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五竜岳目指すも西遠見山まで・・・






遠見尾根と五竜岳(雲の中)


 山域  北アルプス 後立山連峰  
 行程  1日目 五竜スキー場⇒小遠見山⇒大遠見山手前
 2日目 テン場⇒西遠見山⇒テン場⇒小遠見山⇒スキー場
 山行日時  2006年12月11日(月)〜12月12日(火)
 天気  1日目 くもり時々晴れ  2日目 雪
 登山形態  スキー登山
 メンバー  単独
 温泉  





お隣の八方尾根は無木立の開放的な尾根。対してこの遠見尾根は稜線近くまで木が茂っていて暗いイメージがある。おまけにアップダウンも多いので、夏なんかは登る気も下る気もしない。でも、冬になると木々の葉っぱが落ちて展望が開け、湿っぽさも雪が埋めてくれる。いたるところに極上テン場があるのもありがたい。4年前の初冬にも1泊2日で五竜岳に登った。その時はトレースに助けられて登頂できたが、今回は平日なのでトレースは期待薄。ラッセルに備えてスキーを使うことにした。さて、どうなったことやら・・・。

■12月11日(月)   くもり時々晴れ  五竜スキー場⇒小遠見山⇒大遠見山手前

余裕をかまして7時半に家を出た。五竜のゴンドラ横の大駐車場は夜間駐車禁止。どこに車を止めたらいいか聞いて周ったりで、なにかと時間を食い、ゴンドラに乗り込んだのは9時を大きく回っていた。リフトを乗り継いでスキー場のてっぺんへ。せっかくだからと、またも余裕をかまして1本滑る。新雪が降ったあとで、なかなかのゲレンデコンディション!

スキー場TOP(10:00)⇒一ノ背髪(11:25)⇒小遠見山(12:25〜40)⇒中遠見(13:35)⇒大遠見手前テン場(14:40)

シールを付けてやっと出発。しかし、地蔵の頭への坂が登れない。空身ならいいが、荷物が重い。5分で登れそうな地蔵の頭まで20分もかかってしまった。いきなり小休止・・・。天気は微妙で、主稜線には寒気の名残の雲がかかり、それとは別に中腹に雲の層があり、それが展望を邪魔していた。地蔵の頭からの少しの下りも、荷が重くて悪戦苦闘。地蔵の頭の登り下りはツボ足の方が早かったな。

地蔵の頭 奥に霞んでるのは八方尾根
一ノ背髪付近
目指す小遠見山

見返り坂のジグザグ登りはトレースが残っていて、苦しいながらもはかどった。しかし、尾根に乗ってからはペースダウン。時々出てくるワンポイントの急坂はシールの限界の傾斜で直登不能。スキーをはずしてツボで登る。もっと雪が増えれば回り込んだりできるのだが、今はまだヤブが多くてそれができない。なにかと小力を使う場面が多く、その度に息が切れる。そんなこんなで、小遠見山まで2時間を要してしまった。

一ノ背髪付近
時々晴れるも五竜岳は雲の中

展望抜群のはずの小遠見山だが、あいにくちょうどここにガスがあり真っ白け。残念・・・。へたり込むように休憩。ここから先もトレースっぽいものはあったが、ほぼ埋まっている感じ。ま、スキーだからほとんど関係ないが。小遠見山からの下りは無理。スキーをはずす。空身でシールをはずせばなんとかなるかな・・・?ズボズボ埋まりながら鞍部まで下り、再びスキーを履く。スキーを履いたものの、ワンポイントが登れず、スキーをはずす場面も。バランスを崩して倒れると、ザックを背負ったままでは起き上がれない。疲れる・・・。中遠見への急坂は全てツボ足。ヤブが埋まっていれば・・・。午後は晴れると言っていた天気予報だが、朝からずっと同じような感じだ。大遠見付近まで進むつもりにしていたが、大遠見の大登り(実際はたいしたことないが、この時は大登りに見えた)を目の前にして、それを登る気が失せた。ちょうど具合のいいことに、そこに絶好のテン場が!背負っていたザックを投げ捨てて座り込む。今日はここまで。


中遠見付近
中遠見付近
大遠見への登り

まだ2時半過ぎ。一人だと夜が暇なので、暗くなる直前まで行動することが多いが、今日は無理。ゆっくりしよう。まずビールを開けて、飲みながらテン場造成。このあたりは良質パウダーでなかなか締まらない。時間を置いてまた踏むと、だんだん締まってくる。3度くらい繰り返したあとテントを張った。テン場からは時々切れるガスの間から鹿島槍が見え隠れしていた。ちょうど鹿島槍の北峰に太陽が落ちた。日没直前には彩雲が出て、なかなか幻想的な光景だった。

アルコールを日本酒に替え、ぼちぼちと水作り。一人前だとすぐにできてしまう。太陽が沈むと同時に、ここらへんにずっとあった雲があっさりとなくなった。鹿島槍と五竜がシルエットとなって浮かぶ。大町と白馬の夜景もいい。雪の中で一人で泊まる時の好きな場面のひとつだ。ラジオを聴きながら相変わらず酒を飲むが、そのうちまぶたが重くなり、寝袋に入った。


■12月12日(火)   雪  テン場⇒西遠見山⇒テン場⇒小遠見山⇒スキー場


起きたら明るくなっていた。時計を見るともう7時。ありゃりゃ〜。きのう寝たのも7時。12時間目を覚ますことなく寝続けたことになる。きのうたっぷり汗をかいたので、夜中のションベンもなかったからな。気温は昨日の日没後よりも暖かい気がする。テントから出てみると、鉛色の空が一面に広がっていた。五竜も鹿島槍も見えていたが、全て白黒の世界だった。天気は確実に下り坂だ。

テン場(7:55)⇒西遠見山(9:15〜30)⇒テン場(10:15〜45)⇒小遠見山(12:05)⇒スキー場(13:45)

朝ちゃんと起きて、天気が良ければ無理してでも五竜岳を狙ったと思うが、すでにモチベーションは低下。それでも、このまんま下山では芸がなさ過ぎるので、最低でも西遠見までは行くぞ!と自分を奮い立たせた。朝メシを食ってパッキング。外に出るともう雪が降り出していた。五竜も鹿島槍もいなくなった。

鹿島槍の北壁とカクネ里
五竜岳
東側は晴れ間も

あっという間に本降りになった。視界は良くないが、次の小ピークはなんとか見えている。50mくらいはありそうだ。風が弱いのは救いだ。まあ、寒気が入ってきてるわけではないので、大荒れにはならないだろう。ルートも単純なので、プレッシャーもかからないし。ただ、二重山稜になっているところが何ヶ所かあり、そこだけは神経をとがらせた。きのうゾッとした大遠見への登り、日帰りの荷物でしかも朝一、なんてことない登りだった。今はもう少し進んでおけばよかったと思うが、昨日の時点ではそれは考えられなかった。1泊2日で五竜をやる場合、重荷で頑張って進むか、空身で稼ぐか考えどころだ。まあ、大遠見を越えたところで泊まるのがベストだろうなあ。

大遠見の登りを越すと、あとはアップダウンは減り、スキー向きの尾根となる。その末端が西遠見山。この先はいったん下って、あとは白岳まで一気に登ることになる。ちょうどキリのいいここが年貢の納め所だな。白岳の純白斜面は興味をそそるが、白岳までは2時間くらいみないと厳しいだろう。そうなると時間切れだ。下りゴンドラの時間の制約があるのが、このルートの悪いところだ。仮に白岳まで登ったとしても、稜線は視界ナシの吹雪だろうし。

さあUターン開始。滑れる気はしなかったが、せっかくなのでシールを取る。恐々滑り出すと、いきなり前転!頭から雪に突っ込んだ。テレマークのお約束の転倒シーンである。雪は今降っている新雪の下にはモナカの皮。それを破って板が中に入ると、前転以外の状況はナシ。慎重に下るが、時々色気を出して滑ろうとすると、モナカを突き破って前転。懲りずに5回くらいはやったかな・・・。もっと雪面に衝撃を与えない、滑らかな滑りを練習しないといけないな。今日はエネミー(細くて硬い)だから、どうしようもないけど。そんなこんなで帰りも時間を食ってしまった。

テン場に戻ってテントをたたみ下山開始。重荷になると、下りが数倍怖い。幅は登山道の幅しかない。恐る恐るでも板が埋まって転倒してしまう。埋まった板を引き抜く時、変な体勢で力を入れてしまい、腰がグキッとなった。やばい・・・。これ以降、前かがみにしかなれず、ザックの重みがもろに背中に。もうやめとこう・・・。下りは板をはずす。次の登りで板を履くが、シールがはがれてしまった。テープで補修しようかとも思ったが、もうスキーはいいや・・・、あとは全部スキーは背負おう。そうはいうものの、ツボ足ははかどらない。やっとの思いで小遠見山。視界ナシ。あとは下りだ。下りも腰が痛くて辛かった・・・。結局2日間で食べた行動食はソーセージ1本だけ。




やれやれ・・・。2日間もがいて終わったこの山行。体力減退を痛感!向上はもう無理としても、維持は考えなくては・・・。いつまでも若いつもりで山に登っていたら、そのうちえらい目に遭いそうな気がする。名実ともに中高年登山者になったことを実感した2日間でした。あ〜あ。





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