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東沢乗越からの燕岳


燕岳の真骨頂は北燕岳より北にあり!下見のつもりが夏山ハイキングを堪能


北燕岳あたり

 山域  北アルプス 燕岳
 山行日時  2010年9月2日
 登山形態  ハイキング
 メンバー  単独
 温泉  


先々週の北燕沢は入口の連瀑ではね返されてしまった。そのリベンジを今週末にする予定。それに先立って、上からツメだけでも確認しておこうと、燕岳に登ることにした。核心は中間部にあると思うけど、ツメだけでもわかってると、多少は気持ちに余裕が生まれるどろうと考えたのでした。合戦尾根を登っても芸がないので、今日は東沢乗越経由で登ることに。

中房温泉(5:55)⇒北燕岳沢出合(8:10〜20)⇒東沢乗越(8:10〜20)⇒燕岳頂稜北端(9:20)⇒北燕岳(10:10)⇒燕岳(10:20)⇒燕山荘(10:55〜11:30)⇒中房温泉(12:40)

平日ということで、中房温泉の駐車場は6時前で半分くらいの埋まり具合。東沢乗越への登山道に入る。もちろん誰もいない。北燕沢出合までは前回歩いたけど、ここから先は初めて歩く道。何度か渡渉を繰り返す。水量が多い時期は渡渉が大変みたい。三俣状から沢を離れて東沢乗越へ。このルート、ダラダラ長いし、高巻きも強烈だし、何度も通りたいとは思わないなあ・・・。整備は必要最低限以上はしてあるし、水に困らないのがウリか・・・。

 
東沢乗越への登り 東沢乗越は針葉樹林帯

東沢乗越から燕岳のルートは今日が2回目。前回は北ア縦走の時なので、12年ぶりに歩くことになる。東沢乗越から標高差500mあり、重荷でヒーヒーだった記憶が・・・。今回は日帰りなので、荷物の重さは5分の1以下だろう。針葉樹林帯が長いが、燕岳頂稜が近くなると森林限界になり、燕岳のイメージからは考えられないお花畑の道になる。

 
東沢乗越から燕岳への登り 燕岳頂稜北端への登りはお花畑
 
このあたり清水岳の雰囲気あり! 唐沢岳と後立山連峰

燕岳だけにとどまらず、このお花畑は常念山脈で一番なのでは・・・?ロケーションも良いし。9月に入ったので、初夏の花は既になくなっていて、秋の花がこれから盛りになるところ。しおれかけた真夏の花が辛うじて残っていた。残雪が消えたころに来てみたい。ここの道は登るべきだと感じた。

       
秋の定番 アキノキリンソウ   カニコウモリ   ニガナ?   オヤマリンドウ 
             
ウメバチソウ   枯れかけたウサギギク   リンドウ   チングルマ

ハシゴを登り切ると目の前に槍ヶ岳!は前回も感動した。今でも鮮明に覚えてるなあ・・・。大きな登りはこれでおしまい。あとはほとんど人のいない稜線歩きだ。燕岳の頂稜は南は燕山荘から北は2723mまでとすると、約2キロの距離がある。頂稜は花崗岩のオブジェが並んでいるんだが、オブジェの質は北の方が良いように感じる。ニョキニョキ具合が。

 
燕岳頂稜北端からの裏銀の山並み 黒部源流の山々 手前は硫黄尾根

常念山脈と安曇野の間には雲が浮かんでいるが、北アルプスには全く雲がかかっていない。空気も澄んでて、下界の猛暑はウソのよう。槍・穂高から立山・後立山まで、見えるべき山は全て見えている。北アルプスの主稜線は全て歩いたけど、2回目歩きたいところがあるんだわなあ・・・。まだ枝(稜線に登る道)はたくさん残っている。ここから見える竹村新道や伊藤新道なんかもそうだ。

 
北燕岳より北の岩峰 東側の巻き道からはお花畑越しの岩峰がいい感じ
 
この道2度目だが、このあたりの記憶はない 同上 同左

北燕岳の手前で東側の巻き道に入る。東側斜面はやや丈の高いお花畑になっている。草ボーボーって感じの。お花畑は頂稜北端の直下には負けるけど、こちらには何と言ってもバックに岩峰がある。青空がバックでお花畑に聳える岩峰は一見の価値あり!今日は下見のつもりで登ってきたけど、なんだかどっぷり夏山ハイキングに浸ってしまった感じだ。沢登りもいいけど、夏山歩きもやっぱりスバラシイ。ま、歩きは年食ってからでもできるから・・・。

       
枯れかけたヨツバシオガマ   残りもののコマクサ   ウラシマツツジ   トウヤクリンドウ 
             
ナデシコ   ミヤマコゴメグサ   カラマツソウ   ミヤマキンポウゲ

東側の巻き道が終わったところに北燕岳がある。ここまでくると、本峰はすぐそこ。燕岳は燕岳より北側だけで終わらせる人が9割以上いると思われる。でも、ここまで来て考えてみたら、北燕岳よりも北側に燕岳の良いところが多くあるように思う。燕山荘から燕岳だけ歩いて終わらせるんじゃなくて、北端までは歩いて燕堪能と言えるのでは・・・?さらには北端のお花畑を見ねば。よって、東沢乗越から登り、下山の楽な合戦尾根を下るのがベストと考えます。個人的には。

 
燕岳がたくさんあります オブジェだらけ

北燕岳から燕岳に移動。山頂には3人。平日とはいえ少ないのか・・・?まだ10時すぎなので、これからどんどんと登ってくるような気もするが。燕岳では少し座っただけで、すぐに燕山荘に向かった。燕山荘で1000里さんにバッタリ会ってビックリ!家から自転車で中房温泉まで登り、そこから合戦を登って来たそうな・・・。ズクあるなあ。ボクも一度だけ家から中房まで自転車で登ったことがあるけど、山に登るよりも辛かった記憶あり。

 
定番の絵ですかね 大量のカエル  ここを蛙岩にしたらいいのに

さて、本日のメインテーマであるツメの偵察。燕岳に直で登る沢はやっぱり最後が急峻。ヤブもかなり濃い感じ。細い谷筋は半分以上雪渓で埋まっていた。燕山荘の少し北にツメ上げる沢は、直下は急だけど、その下は地図でもわかる通りカール状になっている。穂高なんかのカールと違って規模は極小で、草と灌木がややモッサイ感じ。上から見たらモッサく見えるけど、下にいればいいところかもしれない。最後は燕山荘北の2704mピークのチョイ北を狙うのがベストとみた。

 
燕岳の北側に連なり これが北燕岳だったかいな・・・?

燕山荘でビールを飲んで下山開始。1000里さんがあおってくるので逃げるように降りる。ここ最近は泊まりの沢の下山が多く、荷が重くてつらい下山が続いていたが、今日は極軽ザック。飛んでも膝に負担が少ないのがうれしい。調子に乗って下ってたら、1時間10分で中房温泉に着いてしまった。

 
イルカ岩 雑誌でよく見る燕岳

下山後は温泉郷の別荘に引っ越したずくなしさんの家へ。近くに良い岩があるので、クライミングのゲレンデにどうか・・・というお話。岩場の偵察をしながら、周囲を軽くお散歩。同じ穂高でも温泉郷まで上がるとずいぶん涼しい。家に戻ると、温泉郷よりも5度も高かった。冬は寒いだろうな・・・。

そんなこんなで、偵察のつもりがドップリ夏山ハイキングに浸ってきたのでした。




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