剱岳北方稜線 赤谷山〜池ノ平山〜剱岳3日目 小窓〜三ノ窓〜剱岳〜馬場島![]() 長次郎の一角に登ると剱岳が眼前に迫ってきました
4時起床。なんでだかほとんど寝れなんだ…。目をつむっているだけの長い夜でした。月が明る過ぎたのかなあ…?暗いうちから小窓雪渓を登ってくるヘッドランプが見えました。いろいろと事情はあるのでしょうが、暗い時間に歩くのは好きではないです。せっかくの景色が…。今日も雑炊を食って出発。テント畳んでるくらいにヘッドランプの主が小窓に登ってきました。
今日の天気はどうなのか…?空の半分以上が薄雲に覆われています。昨日も朝は高いところに雲はあったけど、知らないうちに雲一つない快晴になってました。今日もそうなってもらいたいところ。小窓ノ頭に向かって急斜面を登ります。昨日、おとといとは比べものにならないほど明瞭で歩きやすいですね〜。人通りの多さがうかがえます。小窓ノ頭の斜面は草付きとスラブでできていて、それに朝日が当たって赤いです。気持ちいいです。…は束の間で、薄雲の中に太陽が入ってしまって、暗い雰囲気になってしまいました。
小窓ノ頭手前のコルで道が分岐。右上に向かって伸びる踏み跡は小窓ノ頭ハント用のものかな。稜線通しの道もあるみたいだが、ここはこだわらずトラバースして小窓ノ王の基部を目指します。このあたり、とても感じが良かったですね〜。周囲は岩々なのに草原が広がっているという…。
もうないかと思っていた雪渓トラバースがありました。ステップはありますが朝一で硬く、下るようになっていたので軽アイゼン装着。すでに数人通過していて、程よく雪面がほぐされていました。気温が上がってグサグサなのも怖いし、冷えてカチンコチンも怖いし、ちょうど良い感じでした。ストックがあるとバランスが取れて尚楽。岩場っぽいところを登って小窓ノ王の基部へ。
小窓ノ王の基部で小窓と小窓雪渓が見納めとなります。同時にチンネの岩峰が目に飛び込んできました。三ノ窓も見えます。ここより下なんだ〜。それにしてもすごいロケーションです。ここ剱岳以外には日本にはないだろうな〜。有名な?池ノ谷ガリーも確認できます。あんなとこ登るの嫌だなあ〜。…の前に目の前のガレザレ斜面を下らなければいけません。
かなりの斜度でギリギリで岩や石が止まる斜度。自分が転げ落ちる気はしないけど、岩や石を落とさずに降りるのは大変です。休憩のタイミングだったけど、人がいない今のうちに降りておこう。池ノ谷ガリーには登りの人と下りの人が見えます。お互いに嫌だろうなあ…。かといって、待ってるわけにもいかないしね。草付きを絡めながらなんとか下り、後半は左の岩のバンドを伝って降ります。三ノ窓への登りは傾斜も緩く危険はナシ。ここにテン場がいくつもありました。
三ノ窓雪渓側にもテン場があって、クライマーがテントを張っていました。何パーティーかたむろしてました。5分ほど休憩して、人がいないうちに池ノ谷ガリーを登ってしまいます。踏み跡はあちこちにあったけど、左の岩とのコンタクトラインを中間上くらいまで登ります。大岩が乗り越せず、ラインが中央付近に変わります。もうすぐ抜け口というところで上から人が。上の方でよかった…。
登り着いたところが池ノ谷乗越。長次郎の右俣が突き上げているところです。前方が開けました。長次郎の頭に続く峰々とその先には剱岳本峰。いよいよ近づいてきましたね〜。八ツ峰を登る人たちの声が響いています。天気の方は相変わらず薄雲の高曇り。昨日のような快晴にはならない感じ。まあ、一番の核心部であります昨日のルートが快晴だったので文句はありません。昨日の区間はやり直すのも大変ですからね〜。
さて、ここからどこを進むんだ…?下は長次郎谷を下ることになるし、トラバースもなさそう。理解しにくい矢印は目の前の岩峰を登れってことか。途中まで溝状を登っていき、行き詰ったところで右の斜面に乗り換えます。上部はザレザレしてて悪かったなあ。ちょうどガイド系の人たちが下り出すところで、なかなか良いタイミングでした。
ここからは岩稜歩きになるのかな…?ここから剱岳まではチラッと記録を読んだ程度で、ほとんど下調べしてません。適当に進みますが、人通りが多いのか踏み跡が錯綜しています。巻き道はミスった時のリスクが大きいので、まずは稜線の踏み跡からつぶしていき、ダメなら一つ下…という風にルートを選んでいきます。
とにかく何通りもルートがあるもんで、どれが一番最良ルートなのかは、全部歩いてみないとわからないかも。長次郎の頭の直下までの区間は、登り過ぎたり下り過ぎたり、変なとこ通ってしまったり、リサーチ不足を露呈してましたね〜。すれ違う人も多いです。ロケーションはスゴイけど、なんだかもう俗っぽくなってきてテンションは上がりません。道はヤブだけど小窓までが良かったなあ〜。
長次郎の頭は一段下を巻いてしまったのか、残置のロープがある地点に出ました。このロープに全面的に頼るなら降りれるけど、若干頼りない感じだし、せっかくあるのでロープを出して懸垂することに。ま、残置で降りれなくはなかったと思うけど、懸垂するのが一番安全でしょう。
長次郎の左俣のコルに降り立ちます。スキーで来た時は広い雪原のようなコルだったのに、雪のない時は狭くて岩岩なんですね〜。同じところとは思えません。逆に剱岳への斜面は雪のある時の方が急に感じました。あとはガシガシと岩の斜面を登っていきます。いったん傾斜が緩むと、人山の黒だかりが見えました。最後にひと登りして剱岳山頂で〜す。
山頂にはたくさん人がいたけど、わりと広い山頂なのですし詰め状態にはなりません。北方稜線が眺められるところに落ち着きます。この3連休、知り合いが何人か剱岳に来てます。一通り探してみたけどいませんね〜。時間が合わないでしょう。それにしてもヘルメットかぶった人が多いこと。バリエーションルートで登ってきた人はもちろんだけど、一般ルートの人もヘルメット姿が多かったです。最近ではそういうことになってるんでしょうか…?ま、かぶるに越したことはないですね。
空には雲が多いけど、とりあえず山にかかる雲はありません。8月初旬に早月尾根から来た時は、ほとんど何も見えないまま降りました。その時のリベンジはできたということで…。下りますが、別山尾根の行列はスゴそうですね〜。早月尾根との分岐のすぐ下で渋滞してます。あんなとこに難所なんてあったっけか…?
早月尾根上には人は疎ら。ホッ…。渋滞もなく下ることができたけど、上半分は岩場やら段差やら多くて、重荷を背負ってたら疲れます。結構足にきました。ビール、ビールの一心で早月小屋を目指します。早月小屋の手前あたりまで紅葉が進んでいました。今年は早いみたいだなあ。
早月小屋で大休止。ビール2本飲んじゃいました。500mlだったら1本で済んだのに、350mlしかないもんで、つい…。結構まったりしましたね。あと1500m下る体力を充填できました。やや飲酒運転気味ですが…。道も岩とか段差とかなくなったので足には優しくなったかな。降りる頃になって、一気にガスガスになり涼しくなったのもありがたかったなあ…。ちょうど下る時になって天気が悪くなり、今回はホントにタイミングがよかったなあと感じました。2時間チョイで下って、剱岳北方稜線はオシマイです。
温泉温泉!8月に引き続きみのわ温泉へ。馬場島から近いのが一番のウリです。ちなみに値段は510円。そして、下山後といえばラーメン。テキトウにしサーチして魚津の「まるたかや」というラーメン屋へ。昔ながらの醤油ラーメンが美味そうに見えていったが、期待ほどではなかったかな・・・。 剱岳北方稜線は無事終了しました。・・・というか、とても充実していたというか、楽しかったというか、大満足だったというか、天気に恵まれて最高の形で終わることができました。赤谷山〜白萩山〜赤ハゲ〜白ハゲ〜池ノ平山あたりが一番楽しかったなあ〜。歩いている途中に「北鎌よりも楽しい」とT世さん言ってましたが、ホントその通りだと感じました。どこがどう楽しいのかと言われると困るんですけど、なんか楽しかったです。
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