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五竜岳(遠見尾根より)

今年は早くから雪が降り、11月末で本格的な雪山登山となりました
 
 山域  北アルプス /後立山連峰 五竜岳 
 山行日時  2002年11月23日(土)〜24日(日)
 登山形態  積雪期 一般道
 メンバー  T世
 行程  1日目  白馬五竜スキー場⇒小遠見山⇒西遠見山
 2日目  西遠見山⇒五竜山荘⇒五竜岳⇒遠見尾根⇒スキー場
 温泉  白馬村温泉&観光スポット白馬村観光局



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毎年、この勤労感謝の日の連休は、名古屋ASCのryou氏から立山へ山スキーに行こうと誘いがある。そして、毎年お金がないからと断っていた。例によって今年も丁重にお断りしていた。今年もryou氏は立山に行くようだったが、今年は異例の早い雪のため(すでに積雪2m、吹き溜まりは5m以上とか・・・)、立山自体がすでに真冬状態だったみたいで、行ったのかどうかは定かではない。入山自体が微妙だったようだ。

もうひとつお誘いがあった。H口さんは上松から木曽駒に登るようで、これにも誘われていた。でも、せっかくこの時期に雪がたっぷりあるので、どうせなら北アルプスに行きたかったのだ。爺ヶ岳、鹿島槍、五竜と候補はあったが、結局は五竜で決まった。


■11月24日(土)   快晴!   白馬五竜スキー場⇒西遠見山手前

後立山は自宅のある穂高町からはアクセスが良く、五竜のスキー場なら1時間あればおつりがくる。しかもゴンドラ利用で、始発は8時くらいなので、朝は余裕をかましまくっていた。それがあだとなり、余裕をかまし過ぎて、スキー場に着いたのは8時を軽く回っていた。しかも、泊まりということで、上の駐車場に止めるのはしのびなく、下のほうにある第4駐車場に車を止めた。そこからゴンドラ乗り場までは15分の歩きである。

地蔵の頭(10:00発)⇒小遠見山(11:50〜12:20)⇒大遠見山手前(13:30)⇒西遠見山手前(14:15着)


ということで、ゴンドラに乗って、出発準備を終えたら10時になっていた。天気は快晴!!山スキー3人組がボクたちよりも少し先に出発。小遠見山まで行くみたいだった。トレースはあったが、そんなにたくさんの人が入っている感じではなかった。いったん下ってからの壁のような登りは、いつも直登していたが、トレースが左に回り込んでいたのでそれを追った。出発する時はフリースを着ていたが、しばらくで暑くなり、Tシャツになったが、それでも暑いくらいだった。ゴールデンウィークを思わせるような感じだった。小遠見山手前で、先に出たスキーヤーが滑ってきた。なかなか滑りやすそうな雪で、気持ち良さそうだった。

小遠見山からの五竜岳
小遠見山からの五竜岳


小遠見山に到着。ここからの鹿島槍の景色は最高!ここから見る鹿島槍は、南峰と北峰が重なっていて、双耳峰ではない。ここからはトレースがなくなるのではないかと心配していたが、遠見尾根方面にトレースが伸びているのが見えて一安心。トレースがなくラッセルになると、それはそれで充実感たっぷりだが、今回の場合は五竜岳登頂が目的なので、トレースがないと時間切れになりそうだった。今日のテン場予定地は西遠見山あたり。ここからだと、まだ遥かかなただ。目標は西遠見、最低で大遠見といったところか。

トレースは小遠見山までとは変わらなかった。恐らく3〜4人くらいのトレースではないか・・・?そのトレースの横には、1本だけスキーのトレースがついていた。恐らく単独だろう。下りのシュプールはないので、先を歩いていそうだ。少し下って、少し登ったら中遠見山。平坦に近い快適な稜線を歩いていたら、いつの間にか距離を稼いでおり、大遠見山はもう間近となった。

遠見尾根からの鹿島槍ヶ岳
遠見尾根からの鹿島槍

大遠見山の登りを前に小休止とする。3時間しか歩いていないのに、もう1日歩いたかのような疲れようだ。重荷+雪+暑さのせいだろう。雪については、トレースはあるものの小人数なので、スタスタと歩けるわけではなかった。ラッセルとまではいかないにしても、体力はかなり消耗していた。西遠見まで届かないとしたら、3時をメドに行動を打ちきることにした。

大遠見山の登りを登り切ったところで、前方に人がいるのが見えた。その人たち(3人組)はテントを撤収しているところだった。しばらく話をしていた。きのう入山したようで、今日山頂をアタックし、今ここでテント撤収中ということだ。トレースはなかったみたいで、かなり苦労したようだ。今日はもう下山はせずに、ゴンドラ乗り場の上あたりでもう1泊すると言っていた。ラッセルの御礼を言って別れた。

大遠見山への登りを登り切ると、グッと五竜岳が近づいてきた。小遠見山から見てあれだけ遠かった西遠見山も、もうそれほど遠くではない。ある程度進んで良い場所があったら、そこを今日のネグラとしよう。前方より山スキーヤーが。30才前後の真っ黒に日焼けした人だった。そうとうやり込んでいる感じだ。稜線のほうを見ると、白岳から白岳沢にに向かって、真っ白なところにシュプールがついているではないか・・・!気持ちの良さそうなシュプールであった。でも、あそこを滑る一瞬のために、白岳まで登るというのも・・・。

快適な遠見尾根
遠見尾根越しの五竜

2時を回ったくらいから、テン場を探しながら歩く。このあたりは、痩せているところ以外はどこでも泊まれそうだ。逆に、もっと良い所はないかと、欲をかいてしまうくらいだ。結局、大遠見山と西遠見山の間の、やや二重山稜っぽくなっている所に決めた。ポツリポツリと潅木が生えており、五竜、鹿島槍、白馬方面の眺めも良し!まさに天国のような所。

ザックを降ろし、ビールを開け、テントの場所を踏み固め(フカフカでなかなか固まらない)、テントを張り、便所を作り、玄関を作り、荷物を取り込み・・・と、久しぶりだがいつもの冬のテント生活が展開された。水作りをしながら酒を飲み、夕食の鍋を食いなから酒を飲み、デザートの柿の種を食いながら酒を飲んでいたら、寝る前に気持ちが悪くなって吐いてしまった。満天の星空を期待したが、東から月が出てきて、満天の星空はおあづけ。その代わりに、月明かりで後立山が浮かび上がっており、とても幻想的であった。


■11月24日(日)   快晴!   西遠見山手前⇒五竜岳⇒白馬五竜スキー場

西遠見山手前(6:45発)⇒五竜山荘(8:20〜45)⇒五竜岳(9:55〜10:15)⇒五竜山荘(11:05〜20)⇒テン場(12:13〜45)⇒小遠見山下(14:00〜25)⇒ゴンドラ乗り場(15:25着)
朝のテン場からの風景
朝のテン場

5時頃に目を覚ます。外の気温は−10度。気温ほどの寒さは感じなかった。まだ暗いはずの外に出てみると、月明かりに後立山連峰が浮かび上がっていた。まことに幻想的であった。

7時前にテントを出発。僕らが出る前に、すぐ手前でテントを張っていた若目の人と、大きな荷物を背負った年輩の人が通り過ぎて行った。西遠見山の山頂付近で年輩の人を追い越す。大きな荷物を背負っていたので聞いてみると、できれば鹿島槍まで行きたいとのことだった。

白岳までの登りがやたらと長かった。微妙に段々状になっており、登ったと思ったらまだ先があって・・・、というのが続いた。朝は寒かったのでフリースを着ていたが、この登りくらいから暑くなってきた。白岳に登ると反対側が見えるが、五竜から西側に派生するでっかい尾根のせいで、立山・剣が見ることができない。五竜の山頂まで行かないと見えないということか・・・。毛勝三山は真正面にデンッと座っていた。稜線の西側(風上側)は風で飛ばされて雪はついてなく、夏道を通って五竜山荘まで下った。

五竜山荘でアイゼンをつけた。山頂までのルートは、途中までは夏道どおしのトラバースだが、中間あたりからははっきりしなくなる。はじめ直上していたが、途中でトラバースに切り替えた。雪が柔らかくて、踏み固めながらのトラバース。落ちても少し下で止まりそうだったので、そうプレッシャーには感じなかった。最後の登りは岩稜と雪壁の登攀だった。

五竜岳山頂からの立山・剣
山頂より立山・剣

山頂の一角に飛び出した所で、剣より南の山々が目に飛び込んでくる。立山あたりはさすがに雪が分厚い感じだ。天気は南から下り坂なのか、南の方の空からうす雲が広がりつつあった。ゴンドラの最終は16:15。10時には山頂を出たいなと思っていた。予定よりも若干遅れていて、五竜に登りついたのが10時くらいだった。この展望の中でゆっくりしたかったが、後ろ髪を引かれる思いで山頂を後にした。

下りは快調かと思っていたら大間違い。山頂直下の雪壁の下りと中間あたりのトラバースで手間を食った。ボクが先に下っていたのだが、ここはT世さんに先に下ってもらい、怖そうな所では上からお助けロープをたらしてあげれば良かった。五竜山荘まで30分くらいで下れると思っていたが、50分もかかってしまった。

白岳の下りが終わるまではアイゼンはつけておく。しかし、暑くて雪が腐り、アイゼンに団子がつくようになってきた。この下りの後半でボクとT世さんのスピードに差がありすぎたので、安全なところに入ってからはボクが先に行くことにした。そして、早くテン場に着いて、撤収しておくことに。そうすれば、だいぶ時間が稼げる。テントをたたんだところでちょうどT世さん到着。

ここからは下山と言えども、アップダウンの多い尾根歩き。大遠見、中遠見、小遠見・・・とピークのたびに登りがある。気温が上がるとともに雪も緩くなってきて、ズボズボと埋まり始めてきた。小遠見山には2時前にには着いた。ゴンドラの最終までに、あと2時間以上はあるので、もう余裕だ。小遠見山の少し下でゆっくり休むことにした。小遠見山から先は、訪れる人が多いのか、トレースはバシバシについていた。最後、地蔵の頭からは、ゲレンデの端っこを遠慮しながら下っていった。

結局、この2日間は、ずっと晴れっぱなしだった。


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