奥穂高岳 日帰り登山
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吊尾根の雪渓を通過できず引き返す |
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山域 |
北アルプス 奥穂高岳 |
山行日時 |
2002年5月23日(木) |
登山形態 |
積雪期一般道 日帰り |
メンバー |
単独 |
天気 |
晴れ |
行程 |
上高地⇒横尾⇒⇒奥穂高岳⇒吊尾根(引き返す)⇒奥穂高岳⇒横尾⇒上高地 |
温泉 |
信州 湯の郷 さわんど温泉 安曇野温泉ガイド |
当初の計画では、上高地から涸沢に入り、奥穂高岳、前穂高岳、岳沢経由で上高地に戻るという、周回コースを日帰りで踏破するつもりだった。しかし、奥穂高岳〜前穂高岳に残る何本かの急斜面の雪渓が通過できず、そこから来た道を戻ることになってしまった。吊り尾根まで進んでいたので、あとはほとんど上高地まで下るのみだったのに、また奥穂高岳、涸沢、横尾経由で戻ることになり、当初の計画よりもハードなものとなってしまった。
上高地から横尾までの平坦な道で有利になると思い、軽登山靴でのぞんだのが失敗。軽登山靴なので当然6本爪の軽アイゼン。この足元で、しかもピッケル無しではちょっと急斜面の雪渓トラバースは不可能だった。かといって、冬靴+12本爪アイゼン、ピッケルの重装備では、こんな計画はしないし・・・。まあ、時期が少し早かったということだろう。
上高地(5:45着)⇒小梨平(6:30発)⇒明神(6:55通過)⇒徳沢(7:28通過)⇒横尾(8:09〜18)⇒涸沢(10:25〜40)⇒穂高岳山荘(12:18〜35)⇒奥穂高岳(13:12〜35)⇒引き返し点(14:00)⇒穂高岳山荘(14:53〜15:05)⇒涸沢(15:35〜43)⇒本谷橋(16:03)⇒横尾(16:50〜55)⇒徳沢(17:36〜45)⇒小梨平(18:15着) |
一番のバスで上高地に入れるように松本駅に入る。駅前にタクシーがいて、1人3000円で乗せてくれるというので、タクシーに乗って上高地まで行くことに。下山が遅くなった時のことを考えて、小梨平にテントを張っておく。早ければそのまま撤収して帰り、遅ければ小梨平で泊まる予定だ。
上高地から横尾までの平坦な道でコースタイムを稼ぐのは難しいと思っていたが、明神まで25分で、横尾まで1時間40分でクリアーできた。軽登山靴を履いて来て正解だった。本谷橋まではほとんど雪がなかったが、ここからは分厚い雪渓の上を登ることに。軽登山靴では蹴る後ろ足が滑って、体力を消耗するので、ここで軽アイゼンをつけた。
雪はゴールデンウィークの白馬大雪渓よりも多いのではないか・・・。今年は1月は冬型が強かったが、それ以降は南岸低気圧による降雪が多かったため、穂高など南部の山に積雪が多かったと思われる。涸沢から見る穂高岳山荘までの斜面はメチャクチャ急に見えた。果たして軽登山靴+6本爪アイゼンで登れるのか不安だった。実際取りついてみると、見た目よりは緩く、登るのにはまったく問題なかった。ただ、落ちたら止まらないだろう。稜線直下から新しい雪が出てきた。週末に降った雪だろう。
穂高岳山荘から奥穂高岳まで一気に駆け上る。頂上にはおじさん2人がいただけだった。この時期の平日はこんなもんなのか・・・。前穂高岳方面を見ると、吊り尾根から上高地側に急斜面の雪渓がある。目立つものだけで3本はあった。かなり急だが、果たしてトラバースできるのだろうか・・・。
奥穂から先ははじめ踏み跡があったが、すぐになくなった。かまわず進むが、まず5mほどの高さのほぼ90度の雪壁下りが待っていた。これはほとんど飛び降りるような感じで突破。そのあとも雪庇の乗り越し、雪渓のトラバースが立て続けに現われて、通過に苦労した。大きな雪渓トラバースに差しかかる。これまでのはなんとかだましだましトラバースしてきたが、ここはちょっとヤバイ・・・とい感じだった。雪が緩んできていて、ステップごと崩れてしまいそうだ。ピッケルがあれば支点にしながらトラバースできるのだが・・・ない。、いったん滑ったら下まで行ってしまうのは間違いない。もし、ここを通過できたとしても、先にまだ最低2ヵ所は同じよなトラバースが控えているので、ここは大事を途って引き返すことにした。
ここまで来て引き返すのには勇気がいった。あとは紀美子平までほとんど水平で、そこからは上高地まで一気に下れば良いだけ。戻るとなると、また奥穂高岳に登り返し、横尾までは一気に下るが、横尾から上高地までの11キロをまた歩かねばならない。まあ、ツエルトは持ち合わせていたので、いざとなったら疲れた所でビバークすればいい。
穂高岳山荘から涸沢へ下る時、直下の斜面が大変恐ろしかった。雪が腐りきっていて、足場ごと雪が崩れてしまう。一気に足を出すとだめなので、ゆっくり足場を固めながら慎重に下る。はじめの100mくらいで20分はかかったとおもう。ある程度傾斜が緩んでからは、ザックザックと走って下った。涸沢まではあっという間だった。本谷橋まで快適な下りが続いた。穂高岳山荘から本谷橋まで1時間かからなかった。本谷橋でアイゼン、スパッツをはずす。
あとはひたすら夏道を上高地に向かう。ここまでくれば暗くなっても平気だ。でも単調な歩きとなり、疲れがドッと出てきた。だるかったので、逆に走ったりして刺激を求めていた。おかげで、1時間20分で小梨平に着いた。戻ってテントが張ってあってよかった。ビール、日本酒を飲み、知らないうちに寝ていたと思う。次の日は一番のバスで上高地から降りた。
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