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針ノ木雪渓エリアではマヤクボ沢が一般的で有名だ。実際、マヤクボ沢自体は大変素晴らしいフィールドなのだが、楽しいのは針ノ木雪渓との出合まで。あとはデブリで荒れた長い消化試合的な滑降が残されているだけ。それに対して、今回滑った蓮華大沢右俣は、針ノ木雪渓と出合う大沢小屋付近まで、ダレることなくずっと楽しめる。上部の広い急斜面ではスリルのある滑降が楽しめ、中流部では圧迫感のあるノド、下流部でもコンスタントな斜面が延々と続く。登った分だけちゃんと滑りを楽しむことができる、というのがここのウリだ。たまたま雪質に恵まれ、デブリがなかっただけなのかもしれないが・・・。 今回は名古屋ASCのT橋君、その関係のA山君、松本労山のN村君、そしてウチ2人という混成パーティー。扇沢を7時出発ということにして各自現地集合。前夜泊しているT橋君は、調子が悪いようで今回はここでリタイア。N村君は寝坊であとから追いかけてくることに。ハプニングの中、3人で扇沢を出発することに。
快晴の中、扇沢のターミナルを出発。障害物の多い夏道を進んだあと、作業道に入る。ここからシールで歩けるが、キリのよい最後の堰堤を越えたところで休憩がてらシール登行に切り替える。今年は針ノ木あたりも雪が少ないようで、最後の堰堤を越えたあたりでも、一部川が現れていた。遅れて出てきたN村君は、マヤクボ沢手前の斜面が少し急になるところで追いついてきた。
これから蓮華岳へ向かうのだが、A山君はお疲れの様子でここで断念。蓮華岳への縦走路はほとんど夏道が出ており、兼用靴ではとても歩きにくかった。滑降点に着くが、T世さんはかなり遅れていたので、その間にN村君と山頂を往復してきた。大沢をのぞき込むと、しばらくは快適そうな中斜面が続くが、その先は落ち込んでいてどうなっているかわからない。先客は広い滑り出しに2本のシュプールがあるのみ。針ノ木雪渓とマヤクボ沢がトレースとシュプールで一杯なのに、ほぼ同じアルバイトで来ることができる蓮華大沢は静かなもんだ。とりあえず、ベビースターラーメンをつまみに、山頂ビールを飲んで滑降に備える(?)。
左手に剣岳を見ながら、快適な斜面を見えるところまで気持ちよく滑る。そして落ち込んでいる部分を確認。角度はかなりあるが、広くてきれいな斜面が続いている。転倒するとまずいが、雪質が程よいので全く恐怖感はなく、爽快感たっぷり。急斜面が終わると次第に沢は細くなり、ノドの部分に突入。細いといっても10mくらいはあり、圧迫感はそれほどない。これまでは全く荒れてないフラットなバーンだったが、これ以降はやや荒れ気味となる。とはいっても、滑りに支障はない程度。針ノ木雪渓の下部に比べれば雲泥の差だ。
二俣まで降りつき、左俣の様子を伺う。少し先で屈曲しているようで、その先をうかがい知ることはできなかった。まあ、右俣がこれだけ素晴らしいので、あえて左俣に行く必要を感じない。二俣から下は単調にはなるものの、針ノ木雪渓と出合うまで快適なクルージングを楽しむことができた。あとはいつものように籠川の右岸を雪が切れるまでトラバースし、蓮華大沢の滑降に幕を閉じた。
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