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太郎平定着(山スキー)

2003年GW 飛越トンネルからは入り、太郎平ベースで薬師岳、黒部五郎岳あたりを滑ってきました
 
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 山域  北アルプス 薬師岳、黒部五郎岳
 山行日時  2003年4月26日(土)〜4月29日(火)
 登山形態  山スキー
 メンバー  T橋、K子、I永、A山、N村、T世
 行程          ※日付をクリックするとその日の日記に飛びます
 1日目  飛越トンネル⇒寺地山⇒北ノ俣避難小屋
 2日目  北ノ俣避難小屋⇒北ノ俣岳⇒太郎平小屋 薬師岳滑降
 3日目  太郎平小屋⇒黒部五郎岳⇒赤木平⇒太郎平小屋
 4日目  太郎平⇒北ノ俣岳⇒寺地山⇒飛越トンネル
 温泉  ひらゆの森(500円)  奥飛騨温泉郷 日帰り温泉マップ






当日は名古屋から来るASC組と朝5時に飛越トンネルで待ち合わせ。道中は時折激しく雨が降っており、気分が乗らない。そんな中、T橋君から「雪崩があってトンネルまで行けない」とTELがあった。合流して雪崩の現場に行ってみる。集落からほんのわずかのところで雪崩があり、大きく道をふさいでいた。ここからトンネルまで歩くとなると、数時間はかかりそうで、今日の予定の太郎平までは到底届きそうもない。

とりあえず、泣き寝入りするのはいやだったので、イチかバチか車が通れるだけ雪を掘ることにした。雪崩の規模は幅が20mくらいで、厚さがヒザ上くらいだった。赤いシビックで来ていた単独の人も掘削に加わった。なんとか30分くらいで開通。祈る気持ちで先に進むが、2キロくらいのところで再び雪崩が見えてきた。これは幅はひろかったものの、厚さがなかったので、T橋号プラドで強行突破。次の雪崩もスコップで堀ながら、プラドで強引に突破。同時にこの先の様子を見るために、偵察隊を走らせていた。それによると、500mくらい先に一つ目と同規模の雪崩があるとのこと。これはキリがないだろういうことで、少し戻った安全な場所に車を止めて、そこから歩いて向かうことにした。

雪崩を掘る作業をするころからは雨は上がっていた。歩き始める準備をしていたら、オレたちが除雪したところを下から続々と車が上がってくる。ちょっと複雑な気分だった。


■4月26日(土)   くもり   飛越トンネル⇒北ノ俣避難小屋

出発(7:15発)⇒飛越トンネル(9:00)⇒神岡新道合流手前(11:18)⇒寺地山(13:30)⇒北ノ俣避難小屋(15:00)
1つ目の雪崩
雪崩を掘り返す

一応、太郎平まで行く目を残して出発。この先もいくつか雪崩があり、ここで歩いて正解ということに。30分くらい歩いたところで、林道は全面雪になった。T橋情報によれば、飛越トンネルまでは除雪がしてあるということだったのに・・・。ここからシール登行に切りかえる。トンネルの少し手前には大きな雪崩があった。たくさんの気がなぎ倒され、林道まで流されてきていた。

2時間弱歩いてやっとこさ本来のスタート地点だ。夏道は雪が切れていそうだったので、トンネル右手の沢を渡って尾根に取り付く。沢から尾根に取り付くところが少し急だったが、ほぼ直登で登ることができた。尾根筋になると傾斜が緩み、1643mピークで夏道と合流。テレマーク2年目のA山君がてこずっているようで、後がなかなか来なかった。直角右折れのピークでA山君を待ちながら休憩。

有峰湖バックに登る
有峰湖バックで

中高年の7人組と、抜きつ抜かれつで登っていた。2時までに避難小屋に着いたら、太郎平を目指すことにした。神岡新道と交わる頃には薄日も差してきた。有峰湖はさっきまで雲海の下だったが、いつの間にやら雲は取れて湖面が現われた。しかし、北アルプスの稜線は依然として厚い雲の中だ。寺地山には1時半に着いた。これで今日は避難小屋泊まりが決定。寺地山からの痩せた尾根ではシールをはずして楽しむ。なかなかスリリングで楽しかった。コルからはまたシール登行となる。小屋を探しながら登るが、なかなかみつからない。結局、思っていたよりもずっと上にあった。雪で覆われている時は、相当気を付けてないと見落としてしまいそうだ。

雪に埋もれた避難小屋
北ノ俣の避難小屋

7人組がいないところをみると、太郎平を目指して登っているのだろう。小屋は6畳くらいの広さしかないので、かち合っていたら大変だっただろう。この7人でちょうどいいくらいの広さだ。あとは後続が来ないことを祈るのみだ。落ち着くや否や、宴会が始まる。ビールが飛ぶように売れた。6缶パックを持ってきていたが、あっという間に5本が空いた。5時ごろに2人小屋にやって来た。ちょっと詰めるくらいで済んだのでよかった。9時くらいまで宴会は続いた。


■4月27日(日)   晴れ   北ノ俣避難小屋⇒太郎平小屋⇔薬師岳山荘

避難小屋(6:20発)⇒稜線(9:20)⇒太郎平小屋(10:50〜12:40)⇒薬師平(13:40〜14:20)⇒薬師岳山荘(15:00)⇒薬師峠(16:10)⇒太郎平小屋(16:50着)

もともと太郎平小屋の予定だったので、緊急用にシュラフカバーしか持ってきていなかった。夜はかなり冷え込んだと思うが、わりと快適に眠ることができた。ビールの空き缶とゴミは小屋の外に置いておき、帰りに回収することにした。共同の朝メシはないので、各自行動食を適当に食べて出発。

ほんのわずかだが、晩のうちに新雪が積もったようだ。また、冷え込んだため雪面はガチガチ。普通の雪なら全く問題のない傾斜なのに、ズルズル滑ってしまう。ボクとT橋君はなんとかシールで登り切ったが、あとの人はつぼ足+アイゼンに切り替えていた。2000年にここに来た時は、稜線直下で少し夏道が出ていただけで、あとは真っ白けだったのに、今年は上半分はハイマツと地面が出ていた。真冬の間はそこそこの降雪があったはずだが、4月に入ってから雨が多かったので、雪解けが早かったのだろう。雪がなくなり夏道を歩く。兼用靴での夏道歩きはストレスがたまる。

この登りで早組(K子、T橋、N村、I永)と遅組(A山、T世)の差が歴然としてきた。そこで、ここから先早組と遅組に分けて行動することを進言。ボクはT世さんがいる関係で、遅組に加わることに。主稜線に登りついてゆっくりしていたが、T世さんはまだだいぶ下の方を登ってきていた。待っていても仕方がないので、早組には先に行ってもらうことにした。天気は快晴で、見えるべき山は全て見えていた。

北ノ俣の稜線より
北ノ俣の稜線より

やっと滑れる!しかし、さっきまでガチガチだったはずなのに、夏道を歩いているうちにグサグサのクサレ雪に変わってしまった。思うように板が回ってくれなかった。テレマーク2年目のA山君の滑りは、そこそこ様になっていた。太郎山の登り返しがやたらとだるかった。

太郎平小屋に着くと、ちょうど早組が薬師に向けて出発するところだった。小屋は1泊2食で8400円。うちは2倍なので16800円、2泊で33600円だ。もともと3泊の予定だったが、きのうが避難小屋になって家計はずいぶん助かった。小屋でしばらくゆっくりしていた。カップラーメンを食ったり、部屋のストーブで水を作ったりと・・・。

薬師山荘直下を登る
薬師岳山荘直下を登る

シールをつけて出発したが、薬師峠までは無しの方がよかったかもしれない。峠からは疎らな林の中を登る。平らになったところが薬師平。太陽が当たってポカポカで、景色も最高。極楽気分でここに40分もいた。とりあえずは見えている大斜面は登ろうということに。グサグサの腐れきった雪だったので、斜登行がとても難しい。無線で早組を呼び出すと、すでに薬師沢右俣のボトムまで滑ってしまったようだ。ボクも滑ってみたかったが、これからではちょっと時間切れだ・・・。薬師岳山荘まで登って終わりにした。山荘の西側はたおやかな真っ白い尾根が伸びている。この時期にスキーでしか行けないところなので、ちょっと探検してみたかったが時間がない。またの機会に考えてみよう。滑降意欲をそそる薬師沢をのぞくと、早組のものと思われるシュプールが付いていた。シュプールを見ただけで気持ち良さそうだった。

太郎平より黒部源流方面
太郎平より

今回初めてのまともな滑降。しかし、雪が重くてどうにもならない。板が思うように回らない。一度、前転して顔から派手に雪に突っ込んでしまった。ちょうど動画撮影中だったので、あとで見るのが楽しみだ。薬師沢から薬師平に向けて尾根を登ってきている人が見えた。4人見えたので、恐らく早組の4人だろう。ちょうど薬師峠で合流となり、一緒に小屋まで戻った。

単独2名が同部屋。ひとりはS水さんという60歳の人で、明日は薬師に登るらしい。もうひとりはI崎さんという人で、年齢は不詳。明日はゆっくりして、薬師沢あたりで釣りでもするらしい。うちらの明日の予定は、黒部五郎岳方面スキー三昧!



■4月28日(月)   晴れ   太郎平小屋⇒黒部五郎岳⇒赤木平⇒太郎平小屋

太郎平小屋(6:10発)⇒北ノ俣岳(7:55)⇒中俣乗越(8:40)⇒黒部五郎岳(11:00〜12:00)⇒赤木平(14:00)⇒北ノ俣岳(15:30)⇒太郎平小屋(17:00)
中俣乗越より北ノ俣岳方面
中俣乗越より北ノ俣岳方面

今日の予定は黒部五郎岳まで縦走し、そこからウマ沢に滑り込み、赤木沢を赤木平に登り返し、薬師沢左俣に滑り込んで、最後は夏道を太郎平まで戻るという行程。天気は基本的に晴れだが、稜線にはまとわりつくような雲があり、北ノ俣岳にもその雲がかかっていた。北ノ俣岳からはガスの中を中俣乗越に向けてトラバース気味に下っていく。視界はあまりなかったが、このあたりは何度も来ているので不安はなかった。

いつの間にかガスは全部なくなって、黒部五郎岳がバッチリ姿を見せている。でも高い・・・。山頂までには間にひとコブあるのでやっかいだ。最後の長い大斜面は、まだ朝ということで雪面が固く、シールが雪面に食いつかない。ここでまたもや早組と遅組に分裂。

黒部五郎の大斜面
黒部五郎の大斜面

早組が滑る始める頃に、やっとT世さんが山頂に到着。早組はウマ沢に向けて滑っていった。遅組はウマ沢に降りていたらさらに遅れを取ってしまうので、登ってきた道を滑り、中俣乗越から赤木平に滑り込むことにした。展望は最高!槍がさっきよりも数段近くなった。笠から弓折にかけての稜線も見えてきた。

この大斜面の滑降は至福のひとときだった。まだ雪は腐ってなくて、ほどよい硬さで快適。苦労して登った斜面を一瞬で下ってしまった。中俣乗越の間にある目の上のタンコブに苦しめられ、偶然早組と同時に中俣乗越に着いた。ここから赤木平はほぼ同じ高さに見えた。先に少し登っておいて、赤木平まで滑り込もうとするが、雪が緩くなってきてしまっていたので、赤木平まで届かなかった。

赤木平から北ノ俣岳へ

赤木平はまさに360度の大展望だった。稜線から離れたところにチョコンと出っ張っており、標高がまわりの山よりも低いため、まわりの山々が迫力満点だ。音声付き動画で360度1周しておいた。予定はここから薬師沢に滑り込むはずだったが、みなさんこの時点で満腹になっておられるようで、来た道を戻ることになった。

小屋では同部屋の単独2名とうちら7人で盛り上がってしまった。I先さんが釣ってきた岩魚をストーブでムニエルにしてみんなで食った。とってもおいしかった・・・。夕食後も盛り上がってしまった。



■4月29日(火)   晴れ   太郎平小屋⇒北ノ俣岳⇒飛越トンネル

太郎平小屋(6:40発)⇒北ノ俣岳(8:05)⇒北ノ俣避難小屋(9:30)⇒寺地山(10:15)⇒神岡新道分岐(11:10)⇒飛越トンネル(13:00)

今朝も気持ちの良い快晴!例によってうちらのパーティーは縦長になっている。その中にI崎さん、S水さんも吸収され、9人パーティーになった。神岡新道への下りは、本来の分岐のチョイ手前のハイマツの間から。そこからだと下まで雪がつながっているようだ。

最後の大斜面をもったいぶりながら滑る。朝イチでかなり雪が固かったこともあり、A山君が転倒して滑落。腕をかなりすりむいてしまった。大事には至らなかったが、かなり痛そうだった。ここから単独ボーダーも一行に加わり、総勢10人パーティーとなった。大斜面が終わって尾根状になってからは、快適な斜面になった。避難小屋に立ち寄り、ゴミと空き缶を回収し。

ここからは下山なのに登ったり下ったり。寺地山への登りはみなさん板を担いでいたが、ボクは意地になって無理やりシール無しで登った。寺地山から先は快適なクルージングが楽しめると思っていたが、傾斜が緩すぎて結構漕いだりした。ここらあたりではI崎さんが先頭で引っ張ってくれた。I崎さんはGPSを持っているようで、最近のヤツはPCで設定しておけば、進路をナビしてくれるみたい。地図は出さずにGPSだけで進んでいた。

単独ボーダーの人はとても上手だった。樹林が密になったところでも、ボードとは思えないほどカックンカックン曲がっていた。ボードだと登り返しとかで面倒くさいというハンディはあるが、雪質を選ばないボードの滑りは捨てがたいと言っていた。

相変わらず縦長になっていると、最後のトンネルに向けての右折れするピークで、うしろ半分が直進してしまった。笛をふきまくりながら追いかけた。なんの疑いもなく直進していたようだ。最後は登ってきたところからはずれてしまって、夏道どおしにトンネルをまたぐように下ることに。多少は雪の切れている所があったが、強引にスキーで滑って下った。

山に入っている間に、トンネルまでの道が除雪されていたらショック・・・と心配していたが、ちゃんと雪は残っていてホッとした。でも、この4日間でだいぶ雪が解けたみたいだ。途中まで除雪車が入っていた。そこには乗用車も止まっていた。ということは、ここまで車が入れるということ。ここにザックを置いて、運転手だけが車を取りに行くことにした。

下山後は10人パーティーのまま温泉、メシまでいっしょに行動した。温泉は平湯の森。メシは併設されている食堂。飛騨牛のカルビ丼がとてもおいしかった。平湯でみなさんとお別れした。


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