黒部川 下ノ廊下 紅葉ハイキング下ノ廊下的な絵ですね〜
ちょっと早いかなあ・・・と思いつつも、少しは色付いているだろう・・・と下ノ廊下に出掛けましたが、色付いてはいたけどやっぱりちょっと早かったです。今年の紅葉は10日くらい遅めの進み具合で、紅葉の出来は上出来。そんでもって長持ちしていて、しかも概ね天気にも恵まれ・・・。充実した紅葉シーズンになっている人が多いんじゃないでしょうか。おかげ様で我が家も昨年の不発を取り戻せそうな勢いでございます。 ◆10月20日(土) 黒部ダム⇒十字峡⇒阿曽原温泉 快晴!だいぶ前に仙人池を絡めて黒部ダムから阿曽原温泉の間は通ってはいますが、阿曽原温泉と欅平の間が歩いたことのない区間。何度か下ノ廊下の計画はしていましたが、天気が悪かったり、昨年は地震で通行止めになったり・・・。で、今年は紅葉こそチョイ早めでしたが、天気に恵まれて下ノ廊下を満喫することができました。
メンバーは我が家プラスN畑さん。2007年の上ノ廊下と同じ面子ではないですか!2007年は黒部ダムを境に源流までと、今回は下流の欅平まで、N畑さんと共に歩くことになったのです。黒部川には縁があったのかもしれないですね。6時に我が家に来てもらい扇沢へ。今年から無料駐車場のスペースが減っているので、止めることができるか心配だった。心配は無用でまだ半分以上は空いている状態でした。さすがに体育の日3連休が終わると、お客さんは減るようですね。切符売り場の行列も短め。順調に始発のトロリーバスに乗ることができました。
残る心配は阿曽原温泉のテン場だな。体育の日3連休は恐ろしいことになるのはわかったいるけど、果たして10月3週目の土日というのはどんなもんでしょ・・・?黒部ダムにバスが到着すると、かなりの数の人が改札から出ずに、ダム下へと通じる通路の方へ。テント背負ってそうな人も結構いるなあ・・・。昨日ロッジくろよんに泊まって早出している人、欅平から登ってくる人、仙人池から下ってくる人・・・がどんだけいるかだな。
始発のバスなので用意ドン!でみんな一斉にスタート。最初は団子状態だけど、時間とともにバラけていくでしょう。早い人たちはとっとと先に行くだろうし、遅い人たちはずっと後ろを歩くことになるし、似たようなスピードの人が阿曽原温泉まで抜きつ抜かれつで歩くことになったのでした。客層としては山ガール系は少なかったような気がする。若い人はどっちかというと男が多めの印象でした。
さて、肝心の紅葉ですが、冒頭では「ちょっと早め」と書いておりますが、扇沢や黒部ダム周辺がちょうど見頃といった感じです。歩きだしは紅葉真っ盛り状態。下流に行くにしたがってだんだんと赤や黄が減り、緑が濃くなっていきました。もう一つ肝心の天気は雲一つない快晴!今朝は放射冷却で冷え込んで、我が家のある安曇野市では2℃くらいまで下がり、車のフロントガラスに薄氷が張っておりました。
黒部川は南から北に流れているので、朝のうちは進行方向左側の斜面に日が当たります。右側は暗いので明暗の差が激し過ぎ!写真を撮っても左がキンキラキンで右はまっ黒けっけになってしまいます。これがお昼に近付くと太陽が高くなり、真後ろから差すようになる。すると谷全体に日が当たるようになってきて、素晴らしい景色になるのでした。しかし、時間が経つのは早いもんで、そのうち太陽が西に寄ってしまい、自分たちが歩いている左側が日陰になってしまったのでした。
内蔵助谷までの約1時間は普通の道。その先からだんだんと側壁をえぐり撮って付けられた、下ノ廊下らしい道になってきます。見どころも多くなり、写真の枚数もかさみます。個人的には最初の絶景ポイントは黒部別山谷かな。稲妻形に連瀑がかかり、一直線に上流に伸びる非常に明るい谷。登れそうにも見えるけど、地形図を見たら最後は黒部別山北峰に吸収されて終わっているようです。
下りです すごい高度感です 見どころとして期待していた新越沢にかかる滝ですが、多分滝自体はスゴイと思うけど、如何せん日当たりが悪くて絵にならない・・・。ちょっと期待ハズレというか残念でした。黒部別山谷の先にある白竜峡は登山道が川に近いところを通っており、側壁のくり抜き具合も良くて絵になるところでした。S字峡はよくわからんかったなあ・・・。
今回行ってみてわかった下ノ廊下の紅葉の狙い目。下ノ廊下の登山道は十字峡から欅平まで、だいたい1000m弱のラインに付けられています。1000m弱ラインを歩く時間が大半なので、その高さが紅葉するタイミングを狙えばOK!ちょっと考えてみれば当たり前のことですけどね。ウチで地図見てるだけでは、そこまで思いませんでした。上流と下流でもっと標高に下がると思っていました。
S字峡とくれば十字峡。順番は十字峡の方が先なんですが、ここは迫力がありましたね〜。左岸から入る剣沢は落差と狭さがあるためか、本流以上の水量に見えるくらいの迫力がありました。よく揺れる吊り橋の上から見るもんだから、なおさらだったかも・・・?これだけドンピシャで十字に沢が出合うのがスゴイ。ちなみに剣沢に架かる吊り橋の手前(上流側)には平坦地があって、絶好の休憩ポイントとなっておりました。緊急時にはビバ−ク可能でしょう。緊急時にはです。
昨年(2011年)に起きた地震の影響でしょうか、わりと新しい崩落があちこちで見られました。十字峡の少し手前にあった崩落が昨年地震の後に通行止めになった場所でしょうか・・・?完全に面になった側壁に木の桟橋が渡してありました。この地震は大町で震度4くらいだったかなあ・・・。震源が浅くて、少し離れた大町で震度4なので、震源である黒部の谷はかなり揺れたのでは・・・と推測できますね。
高度感満点の下ノ廊下の道にも慣れた頃に東谷出合となり、吊り橋でいったん右岸に写る。覆道をくぐって進むと仙人ダム。ダムで再び左岸に渡ると、扉を開けて要塞のような発電所の施設に入る。これがまた下ノ廊下らしいというか・・・。宿舎の横を通り過ぎると、今更のような本日一番の登り。今まであまり登っていなかったので、しっかり汗をかかされてしまった。大きく下って阿曽原温泉へ。
さて、心配していたテン場ですが、心配御無用といった感じ。スペースは選ぶほどありました。前の時はテントの3分の1が空中に浮いた状態で斜面に張ったものですが・・・。便所前の大きな水たまりに張っている人もいたくらい。体育の日3連休とは全然違いますね。到着時点でのテントの数は20弱だったかな。頑張ればこの3倍は晴れそうです。
テン場を物色していると、酔っぱらったおじさまに捕まり、その近所に張らせていただくことに。コンクリートのテーブルに角材を椅子代わりに、阿曽原温泉のテン場では特等席だったように思います。このおじさまは阿曽原温泉に連泊のようで、それでこの特等席をキープできたわけですね。温泉は小屋泊まりはもちろんタダだけど、テント泊の人は温泉代しっかり500円取られます。面倒だったから入りませんでした。あとの2人はもちろん入ったけどね。
この特等席でおじさま&おばさまと宴会、夕食とご一緒させて頂いたのでありました。日が落ちてもあまり寒くならない。なんといっても阿曽原温泉の標高は800mですから!N畑氏の住む塩尻市と100mしか変わりません。夜も3シーズンではちょっと暑いかなあというくらいで、ぐっすりと寝ることができました。 ◆10月21日(日) 阿曽原温泉⇒欅平 晴れ時々くもり起きたら予報通りの快晴!この土日はホント良いお天気です。谷間を歩く下ノ廊下でこの快晴はもったいないくらい。今日は欅平10時01分発のトロッコ列車に乗らないと、大町で扇沢行きの最終バスに乗れません。最悪乗り遅れても、いったんウチに帰ってから車で回収に行けばいいんですが・・・。そんなわけで、4時起床の5時半発が目標。暗いうちに行動するなんて記憶にないなあ・・・。まあ今の時期は日が短いから仕方ないところもありますけどね。
ヘッドランプ点灯でスタート。夜遅くなってのナイターは何度かありますけど、朝は記憶にございません。800mの阿曽原温泉から、再び1000m弱の水平道の高さまで一気に登ります。下ノ廊下の中でも一番の登りでしょう。朝からというか暗いうちから汗かいて登りました。ビールとつまみが減っているのでザックはだいぶ軽くなりました。
このあたりの水平道は川からの高さがあるので、当然川から離れたところを歩くようになります。なのであまり楽しくありません。また、高いところを歩くので、支流があるたびに大きく迂回することになります。無駄な距離を歩かされることになるのです。最初の大きな支流が折尾谷。立派な滝がかかっていましたが、まだ太陽が昇ってこないので残念でした。オリオ谷を横切るところが最初のコースタイムのポイント。1時間35分のところ1時間10分。ほぼマイナスは取り返したことになり、残りはコースタイムを死守すれば予定のトロッコに乗れるということ。
折尾大滝がかかっていたのは折尾谷の支流(左俣)の方で、折尾谷の本流は沢を渡る部分がトンネルになっていました。なるほどね・・・。一見堰堤のような形に見えます。次の大きな支流は志合谷。ここはガレ沢で、ここの通過もトンネルになっていましたが、こちらはかなり長いトンネル。入口に「トンネル内照明必要」の看板がぶら下がっています。入ってみると水も流れていたりで、ヘッドランプがないと歩くのが困難。水平歩道にもだいぶ飽きがきてた頃なので、トンネルは新鮮なアトラクションでした。
このあとは新たなワクワクするようなアトラクションは出現せず、いい加減水平道にウンザリ気味。やっと欅平の真上まで来て水平歩道はおしまい。約950mから約600mまで350mの急下降でトロッコ列車の欅平駅に降り着きます。時間は余裕の9時10分でした。おかげで予定よりも1つ早いトロッコに乗ることができました。ただ、大糸線の本数が極端に少ないので、大町に着く時間は同じなんですけどね・・・。
下ノ廊下を欅平まで通り抜けると必ず問題になるのが交通機関。とくに車で扇沢に入った場合は、車の回収のために扇沢に戻ってこなければなりません。トロッコ列車⇒地鉄⇒北陸本線⇒大糸線(糸魚川〜南小谷)⇒大糸線(南小谷〜大町)⇒路線バスと乗り継いで、やっと扇沢に戻ることができるのです。9時10分に欅平に突きながら、扇沢に着いたのは18時前。乗り継ぎが良くなかったりもあるけど、9時間近くもかかってしまうのです・・・。
下ノ廊下は山登りというよりも観光の延長のような印象でしたね。で、ちょっと長すぎ。名所のほとんどは黒部ダムから阿曽原温泉の間に集約されているので、また来るとすればやっぱり仙人池を絡めることになるでしょうね。そうすれば車の回収とかで頭を悩ませる心配もないですし・・・。とはいえ、一度は通り抜けておかないと。欅平からの長い交通機関を上手に楽しむことができれば苦にはならないんでしょうけどね〜。 ◆欅平(9:37)⇒宇奈月(10:59) 1660円 黒部峡谷鉄道
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