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王滝川 鈴ヶ沢東俣

大滝あり、きれいなナメあり・・・滝の博物館のような沢でした
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 山域  御岳 三笠山
 山行日時  2004年7月4日(日)
 天気  晴れ
 登山形態  沢登り
 メンバー  H口、K野、H野、T橋、K藤、T世
 行程  鈴ヶ沢橋⇒鈴ヶ沢東俣⇒田ノ原
 温泉  うしげの湯(500円) 参考:木曽おんたけレジャー施設 




鈴ヶ沢東股は4年ほど前に一度遡行しているが、なにしろ沢登りを始めたばっかりの時で、ただ他の人たちについていくだけの状態。大滝とトンネルの滝だけはかろうじて記憶にあったが、その他はどんな滝があって、どこをどう登ったのかさっぱり覚えていなかった。ただ、きれいな沢だったという印象だけはあったが・・・。おかげで、新鮮な気持ちで遡行することができた。


今回は沢登りデビューのY子嬢のために企画した山行。そのY子嬢は雨女で名高いらしい・・・。懸念された台風だが、動きが遅いため、なんとか当日の天気はもちそう。名古屋隊のT橋君、Y子嬢は前夜から御岳の登山口である田ノ原でスタンバイ。松本隊5名は朝4時半に塩尻で集合して、車2台で御岳に向かった。車の回収を効率よくするために、運転手以外は鈴ヶ沢橋に置き去りにし、田ノ原へ向かう。田ノ原で名古屋隊と合流し、車2台を残して三沢橋へとまた下った。置き去りにされた3人は、1時間20分も待たされ、さぞかし退屈だったのでは・・・。

鈴ヶ沢橋(7:55)⇒三沢橋(8:20〜40)⇒林道横断(9:15)⇒3段大滝下(9:35)⇒大滝上(10:50)⇒4m直瀑(12:15〜30)⇒涸れ30m大滝(13:20)⇒車道(15:00)

朝から猛烈な日差しで、くそ暑い林道歩き(この日の松本市の最高気温は34度を超えていた)。30分ほどで入渓点である三沢橋に差し掛かる。みんなは車道で沢装備の身支度をしていたが、ボクだけ涼を求めて河原で身支度。それでも暑くてたまらなかった。

普段は長袖だが、今日は小傷覚悟の半袖。沢に入ってすぐ、雰囲気の良いナメの斜瀑が現れる。いよいよ始まるかと思ったら、そこからはしばらく平凡なゴーロが続いた。まあ、ウオーミングアップにはちょうど良いか・・・。デビュー戦の人、久しぶりの人もいることだし。

H野君が切り込み隊長となって先頭を引っ張っていく。ボクはのんびりと写真をバシバシ撮りながら歩いていた。デビュー戦のY子嬢は、最初こそ水流に足を置くのが慣れない様子だったが、しばらくで違和感なく歩いている。

入渓直後のナメ&斜瀑

30分チョイで林道が横切る。4年前は天気が悪かったので、この橋まで林道を歩いて、ここから入渓したと思う。林道の橋をくぐってからが、鈴ヶ沢東股の本番!ゴーロだった沢床が岩盤のナメ中心に変わる。

圧倒的な迫力の3段大滝
快適に登っていると、突然3段大滝が!滝の最下部で休憩。ボクは下段を登って高巻きルートの偵察に。巻くならガイドどおり右岸しかないが、どこから取り付くべきかってところだ。下段から少し草つきを登ってみるが、急斜面の地面は緩いし、浮石も多い。やはり、最下段から取り付いたほうがいいのかなあ・・・と思っていたら、休憩しているはずのみんながこっちのほうに登ってきていた。あれま・・・、降りるのも危なそうなので、ここを強引に登るしかないかな。

頼りない潅木を支点でT橋君にビレイしてもらい、いったん傾斜が緩む台地まで登ってピッチを切る。潅木はあるのだが、今にも抜けそうな感じでいやらしい。石もすぐにはがれてしまいそうだ。丈夫そうなダケカンバにロープをフィックスして、みんなに登ってきてもらう。

その間に上の偵察。この先も傾斜はたいしたことないものの、浮石と緩い地面がいやらしい。ここも潅木にロープをセット。いったん懸垂で降りて、下にロープを渡す。

3ピッチ目はゆるゆるの地面をトラバースして、笹の生えている急斜面を笹をつかみながら乗り越える。すると薄い踏み跡が出てきた。ガイドではいったん中段まで登ったところで下流側にトラバースし、そこから直上したあと、潅木帯を上流のほうに向かうようになっている。おそらくその踏み跡だろう。まあ、今回はガイドとは別の高巻きルートとなったわけだが、高巻きの距離としては最短のはず。どっちが良かったかは、どっちとも登ってみないことにはわからないだろう。沢への下降は、あるかないかわからないような踏み跡を辿って、緩い斜面を下った。

3段大滝からしばらくで斜瀑 に
トイ状+釜の組み合わせが多い
ナメと釜の連続!

3段大滝の高巻きに1時間15分かかってしまった。まあ、7人もいるので上出来なのでは・・・。沢に戻り、500mlのポカリを一気飲みした。それでも暑いので、釜に浸かって体を冷やす。今年はまだ奥秩父の沢にしか行ってないが、水温の差は歴然!奥秩父は水に入っても冷たさは感じなかったが、さすがに高峰である御岳の水は冷たく、長く浸かっていると痛冷たく感じてきた。でもこの陽気なので、水から出ても全く寒くはなかった。

左側を低く巻いたっけ?
舗装したかのような平ナメ
水流右の際を登った 落ち口はちと悪い

水に浸かって体がシャキッとしたところで出発。ここからはさして悪場もなく、かといって平凡なゴーロになるわけでもなく、快適な遡行となる。登れない滝は随所に現れるが、巻きは低いので苦労はない。火山である御岳特有の岩盤なのか、他では見られない渓相だ。溶岩が柔らかいためか、水流による侵食が激しいようだ。そのため、トイ状のナメ滝が多く、水量のわりには釜が発達しているような・・・。

トンネルになった滝
きれいなナメの斜瀑
ウオータースライダー(はしてない)

この沢の良いところは、ホールド、スタンスともに豊富なところだ。遠くから見ると逆層で難しそうに見えるが、いざ取り付くと手も足もカチッと決まる。苔も少ないようで、岩はほとんど滑らない。安心して斜めのところでも立つことができた。

水流と潅木の間に取り付いた
4m直瀑 右の側壁は洞窟になっている
散歩気分で歩けるところが多い

沢デビューのY子嬢はフリークライマー。乾いた岩を登る場面になると、目がギラギラしている様子だった。乾いた岩だけでなく、その他の悪い部分でも、初心者にありがちなへっぴり腰になることもなく、全く危なげない。大高巻きでの悪い草付きやヤブっぽいところでも、臆する様子は見られなかった。運動神経もバランスも良いのだろう。次回一緒に行く時は、難しそうな滝が出てきたら、是非リードをお願いしたい!

水流の右をへつる
左の写真のへつりのシーン
この滝(左の写真)は水流の右側をへつる。これぞへつり!という場面だ。ドボン覚悟で取り付く。首からぶら下げていたデジカメもザックにしまっておく。

取り付いてみると、あつらえたようにスタンスがあり、岩も滑らない。一段降りるところと、最後のおなかがジャマするところ以外は楽しくへつることができた。

普通のズボンでは痛そうなので、釣り用の尻パットでもつけてウォータースライダーをやったら、さぞかし楽しいだろうなあ・・・。

途切れることなく続くナメ床・・・。いい加減飽きる頃に、なんだか石ころが目立ち始める。しばらく歩くと左斜面が大ガレになった。そして、だんだんと側壁が高くなり、圧迫感を感じたところで、ハングした岩壁に行く手を遮られる。30mの滝なのだが、今日は滝上から一滴も水が落ちていなかった。いくら雨が少ないといっても今は梅雨。前回は秋に来ているが、その時は立派な瀑水が落ちてきていたのだが・・・。ここで水補給を兼ねて休憩。

いよいよツメの段階というところだが、まずはこのハングした岩壁をやり過ごさなければならない。左岸の緩い斜面を、アザミやウドのトゲトゲ攻撃をかわしながら側壁の基部へ。そっから側壁をグルーッと回り込むようにして尾根に出る。しばらく尾根を進み、傾斜の緩んだところからとなりの沢に降りた。

となりの沢もまたナメ滝になっており、すずめの涙程度の水流があった。手を当てて直に水を飲んだ。高巻き後の水は本当においしい。しばらくでナメ状ではなくなるものの、最後までヤブになることなく、思っていたよりも苦労せずに車道まで詰めることができた。7人いたにもかかわらず、約7時間という行程はまずまずなのではないか。
支沢に入ってもナメ滝だ

車道に出てから車まではわずかな歩きですんだ。下山がないというのは大変ありがたい。御岳の方角はすっかり曇りベースとなってしまった。時折雲の切れ間から山腹が見えていた程度だった。

デポしておいた車2台で、「うしげの湯」という温泉に。露天も内湯もぬるめだったので、ゆっくり入ることができた。入浴後で名古屋隊とはお別れ。あとは鈴ヶ沢橋にある車を回収して、松本隊も解散ということになった。

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