金曜日に休みが取れたので、久しぶりに朝日連峰へ。これまで朝日は2011年に朝日鉱泉から大朝日岳を周回したのみ。主稜線はほとんど歩けてません…。今回は大朝日岳から以東岳の主稜線を歩くのがテーマであります。金曜の天気が悪くて予定通りにいかなかったけど、とりあえず大朝日岳~以東岳の稜線に赤線引けました!
日程: 2017年6月16日(金)~18日(日) 天気: 6/16 くもりのち一時雨 6/17 霧のち時々晴れ 6/18 濃い薄雲り ジャンル: 縦走 エリア: 東北 朝日連峰 メンバー: T世 コースタイム: ■1日目 日暮れ沢小屋(11:25)⇒清太岩山(14:15)⇒ユーフン山(14:50)⇒竜門小屋(15:40) 温泉: 大井沢温泉 湯ったり館(300円) 食事:龍上海 鶴岡店 |
土日の天気はまあまあ良さそうだけど、金曜日がねぇ…。混みそうな大朝日小屋に金曜日に泊まっておき、翌日は以東岳まで縦走して狐穴小屋泊…が予定でした。しかし、天気の悪い中を大朝日小屋まで登るのは厳しそう。かといって、金曜日を中止にすると大朝日岳~以東岳を歩くのは大変になってしまいます。なので、金曜のうちに竜門小屋まで登っておくことにしました。午後は回復傾向なので、出発もゆっくりとお昼前から。日暮沢から竜門小屋は最短で主稜線に上がれますので。稜線まで上がっておけば色々コース取りが考えられます。
お昼ごろに登山口に行けばいいとなると、喜多方ラーメン食ってからでも行けそう!ということで、香福で朝らー。朝から美味しいラーメン満腹!山に登る気が失せてしまいそう。天気も悪そうだし…。登山口で雨降ってたら、しばらく待機→中止の図が頭をよぎります。他の山の資料を持って来なかったなあ…とか思いながら登山口へと向かいます。
登山口の日暮沢へは3通りのアプローチがあるみたい。普通なら鶴岡側からなので大井沢経由。でも、今日はワケあって(ラーメン)、喜多方から向かいます。朝日鉱泉経由と柳川温泉経由の2通り。朝日鉱泉経由は見るからに道悪そうなので、大江町から柳川温泉経由で行ってみます。途中少し細くなるけど、まあ山道としたら悪くはなかったですね。帰りは大井沢の道を走ったけど、こちらは片側2車線の快適な道でした。関東から高速使って来るなら、月山インターで降りてのアプローチが断然楽のようです。
日暮沢の登山口に着きました。天気はくもり。先客は1台。準備してると地元ナンバーの車が。山の関係者のようでした。狐穴小屋は今日から、竜門小屋は明日から管理人が入るとのこと。また、今年はいつまでも寒いので雪が融けなくて、花はこれから咲く感じみたいです。雨は降っていないので行くとしますか!
日暮沢小屋
竜門岳までのコースタイムは4時間半。今は一番日が長い時期なので、暗くなってしまう心配はないです。心配なのは天気。なんとかカッパを着ずに済めばなあ…。いきなり急坂・痩せ尾根からスタート。久しぶりの泊まりの荷物に、足が上がらない感じです。しばらく登っては小ピークや平坦に。これの繰り返しで高度を上げていきます。ブナなどいい感じの林だけど、如何せん曇ってて暗いです。
晴れてたら良さそうな雰囲気
リュウキンカ畑の道
雪は何か所か出てきました。アイゼンはあった方がいいけど、ワンポイントなので面倒臭いですよね。登りだし、滑ったら振り出しに戻るだけのこと。とはいえ、ズルッといきやすいので、しっかり足場を固めてから次の足場へ…。振り返ると曇天の中だけど葉山が見えています。月山は上の方は雲の中で土台のみ見えてます。
清太岩山あたりで木は疎らになり開けてきます。晴れてたらさぞかし朝日主稜線の眺めがいいんでしょうけど、あいにく今日は晴れてません。逆にこれからガスの中に突入です。ガスだけならまだしも、ポツポツと雨も降り始めてきました。カッパを着る羽目に…。竜門岳まで登ると主稜線は強風!風に煽られながら竜門小屋まで下ったのでした。ザックカバー飛ばされてしもーた。
ところどころ残雪あり
中央に見えてるのが葉山 左の月山は土台のみ
小屋はありがたいですね~。しかも新しくてキレイで立派な小屋。今日がもしテントなら間違いなく中止ですからね。小屋なら潜り込めば安泰です。もちろん貸切。贅沢にスペースを使わせてもらいます。ただ寒いのなんの…。持ってるもの全部着ても寒かったです。温かい飲み物飲んで食べて、やっと落ち着きます。明日は晴れてくれるんだろうか…?
床はフローリング!
1階の様子です
けっこう寒い夜でした。薄いダウン着て寝てたんですがね…。やっぱテントの方が暖かいかな。7時くらいには寝たので、明るくなる時間には勝手に目が覚めます。窓から外を見てみると、風はもう吹いてなさそう。空も明るくて晴れそうな雰囲気です。下界の予報は晴れマーク一つで降水確率も0%ですから!朝ごはんは雑炊。不要な物は小屋に置かせてもらって出発です。
今日は以東岳の往復です。コースタイムは10時間近くあるけど、今日も小屋だし寝る場所はキープしてあるので、のんびり歩くとしましょう。快晴になるかと思いきや、これから進む北の稜線には雲がかかっています。南側の西朝日岳はスカッ晴れなんですけど。まあ、だんだんと雲は取れてくれるんじゃないでしょうか。ちなみに下界は雲海の下となってます。
西朝日岳 朝は澄んだ青空でした
水場はバッチリ!
昨日は見る余裕もなかった竜門小屋です
歩き始めてすぐに霧の中に突入。なかなか良さそうなところなのに、もったいない…。南寒江山に登るにつれガスが薄くなってきます。雲は低いとこ中心なのかな…?南中北と続く寒江山、この前後はいい感じの稜線。ウスユキソウが群落になってました。気象が厳しいのか丈が低く、這うように生えています。大きなウスユキソウより可愛いですね。まだまだ雪が残ってたり、融けたばかりだったりで、全体的には花はこれからといったところです。
下界は雲海の底に沈んでます
寒江山の登りで雲の上に出た!
雲が幻想的です
三方峰では景色見えず…
三方境からは狐穴小屋越しの以東岳が絶景とのこと。今回の朝日で期待している景色の一つでしたが、残念ながらガスガス~。なんにも見えず…。帰りに期待だな。三方境から下っていくと雪渓になり、その先に狐穴小屋が霧の中から現れました。雪の急斜面をステップ切りながら慎重に降りてたら、管理人さんに声掛けられました。
しばらく狐穴小屋で休憩。なんだか雲が濃くなってきたような…。管理人さんによると、朝方は天気良かったとのこと。竜門小屋と同じなのか…。小屋から先は雪で道がわかりにくい感じ。ちょうど管理人さんが目印のロープを張りに行くところでした。ここから先、以東岳までは登山道には雪が出てこなかったです。
狐穴小屋
ガスガスの中をひたすら歩くと中先峰。帰りに期待とは言うものの、この時点でもガスガスだと、だんだん心配になってきます。と思ってたら、なんだか前方にでかい山が!以東岳との鞍部に下ってると、間の雲がなくなって以東岳出現です!山稜には雲があるものの、いい感じで見えています。なかなか迫力ありますな。さすがに二百名山!ここにある池塘もアクセントになっています。とりあえず、この景色を見れてよかったです。
やっと晴れてきたかと思ったのも束の間、この先もスッキリ晴れることはなかったです。中先峰と以東岳の間もなかなかのお花畑。今はミヤマキンバイが一面に咲いてて黄色くなっていました。天気はスッキリしませんが、以東岳にかかってた雲は取れました。以東岳の肩の部分に登り上げます。以東岳山頂までなだらかな稜線が続いています。
狐穴小屋から雪渓を横切ります
中先峰を過ぎると雲が薄くなってきて…
以東岳が目の前に!
だんだん以東岳が近付いてくる
秋みたいだけど、これから花の季節です
以東岳の肩の部分まで登ってきました あと一息
以東岳山頂です!これで明日に大朝日岳まで歩けば、朝日主稜線の主なところは踏破となります。となると、次の朝日連峰は大鳥池から以東岳だろうな。ここは紅葉の時期に是非歩いてみたいです。大鳥池のところはテント張れそうだし、以東小屋が完成してからでもいいかな。今日は誰も来ないだろうなと思っていたけど、一人やってきました。日暮沢からの日帰りだそうです。18時間くらいの行程なので気合要りますね。
雲は多めで間違っても展望良好とは言えませんが、とりあえずここに雲はないので少しだけ展望あります。残念ながら、大朝日岳へと続く主稜線はほとんど見えず…。中崎峰くらいまでしか見えません…。北に目をやると、以東岳より北にも立派な山がたくさんありますね。一段下には建て替え中の以東小屋。基礎だけ出来上がっていました。大鳥池はどこらへんかな…とか見てたら、ふーっと雲がなくなり大鳥池が!意外と大きい!展望が乏しいなか、大鳥池が見えてよかった!
以東岳山頂です
以東小屋は基礎だけ出来上がってます
はじめは隠れてたけど大鳥池が見えてきました
なんだか山頂に雲がかかるようになりました。今日はもうダメなのかな…。あきらめて戻ることにします。少し下ると南側の雲がなくなり、狐穴小屋が見えました。山にかかる雲は減ったけど、逆に上空の雲が増えてきたような。そして、風も西風からいつの間にか東風に。少し景色が見えてきた代わりに、空が青くなくなりました。
以東岳の鞍部はミヤマキンバイで黄色い
往きは山稜に雲がかかってたけど今は晴れてる
狐穴小屋も遠くから見えてましたよ
狐穴小屋と以東岳
ちょっと雲は多いけど…
帰りの三方境では狐穴小屋と以東岳の景色は見えたものの、空がどんよりしてたので寂しい雰囲気。寒江山の区間は帰りも雲の中。竜門小屋と狐穴小屋の間はまたそのうち機会を作って来るってもんかな。狐穴小屋を過ぎたあたりから、チラホラと人を見るようになってきました。
スゴイ形の雪渓と竜門小屋
竜門小屋に戻ってきました
小屋に着くとえらい賑やか!全部で30人近くいたかもです。せいぜい小屋の隅のスペースに数名ずつかと思ってたからビックリでした。人数多かったせいか、小屋の中は暑かったです。昨日の寒さからは考えられないです。気温自体はそう変わらないはず。今日は暑くて寝れなかったです。
夕方外に出ると飯豊が見えてました
明日は期待できるかな
暑かったせいか、いびきのせいか、ぐっすり眠れませんでした。4時になるとみなさん一斉に起き出します。朝日が窓から差し込んできました。今日こそは晴れそう。朝ごはんを食べて外を見ると、ナント晴れてると思ってた空は曇っています。雲は高いので景色に影響はないけど、太陽の光が届くかどうか…。
5時半過ぎに出発。最近の傾向として、まだ暗いうちに出て行く人が多いけど、今日はというか、ここはみなさんのんびりしています。盛夏の北アルプスとは客層が違うかな?問題の上空の薄雲、かなり濃いめの薄雲で、太陽の光は届いてきません。寂しい感じです。テンション上がりません…。月山は面白い見え方してました。
朝の月山
下の方が透けて見えて幻想的
登りに使った尾根と遠くは葉山かな
竜門山から西朝日岳は近そうに見えたけど、いったん手前のピークに登ってからが長かったなあ…。途中からピラミッド型の大朝日岳が見えてきて、少しテンション上がってきました。ただ、この間は全体的にパッとしない感じのとこが多かったです。お花畑になるのは西朝日岳に近付いてから。
ひと登りして竜門小屋を見下ろします
西朝日岳へと続く山並み 左奥は中岳かな
ウスユキソウがたくさん咲いていました
中岳の陰から大朝日岳が見えてきました
西朝日岳で少し休憩。相変わらず濃い薄曇り。この薄曇りはちょうど朝日岳までのようで、月山は晴れているのがよくわかります。以東岳も明るいから晴れてるかも…?なんとか薄くなってくれるか、晴れてくれるかして欲しい。大朝日岳まで遠いなあ…。
中岳からは雪渓を下ります。中岳から大朝日岳にかけての源頭部は緩やかになってるので、雪がたまりやすいのかなあ。雪の上を下るのは楽しいですね。金玉水はまだまだ雪に埋もれてそうです。前はヒナザクラが満開だったなあ…とか思い出したりしながら歩いてました。ひと登りで大朝日小屋。
西朝日岳より 北に続く山並み
月山
大朝日岳はまだ遠い・・・
登山道は雪に埋まってる部分が多いです
サクラ咲いてます!
中岳からの下りはずっと雪の上
大朝日小屋まであと少し
小朝日岳への山並み
小屋前は閑散としてました。この時間なので、もうみなさん出発済です。昨夜は竜門小屋でアレだから、きっと大朝日小屋はギューギューだったのでは…?なんたって百名山ですからね。ここでゆっくりしても仕方ないので、大朝日岳に登りにいきます。
さすがに朝日連峰の最高峰だけあって、展望は素晴らしいです。濃い薄雲があるのがホント残念…。南の方向には祝瓶山へと続く山並み。そして、その先には飯豊連峰が宙に浮いて聳えてます。裾に雲があるので、ほんとに宙に浮いてるように見えました。北には昨日と今日歩いた以東岳へと続く山並みが。他には鳥海山、月山、船形山、蔵王、吾妻連峰…等々。
大朝日岳山頂!
祝瓶山へと続く山並みと奥に飯豊が浮かんでる
北は以東岳まで見えてます!
虫が多いのでとっとと下りますか…。今回はだいぶ刺されました。今は虫が一番多い時期なのかな。小屋で少し休憩してから日暮沢に向かって下山開始。しばらくは主稜線に負けず劣らずのロケーションの中を歩きます。銀玉水の上は大きな雪渓がありました。最後の方は結構な斜度。足跡がたくさんあったから無難に下れました。銀玉水は掘り起してありました。ここの水は美味しい!この前後は登ってくる人とたくさんすれ違います。日帰りの人も多そうでした。
大朝日岳を後にします
雲海の雲が高くなってきた
銀玉水の上にある残雪
銀玉水
小朝日岳は巻き道で巻きます。巻き道なので雪渓出てきたら恐いんですが、やっぱりありました。直登コースと合流するところにも残雪あるし、この時期はある程度の雪対策は必要ですね。古寺山の前後にも雪の上を歩くところが何か所かありました。雪の上をそのまま進んでると登山道から離れてしまうところアリ。間違った足跡がたくさんあるし、紛らわしいです。危うく行きかけました。まあ、どこかで気付くでしょうけどね…
ハナヌキ峰分岐で古寺鉱泉の道と分かれます。ここからはマイナールート。登山道自体はしっかりしてるけど、シーズン始まりなので少々荒れ気味かな。倒木とかそのままだったりと…。沢に降りてから林道になるまでが嫌な感じの道でした。林道をとぼとぼと歩いて日暮沢小屋に到着。林道に路駐の車がけっこう止まっていました。煮え切らない天気の3日間でしたが、なんとか大朝日岳~以東岳は無事終了です。
樹林の中に入りました
温泉は近所の大井沢温泉へ。ちょうど竜門小屋と狐穴小屋の管理人さんが出てきました。3日間山を歩いたあとなので気持ちいいこと!鶴岡まで移動して龍上海でラーメンを。そんなに辛くないけど、顔から汗が吹き出ます。登る前に喜多方ラーメン、下山後は龍上海で…とラーメンに始まりラーメンに終わる山行でありました。夕方5時半に鶴岡を出て、安曇野には夜10時半に到着。ちょうど6時間ってもんですな。