八方尾根〜唐松沢滑降
|
|
|
唐松沢はスケールの大きな沢でした |
|
唐松沢スキー アルバムのページへ |
山域 |
北アルプス 唐松岳 |
山行日時 |
2004年2月11日(祝) |
天気 |
晴れのちくもり |
登山形態 |
山スキー |
メンバー |
N田、A野 |
行程 |
八方尾根⇒唐松岳⇒唐松沢滑降⇒二股 |
温泉 |
白馬村の温泉&観光スポット 白馬村観光局 |
4日前にN田君から「不帰三峰dルンゼに行くけどどうか?」とのお誘いがあった。これまで行った山スキーの領域からは抜きん出ているルートで、自分の技術で大丈夫なのかという疑問もあったが、このチャンスを逃す手はないと参加することにした。もともとこの日は、I波さんと浅間山に行く予定だったが、大変勝手ながらも延期してもらうことに。
dルンゼは全面雪庇で、割れ目もたくさんあり、滑り込むことはできず、代替として唐松沢の本流を滑った。dルンゼは残念だったが、唐松沢も上部は高度感満点、中流部からは開放感抜群で、とても充実した山行となった。ただ、技術不足のため、満足のいく滑りはできなかった。久しぶりに太ももがパンパンになってしまった。
八方池山荘(8:50)⇒上の樺小休止(9:40〜55)⇒唐松山荘(12:00)⇒dルンゼ滑降点(12:40)⇒唐松沢滑降点(13:00)⇒大滝高巻き(13:45)⇒二股(15:20頃) |
天気は快晴だ。予報では午後から下り坂ということなので、崩れる前に片付けてしまいたいところだ。当日は7時頃に八方の入口のローソンで集合。N田君の車を二股にデポ後、八方尾根スキー場へ。リフトを降りては滑っていくゲレンデスキーヤーを尻目に、八方池山荘の前で準備。ボーダーのパーティーが先に出て行った。
八方尾根からの五竜岳、鹿島槍ヶ岳
 |
|
|
八方尾根を登る
 |
|
|
八方尾根からの白馬三山
 |
|
積雪期の八方尾根(唐松岳のピストンだが)には、毎年必ず1度か2度は訪れている。滑りはともかくとして、この日本離れした眺めにはいつも感動させられる。個人的には白馬岳方面よりも、五竜岳、鹿島槍ヶ岳方面の展望のほうが好きかな・・・。尾根上だけあって雪は良く締まっており、順調に高度を稼いだ。
不帰の嶮をバックに・・・
 |
|
天気は最高だが、風は強め。1回目の休憩は上の樺。風が強いので、あまりくつろぐことはできなかった。
不帰から派生している尾根の南面の沢筋には、段々状にいくつもの割れ目ができている。丸山に隠されて、まだdルンゼの様子を見ることはできない。果たしてどんな感じなのか・・・?
主稜線手前の2554mPから流れ星のように谷に向かって滑り込む人がいた。吸い込まれそうな急斜面で、下部は全く見えていない。よくこんなところを滑るもんだ・・・。ここは通称「バキューム」と呼ばれているルートらしい。2554mP手前でスキーをはずして、アイゼンに切り替えた。 |
右からa,b,c,dルンゼ
 |
|
唐松沢の滑り込み地点で弱層テストを行う。ボクはビレイしていたのだが、ちょっとした弱層が見られるようだった。ドロップ地点の南側4分の3は、雪庇か割れ目になっていて、滑り込むとしたら北側の4分の1の幅しかない。結構恐そうだ。
唐松岳の山頂を越えて、dルンゼへと向かう。dルンゼはほぼ全面雪庇で、雪も不安定そうだった。dルンゼ滑降は無理と見て、唐松沢から滑り込むことに変更。また唐松岳山頂を越えて、唐松沢の滑降点に戻る。 |
ほぼ快晴だった空だが、10時過ぎから雲が出てきて、稜線に上がる頃には山にもかかるようになってきていた。いよいよ滑降だ!足場を固めてN田君が滑り込む。この斜面の滑り出しの角度は、感覚では何度くらいなのかよくわからないが、結構ズリ落ちながら滑っていた。安全なところまで滑ったところで、いよいよボクの番だ。覚悟を決めて飛び込む。いったん斜面に立ってしまえば、恐怖感はほとんど感じなかった。続いてA野君。さすがに安定している。
唐松沢中流部
 |
|
雪崩の危険があるので、このあとも1人ずつ滑っていく。二人は気持ち良さそうに滑っていたが、ボクはかなりアップアップ。長い距離を滑っていると、太ももがパンパンになってしまった。太ももがもたないので、悪循環でさらに後傾となってしまい、疲れはピークに。
雪崩の危険があるため、安定したところに行くまでは、ゆっくり休憩していられない。頑張って下ったが、不帰沢を合わせてからのデブリ地帯で、太ももはノックアウト寸前。春のデブリは角が取れているが、この時期のデブリは起伏が激しく、ノックアウト寸前の太ももにはしごきのようだった。
ただ、景色のほうは素晴らしかった。顕著なU字谷で、幅も広く開放的。振り返ると不帰の岩峰がニョキニョキと生えているようだった。 |
唐松沢の上部
 |
|
徐々に傾斜は緩みながらも、これでもかというほど斜面は続く。広かった谷が細くなり、滝の手前で右岸を高巻くために板をはずしてツボ足で登る。無名沢を合わせているので、そこを滑ってきた人たちのトレースがバッチリあり、苦もなく登ることができた。登り切ったところで、待望の休憩!
本流に戻り、さらに傾斜がなくなる。奥の二股あたりでスキーが滑らない傾斜となり、林道の入口まではスキーを抱えて歩くことに。林道の入口で大休止とする。ここらあたりからは、八方尾根の北面の斜面が良く見える。今後のために観察しておく。 |
大きく開けた唐松沢
 |
|
林道はわりと傾斜があって、ブレーキをかけながら下るほどだった。猿倉への道に出たところで、今日の滑降は全て終了! |
唐松沢は春先の雪が安定してから行くつもりだった。春先なら自力でも行けるかなと思って・・・。
ただ、話によると、春先は滑り出しの急斜面は良いが、傾斜が緩んでからはほとんどデブリになってしまい、快適な滑降は期待できないようだ。そういった意味でも、今回このパウダーの時期に来れたのは大変大きかった。
唐松沢スキー アルバムのページへ |
|