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氷河公園から大キレット・穂高縦走
コンパス一万尺クラブ御一行様にお付き合いさせて頂くのは3年ぶりか・・・。一万尺クラブとは四国は松山にあるOUTDOOR’S COMPASが母体となった山登りのクラブ。で、その担当をしているのが、友人であるM本氏。それまでは年に1回くらいのペースで一緒に歩いていたが、天気が悪かったり、都合が合わなかったりで、今回は3年ぶりの便乗山行となったのである。
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上高地(9:10)⇒横尾(11:20)⇒槍沢ロッヂ(13:10) |
こうして遅れること2時間、上高地を出発。予報に反して天気は上々!雲はやや多いが、澄んだ秋の青空が広がっていた。横尾までの長い道のりを、しゃべりながらのんびりと歩くはずだったのに、一人黙々と歩くことになってしまった。追いつくはずはないけど、シャカシャカと足を運んでいた。
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3連休のわりに、思ったほど人が多くない。台風接近で山行きを断念したのか、山屋さんにしては遅い出発だからか・・・?単なる予想はずれか?そうはいっても横尾は人でごった返していた。その人たちの大部分は涸沢に向かったのか、槍沢への道に入ると人は激減。この道は10年以上ぶり。まあまあ新鮮な気持ちで歩けたかな。 槍見河原に大群が・・・。あの中に御一行がいたらみつからないぞ!まさか追いつくはずはないけど、念のために探しながら歩く。すると、いるではないかM本が!昼飯をくったり、のんびりとここまで歩いてきたようだった。早く小屋に着いても時間が余るだけだし・・・。 |
御一行は男2名、女4名、M本の総勢7名。平均年齢は○○才・・・。ここまで黙々と歩いたが、一転ペチャクチャしゃべりながらの歩き。槍沢ロッヂまでは間もないが、楽しく歩くことができた。ただ、○○市の腕章を腕に巻いた数十名の団体さんが、道をふさいでガンとして譲らなかったのは、少々ウンザリだった。
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槍沢ロッヂに到着し、ザックを降ろす前に、すでに○○さんがビールのジョッキ片手にニヤニヤとこっちに向かってきた。聞くところによると、一万尺の男性の部酒飲み筆頭らしい。女性の部筆頭も今回参加ということで、賑やかな宴になりそうな予感! 受付をする前からロッヂ前のベンチに陣取り、早速宴会スタート!早い早い!ペースが早い!揃いも揃って、全員が酒飲みとはすごい!つられて(?)ボクもペースが早い!出てくる出てくる!つまみも出てくる!1時過ぎに着いて、普通なら暇を持て余すところだが、持て余すどころか、あっという間に夕食の時間となってしまった。 |
御一行は小屋泊まり。ボクは金がないのでテント泊。小屋からババ平のテン場まで、けっこう離れているのが辛いところ。酔っ払って3度くらいひっくり返りながらテン場へ。予想通りテン場はかなりの混みよう。酔った勢いでテントを張り、潜り込むやいなや寝てしまった。どのくらい経ったあとか・・・途中で目を覚まし寝袋に入って寝なおしたのだった。
午後から台風の影響が出てくるような話だが、目を覚ますと星が一杯出ていた。明るくなると今日も澄んだ秋の青空が。ただ、台風からの暖かい風が入っているのか、朝もまったく寒くなかった。この天気、午前中だけでももって欲しいなあ。テントを撤収し、しばらく待っていると御一行が到着。
ババ平(6:30)⇒氷河公園分岐(7:55)⇒天狗池(8:40)⇒南岳小屋(11:05〜40)⇒長谷川ピーク(13:20)⇒北穂高小屋(15:30) |
横尾尾根と東鎌尾根にはさまれた槍沢の道は、しばらくは展望がきかないが、大喰岳を皮切りに徐々に展望が開けてくる。朝日をもろに受けて、山肌がとても鮮やかだ。槍の穂先はじらしているのか、なかなか姿を現さない。初めて穂先が見えたのは、氷河公園への分岐を過ぎてからであった。
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そうこうしている間に、モクモクとガスが上がってきた。そして、槍の穂先はガスの中へと消えてしまった。ギリギリ氷河公園まで持ってくれたので、贅沢は言わないでおこう。あとは大キレットで荒れないことだけを祈ろう。
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ゴロゴロ岩を登って横尾尾根に這い上がる。反対側の横尾谷の右俣を詰めてくる人がいた。紅葉目当てだったろうに・・・残念。3年前に横尾谷の左俣は詰めたことがあるが、右俣のほうが楽に詰めれそうだ。踏み跡もバッチリあったし。 ガスで展望がきかなくなった横尾尾根を主稜線目指してひたすら登る。かなりガラガラ・ザレザレしているので、下りはいやらしい感じ。主稜線の真上に時々青空が広がった。もしや・・・!勘は当たっていて、稜線の西側にはガスはなく、笠ヶ岳や黒部源流の山々がきれいに見えていた。ヨシヨシ!南岳小屋で弁当タイムで中休止。 |
いよいよ核心の大キレット。1998年の北ア全山縦走以来だ。その時は重荷で苦労した場面(ザックが邪魔になるところ)もあったが、今回は軽いので気軽に臨める。ここからは先頭を歩くことに。南岳からは鎖やらハシゴやらの急な下り。さすがに8人もいると、難所では時間を食う。徐々にガスが増えてきて、東側だけだったガスが、西側も白くなってきた。
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急な下りが一段落すると、小さなアップダウンの連続。このあたりは難しいところはなく、サクサクと駒を進める。グイ〜ッと登って長谷川ピーク。ここからは圧倒的な北穂が、こっちに倒れてきそうなくらいの勢いで聳えている。滝谷から聳えているので、すごい高度感だ。長谷川ピークからA沢のコルまでは、ナイフリッジの連続。大キレットで一番ヤバイとこかも。
A沢のコルまでくると、あとは北穂に向けてガシガシ登るのみ。と思ったら、すぐに雨が降ってきた。カッパを着るかどうか迷うくらいの降りだが、途中で着るのは難しいので着ておく。ここからも難所といわれるところだが、登りなのでさほど際どい場面はない。飛騨泣きも知らないうちに通過。雨も本降りになることなく、無事北穂の小屋にゴールイン!
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北穂の山頂に小屋は建っているだけに、やや手狭だ。時々雨もパラつくので、宴会スペースに少々難渋。しばらくで屋根付きテーブルが空いてラッキー!きのうは背負ってきた酒でほぼまかなえたが、今日はビールは現地調達。ワインも現地調達で頂いたりして、今日もヨレヨレ状態に。そしてあっという間に食事の時間。最後の番まで引っ張ってもらい、5時半くらいまで宴会が続いた。さて、昨日ほどではないが、今日もテン場と小屋が離れている。ここは転倒厳禁、気をつけて歩くべ!
きのうは夕食も食わずにバタンキュー!今晩は気力を振り絞って米を炊く。台風は今晩再接近らしいが、今のところは霧雨程度。念のために今日はしっかり張り綱を張っておいた。夜中になって少し風が出て目が覚めたが、たいしたこともなく朝には風は収まっていた。
3000mの9月下旬というのに、ゆうべも寒くなかった。ちなみに寝袋は夏用。起きてテントから顔を出すと、塩尻あたりの夜景が見えていたが、いつの間にかまた真っ白になってしまった。予報は雨のち晴れ。いつのタイミングで晴れになってくれるかなあ・・・。
北穂南稜テラス(6:10)⇒涸沢岳(8:40)⇒穂高岳山荘(9:20〜35)⇒奥穂高岳(10:20)⇒紀美子平(12:05〜35)⇒前穂高岳(13:05)⇒紀美子平発(14:10)⇒休憩で別れる(15;15)⇒岳沢ヒュッテ(15:35)⇒上高地(16:50) |
涸沢と奥穂への分岐で待ち合わせ。待つこと10分少々で御一行到着。霧の中を歩き始めるが、岩が濡れていていやらしい。ここもまた下りでは時間を使う。歩いているうちに霧がだんだん晴れてきて、まずは西の展望が開ける。雲海の上に笠ヶ岳が浮かんでいた。
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下りはいやらしいだろうなあ・・・と思いながら、涸沢岳本峰への急な登りをこなす。東の天気もよくなり、振り返ると槍ヶ岳がクッキリを姿を現す。涸沢のテン場が見えるが、連休最終日ということもあって、張りっぱなしのテントは数えられるくらいだった。涸沢岳山頂の一角に飛び出す。槍ヶ岳の好展望台だ。しばし景色を楽しむ。
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涸沢岳の本当の山頂には巻き道が付いていたが、一応3000m峰なので踏んでおく。この頃には奥穂高岳にガスがかかり始めてきた。あれ〜・・・もうガスなの?台風一過で、これからスカッ晴れかと思ったのに・・・。穂高岳山荘でバッジやらお土産を買ったりで一息入れる。すっかりガスガスになってしまった。
奥穂高岳山頂では霧をまとったジャンダルムが見えるのが精一杯。ガスの中、吊り尾根を前穂へと向かう。ほとんど人がいなかった吊り尾根なのに、紀美子平は人とザックが一杯だった。みなさん前穂をピストンしに行くからなのだが・・・。前穂山頂では奇跡的に奥穂を一瞬だけ見ることができた。北尾根の一部もチラリと。
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一万尺のみなさんは今日は岳沢ヒュッテ泊まり。ボクは明日仕事・・・。上高地発の最終バスは6時。紀美子平を出る時にはすでに2時を回っていた。行程がはかどれば、岳沢ヒュッテで一杯!なんて考えていたが、もうそんな時間はない。次の休憩でお別れっぽいな。紀美子平と岳沢ヒュッテの中間あたりで休憩。そして、ここでみなさんとはお別れ。ご挨拶をして3時15分にここを出る。
ギヤをトップに入れ替えて、上高地までノンストップで下った。頑張って休憩なしで下った甲斐なく、バスターミナルに着いたらバスが出た。ありゃ〜、30分待ちだ。仕方ない、一人で飲もう!・・・と閉店寸前の売店でビールとお菓子を買って、ベンチで一人寂しく飲んだ。そして、3連休最後日の夕方のガラガラのバスに乗って帰路に着く。