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■7月7日(日) 雨 旭川で洗濯
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ロープウェイ(6:45発)⇒姿見駅(7:00発)⇒7合目(8:01〜17)⇒旭岳(9:11〜42)⇒間宮岳(10:37〜11:00)⇒北鎮岳分岐(北鎮岳へ11:57〜13:07)⇒黒岳石室(14:05) |
朝起きると霧雨が降っていた。でも、霧が濃くて霧雨になっているような感じだったので、山は晴れているような気がした。実際、旭岳温泉までに雲の上に出て、これから登る旭岳が望めた。ロープウェイからの景色は最高で、目指すトムラウシまでクッキリと見えていた。
8日分の荷物を背負っているのでさすがに重い。旭岳の登りはかなり抑え目に歩いた。登るにつれて展望が開け、東大雪の山々も見えた。7合目からは利尻も見えて感激。旭岳に登ると反対側が見えた。ここからトムラウシまでは、稜線歩きというよりも高原歩きといった感じだ。この縦走の1つ目の山が北海道最高峰というのはちょっとシャクな気がした。しかし、何故か反対側からの縦走というのは一度も考えなかった。雌阿寒岳、斜里岳、知床連山も確認。さすが北海道の真中だ。
山頂からは雪渓下りで快適。間宮岳まで来ると、黒岳石室が見えた。あと北鎮岳の登りさえ登ってしまえば、あとは楽勝そうだった。ここまではガラガラした所が多く、花はあまり咲いているところはない。それでもメアカンキンバイ、ツガザクラ、キバシャクナゲ、エゾコザクラ等代表的な花は見ることができた。時期的に少し早い気もした。
北海道第2の高峰ということで、北鎮岳を往復してくる。あとは下りベースなので楽勝気分だったが、見た目よりも距離があり、意外と時間がかかった。黒岳石室のテン場には先客が2張り。よい場所は残ってなくて、仕方なく発電機よりに張った。黒岳を往復しに行きたかったが、ガスが出てきて真っ白けになってしまう。しばらくゆっくりしていた。
3時半頃になって晴れてきたので黒岳へ。山頂からは層雲峡やロープウェイの駅が見えた。森林限界をはるかに超える山頂なのに蚊が多くて参った。テン場に戻り、小屋でビールを買った。テン場にも蚊がいっぱい。エスパース2張りの団体さんは、豪華そうな夕食だったが、こちらはレトルトのどんぶり。外人さんが到着。話をすると、ロープウェイには乗らずに、下から歩いて登ってきたそうだ。カナダの人で、カナダにはロッキーとか大きな山はあるが、火山がないので日本に来たと言っていた。稜雲岳の山頂に日が落ちた。
黒岳石室(5:25発)⇒北海岳(6:45〜56)⇒白雲岳分岐(白雲岳へ7:50〜9:08)⇒白雲岳避難小屋(9:30〜50)⇒高根ヶ原分岐(10:37〜50)⇒忠別岳(13:17〜14:02)⇒忠別岳避難小屋(14:57着) |
夕べは発電機の音よりも、エスパースの団体さんの声の方がうるさかった。登山を始めた頃はよくご来光を見たが、最近では見に行くことはなくなった。しかし、今日は気分がよかったので桂月岳まで見に行くことに。太陽は思っていたところよりもずっと北から登ってきた。きのう沈んだのが北西とすると、日の出は北東からくらい。日の出自体はなんてことなかったが、朝焼けの景色がすごくきれいだった。
テン場に戻るとカナダ人はすでに出ていて、エスパースの団体さんも出るところだった。うちらはこれから朝メシだ。赤石川周辺は雪渓がたくさん残っていた。ここらへんも花にはまだ早いようだ。北海岳の登りで団体さんを抜いた、抜く時に大雪山の固有種である、キバナシオガマを教えてくれた。珍しい花なんだろうなあと思いながら歩いていたが、そこらへんに群落となって咲いていた。
白雲岳の分岐にはザックはたくさんあったが、人は一人もいなかった。みなさん白雲岳をピストンしに行っているようだ。山頂には数名いて、あとで団体さんも登ってきて大賑わいだった。団体さんは三島労山御一行とのこと。山頂からは高根ヶ原が一望。泊まる予定の忠別岳はまだずっと先だ。
ひと下りで白雲岳避難小屋。テン場はこっちの方が快適そうだ。次来ることがあれば、ここに泊まるプランで来たい。小屋の外で休んでいると、だいぶ先を歩いている這はずのカナダ人が戻ってきた。「タイフーン!2日!レイン!」「旭岳温泉に降りる」と言っている。何故だか聞いてみると、台風が近づいているとの情報を聞いたかららしい。台風6号は日本の南海上を通過するものと思っていたが、小屋の人に聞いてみると、やっぱりこっちに向かって来ているらしい。まあ行くしかないだろう。小屋の人の話では、きのうヒサゴ沼の小屋には定員30名のところ60人泊まったらしい。小競り合いとかもあったらしく、テントがあるならテントのほうがいいよ、と言われた。
うちらが行くというと、カナダ人も一緒に来るという。ここからは3人で歩いた。25日間のバケーションで日本に来ていて、このあと大峰山、高野山に登り、京都、奈良を観光する予定らしい。ずっと前ばかり見ていたが、ふと後ろを振り返ると白雲岳、旭岳がきれいだった。
高根ヶ原の分岐を過ぎたあたりで、これまでのんびりと歩いていた三島労山のピッチが急に上がった。聞くと、忠別までの予定だったけど、今日のうちにヒサゴ沼まで行くことにしたらしい。みなささっきまでの和やかな顔とは違い、険しい表情に変わっていた。
忠別岳に着くとIモードが通じたので天気予報を見る。するときのうの予報とはガラリと変わって、この先雨続きになっていた。雨は夜のうちから降り出すようで、明日は一日雨で、降水量も多くなりそうだった。あとはテン場に下るのみだったが、ハイマツのトンネルに苦しめられた。分岐からはハイマツをくぐり、雪渓を少し降りたら小屋とテン場があった。見ると、三島労山の人がテントを張っていた。やっぱりヒサゴ行きはあきらめたみたいだ。
疲れたのでゆっくりしたかったが、雨が降る前にテントを張ってしまうことに。快適そうな平らなところがあったが、雨が降ると水溜りになりそうだったので、斜めだったが水が流れるところに張る。張り終えたところでポツポツときはじめた。
テントに入りラジオをつける。台風は現在東海沖にいて、明日未明に関東か東海に上陸。北海道では太平洋側が明日、オホーツク海側があさってにかけて大雨になるとのこと。そして、台風7号も同じようなコースを通ってきていて、週明けには接近の恐れがあるようだ。
明日はどうしよう・・・。大雨の中天人峡に下山するか、ここで沈没しておくか・・・。台風が早く過ぎてくれれば、ここでがんばるのだが・・・。しばらく様子を見て決めるしかない。
雨はしだいに強くなってきた。寝る前に念のため張綱チェック。大丈夫とは思ったが、安心できるので張綱を追加して、合計8本とっておいた。
5時半に起きたら、すでにカナダ人、三島労山ともに出発したあとだった。うちらは沈没決定。台風は朝6時現在で福島のいわき市沖を北上中。その後速度を上げ、昼過ぎにえりも岬沖に達するらしい。山口、岐阜、長野、埼玉、福島、宮城で死者、行方不明者、負傷者が出ているらしい。
することがないので、ガイドや地図を見たり、柔軟体操をしたりしていた。強弱を繰り返しながら、雨はだんだんと激しくなってきた。風はまだそう強くない。
10時ごろの天気予報では、台風は宮古市沖40キロにいて、夕方以降十勝地方に上陸する可能性があるらしい。太平洋側を中心に大雨洪水警報が出ていた。雨量は120ミリを超えているところもあるとか。ピークは夕方から夜にかけてか。やばくなったら、小屋に逃げることも考えよう。
午後になると柔軟体操にも飽き、ボケ−ッとしていた。どんどん天気が悪くなりそうだが、かえって午後の方が雨風ともに弱まった。夕方の予報では、6時ごろ十勝地方に上陸し、夜中に旭川を通過するとか言っていた。なんで旭川・・・。直撃か・・・。暗くなる前に、もう一度針綱の確認で外に出た。
忠別岳避難小屋(10:40発)⇒五色岳(11:40〜46)⇒引き返し点(13:45)⇒滝見台(18:00すぎ)⇒天人峡(19:00前) |
寝る時は雨風ともにたいしたことなかったが、夜中になり急にテントがあおられだした。時計を見たら0時すぎ。接近中は意外と穏やかだったが、通りすぎてからの吹き返しがきつくなってきたのだろう。風向きは明らかに変わっていた。寝る前は谷からの風だったが、今は稜線側から吹き降ろしてきている。心配だったので、風雨の中張綱だけはチェックしておいた。過去、白馬岳のテン場で、寒冷前線の通過でテントをつぶされたことがあった。原因は張綱にあると思っており、それ以来張綱には神経質になっている。
回復しそうな気配があったら、ここを出ようと思っていた。10時までの出発なら南沼。昼までの出発ならヒサゴ沼にしようかと考えている。8時頃になると、突風の間隔が空いてきて、雨も幾分弱まってきた。10時頃に霧雨状態になり、出発を決意。
忠別岳あたりの稜線はそれほど風は強くなかった。ハイマツが密で、ハネ返される方がつらかった。五色岳あたりでは、なにやら太陽の気配も感じられるようになってきた。ハイマツの地獄が終わると、今度はホワイトアウト状態。化雲平というところか。晴れていればすごいお花畑で別天地のようだが、荒れているときは最悪だ。雪渓を横切るところでは、対岸がさっぱり見えず苦労したところも。化雲岳を過ぎると急に風が激しくなってきた。ここまでは天人峡への大きな尾根が、風を防いでくれていたのだろう。
ヒサゴに下っていると、若い男女とすれ違う。ヒサゴの小屋は満員で、テン場は水浸しとの情報を得る。風が強いので、このまま南沼まで行けそうにはない。ヒサゴもいっぱいとなると下山?トムラウシで遭難もあったとか。ここは落ち着いて、天気予報を確認してから決断することに。見ると雨マークが4日間続いていた。追いかけてきている台風の仕業なのか。天人峡まではかなり長いが、今から下れば暗くなるまでには下山できるのではと、急きょ下山することにした。
化雲岳からのだだっ広い尾根は、猛烈な風が吹き抜けていた。このあたりはこれまでで最大規模のお花畑となっている。晴れていれば天国だが、今日は地獄としか思えない。まったく逃げ場がないのである。化雲岳から少しのところに「天人峡まで10.5キロ」の看板。気が遠くなりそうだった。
小さいピークの岩陰で少し休んだが、すぐに寒くなり、手も動かないのですぐに歩き出す。ここから滝見台までは一気に歩く。登山道は川、ぬかるみ、池とかしていて、スピードが上がらない。ダラダラ下りなのでなかなか標高も下がらない。足は平気だったが、上半身の疲れが半端ではなかった。早く天人峡に下って温泉に入りたい。
滝見台からは樹林帯となり、6時をまわったので一気に暗くなってきた。目が見えない。アホなことに、テントを撤収する時、メガネを出すのを忘れていて、テントと一緒に丸めてしまっていた。横方向なら助かるかもしれないが、縦方向だったら壊れているだろう。
薄暗くなって天人峡に下山。少し下の公共駐車場にテントを張る。そのあと温泉へ。天人峡グランドホテルに行くと、時間は過ぎていたが入れてくれた。受付では遭難のことと思われる電話をしていた。風呂は最高に気持ちよく、生き返った気分だった。生き返ったとともに腹が減ってきた。このホテルでは食事ができないようで、上の天人閣の居酒屋のようなところでラーメンを食った。
明日は旭岳温泉まで車を回収する必要がある。旭岳温泉には1日3便のバスがあり、どれもが天人峡経由と思っていた。しかし、ホテルで時刻表を見ると、天人峡から旭岳温泉に向かうバスは夕方のみで、あとは旭岳温泉から天人峡という方向だった。夕方までは待っていられないので、登山道を歩いて旭岳温泉まで行くことにした。
妻に片付けとテントの撤収を任せて、朝メシだけ食って旭岳温泉に向かう。ズボンはビショビショだったので短パンで歩いたのだが、蚊と草露に悩まされた。せめてカッパくらい着ておけば・・・と後悔。2時間弱で旭岳温泉に。天気が悪いにもかかわらず無料の駐車場は満車となっていた。そうか・・・今日は土曜日だ。車だと20分ほどで天人峡へ。
今日はとにかく少しでも天気の良いところに行って、全ての装備を乾かしたかった。天気チェックすると、十勝方面が一番良さそうだった。虫類村の道の駅にキャンプ場と温泉が併設されており、そこに向かうことにした。町に下りると結構良い天気だった。富良野のあたりまで行くと、十勝岳の稜線が見えてきた。これだったら今日は十分歩けたなあ・・・。天気にもてあそばれてしまったようだ。物干しならこのあたりでも十分だったが、十勝岳が見えるとシャクにさわるので、予定通り虫類村まで走ることにした。
新得あたりで昼時となる。新得はソバで有名らしく、「新得ソバの館」に入ってみた。そばの麺がなんとも言えないような、そばでもない、ラーメンでもないような、ちょっと変わったそばだった。
キャンプ場に着くと、土曜日ということもあり、ファミリーキャンプ風のテントがいっぱい張ってあった。たいがいのキャンプ場は県外ナンバーの車やツーリングのバイクが多いのに、ここは地元ナンバーのファミリー風が多かった。テントを張り、そこら中に装備を干しまくる。暑いくらいだったので、あっという間に乾いてしまった。
ゆうべは呪われたかのように眠れなかった。原因は3つ。1つは暑かったこと。2つ目は蚊。3つ目はうるさかったこと。とくに3つ目は勘弁して欲しかった。バイクの集団が宴会をやっていて、これがまたうるさいことといったら・・・。深夜12時頃にいったん静かになったが、その時に女の人が到着した。それまでは男ばかりだったが、女の人が加わったことで、場がいっそう盛り上がってしまったのだった。
おかげで寝不足。今日はここからわりと近く、日高山脈の中でもお気軽に登れそうな十勝幌尻岳に登るつもりでいた。しかし、出るのが遅れたあげくに、登山道への道を間違えたため取りやめ。天気もあまり良くなかったので、気乗りもしていなかった。
代替案は然別湖と東雲湖で、近くの白雲山、天望山に登ることに。駐車場に着いたが、やっぱり気乗りしないので、湖畔を歩いて東雲湖の往復だけにすることに。東雲湖は学生の時にバイクで来たが、湖以外の記憶は全く残っていない。東雲湖の見える、岩のゴロゴロしたところでは、ナキウサギのものと思われる甲高い声がしていたが、見ることはできなかった。
帰りは遠回りをして菅野温泉に行く。秘湯で有名(?)のようで、行くとたくさんのお客さんがいた。電気は来てないようで、自家発電の発電機が回っていた。ガイドには500円と書いてあったが、行ってみると1000円だったのでやめた。替わりに清水町の「フロイデ」という温泉に寄った。こちらは350円とリーズナブル。
遭難の情報が知りたかったので新聞を買った。それによると、同じ日にトムラウシで2件発生しており、1件は愛知県の山岳会で、ヒサゴからのピストン。もう1件は福岡のガイド登山で、トムラウシ温泉から。2名死亡は、どちらも疲労凍死みたいだった。
キャンプ場に戻るとテントはほとんどなくなっていた。ファミリーキャンプの人が多かったので、日曜日はすくようだ。今日はテントが張ってあるので楽チン。明日は洗濯して、一度は行っておきたかったトムラウシ温泉に行くことにした。
今度は静かで快適に寝ることができ、きのう寝れなかったぶんを取り戻せた。今日の予定は、帯広で洗濯を済ませたあと、トムラウシ温泉に行くというもの。天気が悪いはずなのに、結構良い天気だ。ホント天気予報にもてあそばれている。今日もここで泊まる予定なので、テントは張りっぱなし。
前に行った帯広のスワンで洗濯。帯広上空は快晴だったが、日高の山には雲がかかっている。新得から山の中に入ると雲が増えてきた。道中から十勝岳方面が見えるというので、期待していたがダメ。
温泉には数人の登山者がいた。温泉に入っていると雨が降ってきた。露天風呂は掃除をしていて、せっかくのんびりしたかったのに、せせこましくて残念だった。女風呂の岩の間にはヘビがいたらしい。温泉で精力を吸いとられたのか、帰りの車は異常に眠かった。
ここのキャンプ場は3日目。炊事場で他の人に便所やゴミのことを聞かれ、妻はここの主のように対応していた。天気予報はまた変わり、台風7号も北海道に影響しそうなことを言っていた。
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