後立山縦走 朝日岳から爺ヶ岳

4日目 五竜山荘から冷池


五竜岳から八峰キレットを越えて鹿島槍ヶ岳へ



 山域  北アルプス 後立山連峰
 山行日時  2014年8月2日(土)〜6日(水)
 登山形態  縦走
 メンバー  単独
@蓮華温泉−朝日小屋 蓮華温泉(6:35)⇒瀬戸川鉄橋(7:33〜39)⇒白高地沢(8:28〜39)⇒五輪高原(9:56〜10:06)⇒吹上のコル(12:15〜30)⇒朝日岳(13:11〜17)⇒朝日小屋(13:50)
A朝日小屋−白馬岳 朝日小屋(5:27)⇒朝日岳(6:20〜28)⇒水平道合流(7:10)⇒雪倉岳(9:55〜10:13)⇒雪倉避難小屋(10:35)⇒鉱山道分岐(11:24〜33)⇒三国境(12:15〜22)⇒白馬岳(13:04〜18)⇒白馬テン場(13:46)
B白馬岳−五竜山荘 白馬テン場(5:55)⇒杓子岳(7:04〜12)⇒白馬鑓ヶ岳(8:01〜11)⇒天狗山荘(8:52〜9:09)⇒大下り(9:53)⇒一峰の頭(11:04)⇒二峰北峰(11:43)⇒唐松岳(12:47〜58)⇒唐松山荘(13:08)⇒五竜山荘(14:54)
C五竜山荘−冷池 五竜山荘(5:42)⇒五竜岳(6:39〜47)⇒北尾根の頭(8:02〜13)⇒口ノ沢コル(8:33)⇒キレット小屋(9:27〜39)⇒北峰分岐(10:45)⇒鹿島槍ヶ岳北峰(10:52〜11:14)⇒鹿島槍ヶ岳南峰(11:40〜12:02)⇒布引山(12:33)⇒冷池テン場(13:14)
D冷池−扇沢 冷池テン場(5:43)⇒爺ヶ岳南峰(6:45)⇒種池山荘(7:09〜17)⇒扇沢(8:55)

◇8月5日(火) 五竜山荘−五竜岳−鹿島槍ヶ岳−冷池  くもり 少し雨も  

テン場が斜めっててあまり眠れませんでした。風も強かったし。4時に起きてチャックを開けると…今日もガス。ウ〜ン…。下界の予報では午前中の降水確率は10%なんだけどなあ…。山には降るけど、下界には降らないのかも。しばらくでガスのラインが上がり、五竜山荘付近はガスの下になりました。下界は晴れているのがよくわかります。五竜岳の山頂はガスの中。


遠見尾根  朝は信州側もスッキリ!


唐松岳と五竜山荘

さて、まずは五竜岳まで1時間の登り。軽装でピストンの人が圧倒的に多いです。しっかり荷物を背負った人は八峰キレット越えの人たちってことですね。黒部側は今日もわりあい天気が良くて、富山湾と能登半島がクッキリ。北アルプスだけ悪いって感じ。ガスのラインが五竜岳山頂付近を微妙に上下してます。

 
五竜岳は雲の中なんですわ〜 五竜の山頂と剱岳北方稜線

山頂分岐に着いた時にはちょうどラインが上がっていて、八峰キレットと鹿島槍が確認できました。遠いなあ…。天気良くないし、五竜岳の山頂に行っても仕方ないのでパス…でもよかったけど、すぐそこなので立ち寄っておきました。立山・剱の山頂部には雲、北方稜線の山々は全部見えていました。


鹿島槍は北峰が辛うじて・・・


八峰キレット

まずは200mくらいの激下り。ザレ場と岩場(鎖完備)が続きます。しばらくで下の方にテント装備を背負った女の人を発見。山頂に立ち寄る時に下って行った人だな。すぐ追い付くだろうと思いながら下っていましたが、姿が見えなくなりました。おかしいなあ…先に行ったとは考えられないし。幻を見たか、はたまた…。気になるなあ…。まさかとは思うが。


結構距離があります


五竜の方を振り返ってみます

反対方向からのすれ違いが多くなりました。キレット小屋泊の人たちかな。下り切ったあと小さく登り返すのですが、振り返ってみると五竜の下り中段くらいに、さっきの女の人が下っているのが見えました。どこで抜いたのやら…?一ヶ所ルートをそれる明瞭な踏み跡があったけど、そっちにでも迷い込んでいたのかなあ…?気になって眠れなくなるところでしたが、ひと安心です。


いったん下り切っていよいよ核心部へ


信州側からは雲が上がってきてます

鹿島槍と五竜の山頂はずっと雲の中。信州側からは勢いよく雲が湧きあがっています。黒部側は今日も視界良好です。信州側が見えないのは残念ですが、岩稜帯を雲が湧きあがる景観は壮大。これはこれで素晴らしい景観で、余計に難しく見えます。ところどころ難所が出てくる程度で、大半はテクテク歩ける道です。


八峰キレットは普通に歩けるところが大半

北尾根の頭と思われるところで小休止。初日と2日目は暑くて暑くて、水分の消費が激しかったけど、きのうと今日は太陽が出ず、風もあって涼しいです。喉もあまり渇きません。こんなに水背負う必要なかったかな。歩き出してすぐ南の一段下がった小ピークに『北尾根の頭』の標識がありました。


これを越せばキレット小屋かな

ダラダラと一定の傾斜で下って行き、降り着いたところが口ノ沢のコル。標高2416mと五竜‐鹿島槍で一番低い部分です。ここはテント張れるスペースがあります。以前(15年以上前)は『テント禁止』みたいな看板があった記憶あり。20人くらいのツアーと思われる団体とすれ違いました。難所ですれ違ってたら大変だっただろうなあ…。

 
こういうとこが似合ってます よくぞこんなとこに…キレット小屋

この先も部分的に難所がある程度で、概ね普通の道が続きます。大きく登り返して黒部側を巻き、小さく下ったところにキレット小屋。前も思いましたが、こんなところに…って感じのところにキレット小屋は立っています。荒天の場合は北も南も脱出できませんね。そう考えると、ここに営業小屋があるのはすごいし、意義があると思います。

小屋前のベンチでザックをおろして腹ごしらえ。鹿島槍北峰への激登りに備えます。八峰キレットの最難関は小屋のすぐ南。2518mの岩峰の登り下りが核心であります。小屋から至近なので整備具合は良好であります。どちらかというとキレット小屋に向かう方がちょっと難易度高いかも…?


八峰キレットで一番険しいあたり

五竜からキレット小屋まで、花は特筆するものはありません。ところが、この2518mの岩峰にだけ他と違った花が咲いていました。シコタンソウやダイモンジソウ、その他…。なので険悪な岩場にもかかわらず、首からカメラをぶら下げた状態で歩きます。かなり邪魔です。岩場の登下降では岩にぶつかるので、どうしても片手はカメラ、もう片方で岩…。一時的に二点支持となり危険です。

五輪高原から吹上のコルにあった花たち(その1) 

この一連の悪場を越えると、あとはひたすらの急登をこなすのみ。標高差400m近い登りです。苦しいところですが、下りや変なとこが少ないので、一定のリズムで登ることができます。キット小屋から北峰の分岐までコースタイム2時間半。1時間チョイで到着です。コースタイム2時間半は大げさでしょ!せめて2時間だな。気持ちに余裕ができていいですけど…。


黒部川はなだらか、信州側は雲で見えないけど切り立ってます


いずれ削れてしまうんでしょうか・・・?

登っても何も見えないと知りつつ北峰へ。みなさん荷を置いてピストンですが、ボクは止まることなく一定のリズムで北峰まで歩き続けます。止まって、ザック降ろして、空身になって…は意外とペースが乱れて疲れるもの。そのまま登り続けた方が楽の場合が多いように感じます。バテバテなら話は別ですが。山頂で飲んだり食ったりできますし。

 
着いた時は北峰は無人 南峰はそこそこ賑わってました
 
黒部側からは強風でした 一段降りるとお花畑

50m下って100m登れば南峰です。北峰は寂しいもんでしたが、南峰は賑わっています。冷池からのピストンが大半。こっちが最高峰で三角点もあるので、鹿島槍ヶ岳の登頂は南峰でOK!相変わらず山頂部には雲がかかり続けていて、せっかくの展望はオアズケです。平日でコレですんで、土日ともなれば大賑わいなんでしょう。

 
雷鳥のファミリー

鹿島槍は実に10年ぶり7回目です。10年前には2週連続日帰りで登ってたりしてます。鹿島槍東尾根に日帰りで登った翌週に、北股本谷をスキーで滑りました。若かったな。さて、まだ12時。テン場に13時ってことか…。早いなあ…。余裕で種池まで行けるし、扇沢に下山というのも可能。でも冷池泊まりにしておきましょう。明日は予報は一応晴れ。種池に泊まると降りるだけで終わってしまう。せめて爺ヶ岳くらい残しておきましょう。あと、毎日続いている夕方の雨も気になるし。

 
テン場と小屋が離れてます 剣の展望はいいんですけど・・・

鹿島槍の南側は北側とは打って変わって歩きやすい道。布引山の下りが若干急なだけで、終始なだらかな傾斜が続きます。テン場の手前で信州側を巻く部分が数百mの区間ありますが、ここは結構なお花畑となっていました。早く着いて暇なので、あとでカメラ持って遊びに来るとしましょう。13時15分にテン場到着です。先客は1名のみ。ザックを置いて先に小屋へ受付に。ま、ビールが目的なんですけど…。小屋とテン場が離れているのが難点。

 冷池テン場のチョイ北のお花畑を散歩(その1)

雨降ってきました。急いでテント張らなければ!風が強くてテント張るのに難儀します。風上側の隅(テントの中)に推定5キロくらいの石を入れ、そのあとポールを通して立ち上げます。ところが、石ごと動いてしまうので、さらに石を投入してやっと落ち着きました。少しの間で荷物もテント内も砂だらけになってしまいました。雨で慌ててメガネに傷が…。

冷池テン場のチョイ北のお花畑を散歩(その2) 

しばらくビール飲んだりして雨をやり過ごします。落ち着いた頃を見計らってお花畑散歩へ。ところがまた降ってました。カメラだけはしっかり防御。身体は結構濡れました。このお花畑、チングルマとキンポウゲが目立ちますが、花の種類は結構多かったように思います。これで小一時間潰れました。テン場に戻るとさらに5張りほど増えてました。今夜は風が強くてうるさくて寝れないかも…。

冷池テン場のチョイ北のお花畑を散歩(その3) 

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