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谷川岳 東尾根

 雪稜のトラバースはスリル満点、展望は迫力満点でした
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 山域  上越 谷川岳(1977m)
 山行日時  2004年3月13日(土)
 天気  晴れのち雪
 登山形態  雪山バリエーション
 メンバー  H野、U田、T井
 行程  ロープウェイ山麓駅⇒一ノ倉沢出合⇒東尾根⇒谷川岳⇒天神平
 温泉  上牧温泉 風和の湯(500円)   その他の温泉・・・水上町観光協会  


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今年の冬は山スキーに明け暮れていたが、2月にH野君より谷川岳東尾根への誘いがあった。冬のバリエーションは昨年の中山尾根(八ヶ岳)がデビューで、今回がまだ2度目。体力面、技術面ともに不安はあったが、なかなか行く機会がないので二つ返事で参加することに。こんなボクを誘ってくれるだけでもありがたい。

今回のパーティーは関東2名、東海1名、信州1名、三つの山岳会の混成。東海代表のH野君はウチ経由で、関東代表2名とは現地集合することに。谷川ロープウェイの立体駐車場に着く。6Fには寝袋にくるまって仮眠している人がわんさかいた。床暖房が入っていて、とても快適そうだ。知っていたら家で仮眠せず、ここで寝たほうがずっと良かったのに・・・。関東組はすでに起きていて、車のところで準備をしていた。

谷川岳ロープウェイ(5:45発)⇒一ノ倉沢出合(6:45〜7:10)⇒シンセンのコル(8:25〜9:00)⇒第2岩峰(9:05〜9:50)⇒第1岩峰(10:50〜12:20)⇒オキの耳(12:40〜50)⇒天神平(14:00)

一ノ倉沢出合に向けて林道を歩き始める。今年は雪が少ないようで、すでに春先のような雰囲気だ。いつもは最初からエンジン全開のH野君だが、今日は抑え目に歩いてくれて助かる。割と遅めの出発。先行者はたくさんいるみたいで、ラッセルの心配は全くなさそうだ。

一ノ倉沢出合より
一ノ倉沢出合には3人パーティーが休んでいた。ウチらもここで休憩し、シンセンのコル上部の急斜に備えてアイゼンを履いておく。一ノ倉沢出合は夏、冬通して初めてだったが、想像以上の迫力で岩壁がそそり立っていた。白毛門方面からは何度か見たが、下から見る方が迫力がある。

まずはシンセンのコルを目指して歩き始める。コルまではゆっくり歩くとか言っていたH野君だったが、いきなりここから大幅なペースアップ。ゼイゼイ息を切らしながら、頑張って後を追った。右のわりと緩い斜面から大きなデブリが出ていた。
シンセンのコルを目指して一ノ沢を詰める
雪はかなり締まっており、トレースのないところでもほとんど埋まらない。一ノ沢は深くて細くて急な谷だ。前半は雪が硬くてステップが切れていなかったので、ふくらはぎに負担がかかる。後半は雪が緩み、ステップが切れていたので、割合楽に登ることができた。

時々先行者が落としてくると思われる、雪合戦の玉くらいの塊が転がってくる。危険は感じなかったが、それが顔に当たったら痛いだろうなあ・・・。出合から1時間経ったところで時計を見たら、550mも標高を稼いでいた。歩くの早すぎるわ・・・。

シンセンのコルには2パーティー4名がいた。すぐ上の第2岩峰の基部には、見えるだけでも10人くらいが順番待ちしている。その中に名古屋ASCのM野君がいた。向こうも気づいたようで、手を振っている。これは相当時間がかかりそうだ。ハイペースでここまで登って来た意味が全くない。狭くてあまり落ち着かないが、とりあえずは大休止。だいぶ高度を稼いだので、上越北部の山々の展望が開けてきた。この辺が岩々なのに比べ、北部の山々は真っ白けだ。

少し人数が減ったし、後からも3人来たので、第2岩峰基部に移動する。それでもまだ4パーティーが登るまで、自分たちの順番は回ってこない。うんざりするところだが、今日は快晴で風もなく、展望が素晴らしいので苦痛はなかった。

シンセンのコルから第2岩峰を見上げる
第2岩峰基部から一ノ沢を見下ろす
第2岩峰

やっとこさ順番が回ってきて、H野君のリードで登る。第1岩峰の中間に、1ポイントだけいやらしいところがある。ボクはバイルのシュリンゲをメインのカラビナに付けていたのだが、マヌケにもそのシュリンゲが短くて、バイルを上に伸ばすことができなかった。仕方なく胸元あたりにバイルを刺して登るハメになり、ちょっと苦労してしまった。

西黒尾根上部
第2岩峰上の東尾根
雪稜をひたすら登る

第2岩峰を越えると、意外と広めの尾根が伸びていた。先行パーティーはだいぶ上の方まで登っている。しばらくザイルは必要なさそうだ。先行者が付けてくれた、至れり尽くせりのステップを忠実に辿って、どんどんと高度を稼ぐ。広めの尾根が終わり、急に痩せ尾根となる。第1岩峰までの間は、きわどいトラバースを繰り返す。落ちたら一ノ倉沢に真っ逆さまだ。傾斜が強いので、落ちた瞬間に止められなかったら、止めるのは不可能だろう。

東尾根を見下ろす
東尾根の上部は尾根が痩せてくる
滑落したら一ノ倉沢が口を開けて待っている

とくに第1岩峰手前の雪庇のトラバースは心臓に悪かった。登りながらのトラバースならまだよいが、ここはやや下りながらのトラバースだったので、足元が見えず、恐る恐るカニ歩きで進んだ。しっかりしたトレースがあってもこれだけ恐いのに、最初にトレースをつける人はさぞかし恐いだろうなあ・・・。というか、すごいなあと尊敬してしまう。

第1岩峰手前の雪稜
第1岩峰の手前で時計を見たら、まだ11時になっていなかった。山頂はもうそう遠くなかったので、これなら余裕でお昼前には国境稜線に抜けることができそうだ。・・・と思った矢先、第1岩峰順番待ち渋滞が・・・。最初の1歩が難しそうで、苦労している。

待ち切れない2人組が、確保しながら一ノ倉側を巻きにかかった。50mザイル一杯で、なんとか巻き切ったようだ。渋滞にうんざりして、直登せず巻くパーティーも。待ち時間は、中高年の男女2人組の漫才トークを聞いたり、マチガ沢を滑るスキーヤーを見たりして時間をつぶした。
第1岩峰ははじめの1歩が難しい
M野君たちのパーティーのあとが、やっとウチらの順番だ。しかし、その中の1人が1歩目に手間を食う。快晴だった天気も、この待ち時間で一気に真っ白けに。これまでポカポカだったが、風も出てきて、とたんに寒くなってしまった。予報では昼頃から崩れるとのことだったが、その通りとなってしまった。

結局、1歩目を登ることができず、巻き道に逃げることになってしまった。やっと順番が回ってきたが、長い待ち時間と悪天のため体が硬くなってしまった。まともに岩を登らず、シュリンゲをつかんで、力ずくでクリア。スピード優先だ・・・。

第1岩峰をクリアしたら、ものの15分で国境稜線に抜けることができた。展望は全くなく、ホワイトアウト状態。小雪も降り始めてきた。

一ノ倉沢出合からオキの耳まで5時間半。実働は3時間で、待ち時間がなんと2時間半ということになる。谷川岳東尾根は登ることができる時期が約1ヶ月と短く、おまけに人気コースときているので、渋滞は覚悟しておかなければいけないようだ。まあ、今日は最後を除いてポカポカ陽気で、景色も最高だったので苦痛はなかったが、これが吹雪だったりしたら、大変なことになっていたのでは・・・。

下山は視界がほとんどなかったが、トレースがたっぷりあったので、迷うことなく下山することができた。天神尾根に入ったころには、雪もひどくなってきた。天気の悪化がもう少し早かったら、惨めな思いをしていたことだろう。それにしても、熊穴沢避難小屋から天神平までの間、テント&雪洞の多かったことにはビックリ。さすがに関東から近いだけのことはある。


M野君のパーティーを含め、8人全員が翌日は休みだったので、せっかくなのでもう1泊して宴会することに。温泉に行った後、スーパーで買出し。外は吹雪き模様だったので、駐車場6Fの隅っこで宴会。みなさん前日睡眠不足だったにもかかわらず、夜11時頃まで宴会が続いた。宴会の主役はH野氏だったことは言うまでもない。




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