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北アルプス 朝日岳


イブリ尾根を登って中俣新道を下りました 天気に恵まれて素晴らしかったです!


もうすぐ朝日平のテン場です  海も見えてます


 山域  北アルプス 朝日岳
 山行日時  2013年7月20日(土)〜21日(日)
 登山形態  ハイキング
 天気  7/20 晴れ時々くもり  7/21 くもりのち時々晴れ
 メンバー  K嶋、S田、T世
 温泉・メシ  糸魚川 塩の道温泉(400円)  穂高 丸一ラーメン(チャーシューメン)
 コースタイム ◇7/20 
北又小屋(6:55)⇒イブリ山(10:50〜11:15)⇒朝日小屋(13:25)
◇7/21 
朝日小屋(5:45)⇒朝日岳(6:45〜7:00)⇒吹上のコル(7:35〜45)⇒長栂山(8:30〜40)⇒黒岩平(9:55〜10:20)⇒黒岩山(10:50〜11:00)⇒中俣新道登山口(13:20)⇒林道ゲート(15:10)


梅雨明け最初の週末でイブリ尾根から朝日岳に登ろうと考えてから、何回目の夏になるんだろう…?ことごとく天気が悪くて流してきました。やっとこさ天気に恵まれて、まずまずの条件で行くことができました。イブリ尾根はもちろんですが、長栂山から黒岩山までの間がよかったなあ〜。

イブリ尾根往復では芸がないし、タクシーも往復になってしまいます。なので、下山は別のところへ。せっかくなので、この先も行く機会の少なそうな中俣新道を下ることにします。北又小屋までのタクシーとか下山口への車のデポとか考えると、メンバーは4人がベスト。付き合ってくれたお二人に感謝です。

     ルート図(クリックで拡大します)

◆7月20日(日) 北又小屋⇒イブリ山⇒朝日小屋  晴れ時々くもり

さて、当日。2時半に集合して車2台で糸魚川に向かい、下山口の中俣林道終点に車を1台置き、糸魚川駅隣接のヒスイ王国の駐車場へ。そして北陸線の始発に乗ります。ここで電車を使うことで、車の回収の手間を少し省くことができるのです。泊駅で予約してあったタクシーに乗って北又小屋へ。今年も助成金が1000円/1人出るのでお得です。予算がなくなり次第オシマイのようです。

 
糸魚川から始発電車で泊駅へ 泊駅からはタクシーで北又小屋へ

週間予報では最初のうちは微妙な感じでしたが、どうやらしっかり晴れてくれそうです。タクシーの中からも目指す朝日岳が見えていました。気分も盛り上がります。すでに何台かのタクシーが上がっていて、お客さんもそこそこいそうな雰囲気です。北又小屋で身支度してから出発。

 
北又小屋 いったん北又谷に下ります

まずは北又小屋から川まで少し下ります。北又谷に架かる吊り橋を渡ってイブリ尾根に取り付きます。北又谷は2004年のお盆に沢登りで遡行した懐かしの沢であります。イブリ尾根は末端から急坂の連続ですが、感じの良い林で気持ちいいです。結構立派なブナも生えていました。登るにつれ初雪山や剣の北方稜線の山々が見え始めてきます。

 
吊り橋で北又谷を渡って イブリ尾根に取り付きます
 
初雪山(左)と犬ヶ岳(右) こちらは毛勝三山

荷物は約19キロ。夏山にしては重いですね〜。登りの重荷は耐えられます。下りは少しでも軽いのがありがたい。テントは減らないけど、ビールやつまみなど食べれば減るものも多いので、明日はだいぶ軽くなってるはず。登りは耐えられるとはいえ、ハイペースで登っていたので付いていくのがやっとでした。

10合目は朝日岳ではなくイブリ山でした

ひたすら登るのはイブリ山まで。イブリ山の山頂に立つと、目指す朝日岳が見えてきます。これから辿る山並みも確認できます。途中の開けたところが夕日ヶ原と思われます。右手には剣岳とそこから連なる北方稜線の山々。左手には初雪山や犬ヶ岳が見えています。朝日岳の歩荷の2人、2人組が2組、3人組の元気なおばちゃん…たちと前後しながら登っていました。


イブリ山  目指す朝日岳が見えてます


左から剣岳、毛勝三山、駒ヶ岳&僧ヶ岳

いったん下って登り返すまでは辛いところですが、その先でロケーションが開けます。けっこう雪が残っていて、融けたところから高山植物が出てきています。最初頃に咲くチングルマやハクサンコザクラなどが目立ちます。全体的にはまだこれからが本番という感じでしょうかね。どこをもって夕日ヶ原と呼ぶのか知りませんが、夕日ヶ原はいい所でした。小屋から夕日を見に来るには遠そう…。

 
登り返して振り返るとイブリ山 朝日岳を目指します
 
夕日ヶ原あたりかな 残雪は多いとのことです

荷物が重い時は地べたに生える花を撮るのは大変な作業。はじめは自重しといたんですが、やっぱり撮らずにはいられません。ストックに体重を預けながらの苦しい体勢での撮影です。撮影といったら大げさで、ただパシャッとシャッターを押すだけなんですけどね。なので、ブレまくり…。


夏とは思えない清々しい空です


駒ヶ岳と僧ヶ岳  そのうち登らねば

 
日本海と能登半島も見えています 富山県の標識もだいぶ古くなってきました
 
雪渓の傾斜は緩いので登るに支障なし だいぶ登ったなあ〜


樹林の混じり具合がいい感じですね〜


朝日小屋への最後の登りかな


この木道を登り切ると朝日平

前朝日を回り込むようになると朝日小屋はすぐそこ。木の段みたいなのを登り切ると、パッと朝日小屋とテン場が広がります。小屋とテン場はお花畑に囲まれてて、牧歌的というかロケーションがすこぶる良好です。何かにも書いたけど、ボクの好きなテン場の3本の指に入ります。


さて、まだ2時前。順調に登ってきて、時間がたっぷり余っています。どこかに散策に行くもヨシ、テン場でゆっくるするもヨシ…。ブラブラと散策にでも行くつもりでしたが、ビールを飲み始めると勢いが出て、すっかり酔っぱらってケツに根が生えてしまいました。ビールは3本持って上がったけど、小屋で新たに2本を調達。標高差1500mを登ったあとなので、この上なく美味しいビールでした。


朝日平到着です!


水谷のコル近くからの雪倉岳

夕方近くなってもそれほどテントは増えてきません。こんなに天気いいのに。北陸地方はまだ梅雨明けてないからかなあ…。テントはせいぜい20張り程度。今流行り?の1人1テントのグループを含めての張り数なので、空いている部類に入るでしょうね〜。パッと見た感じでは、小屋のお客さんも多くはなさそうです。


本日の我が家


朝日岳のテン場はホントいいとこです


太陽がだいぶ斜になってきました

生えた根を抜いてトイレへ。ついでに近場の散策です。白馬方面は少し雲が多めです。明日の朝に晴れてくれればいいんですが。水谷のコルあたりでは、コバイケイソウに横から差す夕日が当たってキレイでした。小屋の周りもとにかく花だらけです。雪が融けたらさらに花盛りなんでしょうね。


コバイケイソウに横から夕日が


夕焼け見物に出掛けます

太陽が海に沈むまでまだ少しありそうですが、ゾロゾロと夕日を見に行く人が。つられて見に行きます。ちょうど黒部川に夕日が反射していてキレイでした。結局のところ夕日は海ではなく能登半島に、しかも雲の中に消えていきました。登山を始めた頃は夕日だとか御来光なんかを見るために早く起きたりとかしたこともありますが、最近はそんなこともなくなりました。


小屋とテン場も夕焼けに染まってきました


太陽は能登半島へ

宴会の流れのまま外で夕食となりました。夕食はテントの中ですることが多いけど、今日は天気も温度も景色も快適でございました。夕日を見に行ったあとテントの中に入り、いつの間にか寝たんだろうなあ…。朝早かったし。4人用のテントに4人寝るのはやや狭いけど、朝まで目を覚ますことなく寝続けました。

◆7月21日(日) 朝日小屋⇒朝日岳⇒黒岩山⇒中俣新道  くもりのち時々晴れ

4時起床。その時にはすでにほとんどのテントが動き出していました。そして5時にはウチらのテントを残して全て撤収され、出発していきました。みなさんなんて早いんでしょ!ダントツ最後のボクらでさえ出発は6時前です。これでも普段よりは早いんですけど…。最近はそういう傾向にあるのかもしれませんね〜。

 
雪倉岳  きのうほどパッとしません・・・ 朝日岳へ向かいます

朝飯の雑炊を食って出発。今日は午後は下り坂みたいだけど、朝から曇ってます。天気が崩れるような雲ではなく、高いところにある薄い雲が広がってます。おかげで景色はパッとしません。白馬や剣岳あたりも暗めです。朝なのでなおさら光不足のようです。朝日岳までの間は小出しに小規模なお花畑が出てきます。山頂手前で風衝地に咲く花のオンパレードとなりました。

 
水平道はまだ未開通 朝日小屋はいいとこにありますね〜

朝日岳山頂には10人くらいいたのかな。記憶は薄いですが。相変わらず上空の薄雲のおかげで、景色はパッとしません。晴れてるとこは晴れてそうなんですけどね〜。朝日岳は今回の最高峰ではありますが、目的からすると少し違うような…。目的はあくまでもイブリ尾根と長栂山から黒岩山の間の湿原地帯なのであります。ということで、先も長いし長居はせずに出発です。


白馬岳から西に派生する清水尾根


朝日岳山頂直下


同じく朝日岳山頂直下  向こうの山は剱岳と北方稜線

まずは吹上のコルへ。ここまでは蓮華温泉への道と重なっているので、人はそこそこいます。今まで何度か残雪はありましたが、ずっと登りだったので問題ナシ。ここからの残雪は下りです。だいぶ夏の残雪っぽくなって滑りやすいです。滑らないようにすると滑るので、逆にグリセードを楽しみます。滑ろうとするとイマイチ滑りが悪くて…。荷が重いのがちょっとね。

 
朝日岳をあとにし・・・ 吹上のコルへと下ります
 
吹上のコルより  海が見えています 栂海新道の看板だ!

吹上のコルで少し休憩。ここからは栂海新道の看板が出てきます。鉄板でできてて文字の部分がくり抜かれたやつです。これだと文字は消えることないし、分厚い鉄板なので腐ることもなさそうです。ただ、これを持ち上げるのが大変だったことでしょうね。ここにいた人はみんな蓮華温泉方面へと歩いていきました。ま、当然か。

 
長栂山あたり 塗装がはげたのかなあ・・・
 
照菜池 コバイケイソウ満開!

朝日岳から親不知へと続く栂海新道は北アルプスを縦走した時の最後の3日間でした。ずっと天気悪かったんですよね〜。それだけに今回に期待してました。薄雲で雰囲気暗めですが、視界はバッチリあるのでリベンジは果たせそうです。長栂山へ少し登り返します。少しだけ針葉樹になったのは記憶にあります。斜めになった木道があって、雨で濡れて全く歩けなかった記憶があるけど、今回はもうありませんでした。さすがに取り替えたか。

 
一連の長栂山の北端に向かいます 北端に長栂山の看板あり
 
初雪山(左)と犬ヶ岳(右) 赤線が下る中俣新道

本当の長栂山は東側を巻き、照菜池の縁を歩きます。そして、北側のピークに長栂山の看板がありました。ちょっと立ち寄る格好になっています。ここからの景色は最高です。これから目指す黒岩山にかけて、尾根とは言えないような広々とした斜面が広がっています。北には割と近いところに日本海。


長栂山にて  遠く海が見えています


段々状に降りていきます  右の山は黒負山

ここからは楽園系散策です。まだ雪が多く残っていて、花は咲き始めといったところ。残雪は結構斜度のあるところもありました。下ちゃん滑ってボクにぶつかって止まりました。立ち上がってまたすぐに滑ってしまい、結局は尻セードで下まで。ビビりながら降りるよりも、ひと思いに滑ったほうが楽そうです。そのあとみんな尻セードで降りました。こんな感じのとこが3か所くらいあったのかな。


長栂山から一段降りました  滑ってみたいなあ〜


少しずつゴールに近い明星山が近くなってきました

段々状に下っていくのですが、そのたびに雪田系や湿原系のお花畑が出現です。水芭蕉があちこちにあって意外でした。湿原系ではコバイケイソウが盛りで、ニッコウキスゲがこれからといった印象。雪融けとともに咲くチングルマやハクサンコザクラが雪田系の主役でした。


お花畑や湿原の連続です


想像よりも水芭蕉とかが多いですね〜


感じのより池塘とかもでてきます


これを降りると黒岩平

下るにつれて日が差すようになってきました。上空の薄い雲がなくなり始めてきたようです。そうなると明るくなって、全ての色が濃くなります。やっぱり緑が濃くなると映えますねえ〜。最初から晴れてくれれば言うことナシでしたが、楽園を歩いているうちに晴れてくれて感謝であります。

 
黒岩平は残雪多し 斜めった黒岩平の看板

黒岩平ではイブリ尾根の登りで前後していた、パワフルおばちゃん3人組が休んでいました。そういえば栂海新道だと言ってたな。ウチらも休みます。ここもスバラシイところでした。黒岩平は花の種類が多いとのことですが、まだ雪がたくさん残っていて花には早いようでした。この先も水芭蕉の中をキレイな小川が流れているところがあったりで、ずいぶんと癒されてしましました。


コバイケイソウと池塘がいい感じ


雪解けと共に花が咲きはじめます


登山道を小川が横切ります


わさび田みたいな感じ


ニッコウキスゲも出てきました


アヤメも


曇りがちだった空ですが、だんだんと晴れてきました

中俣新道分岐は黒岩山の直下にありますが、最後の眺めということで黒岩山に登ります。犬ヶ岳への稜線が手に取るように見えます。歩いて来た長栂山からの斜面も一望です。この斜面はスキーで滑ると気持ちよさそうです。GWに栂海新道をスキーで縦走する人がよくいますが、気持ちはわかりますね〜。ただ、ここから先は尾根が痩せて修行の場面が多くなりそうですが…。


長栂山から下りてきました


黒岩山に立ち寄ります

あとは中俣新道を下るのみ。途端にロケーションが悪くなり、同時に道も悪くなります。まあ予想通りなんですけどね〜。とくに中俣山の手前がひどかった…。登山道が沢状になってて、岩の滑ることといったら…。ヌカルミも結構つらかったし。でも、1泊2日の日程で長栂山から黒岩山を歩くには、中俣新道を下るしかないんですよね。

 
黒岩山の看板 中俣新道の分岐

そんなこんなで、やっとこさ中俣新道の登山口まで降りてきました。ホッと一息のところですが、まだ林道歩き1時間半が残っています。足も痛くなってきたし、もう惰性で歩くしかありません。途中のヨシオ滝というのは立派な滝でビックリしました。気分的にも長い林道でした。せめて半分くら車が入れたらなあ…。

 
開けていたのは最初だけ むさ苦しそうな登山口

デポ車回収は後回しにして、とりあえず温泉!寄り道にはなるけど、根知谷にある塩の道温泉へ。シーサイドバレースキー場のベースになっていて、ホワイトクリフというホテルと一緒になっています。このあと糸魚川駅へデポ車を回収に行き、我が家へと戻ったのでした。戻った後に穂高にある「丸一らあめん」というラーメン屋さんへ。入るのに勇気の要りそうなラーメン屋でした。知ってないと入れないような…。お味は…?おじさんは面白かった。

    



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