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針ノ木谷⇒船窪⇒烏帽子岳 紅葉ハイキング

2010年10月7日(木)〜10月8日(金)  メンバー:単独

1日目 扇沢⇒針ノ木峠⇒針ノ木谷⇒船窪テン場


針ノ木谷からの蓮華岳斜面


  日記は長いので2日に分けました  
1日目  10月7日 扇沢〜針ノ木峠〜針ノ木谷〜船窪テン場
2日目  10月8日 船窪テン場〜烏帽子岳〜七倉  



2010シーズン紅葉ハイキング第2弾。行きたいところはたくさんあるが、身体は一つ、シーズンはあっという間。なかなか狙い通りにはいかないことが多いし・・・。今回はマイナー路線で。前から目は付けていたが、なかなか実行できなかった針ノ木谷。もうひとつ、岩峰と紅葉がマッチしそうな烏帽子岳。この2つ、別々に思っていたけど、地図を見てたら1泊2日で行けそうだったので行ってきた。

■1日目  10月7日(土) 扇沢〜針ノ木峠〜針ノ木谷〜船窪テン場  くもり たまに太陽

前に歩いた時、このルートはできれば北上したいなあ・・・と思った記憶があった。とくに烏帽子から船窪は南下は体がきつい。あと、針ノ木谷は登った方がきれいそうだし。ところが北上を考えた場合、初日に船窪まで行く自信はない。不動岳で闇テンしてまで行く気もないし・・・。南下なら初日に船窪まで行けそうなので、不本意ながら南下ルートに甘んじる。

扇沢(7:20)⇒大沢小屋(8:15〜20)⇒針ノ木峠(10:50〜11:10)⇒針ノ木谷出合(12:45)⇒船窪分岐(13:00)⇒船窪乗越(14:00)⇒船窪テン場(14:35)

七倉に車を置き、扇沢までT世さんに送ってもらう。平日でも無料駐車場はほぼ満車。みんなアルペンルートくさい。針ノ木方面は誰もいそうな雰囲気ナシ。朝早くは快晴だったのに、東風が運ぶ雲を北アルプスがせき止めてるみたいな感じで、だんだんと雲が増えてきてしまった。紅葉は扇沢が色付き始めくらい。

無雪期の針ノ木は久方ぶり 扇沢あたりは紅葉まだ

針ノ木雪渓はスキーでは定番だが、夏山は7年ぶりになる。したがって、大沢小屋までの夏道を歩くのも7年ぶり。カッタルイので作業道を行きたいところだが自粛。大沢小屋はすでに閉まっていた。少し奥に入っただけで標高はさほど変わってないのに、紅葉の進み具合が前進した感じだ。やっぱり奥は寒いのか・・・?

対岸の美滝だが写真にすると小さい・・・ 東斜面は日当たり良好!

今日の荷物はなんだか軽くて、水1L+アルコール類1Lあるにもかかわらず11キロ台。忘れ物がありそうで怖い・・・。結局忘れ物はなかったのだが。普通の夏山1泊2日だったら、こんなもんなんでしょうね。針ノ木峠までに2人連れ2組とすれ違い、登りで1人抜いた。あと、ずっと下の方に人影を見たので、この時点でボクを入れて7人のみ。

右岸に渡って ノド
スバリ岳からの沢 今年は残雪少ない?

みんな涸沢とかの有名どころへ行ってるのかな・・・?土日は混むから避ける人もいるだろうけど、平日なら心配なくメジャーどころへ行くことができる。わざわざマイナーなとこへは行かないのかも。針ノ木雪渓をマイナーどころと言ってしまったけど、紅葉のポテンシャルは高い。この時間は東向き斜面しか日が当らないけど、西向きの蓮華側の斜面も紅葉する木の密度はかなりのものに感じた。

マヤクボ沢  針ノ木山頂がチラリ スバリ岳の斜面
マヤクボのコル カンバがおもしろい

登ってる時は7割曇って、3割日が差すといった具合。稜線近くなるとほぼ真っ白になってしまった。稜線に着いたら北側はガスガスだったけど、南側にはガスはナシ。よーしよし。そうはいっても、天気はそんなに良くはなく、槍ヶ岳など遠くの山は全く見えない。船窪岳あたりが辛うじて見えてるくらい。

針ノ木峠への沢  中間あたりか 針ノ木峠直下  ガスってきた
針ノ木小屋  西は晴れてた 標識はある

針ノ木峠から針ノ木谷を覗いてみると・・・真っ黄っ黄だ!こりゃスゴイ!スキーで来て、峠に立つたびに針ノ木谷に滑ってみたい・・・と思って早数年。登り返してくるしかないので、なかなか実現できず・・・。積雪期はヒゲのように生える灌木が見え、紅葉が良さそうなのは想像できた。先に紅葉見物に来るとは思ってなかったなあ・・・。来シーズンはスキーで行くぞ!

まっ黄っ黄の針ノ木谷 蓮華岳側の斜面

道はどんなかな・・・?いきなり急坂で、しかもザレザレ。グリセードっぽい下り方で下るが、時々曲がり切れずにオーバーランしそうになる。道は明瞭だが、さすがに良く踏まれているという感じではない。ここはやっぱり登りだな。景色を見るのに振り返るのが忙しい。それでまた道をはみ出してしまいそうになる。

赤は少ないけど、あると鮮やか こちらは針ノ木側

さてさて、肝心の紅葉のほうですが、それはそれは素晴らしいもんがありました。稜線直下は落ちてしまってましたが、少し降りると真っ盛り。針ノ木と蓮華に岩峰があって、バックも言うことナシ。涸沢槍には負けますがね・・・。でも、木の密度では大勝利。あと、ここは黄色が主体で、ナナカマドやカエデの類は少なめの印象。赤が好きな人には物足りないかもしれません。ボクは赤も好きだけど、色んな色がいっぱいあるのが好みですかね。残念だったのはお天気・・・。ほとんど日が差さなくなってしまい、良くて薄日。ほどよい日差しで空が真っ青だったら、昇天してしまいそうです。今回はお預けということで、次回は平の渡しから川通しで登ると心に決めたのでありました。

このあたりが一番きれいだった 夏はただのヤブなんだろうなあ・・・

だんだんと樹木の丈が高くなり、視界不良となっていきます。そうなると真っ黄っ黄だもんで目がくらみそう。黄色に溺れるというか、イエローアウト状態になってしまいます。中間から下は逆に落葉が目立っていました。木の種類によるもんなんですかね・・・?今年はだんだんと気温が下がるという感じではなく、猛暑から一転秋になったもんで、紅葉前線ってもんがハッキリしないのかもしれませんな・・・・。

船窪岳 下降はけっこう大変だった

水の音がしてきたかと思うと、水場のマークがあり、そこからは川沿いの道になる。時々巻き道にはなるが、基本的には川の縁を歩くようになっている。突然目の前に人がいてビックリ!針ノ木雪渓であれだけしかいなかったのに、まさか針ノ木谷で人に会おうとは・・・。その人の目の前でツルっと滑って左足ドボン!ヒザから下がビショ濡れになってしまった。

右岸から美滝 なかなかの渓相です

この先も小滝やら出てきて、下るのはけっこう大変。とにかく岩がヌメるのなんの・・・・。こげ茶色に光っている岩なんて、水平でも立つことができないくらい。沢靴でも厳しいくらい。おまけに肋骨の具合が良くないもんだから、力を入れたジャンプができない。ビビりモードが深まるばかりだった。結局、右足と左足一回ずつ川にはまり、不快なまま歩く羽目に。まあ、この厳しい区間はそんなに長くはない。ゴルジュを抜けて、二俣まで降りると川幅が広まり、河原歩きが主体になる。

ガレと紅葉はよく合います このあたり和風ですな

さっきまでの開けた斜面の紅葉から、今度は渓谷美に変わってきた。両側切り立っていて、その岩にへばり付くように生える木が色付いていてキレイ。派手な紅葉から和風な感じに変わった。ちょっとした小滝なんかもあったりで、アクセントをつけてくれる。晴れてたらなあ・・・。

次は登ってみたいと思った ガレと立ち枯れと紅葉は合いますな

二俣から下はあちこちで泊まった跡が見られた。河原が発達していて、マキもしこたまあるので、初日にここらあたりまで来れれば十分すぎるくらいだろう。この様子だと、ここから下流はどこでも泊まれそうな雰囲気だ。2日目の行程を逆算して、できるだけ早くテン場にしてノンビリするのが、正しい針ノ木谷の歩き方とみた。

二俣になっています 快適テン場は腐るほどあった

左岸の船窪岳からの尾根だけは、上からずっと目を離さないようにしていた。船窪乗越へと上がる尾根だ。その尾根のちょうど末端から登り道は始まっていた。谷沿いのルートからは渡渉して取り付くことになる。ここは何とかセーフ。両側の尾根は紅葉で賑わっているのに、この登る尾根だけはなぜか針葉樹。いったん紅葉ハイクは中断。シラビソとシャクナゲの、まるで常念山脈チックな尾根。標高差350mを黙々と登った。尾根を登って最後にコルへトラバースとなるが、余分に登って下り気味にトラバース。このあたり読み切れてなかったので、ショックが大きかった。

船窪への尾根道は一転針葉樹に 船窪乗越はすごかった
ここで日が当ってればなあ・・・ 船窪乗越

船窪乗越直前から植生がガラリと変わる。灌木とは言えないほどの大きな広葉樹の森となる。赤、黄、黄緑、緑、ガレの白が折り重なって、息をのむほどの美しさだった。以前は真夏に通ったけど、鬱蒼とした印象しか残っていなかった。ノーマークの場所だっただけに、儲けた気分。ここも日が差してりゃなあ・・・。

定番の絵 ガレと紅葉のギャップがすごすぎる

あとはテン場まで登るのみ。一日の最後にこの急坂は、普段なら堪えるところだが、この紅葉の中を歩いていると疲れを忘れる。なんか間接照明の中を歩いているみたい。冬もそうだけど、このダケカンバの白い幹は、いい味出してるよなあ・・・。疲れを忘れるとはいうものの、乗越からテン場までこんなにあったっけ・・・?結局200mくらいは登ったのでした。


このへんすごいきれいでした

この船窪のテン場。もとは船窪小屋があったところ。七倉岳にあるのになぜ船窪小屋なの・・・?と前は思ってました。今でもそう思ってる人はいるでしょうが・・・。船窪岳周辺に船窪地形は見当たらない。唯一(?)あるとすれば、ここ。古い小屋のあった場所。つまり今のテン場ですな。周りを観察すると、この台地は地滑りみたいな感じでできたもの。要するに船窪(二重山稜)です。ここが地名の由来になったのでは・・・と推測するわけですわ。第2ピークとの間にある、単なる小ピークに船窪岳の看板があります。ここが船窪なんだから、なんとなく納得できる気がする・・・。(全部推測ですので、ホントはどうだか知りません、悪しからず・・・)

貸し切り 船窪の水場

さあ、まだ2時半だ。1人の時は早く着くと困る。まずはビールビール。寒いくらいなので、この冷えてないビールがちょうど良い。ポールを組み立ててはビールを飲み、本体を張ったらビールを飲み、ゆっくりフライを張っても時間は経たない。水を汲みに行ってもまだ3時過ぎ。ビールを飲み干し、焼酎に手を付けてしまった。

ヒマつぶしに山頂へ ウラシマツツジが真っ赤っか

ここで酒飲んでても時間は経たないので、散歩に出かけることにした。靴は濡れているので干したまま。濡れた靴下にツッカケで歩けば、少しは乾くかも・・・。まずは七倉岳へ。ガスガス。携帯通じたので遊ぶ。そして船窪小屋へ。小屋を通り越し、下り出すところまで歩くが、ガスガス。小屋に戻って受付しておいた。お客さんは1人だけだった。テン場は今月初めてだった。北アルプスで最地味エリアを再確認。

ヒマつぶしに船窪小屋へ 船窪小屋の先まで散歩

5時前になりテントに戻る。ボケーッとしてるよりも、散歩に出た方が時間は過ぎてくれる。あとはメシ食って、焼酎飲んで、マブタが重くなったら眠ればいい。靴下が乾かない。履いてりゃ乾きそうなもんなのに、ガスガスだから乾かないんだろうか・・・。不快なので裸足で寝た。


ご飯が炊けるまでのヒマつぶし・・・

2日目 船窪テン場〜烏帽子岳〜七倉へ


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