

夕食のメニューは岩魚の塩焼きが各自1匹ずつ。あとは岩魚のかけらとピーマンを炒めたもの、そして岩魚汁(岩魚のかけらとワカメのみそ汁みたいなヤツ)。K子さんはエンターテイナーで、作ってくれた料理は全部おいしかった。酒の方は順調過ぎるほど進み、まだ暗くならないうちに酔っ払ってしまった。日本酒に突入するのが早かったようだ。ボクとH野君は、相変わらず飲み出すと歯止めがきかない。一気に気分が悪くなり、大量のゲロをここに残置することになる。結局、2人とも復活することはなく、朝まで寝てしまった。H野君は酔っ払って、焚き火の前でケツ丸出しで寝てたとか。ボクは寝ていたので真相は知らない。




■7月13日(日)   くもりのち雨   岳沢出合⇒仙丈岳手前⇒北沢峠

「ご飯だよ〜!」の声で目を覚ます。夜は何故だかボクひとりツエルトで寝て、あとの4人はタープの下で寝ていた。朝には雨が降っているだろうなあと思っていたが、今のところはきのうと同じような感じだ。登山道に出るまでもってくれれば御の字だ。夕べほとんど吐いたはずなのに、まだ胃がむかついて食欲がない。でも、胃が空っぽのはずなので、無理やり押し込んでおく。

朝イチからまたハイペースだ。二日酔い気味で気分が悪い体にはこたえた。脱水症状になりかけているのか、ノドが乾いて仕方なかった。1時間くらい歩いても岳沢が出てこない・・・ということで、きのう泊まったところが岳沢と判明。得した気分だったが、間抜けだったかも・・・。きのうは高度をほとんど上げなかったが、だんだんと川の傾斜がついてきて、ゴーロ滝が出始め、三軒岩小屋沢の手前では立派な滝も現れた。その滝は大きな釜を持っていて、泳いで取りついて登れるかどうかといった感じだ。2個目の滝も同じように釜を持っていたが、こちらは無理すれば登れるようだ。でも、岩がもろかったのでやめる。しっかり巻き道もついていることだし。

三軒岩小屋沢の出合はほぼ1:1の二俣。ここからは急傾斜で地蔵尾根までかけあがっていそうだ。このあたりでやっと体調が良くなり、ノドの乾きも収まった。ガレに埋まった小滝連続という感じの渓相に。ガレがなければ結構いいかもしれないが、なにしろガレが多く荒れていた。

しばらくで本流からはなれ、右のルンゼに入った。そのルンゼで登りだしいきなり足場が崩れて2〜3m落ちてしまった。立ったまま落ちたので、大事には至らなかった。かなりの岩が崩れ落ちたので、下に人がいれば大変なことになるところだった。それでも右手のひらを切って、左ケツを強打してしまった。直後は体が動かなかったが、じきに復活した。この上も地盤が緩く、浮石が多い。ルンゼ上部をトラバースするところは、さっき落ちたばかりということもあって、かなりビビリが入っていた。この先は尾根でもない沢でもない急傾斜をひたすら登る。ふと右手を見ると、ハイマツらしきものが。行ってみると、尾根だった。そのまま歩いていたら、尾根に沿って登っているところだった。

やっと稜線に出た

地蔵尾根上に出てひと休み。展望は一気に開け、大仙丈から仙丈にかけての稜線が素晴らしい。この角度で仙丈を見るのは初めてなので新鮮だった。さて、あとは仙丈に登るのみと動き出すが、道がない。しばらく丈の高いハイマツを漕ぐことになる。まさかここにきてハイマツ漕ぎになるとは思わなかった。ずっと上までこんな調子だったら、着く前にガス欠だ。そんなこんなしているうちに、ハイマツの丈が低くなってきた。それと同時に道が現れてきた。どうやらこの道は手が入ってなくて、ハイマツの生育の良い下の方は、道を覆い隠していたのかもしれない。道が出てきたが、すんなりとはいかない。もう体力が残っていなかった。ゆっくりゆっくり登っていた。しらないうちに年の若い順に登っていたのには笑えた。

やっとの思いで仙丈の肩に当たる分岐にたどり着く。このあたりは広々とした気持ちの良いところ。あのH野君が高山植物を結構知っていてビックリ。さすがに花好きを伴侶にするとかわるもんだ。現在11時過ぎで、バスの時間は13時と15時50分。ヘトヘトだったので、13時のバスというのは頭になかった。となると4時前のバスだが、時間が空き過ぎてしまう。ここでミニ宴会となった。持っている行動食と、残り1本のビールをみんなで分け合う。

仙丈岳の西面

藪沢に向かって下山開始。早く着くとヒマなので、チンタラと下っていた。馬ノ瀬ヒュッテで腰を下ろす。現在12時10分。バスまであと50分だ。峠までのコースタイムは1:40。誰ともなく走ろうということになった。こんなことならさっきのミニ宴会が悔やまれる。藪沢は雪渓で埋まっていた。グリセード、尻セードでどんどん下る。登山道も登り以外はずっと走った。12時50分に大平山荘に着いた。小屋にいた人に「こっからバスに乗れますか?」と聞くと、「乗れない」とのこと。ショックでかい!北沢峠まで山道を行くと、バスと入れ違いになりそうだったので、車道を歩いた。もしバスが来たら止めてしまおうということだ。北沢峠には1時キッカリに着いた。バスはまだいたが、あと2人しか乗れないとか言っている。え〜って感じでいたら、増便してくれることになった。走って良かった・・・。

仙流荘に着く。車の回収は運転手2人(K子さんとボク)だけで行き、残りの3人は仙流荘の風呂に入っていてもらう。お風呂セットは車の中にあったので、往復約1時間半は風呂に入っていなければならない。かなり伸びていたのだろう、温泉に着いたとたんに風呂から出ていった。ついでに夕飯もここで済ませた。1時のバスに間に合って本当に良かった。もし4時前のバスだったら、やっと仙流荘に着いたくらいだ。これから車の回収に行くかと考えたらゾッとする。



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