大雪渓〜白馬岳〜清水尾根〜不帰岳避難小屋 往復お花畑と立山・剣
こんな変なコース取りになったのには色々とワケがありまして・・・。猿倉から大雪渓に登り、祖母谷温泉に降りる途中の不帰岳避難小屋までが1日目。2日目はそれをそのまんま引き返すという変なプラン。今回はT世さんの花見@清水尾根が目的。祖母谷温泉から白馬岳は4年前に登っていて、これをまた登るのはねえ・・・。というわけで、祖母谷温泉から登る2人を糸魚川駅まで車で送り、そんでもってワタクシは猿倉に戻って登ります。避難小屋で合流しましょう・・・という手筈。そうすれば下山したら猿倉に車があるだけでなく、糸魚川まで車を取に行く手間も省けるというわけなのであります。 ◆8月4日(土) 猿倉⇒白馬岳⇒旭岳⇒清水岳⇒不帰岳避難小屋 晴れのち時々曇りそう上手く事は運ばないですねぇ〜。糸魚川から猿倉に向かうものの、猿倉の駐車場は満車のため二股までしか入れない。あらら・・・。バスの時間が合わなかったら歩き・・・?冬ならともかく夏歩くのはねえ・・・。でも、周りには同じような人たちがたくさんいて、相乗りタクシー(2100円/4人)で猿倉に行くことができた。ホッとひと安心。実質マイカー規制のようなもんだな。タクシーは儲かるわな。
雲一つない快晴のもと、黒山の人だかりの猿倉を出発。でも眠い・・・。ただでさえ早い出発で睡眠時間が短いのに、なでしこジャパンを見てから出てきてしまったもんで、なおのこと。朝から暑いなあ・・・目が回りそう。夏に猿倉から大雪渓を登るのは、実に実に1994年以来の18年ぶり。GW以降の山スキーでは毎年のように通る白馬尻までの道ですが、夏だと全く別のところを歩いているみたいでございました。
白馬尻小屋前のテラスも黒山の人だかり。この小屋は冬場は解体されるので見たのは久しぶり。ちょうど白馬沢が出合うところにあるんですね。ここから雪渓に取り付けるかと思いきや、まだしばらくは夏道を歩かされる。暑いなあ・・・ダルいなあ・・・眠いなあ・・・。10分くらい?で雪渓の取付きへ。
ほとんどの人がここでアイゼンを着ける。着けるのが面倒だったのでノーアイゼン。アイゼンあってもなくても登りは大差ナシかな。でも下りは一部急なところがあって、そこは欲しくなりそう。大雪渓の真ん中に一列に伸びる長い行列。みんな同じペースで登るわけで名ないので、ところどころ隙間はあるものの、見えてる限りずっとつながっていた。
雪渓に乗ったら途端に涼しくなること!さっきまでの暑さがウソのよう。一生懸命登ったけど、ほとんど汗をかかなかった。こんなドでかいスケールの谷なので、なかなか景色がかわってくれない。でも、景色はいいなあ。GW前後の景色には馴染みがあるけど、夏の大雪渓のロケーションも素晴らしいですね。汚い雪の白に青空と木の緑と杓子岳の白っぽい岩が映えていました。
ずっと雪渓の登れれば楽だけど、谷の斜度が急になる手前で雪渓から左岸の夏道に戻される。落石地帯のため不安定な石がゴロゴロで気を遣うところだ。花もチラホラ出てきたけど、人も多いし落石も恐いので写真は無理。岩室の先で登山道は広くなり安定してくるので、そこからは写真を撮ったりしながらゆっくりと歩いた。レンジャーだのパトロールだの多かったなあ・・・。ご苦労様です。
稜線に出ました。祖母谷温泉組は9時か10時に登り始めて、コースタイムは5時間くらいなので、不帰岳避難小屋に着くのは4時ごろか・・・?こちらも4時頃に避難小屋に着くように降りよう。ということで、今はまだ10時半すぎ。とりあえず白馬岳山頂に行くべ。いつもそうだが、村営宿舎から白馬山荘は近くに見えて遠い。それだけ巨大な山小屋だってことか・・・?
今日も天気は安定しているようで、この時間になっても雲が上がってこない。何度来ても白馬岳の展望は雄大です。大雪渓にあれだけ人がいたので、山頂は踏み場もないくらいかと心配していたが、取り越し苦労。まだみなさん登ってるとこなんでしょうね。時間が経つにつれて増えてきそうな予感。
今日はザックにビールを3本忍ばせてきたが、まず1本目は白馬岳山頂で。コンビニで買ってきた冷やしうどんを一緒に食べます。真夏の暑い時期はパンとかおにぎりは喉を通りにくいので、こういうツルツルっと入るうどんは食べやすくていいですね。
さて、今から避難小屋に向かっても早過ぎるかな。かといって、白馬岳山頂もいい加減飽きた。ここはやっぱり旭岳ってもんか。旭岳へは夏山で1回、春の山スキーで1回の計2回登っている。喧騒の白馬岳の隣、見方によっては白馬岳と双耳峰にも見える旭岳なのに、こっちに登る人はほとんどいない・・・というか道がない。三角点がないから三角点ハンターは登ってこないけど、百高山には入っているので百高山ハンターは登ってくるのかな。あとは物好きとか。
旭岳への踏み跡は下ほど薄いが、登るにつれてハッキリしてくる。前回も登ったけど、今回も一番高い岩峰に攀じ登っておく。この岩峰のてっぺんに旭岳山頂の看板が置いてあるってのも面白い。旭岳山頂からは見慣れない形の白馬岳あ見える。あと、この2日間で清水岳とここ旭岳でしか見なかったアズマギクも。ついでにコマクサも。下りは南西に派生する尾根に踏み跡があったので追ってみた。最後に不明瞭になるものの、わりとハッキリしていた。
さあ、ボチボチと避難小屋に向かいますか。ここから先は明日ゆっくり歩くことになるだろうから、観光はほどほどにして足を早く進めることにする。しかし、祖母谷方面から登ってくる人が結構いる。5組は見た。この時間にここを歩いているってことは、昨日は不帰岳の避難小屋にとまったってこと?今日は土曜日だから今日も一杯になる?2人の方が早く着いてそうな気もするけど、一応マジメに歩いて早く着くようにしよう。今さらだけど・・・。
旭岳を出る頃から清水尾根には雲がかかるようになる。お天道様も真面目に歩けと言っているんでしょう。しかし、真面目に歩くと清水岳までの長いこと長いこと。ただ、時々曇りになるので暑さは和らいだ。今日は珍しく短パン。ふくらはぎがボチボチ焼けてきたようだ。清水尾根は通る人が少なく、手入れもあまりされていない。ところどころにハイマツや笹が覆いかぶさっている。短パンだと不快なので清水岳で休憩した時に長ズボンに履き替えるとしよう。
日は時々陰るようになったものの、喉の渇きは相変わらず。残り2本のビールは小屋で飲むつもりにしていたが、ガマンできずに清水岳でプシュ!一番美味しいと思う時に飲むビールが一番美味しいです!喉は乾くがおなかは減らない。結局、行動中に食ったのは白馬岳での冷やしうどんのみ。
結局、今日のお客さんは全部で5人。程よい入込みッて感じでした。夕飯食ってしばらくで横になった。貸し切りだったらもう少ししゃべっていたかもしれないけど、単独の人が2人いるので早めの就寝。6時過ぎには横になったと思う。夜中に一度起きてトイレに行ったけど、ほぼ10時間くらい寝ることができた。板の間に銀マットだったので、少々背中と腰が痛くなりましたが・・・。
◆8月5日(日) 不帰岳避難小屋⇒村営宿舎⇒大雪渓⇒猿倉 晴れのち曇り今日あたりから少しずつ天気が不安定になる予報だった。朝起きて外に出ると、今のところは雲ひとつない快晴。今回のメインディッシュである清水尾根の間、あわよくば大雪渓に取り付くくらいまでは晴れて欲しいもんだ。朝メシはインスタントうどん。
朝イチからダラダラと横歩きが続くが、朝イチなのであまり苦じゃない。樹林帯なので涼しくてありがたいくらい。樹林帯が広葉樹の灌木に変わると、朝日を浴びて暑くなる。振り返ると立山・剣が・・・。きのうは雲で見えなかっただけに、うれしい景色だ。小1時間ほど歩いてやっとお花畑。
朝露が付いた花はキラキラしてとてもキレイだった。景色を眺めたり写真撮ったりしながら、のんびりと登っていく。お花畑越しの剣岳が一番絵になるかな・・・。剣岳も朝日を浴びていて、山の色まで見えるくらいだった。最初は大きめのお花畑で、そのあと平凡な尾根となるが、しばらくで小規模ではあるが箱庭風のお花畑が連続する。地形や咲いている花が少しずつ違ったりして飽きない。
避難小屋から清水岳までのコースタイムは2時間半。甘めのコースタイムと思われるが、それを大きくオーバーする3時間かかる。それだけ止まってたり写真撮ったりする時間が多かったってこと。まあ、今回の山行のメイン中のメインで、しかも最高の天気ですのでね。
清水岳で休憩。やっぱり天気は下り坂なのか、今日は雲の上がりが早い。きのうは谷や支尾根から雲が出ていたけど、今日は主稜線が先に雲に隠れてしまった。せめて昼まで・・・って感じだったのに。くもり時々晴れみたいな天気の中、小旭と裏旭と越えていく。というか巻いて行く。雲は多いもののガスに包まれて真っ白けになることはなかったからまだマシか。雪倉岳から朝日岳にかけての稜線は見えていたし。
今日は朝からいきなり喉が渇いていて、水分摂りまくり。村営小屋に着いて自販機でビール買ってプシュ!ビールは小屋で買うと高いので極力持ち上げたいけど、2日目は仕方ないですね〜。でも、今なら雪渓があるからすぐに冷えてくれるか。小屋前のベンチでしばらく昼休憩といったところ。
下山開始だけど、日曜日にもかかわらず登ってくる人が多いこと!ちょうど小屋に到達するピークの時間かもね。登ってくる人は多いけど、道もそこそこ余裕があるので渋滞するような感じではないのが助かる。たまに雲が切れて杓子岳とか見えるけど、なかなか青空までは見えてくれない。まあ、もう下山モードですな。
大雪渓の取付きでアイゼン装着。他の2人も着けるので、下りはアイゼン着けて歩きます。何年ぶりに使ったかこの6本爪のアイゼン。袋の中で粉吹いてました。ちょうど良い錆び落としになったかな。ただ、アイゼン履いて下るのは、やっぱり膝と足首に負担がかかるな。ガッガッっと止まるから、それを膝と足首で受け止めなければいけないのだ。雪渓の終盤では膝と足首だけ極端に疲れた。 あとは夏道に乗り換えて白馬尻小屋へ。この頃からポツポツと雨が降り始める。稜線あたりは暗いけど、下界は晴れている。ちょうどここらが境目くらいかも。しばらく休憩したあと最後の歩き。時々雨が降ってくるけどすぐにやむ。林道から猿倉荘への山道に入った途端に大粒の雨が降り出す。林道だったら一瞬でビショ濡れだっただろうけど、具合の良いことにここは大きな木の林。猿倉荘までほとんど濡れることなく到着。そして、10分ほどの待ち時間で路線バスにのることができた。
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