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大菩薩/泉水谷 小室川谷

 森の中を流れる渓谷といった感じ 4段30mの滝は見る価値アリ!
 山域  大菩薩 大菩薩嶺(2057m)
 山行日時  2004年6月12日(土)〜13日(日)
 登山形態  沢登り
 メンバー  T井×2、S上、N原、K松、T世
 行程  1日目  泉水川小室川出合⇒中ノ沢出合上
 2日目  中ノ沢出合上⇒大菩薩嶺⇒丸川峠⇒小室川谷出合
 温泉  丹波山温泉 のめこいの湯  その他山梨県の温泉情報

一緒に行ったS上さんの「山歩きのページ」もご覧ください



3月の谷川岳東尾根で一緒だったT井さん、是非今度は沢登りで・・・という話をして別れた。そして今回、「やまねくらぶ」と「松本労山」の交流宴会沢登りが実現。梅雨時ということで、問題は天気。週間予報ではずっと土日が悪天。直前には台風崩れの低気圧が来たりでどうなることかと思ったが、幸いにも2日とも大崩れすることなく、この時期にしては恵まれた天候だった。


■6月12日(土)   くもり時々晴れ   小室川出合⇒中ノ沢出合上

前日の夕方、軽いギックリ腰になってしまった。当日の朝起きてみると、ちょっと辛い感じだったが、動いて温まったら痛みは少なくなるだろうと、楽観的に考えて出発。4時過ぎに家を出て、三条新橋には7時過ぎに到着。家を出るときは小雨だったが、南に行くほど天気は良くなり、甲府あたりではほぼ晴れに。そこから山に入っていくと、また雲が厚くなってきてしまった。やまねくらぶ組は前夜から泊まっており、ちょうど起き出したところだった。林道のゲートは開いており、小室川谷出合の真上まで車で入ることができた。

駐車場(8:50)⇒小室川谷出合入渓点(9:00)⇒S字峡入口(11:30)⇒小室の淵(14:55)⇒中ノ沢出合先のテン場(15:10)


空は曇っているが、だんだんと明るくなってきている。車道から踏み後を追って出合に下降。本流にかかる橋を渡ったところで入渓。ゴーロを7人ズラズラと連ねて歩き始める。夕べの雨のせいで、水量は平水に比べ10センチ程度多いようだ。

最初の難関である8mの滝は、見た目たいしたことはなかったが、ヌメヌメだったので補助ロープを出した。S字峡手前にある5mの滝は、釜の右側を胸まで浸かりながら左岸に取り付いて通過。さすがに南の方の沢だけあって、水は冷たくない。
出合からはしばらくこんな渓相

すぐにS字峡となる。S字峡は水線を突破するつもりでいたが、水量が多いため断念。巻くことにするが、結構側壁は切り立っている。右岸を登って補助ロープをたらした。入口の滝だけ巻いて、すぐに懸垂で沢床に降りた。そこから先もちょっとややこしかったが、なんとかS字峡を抜けた。

最初の難関 8m滝
S字峡手前の5m滝
S字峡入口の滝

腰のほうは朝よりはずっと良くなった。ただ、足を高く上げて乗り上げる時は右足1本で体重を持ち上げるような格好になり辛い。翌日は右の太ももだけが異常に痛くなってしまった。また、飛び石をする時も、いつものように思い切って飛ぶことができなかった。痛みと欲求不満を感じながらの遡行だった。

S字峡を抜けた時にはすでに昼を回っていた。予定では今日の泊まり場はジャヌケ沢の出合付近だったが、もう到底無理っぽかった。7人パーティーなので時間はかかると思っていたが、予想よりもちょっとかかっている。やはりロープを出す場面になると、どうしても手間を食ってしまう。

4mの滝は登れないので、右岸の残置ロープにランニングを取りながら、T井さんがトップで登って、あとの6人を確保してくれた。

小室川谷は通して側壁が発達している。側壁の高さはそれほどないが、高巻くとなると登り始めが厳しくなる場合が多い。高巻き中の滑落なんかを考えると、登れる滝は登ってしまったほうが良さそうだ。柱状節理が随所に見られた。

小室ノ淵は通過不能。あっさりと高巻きに入る。この高巻きは意外とすんなり終わった。ここでまた時間を食ったら、中ノ沢までも厳しくなるぞと思っていたのでホッとした。
S字峡を振り返る
中ノ沢出合付近もテントを張れそうだったが、もう少し快適な場所を求めて上流へ。しばらくで右岸が台地状になった適地を発見。迷わず今日の泊り場に決定。

この付近には細めのマキはたくさんあったが、種火になる太いヤツが少ない。でも、7人もいるのであっという間にマキの山となる。マキは濡れているので、メタをふんだんに使って、一発勝負で点火。

落ち着いたところで、今回のメインイベントである宴会がスタート!食当のN原君は、沢での食事に関してはかなりのこだわり派のようで、凝った料理を10数品も振舞ってくれた。これでもかというくらいに料理が出てくるので、ビールから日本酒に切り替えるタイミングがなく、おなかがポンポンになってしまった。

みなさんは11時過ぎまで宴会をしていたようだが、ボクは9時ごろにはダウン。お先にテントに入って寝てしまった。
小室ノ淵




■6月13日(日)   くもり一時雨   中ノ沢出合上⇒大菩薩嶺⇒小室川谷出合


テン場(8:40)⇒4段30m滝(10:15)⇒2段20m滝(11:30)⇒稜線(14:35)⇒大菩薩嶺、丸川峠経由⇒駐車場(18:15)

夜中は一時雷とともに大雨に。酔っ払いながらも、濡れたらまずいものを慌ててテントに取り込んだ記憶が・・・。その後は7時くらいまでぐっすりと寝ていた。朝の天気はくもりで、たまに霧雨が降ってきている。夕食に比べると貧相な朝メシ(雑炊)。

朝一は腰が痛い・・・。でも、酒が減ってザックが軽くなったので、随分と楽になった。しばらくは平凡な流れだった。滝もややこしいヤツはなくて、わりと快適に登れるものが続いた。

4段30mの滝の手前にある10mの滝は一目見て登れない。左岸を高巻くことになるが、これが結構悪かった。でも、きわどいところには、あつらえたような木の根っ子があったりで、安心してトラバースすることができた。

高巻き中に4段30mの滝が見えた。小室川谷随一の展望だ。どちらかというと暗い感じの渓相だが(天気が悪いこともあって)、この滝だけは明るく開けた感じだった。
5mナメ滝

4段30mの滝は下のほうがヒタヒタと快適に登っていけるが、最上段の落ち口に出るところがヌメヌメでビビリが入った。残置のシュリンゲは3本垂れ下がっているが、肝心のところのシュリンゲの角度が悪い。恐らく水量が少なければ、水流の中に足を置き、このシュリンゲにつかまって登ればよいのだろう。今日は水量が多く、流れには圧力があって、スタンスを探し出すことも不可能。思い切って行けば行けたと思うが、ここは無難にやめることにした。

10m滝は左岸を高巻き
10m滝の高巻き中から望む4段30m滝
4段30m滝で

戻って確保してもらいながら登ろうと思ったら、すでにT井さんが右岸を登って滝の落ち口にいた。なんのこっちゃ・・・。ロープを投げてもらいフィックスし、シュリンゲを追加してここを通過。ボクにとってはここが小室川谷の核心だったかも・・・。

2段20mの滝は左側を登れるとガイドにはあったが、これは水量が少ない時の話かなあ・・・。無難に右岸を高巻いた。1段目を巻いて落ち口に出たら、さらに端正な上段が控えていた。写真だけ撮って、また巻き道に戻って2段目も巻いた。

4mの滝と5mの滝が連続する
2段20mの上段の滝
12m階段状の滝

2段20mの滝が終わると、大物滝はもう終わり。長〜いゴーロ地帯をひたすら歩く。飽きかけた頃に右から顕著な沢が入ってきた。ジャヌケ沢の出合はガイドでは1480mになっているが、地図を見たら1400mもいっていない。ここで今日初めてのザックを降ろしての休憩。

ジャヌケ沢を分けると水量がグッと減る。・・・とともに沢が荒れ始め、うさん臭さが倍増。傾斜もきつくなってきて、苦しいツメに入る。水は枯れそうでなかなか枯れない。枯れが水流を覆って伏流しているところが何ヶ所かあった。

本流を忠実に辿ると、やがて水がなくなり、踏み跡に導かれて笹原の稜線に出た。稜線の反対側は良い天気!甲府盆地は太陽が当たっていて、暖かそうだった。それに比べて小室川谷のほうは霧となっていて、暗くて寒そう。スカッと晴れていて、富士山でも見えれば最高だったが、今日の天気では仕方あるまい・・・。

やっとこさ稜線に出た

あとはコースタイム4時間の下山だが、まずは大菩薩嶺までは登らなければいけない。大菩薩嶺は樹林が茂っていて、展望の効かない山頂。丸川峠まで降りると、また明るい笹原となり、富士山の上のほうだけ見ることができた。ここから泉水谷沿いを下り、立派な林道にヒョッコリと出た。あとは林道を約3.5キロ歩くことになるが、車が2台あるのになんで1台回しておかなかったのか・・・と後悔。林道は腰が痛くて飛ばして歩くことができず苦痛だった。まあ、明るいうちに着いて、ヤレヤレといったところか・・・。

温泉は丹波山温泉「のめこいの湯」。受付は19時で終了だったが、ギリギリ5分前に入場。よかったよかった・・・。泊まりの沢で温泉に入れないのは苦痛極まりない。「ここの湯は良い!」と、T世さんお気に入りの様子だった。甲府でラーメンを食って、家に帰ったら11時半。翌朝は3時45分起きで仕事なので、もう寝る時間が残ってないやんけ!



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