北アルプスは薬師峠に詰め上げる岩井谷に行ってきました。今シーズンの沢初めであります。沢初めがなんと9月になろうとは…。で、その岩井谷、滝はほとんどなくて、あってもゴーロ滝。唯一の大きな滝は、その姿を見ずして高巻きに入るので、上から何となく見えた程度でした。ひたすら巨岩を縫って登っていく感じですね。渓相は北アルプスらしく明るくキレイです。
日程: 2017年9月9日(土)~10日(日) 天気: 9/9 晴れのちくもり 9/10 くもり時々晴れ ジャンル: 沢登り エリア: 北アルプス 薬師岳 メンバー: こーちゃん、きょーちゃん コースタイム: ■1日目 折立(7:20)⇒岩井谷橋(8:25~55)⇒鳶谷出合(10:20)⇒1570二俣(10:30~55)⇒大滝高巻き(14:20~15:05)⇒1850mテン場(15:25) 温泉: 奥飛騨ガーデンホテル焼岳(700円) 食事:丸亀製麺(豊科) |
メンバーはこーちゃんときょーちゃん。マツキン入会当初の懐かしいメンバーであります。こーちゃんは今富山に住んでるので折立で合流です。安曇野から折立は直線距離だと40キロ弱なのですが、道路だとその3倍以上の140キロも走らされるという、なんとももどかしいところ。波田の役場で4時に合流し、6時5分前に有峰林道の飛越トンネル側のゲートに到着。止まったと思ったらゲートが開くというタイミングの良さ。ここから折立までが長く感じるんだなあ…
折立の正規の駐車場はタッチの差で停めれず、臨時の方へ。無事こーちゃんと合流。ちなみにT世さん、今回は沢は行かずに薬師岳登山です。天気は予想通りの晴れ。この土日は久しぶりに週間予報に出てきた段階から晴れマーク。夕立はあるかも…みたいなことは言ってたけど、昼間晴れてくれればいいわな。
岩井谷橋まで1時間の林道歩き。工事車両がバンバンと通ります。しゃべりながら歩いてたらあっという間でした。左岸の作業道で堰堤を一つ越したところで沢装備に。さらに堰堤を2つ越してやっと沢を歩くことになります。花崗岩の白い岩にきれいな水、そして青空と3拍子揃いました!
折立からスタート!
ここから沢に入ります
明るくキレイな雰囲気は癒し渓なのですが、だいぶ下流なので水量は多め。しかも大岩が多いので、好きなところを歩いていくって感じではないです。渡渉のポイントとか限定されてしまいます。飛び石の得手不得手で所要時間に差が出てきそうです。きょーちゃんは以前のような推進力はなく、ビビりモード全開でありました。飛び石も不安げで何度も迂回…
鳶谷を分けると水量は減ります。しかし、そのぶん川幅も狭くなるので、体に感じる水圧は似たようなもの。相変わらず岩は大きいのでスタスタ進めません…。段差も大きいし、力ずくで登る場面も多いので、体力の消耗も早いです。ずっと晴れると思っていた天気、なんだか昼前には雲に覆われて太陽が当たらなくなりました。せっかくのキレイな沢なのに、日が当たらないとキレイさ半減です。テンションも少し下降気味…。
けっこう水量はあります
水や岩はキレイ
進行方向に太陽があります
太陽が当たるとキレイ!
まさに川旅といった雰囲気
気持ちよいのでついつい休憩が長くなってしまいます
今日は大滝の高巻きが終わって泊まるところを探す予定。順調に進んでもいい時間になりそう。宴会物資が重いので、初日は早めに泊まりたい気持ちもありました。泊まるとしたら最初の二俣付近。まだお昼にもなってないので、さすがに泊まるの早いな…。頑張るとするか。
最初の二俣を過ぎると、谷の傾斜が増してきました。身体がキツイです。荷物背負ってると這い上がれないところもあったり。こーちゃんのリーチの長さと身軽さが羨ましい…。大滝はまだかと思いながら歩くも、なかなか大滝にたどり着かず…。
日が陰るようになってしまった… いい感じなのに
巨岩の連続で体力奪われます
なかなか一筋縄ではいきません
巨岩まではいかないけど、段差があって
なんだかんだとこなしていくと、目の前に両岸の側壁が立った、岩井谷最狭部と思われるゴルジュのお出まし!これは無理…。ここから大滝もまとめて巻くことになります。
ガイドブックの情報がなければ、取り付きの良さで右から高巻いてただろうな…。その先はわかりませんが…。ここはガイドブック通りに左から。高巻く高さの見当を付けて斜面に取り付きます。薄い踏み跡が幾筋もありそうです。途中で小さく巻けないかと2度偵察しますが、やっぱり側壁の上まで追い上げられますね。
横移動を開始して、滝を過ぎたと思われるあたりで草付トラバース現る!ガイドブックでロープ使ってたとこですね。こーちゃんにトップでロープ張ってもらいます。結果論ですが、肝を冷やすような草付ではなかったし、要所要所に灌木があったので、端から端までロープ張るほどのことでもなかったかな。
ここからは通り道が限定されてくるのか、踏み跡が濃くなってきました。川が見下ろせるルンゼを下って高巻き終了。40mの大滝は見ずじまいでした。
岩井谷最狭部 この先に大滝?
ここを下降して高巻き終了
沢の傾斜は緩んだけど、相変わらずの巨岩
上の滝を横から
滝の上は傾斜が緩くなってて、川も幾分穏やかになったような気がします。あとはテン場探し。結構な時間になってるし。泊まって泊まれないことはない場所はいくつか出てきます。しかし、快適な宴会場を求め、疲れた体に鞭打ってさらに上流へ。あと5分…と言いつつ、10分以上歩いた頃に広い河原の宴会場を発見!
寝るところを造成し、薪を集めてようやく落ち着けました。こーちゃんは釣りに。2匹/人を確保してくれました。少し雨がパラついたけど、本降りになることなく上がりました。よく歩いたのでビールが旨い!今日のお品書きは、具材持ち寄りの鍋とフライパンでの焼き物。11時くらいまで飲んでたのかな…
ツエルトを持っては来てたけど、どうも具合が悪いので、結局はタープで寝ました。晴れるので冷え込むかと思いきや、思いがけず暖かい夜でした。おかげで明るくなるまでぐっすりと爆睡!焚火に火を点けて朝からマッタリ。きょーちゃん作ってくれた雑炊を食べておなかを満たし、不快な沢装備をつけて出発です。
天気の方ですが、晴れ間もあるけど快晴ではないみたい。この土日は快晴なのかと思っていたのに、そうでもなさそうな…。どっちみち岩井谷は西に面しているので、朝早くは日は差しません。岩井谷の核心部はすでに昨日やっつけているので、今日は出だしから穏やかな渓相です。ただ、ワンポイントで這い上がれない…とかは、まだ出てきます。
巨岩かゴロゴロの河原ばっかりだった岩井谷も、遡るにつれ岩盤が出てくるようになります。そして、太陽が昇ってきて谷に日が差すようになってきました。こうなるとキレイですよね~。
西面の沢なので早朝は日が差しません
巨岩から岩盤中心へと渓相が変化
岩井谷には珍しいへつり
ショボいけどナメも
まだまだ巨岩も
上流のためか角張った岩が目立ちます
箱状のゴルジュ
上から見ると・・・
太陽が昇って日が当たるように
気持ちいいので休憩も長くなってしまいます
2100m付近の二俣で、一般的な薬師峠コースと、ショートカットの太郎平下コースの分かれ道。時間が足りないとか疲れてたりとかしたら太郎平下コースもアリだけど、今日のところは薬師峠に詰めておくとします。この二俣から先、急に源頭の雰囲気になってきました。谷も水流も一気に細くなりました。
詰めの段階に入ると、いくつも小沢が入ってきます。とりあえず本流筋を進んで、薬師峠に出る手前で右に進めば良いと思っていました。ところが右に入るのが一本遅れてしまい、余分に登る羽目になりました。仕方なく少し戻ってから薬師峠へ。分岐には赤テープがぶら下がってました~。なんのこっちゃ…
現物と地形図のつじつまが合わなくて、なんだか今でも解せない感じです。沢の彫りが浅いから地形図に現れにくいのかな…とか思ったりしてます。とで気付きましたが、地形図にある建物マークがトイレと思われます。このトイレの位置が少し違いますね。ちょっと惑わされる可能性あり…。
こんなナメ状の滝も
2100m二俣を過ぎると水量激減
薬師峠のキャンプ場にあった大岩の上で沢装備を解きます。薬師岳は見えたり雲がかかったりです。黒部五郎岳も同じような感じかな。晴れ間半分ってとこです。稜線は草紅葉が始まってて、もう秋の気配。太郎平小屋からの下りでは、岩井谷の上流部を俯瞰でき面白かったです。折立までの下りはなかなか標高下げないので精神的にしんどいですな。それでも14時頃には下りれたので上出来かな…
薬師峠のキャンプ場に着いて沢装備を解きます
太郎平への道 だいぶ秋らしくなってきた
薬師岳は見えたり隠れたりでした
太郎平の下山道からの岩井谷上流部
折立は近所になにもないのが難点…。温泉も食堂もコンビニもない。最寄りの温泉というと亀谷温泉があるけど、あいにく逆方向。奥飛騨温泉郷まで行かないと温泉にはありつけません。コンビニに至っては松本まで行かないと…。温泉は福地温泉の奥飛騨ガーデンホテル焼岳へ。700円とやや高めの料金だけど、この広さと設備なら文句ないですな。