2013年お盆山行 北ノ俣岳集中沢登りその2 赤木沢赤木沢がキレイなのも晴れてこそのもの
2013年のお盆山行も3日目を迎えます。昨日までは真川のシンノ谷から北ノ俣岳に登り、黒部五郎岳まで縦走して黒部五郎カールを流れる五郎沢を下降。五郎沢の途中2300mくらいのところで泊まりました。今日は美渓で有名な赤木沢を遡行する日。赤木沢は過去に2度ほど遡行し、2度とも感動しています。今回は10年ぶりの赤木沢。その間にだいぶ目が肥えているかもしれんけど、また感動させてもらえるのか楽しみであります。 ◆8月12日(月) 五郎沢〜赤木沢〜北ノ俣岳〜薬師峠 晴れ夕べはよく寝れなかったなあ…。もう少ししっかり整地するべきだったか…。でも、遅く着いたから仕方ない。今朝も雑炊。コメは夕飯と一緒に炊くので、あっという間に出来上がります。作るのはボクではありませんが・・・。マキはほとんど残っていないので、朝出たゴミを燃やせる程度の焚き火です。 今朝は朝から雲一つない快晴!鷲羽岳から朝日が昇ってきました。まずは五郎沢を降りなければいけません。黒部五郎小舎の方から流れてくる左俣と出合うまでは傾斜が強くなっています。厄介な物が出てこなければいいんですが…。実際のところ小滝はいくつか出てきましたが、どこかに弱点があって難なく降りることができました。五郎沢は明るくキレイなんですが、如何せんゴーロばかりで遡行対象にはなりにくそうですね。詰めは特急品なので、それだけでも遡行の価値あるかもです。
左俣と出合うと河原が広くなり、傾斜もほとんどなくなりました。巨岩中心ですが、ところどころに快適に泊まれそうなところがありそうです。テン場から黒部川に出合うまで登山道並みのスピードで歩くことができました。おかげで昨日の遅れを挽回。赤木沢を前に気持ちに余裕が生まれました。
何とも言えない美しい瀞が見えてきたら、その先が赤木沢出合です。出合に3〜4人のグループが居るのが見えました。ずっといるので休憩中のようです。こちらも出合の手前で休んでおきます。しかしまあ、この瀞はキレイです。和風な感じです。赤木沢に入るには、この瀞を胸まで浸かって対岸に渡らなければいけません。冷たいけど気持ちいい! 赤木沢出合にあるナイアガラの滝
出合に居た人たちと同時スタートになりました。深いところをへつって赤木沢に降り立ちます。赤木沢に入った途端に赤い岩盤のナメ床になります。景色というか雰囲気が一変します。その赤い岩盤をテクテク歩くと1つ目の滝が…。やっぱり赤木沢はスゴイです!1つ目の滝で既に感動です。
3度目の感動があるか楽しみでしたが、イチコロで感動させてくれましたね〜。赤木沢は期待を裏切りません!初めて行って感動した沢でも、二度目行くとガッカリ…はよくあること。ところがこの赤木沢は期待を裏切らないですね〜。他の沢とは飛び抜けて格が違う気がします。
キレイな水と岩盤、その上の緑と青空がベストマッチして初めてこの美しい景観が生まれるんでしょうね〜。たまたま一つの滝がすごくキレイなだけでなく、この先数え切れないほど滝が続くんですから!赤木沢は奇跡によって作られたとしか思えません。沢の向きも絶妙です。西に向かって遡行するので、太陽は順光で当たってくれるのです。逆光だったらまともに見えないし、横からでも沢が半分日影になってしまいます。
そんな赤木沢ですが、晴れてくれないことには感動させてはもらえません。曇ってしまうと美しさは半減以下。日が当たって青空が出ていないとダメなんです…。2回目に行った時は、下半部は快晴で最高だったのに、途中から曇ってきて後半はガッカリだったことを覚えています。今日は今んとこ雲一つない快晴!このまま稜線まで晴れてて欲しいもんだ。
過去2回は前を見ても後ろを見ても人人人…だったけど、今回は後ろに1組いるだけ。渋滞にウンザリすることもなく、そっちの面でも今回は快適でした。2度目の時は大滝の高巻きで渋滞してて、取り付くのにも順番待ちがあったくらい。沢としては初心者向きですが、一般登山道の岩場で難儀するオバサマ方が来られるとちょっとね…。
赤木沢は最初から最後までずっと素晴らしいです!
休憩なしで大滝の上まで来ました。休憩なしとはいっても写真撮りまくりで、常に手にカメラがあるような状態。止まってる時間は長いです。赤木沢だけで200枚くらい撮ってますからね〜。帰ってから写真を見るのが大変なのは百も承知ですが、撮らずにはいられません。ただ、今回はカメラが新しくなってて、撮れ具合がどんなだか楽しみでもあり不安でもあります。
大滝の上で急に川が小さくなります。水の量は同じはずですが…。この先で流域が扇状になるため、いくつも沢が枝分かれします。赤木沢はどこに詰めてもいいと思うけど、今回は2622m南のコルに狙いを定めます。とくに理由はないけど、長く沢を登っていたいのと、帰りに近い方向になるから…かな。早く楽に稜線に出るには中俣乗越を目指せばいいでしょう。過去二回の赤木沢では、前回は中俣乗越に出ました。そのあと黒部五郎小舎に向かったので…。一回目は記憶にございません…。
大滝からすぐに右からの枝沢を見送り、次の二俣は右から滝が入ってきています。道なりは左ですが、ここで滝を登って右沢へ入ります。その後も細かい枝沢が入りますが、本流と思われる方に進むと狙いの地点に詰め上がります。
今回は赤木岳近くに詰めあがる枝沢を遡行しました
上に雪渓があるためか、稜線間近まで水があります。水を汲んで、山靴に変え、沢装備を解きます。そして、お花畑の間を走る細い溝を辿ります。このあたりもコバイケイソウがワサワサと咲いています。詰めにも色々あるけど、北アルプスの特に北ノ俣岳周辺の沢のツメは天国系ですね〜。他はあまり知らないけど…。
稜線直下にあった雪渓を越え・・・
さて、赤木沢が終わりました。今日は薬師峠でキャンプの予定です。最近の登山人気でテン場が心配です。ヨレヨレ寸前のT世さんをおいて、先にテン場確保のために急ぎます。素晴らしい稜線歩きなのに、テン場確保のために急ぐのは勿体ない話なんですけどね〜。
北ノ俣岳までの間にテント泊と思われる人を4人抜き、この調子で…と思ったけど、抜くほど人が歩いていません。緩い下り坂の歩きやすい道ででみなさん早いし…。それでも計6組抜いたのかな。そして、空いていることを祈りつつ薬師峠へ。直前の下りで見下ろすと、やっぱりビッシリとテントが…。ま、とりあえずは斜めだけどスペースは確保してひと安心。
夕方になって到着する人がいます。もうまともなスペースは残ってません。「どこに泊まろう…」とつぶやきながら探している人がいました。今日は太陽が隠れても寒くなりませんね〜。下界は確実に寝苦しい夜でしょう。薬師峠キャンプ場は気温的には快適な夜でしたが、背中の石のせいで寝苦しかったです。
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