本番前のお仕事として、まずは車の回送。下山口の妙高杉ノ原スキー場に車を置きに行かなければならない。3時に豊科に集合して、2台で妙高へと向かう。1台デポして日本海に出て、糸魚川から北上し小谷温泉に。前準備にかかった時間は3時間半。やれやれ・・・。
夜のうちに冬型は解消して、朝から絶好のツアー日和。強い冬型は一瞬で終わり、直前の積雪は小谷温泉あたりで20〜30センチくらいか。覚悟していたラッセルだが、幸運なことにトレースが・・・。長丁場の幸先ヨシ!予定より若干遅れの7時前出発。山頂13時を行くか戻るかのメドにしよう。
尾根に上がったところからの北アルプス
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1741mの岩峰
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ブナと樹氷と青空がきれい
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トレースはどうやら二人分のようだ。何時ごろに出たのかなあ・・・?トレースは
昨年取付いた場所を通り過ぎ、その一つ先の尾根から取付いていた。ところどころヤブっぽいが、概ね登りやすいルート。これが一番一般的なのかな。ヤブに関しては、今シーズンはヤブスキー続きで、免疫ができてしまっているのかもしれない。
かなりノッポの樹氷
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1741mを越えると尾根は広くなる
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樹氷ごしの北アルプス
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トレースのおかげで順調に尾根に到達。昨年はガチガチの雪面にシールが効かず、かなり苦労したのだが・・・。尾根に上がってからもガチガチだったので、板をはずす場面が続出。今年は雪が軟らかくてトレースもあるので、かなり楽させてもらえそうだ。そのトレース、まったく無駄がなく、絶妙なライン取り。リピーターかプロの仕業に違いない。いつ先頭に追いつくのかなあ・・・とか考えながら歩いていたが、結局追いつくことなく山頂に着くことになる。
徒渉・・・
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徒渉を終え、岸に這い上がったところで、再びシールを付ける。ここからが長いシール歩きの始まりだ。終点の杉ノ原スキー場までの推定距離は11キロ。すでに3時を回っている。どこで暗くなるのかなあ・・・。でも、林道まではもう目と鼻の先の距離。安全圏に入った安心感があった。この徒渉までに暗くなってしまったら、もう行動不能。ビバークしなければならないところだった。
しばらくで杉野沢橋となり、ここから林道。気が遠くなる・・・。下山の林道はシャーッと滑って終わりというのが普通だが、今日はそうはいかない。池ノ峰を巻くまでの約10キロ弱はほとんど平坦か緩い登り。滑るなんてことは夢のまた夢。先のことは考えないことだな。仮に下っていたとしても、新雪が積もっているので、滑るなんてことは不可能だ。 |
笹ヶ峰で真っ暗に
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ラッセル自体はせいぜいスネ程度で、それほどの労力はない。しかし、長い行動の最後の最後で、しかも長い長い林道。ラッセルはジャブとなって効いてくる。雪が軽ければ深いし、日当たりの良いところはバリバリの雪。だんだんと股関節と腰が痛くなってきた。
西の山に太陽が沈むと一気に暗くなり、星が出てきた。同時に気温も急下降。休憩していると、とたんに体が冷えてきた。笹ヶ峰で完全に明るさがなくなり、ヘッドランプを装着。林道でしかも雪が少ないので、迷う心配はないのがありがたい。池ノ峰を回り込み、そろそろ下りのはずなのに、なかなか下りにならない。下りになったと思ってシールをはずしたが、少しの間は平らなままだった。下りの幻覚を見たかな・・・。下りにかかってからはスキー場までは一気。やっと終わった・・・。 |
満月の月明かりの中、誰もいないスキー場を滑って下りる。太ももはやられていたが、奇妙な雰囲気のゲレンデ滑りは、なんだか楽しかった。そして、やっとデポしていた車に辿りつく。遅くなるのを予想して、国際側の駐車場に止めておいたのは大正解であった。さて、あとは風呂に入って・・・といきたいところだが、間抜けなことに栃の木亭に止めてきた車に、お風呂セットと靴を置いてきてしまったのだ・・・。風呂は我慢できたとしても、渡渉で濡れたスキーブーツを履いたまま家まで帰らなければいけない・・・。ううう・・・。
星空下山になったものの、なんとか2週間前に思い付いたこの長丁場をやっつけることができた。濡れたブーツの不快感と合わせて、完走の達成感が沸いてきた。メンバー2人に感謝感謝だ。その不快感と達成感をしのいだのが、帰りの車の眠気感であったのは言うまでもない。
GPSではないのでテキトーです
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