未丈ヶ岳 紅葉ハイキング未丈ヶ岳東面に広がる草原
奥只見のあたりに「未丈ヶ岳」という山があるってことは知っていたけど、何て読むのかは知りませんでした。2008年に丹後山〜中ノ岳に行くまでは・・・。丹後山の避難小屋でへっぽこ山ちゃんに話を聞くまでは・・・。へっぽこ山ちゃんによると、300名山に入っていない山で未丈ヶ岳が一押しの山だとか。山の呼び名が「みじょうがたけ」と知り、これ以降気になりつつ4年が経過し、今回やっと行くことができたのでした。
2週間前、八海山に登った時、ついでに未丈ヶ岳も計画していましたが、予報が悪くなったので見送りました。今年もダメかな・・・と思っていましたが、今年の紅葉はかなりゆっくり進んでおり、まだ未丈ヶ岳くらいの山なら全然大丈夫そうな雰囲気。実際のところ山頂あたりの葉っぱは落ちかけていましたが、登山口から頂上直下くらいまでは紅葉真っ盛り。天気も良くて紅葉の未丈ヶ岳を満喫してきました。
家を4時過ぎに出発。7時半過ぎに現地。まずはシルバーラインの泣沢避難口のシャッターを開けてトンネルの外に出ることから未丈ヶ岳登山は始まります。かなり幅の広いシャッターでしたが、そんなに苦労することなく開きました。外は広くなっていて、オートキャンプ場のような間取りになっています。一番奥まで進んで車を止めました。先客は3台なり。
天気は予報通りの快晴!ここらへんは標高600mくらいですが、かなり色付いてきています。「この先黒又川本流の橋が流されています」の看板を尻目に出発。泣沢に出たところで、いきなり紛らわしい道になったがすぐにりカバー。泣沢沿いを下っていって、次に渡渉するところから本流まで沢下りとなります。飛び石やらヘツリやら、結構ワイルドな感じでした。帰りはまだしも、行きでは濡れたくないのでかなり必死でした。
黒又川本流の渡渉は橋が流されたので、濡れずに渡るのは不可能。T世さんは沢靴持参でワタクシはサンダル(クロックス)で渡渉です。川幅は5mほどで深さはスネくらい。目が覚めるほど冷たかったです。黒又川の渓相はとっても素晴らしく、いつか沢登りとしても来てみたいなと思いました。
黒又川を対岸に渡ったところで再び登山靴に履き替えましたが、これが失敗。すぐに尾根に取り付くのかと思ったらそうではなく、しばらく(ほんのチョットかな)水頭沢に沿って登ります。何度か難しい飛び石をする場面がありました。せっかく沢靴を履いているのなら、泣沢の2度目の渡渉から尾根に取り付くまでは履き続けたほうが賢かったですね。まあ、知らないから仕方ないですが・・・。サンダルは川沿いの木にぶら下げておきます。
川から台地に上がるとほどなく以前の道と合流。左手に進むと未丈ヶ岳で、右手に進むと流された橋のある場所に出ました。対岸の基礎部分が残っているだけでした。昨年の豪雨の凄まじさが想像できます。このあたりは深い瀞になっていてとてもキレイ。橋があれば橋の上からこの景色を見れたのに・・・。
尾根に乗っかると、あとは一直線に未丈ヶ岳の山頂。ハッキリ行って単調です。山頂まで遠いです。中間よりも少し下、974mの小ピークを下ったところが「松の木ダオ」(どういう意味?)と言われるところで、この松の木ダオを境に尾根の雰囲気がガラリ(少しかな・・・)と変わります。
松の木ダオより下は細尾根で、灌木と松の木で構成されています。平均台のところは京ヶ倉みたいでした。灌木は真っ赤に染まる木が多かったけど、何しろ太陽が向かいにあって逆光。振り返りながら細尾根、白砂青松、それに紅葉・・・ギラギラした感じの紅葉を楽しめました。もう少し太陽が昇ればギラギラ感は落ち着くんでしょうが・・・。帰りに期待かな。
松の木ダオより上はやや広めの尾根になります。松も灌木もなくなり、ブナなどのわりと丈の高めの木になります。紅葉は赤よりも黄色系が中心となり、こちらは落ち着いた感じの紅葉でした。紅葉のタイミングも今が盛りという感じ。山頂が近付くとまた灌木中心の尾根になり、標高が上がったぶん紅葉も散り始め状態でした。 未丈ヶ岳は300名山にも入っていないわけですが、微妙なところでしょうかね・・・。形に特徴がなくて目立たないから外観的には無理っぽいし、周囲を名だたる山に囲まれていて、標高もちょっと低めなので、奥只見ではその他の山の扱いになってしまうのかな・・・。山自体は悪くないんですけどね〜。ちょっと単調なのは否めないところですが・・・。
尾根からの眺めはずっと良かったけど、あまり変わり映えはしない感じ。前半は黒又川流域の低い山並みの紅葉を楽しみ、中間あたりは背後に駒ヶ岳と中ノ岳が見えてきます。駒ヶ岳と中ノ岳は上の方が少し白くなっていましたね。数日前の雪が残っているようです。山頂が近付くと左手に毛猛山塊が見えてきます。展望はそんな程度で特筆するものはなく、目指す山頂も地味な形。すごかったのは、周りの山々が紅葉で燃えていたことくらいかな。
未丈ヶ岳の心配ごとのひとつに「マムシ等、蛇が非常に多く注意」と地図に書いてあること。蛇は苦手だなあ・・・。発見した瞬間のドキッ!がね。次の瞬間には落ち着くんですけどね。トカゲもドキッとするので、爬虫類が苦手なのかもしれません。幸いなことに今日は子供の蛇を一匹見ただけで済みました。やれやれ・・・。
山頂直下で単独のおじさんとすれ違う。「山頂のすぐ下にある踏み跡を辿ると、その先に草原があって、そこで休憩するとよい」と教えられました。確かに山頂は直径3mほどだけ刈り払ってあり、背伸びしてやっと周りが見えるくらい。これじゃあね〜って感じでした。山頂の看板だけ写真に収めて、おじさんに教えられた踏み跡へ。
丈の高い密笹を漕ぎ終わると、写真で見覚えのある草原に!今までの雰囲気とガラリと変わったのでビックリするほどでした。4人組のうちの3人(1人はマイペースで登り中)と単独の男の人が休んでいました。草原にはあっちとこっちに踏み跡が続いていましたが、これは草原の散策跡なんでしょうかね。右手の小尾根を乗り越すところまで行ってみましたが、登りの時に見えた景色になったので、戻ってゆっくり休憩することにします。草紅葉がのどかに広がっていて、とっても美味しくビールを頂きました。
草紅葉は東に面していて、有名どころの山が見えないのが残念なところ。ただ、マイナーな山を地図と照らし合わせて解明していくのが楽しい。杉村岳とか丸山岳とか・・・。ちょっと距離があってなんだけど、会津朝日岳も初めてちゃんと認識したなあ・・・。あと奥只見丸山スキー場も見えていました。残雪期はスキー場から未丈ヶ岳に登るみたいなので、一度検討してみましょうか。
下山にかかりますが、知らないうちに空一面が雲に覆われています。草原側の東は晴れてるけど、西側が急速に雲が出てきたようです。せっかく下りも紅葉を楽しもうと思っていたのにガッカリです。良い方に考えると、登りの時は太陽がギラギラでカラッとした紅葉で、下りはしっとりと落ち着いた紅葉を楽しめた・・・と。
沢靴持参のT世さん、帰りは渡渉は行きで学習した通り、水頭沢に出たところで沢靴を履き、黒又川本流を渡渉し、泣沢から離れるところまで沢靴で引っ張ります。ワタクシはサンダルなので行きと同じで、黒又川本流の渡渉のみサンダルで、あとは登山靴。泣沢沿いをダラダラ登って車を置いたところに戻ります。泣沢避難口のシャッターはトンネルから出す時よりも入れる時の方が恐かったなあ・・・。車もひっきりなしに通っていたし。
黒又川本流 歩いてみたい 温泉は大湯のユピオ(500円)。外から見たら立派な施設だったけど、中に入るとなんだか寂れた感が・・・。このあたりで日帰り入浴できるところを発掘する必要がありそうだ。食堂もいくつかお気に入りを発掘したいところ。探しながら帰るけど、めぼしいところは見つからず、結局は飯山まで戻って「ときわや」に行きました。国道から少し入るけど、ラーメン中心ながら定食もありでメニュー的には○。味は?
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