山登りのページTOP 山行記録 山スキーのページ 沢登りのページ 北アルプス全山縦走 南アルプス全山縦走 リンク PLOFILE

山登りのページ 山登りのページ

白峰南嶺縦走 笊ヶ岳⇒笹山⇒北岳

2010年9月18日(土)〜9月21日(火)  メンバー:単独

2日目 笊ヶ岳⇒伝付峠⇒笹山


笊ヶ岳からの日の出


  日記は1日ずつに分けました  
1日目  9月18日 雨畑〜布引山〜笊ヶ岳
2日目  9月19日 笊ヶ岳〜伝付峠〜奈良田越〜笹山
3日目  9月20日 笹山〜広河内岳〜農鳥岳〜間ノ岳〜北岳山荘
4日目  9月21日 北岳山荘〜北岳〜小太郎山往復〜広河原


■2日目  9月19日(日) 笊ヶ岳〜伝付峠〜奈良田越〜笹山  晴れだが高曇り気味

きのうはずっとガスガスで、笊ヶ岳からの絶景は拝めず・・・。せっかく笊山頂で泊まったんだから、朝晴れてくれなければ困る。ゆうべはいつの間にか寝ていて、目覚ましがなるまで寝続けた。恐る恐る外を覗くと、しっかり星空で安心。今日は笹山までの長丁場なので、暗いうちにメシ食って準備を進める。明るくなるまで動かないのがポリシーだが、背に腹は代えられない。

笊ヶ岳(5:35)⇒水場分岐(6:25〜35)⇒生木割山(7:20〜35)⇒天上小屋山(8:15)⇒伝付峠(9:45〜10:30)⇒奈良田越(12:35〜50)⇒白剥山(13:35〜50)⇒笹山南峰(16:00)

ヘッドランプを灯してテントたたんだのなんて記憶がない・・・。空は少しずつ白んでくるけど、なかなか太陽は出てこない。御来光を待つなんて何年ぶりだろう・・・?5時に外に出て結局日の出は5時半だった。30分間が寒かったので、山頂で腕立て伏せとかしていた。明るくなるとともに、雲が増えてきたのが気になる。

   
小笊と富士山でござる なかなかですな

北上開始!笊ヶ岳から笹山まで、直線距離でも16キロ以上ある。標高差的には前半は細かいアップダウンで、最後に笹山の登りが750mある。コースタイムも12時間弱だったか・・・。ほぼ中間の伝付峠で魔の水補給が待っている。荷の軽い前半で稼がねば。

 
布引山と深南部の山々 これから目指す北の山並み  ちらりと北岳も

太陽は登ったものの、薄雲が遮って日が差さない。ひと下りで椹島への分岐。ひとコブ越すと上倉沢源頭の水場分岐。ここにテン場が2つあった。ここから前半最大の登り、偃松尾山の登り。ここで2人組に出合ってビックリ。生木割山にでも泊まっていたのか・・・?振り返ると、たまに笊ヶ岳が見える。

   
樹林の間から荒川岳 水場分岐付近の稜線

この稜線は針葉樹が大半で、たまにシャクナゲとかが生えている。まあパッとしない稜線なんだが、開けた時の西側の展望が素晴らしい。北は荒川岳から赤石岳、真横が聖岳と上河内岳。深南部はあまり興味なし。今のところ・・・。南アルプスは一つ一つがデカイなあと思うと同時に、全て緑緑している。南アルプスでも北部とは山容が違う。

 
笊ヶ岳 左は上河内岳  右が聖岳
 
目指すは生木割山 大井川下流の山

偃松尾山には寄らず。ちょっと時間的にねぇ・・・。下ったとこでガレの縁を歩くが、ここからの展望はすこるぶ良好!生木割山には山の割に立派な看板が立っていた。ケーブルテレビだかの施設も立っていた。生木割山は広い山頂で、頑張れば10張りくらい張れそうなスペースあり。

 
生木割山には立派な看板 よいテン場になってました

生木割山を下ると針葉樹の下草がシダになっている、まずまず雰囲気のよろしい道に。少し進むと張りっぱなしのテントがあった。さっきの2人の物だろう。天上小屋山を過ぎると、高低差がほとんどないトラバース道になる。ここでまた2人組とスライド。スタスタ歩けて距離は稼げるが、ただ歩くだけなのでおもしろくない。でも、西の山々の見える角度が刻一刻と変わるのが楽しい。尾根に復帰したらしばらくで林道に。林道といっても使われてないので、シラビソの幼木がうるさいくらいに生えていた。

 
シダ地帯 赤石岳

このまま林道を進むと伝付峠。古い地図には「転付峠」とあるが、「伝付峠」に統一されたのかなあ・・・。ここに10時までに着けばなあ・・・と考えていたけど、なんとかかんとか15分前に着くことができた。前に二軒小屋から伝付峠を越えて下った時、水場はアッという間だった記憶。わざわざ汲みに行くとなると、遠く感じてしまう。実際は下り5分、登り10分くらいのもんなのだが。ビニール袋に5Lぶら下げて10分登ったら腕が疲れた。

 
ほぼ水平なトラバース道 伝付峠

10分腕が疲れるのはご挨拶。これから笹山まで5キロ増しのザックを背負わなければならない。コースタイムにして6時間45分。5時までに着ければ・・・。奈良田越までの林道歩きは気が重かったが、実際は明るい林に囲まれてるところが多くて気持ちがよい。ただ、結構な傾斜のアップダウンが多く、重くなった荷物にはこたえる。左の真横はすでに蝙蝠尾根。朝は聖岳が真横だったのに。水平道やら林道が多くて、とにかく距離は進む進む。もう悪沢岳は反対側から見る格好だ。

 
林道がなかなか気持ち良かった 悪沢岳

今まではずっと樹林帯だったが、林道歩きになると後ろから太陽を浴びる。暑い。この林道の間、前半に2人、後半に2人すれ違った。白峰南嶺は南下する人の方が多いのかなあ・・・?まあ、南下の方が断然楽だわな。でも、やっぱり北上でしょ。だんだん山がよくなるわけだし。最後を北岳にするにしろ、広河内岳にするにしろ、一番高いところを最後にするのが、目指す感じがあって好きだ。

 
林道終点 看板は尾根上にあった

長い林道の終点が奈良田越。広場になっている。吸い殻入れなんかもあったりして、現場ムードが漂っております。終点だけど、なんとなく右が道なりになっている。一応どん突きまで見に行く。どん突きは違うっぽい。やっぱり吸い殻入れのところを右に入る。ちょうど尾根に上がったところに「奈良田越」の標識が立っていた。こんなに立派な標柱を立てるくらいなら、林道終点に看板立ててくれてたほうがありがたいのに。

   
こんな立派な看板 白剥山付近の様子

今まで割合楽な道が続いていたが、本日最後の試練の始まり。笹山までは部分的に急坂は出てくるものの、通して傾斜は緩め。道も明瞭なので、仮に迷ったとしても、すぐに違うとわかるレベルだ。11年前の情報では、枝付きの倒木があちこちにあって、それを突破するのに骨が折れるということだった。現在はそんな箇所は全くなく、踏み跡はやや薄いものの、普通の登山道並みに歩くことができる。

 
露地に出ると笹山が 笹山南峰の一段下はテン場だらけ

笹山南峰が樹林帯とのことだったので、ずっと樹林帯かと思っていた。が、2600mくらいでヒョッコリ森林限界に出た。正面には笹山が・・・。あれが笹山か・・・。もう近いぞ。ただ、ハイマツ帯になったことで、もれなくハイマツ漕ぎが付いてくる。尾根伝いから東側の巻き道へ入ると、再び針葉樹林帯に。するとしばらくでまた開け、快適テン場がズラズラ。ここで泊まるつもりになったけど、一応南峰の山頂までは行っておこう。すると、南峰の山頂には快適テン場が。ここで泊まろう。

   
笹山南峰山頂でお泊り 笹山ダイレクト尾根の看板あり

これまで北上する人には会っていない。笹山南峰のテン場にも誰もいないってことは、誰もいないってことなのか・・・?カンバ林に囲まれた円形の山頂部。独り占めでとても気分が良い。笊ヶ岳以降、休憩のたびに携帯を出していたが、通じるのは伝付峠と笹山だけだった。「←奈良田」の看板があった。「ダイレクト尾根」というコースのようで、昨年(?)道が整備されたらしい。奈良田から直で笹山に登ることができる。奈良田から笹山〜広河内岳とループで回れるし、笹山だけなら日帰りも可能。2010年版のエアリアには、まだ残念ながら載っていない。

今日は16時到着ということで、ヒマを持て余すことはない。まずビールを開け、ダラダラとテントを立てる。本体が乾くのを待ってからフライをかける。メシ食って、つまみ食って、酒飲んだら、薄暗くなってきた。4時着というと常識的には遅い到着だが、忙しくもなく、ヒマもこかない、理想的な到着時間のように思う。1人の時は。

←1日目に戻る  3日目へ→



山登りのページ 山登りのページ