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剱岳・立山周辺 山スキー



剣沢、長次郎谷、池平山、真砂沢、平臓谷と滑りまくってきました


 エリア  北アルプス 剱岳・立山  
 山行日  2004年4月29日(木)〜5月3日(月)
 ジャンル  山スキー
 メンバー  A野、T世、(N村)
 行程  1日目  扇沢⇒室堂⇒剣御前⇒剣沢
 2日目  剣沢⇒長次郎谷⇒剣岳⇒長次郎谷滑降⇒剣沢
 3日目  剣沢⇒二股⇒池平山⇒滑降⇒二股⇒剣沢
 4日目  剣沢⇒別山⇒真砂沢滑降⇒平蔵谷滑降⇒剣沢
 5日目  剣沢⇒剣御前⇒室堂⇒扇沢
 温泉  大町温泉郷 薬師の湯(500円)  大町市の日帰り温泉施設




近くて遠い立山、剣・・・。アルペンルートの玄関である扇沢までは、自宅からわずかに40分。しかしながら、室堂まで入るとなると大金をはたかなければならないし、ゴールデンウィークともなると大混雑となる。ずっと行きたいエリアだったが、これまで敬遠し続けてきた。今年のゴールデンウィークのパターンは長期型。行き帰りのアルペンルートは辛抱して、剣岳周辺の山スキーエリアを総ナメにしてやることにした。

予定は4月29日から5月5日までの6泊7日。長次郎谷、平蔵谷、三ノ窓、池平山、真砂沢、最終日にタンボ沢か御山谷で下山という計画を立てた。直前の週間予報では、前半に晴れの日が続きそう。天気の良いうちにできるだけやっつけてしまいたいところだ。


■4月29日(木)  扇沢⇒室堂⇒剣沢BC   快晴       

扇沢トロリーバス(7:30発)⇒室堂(9:40〜10:00)⇒雷鳥平(10:50〜11:10)⇒別山乗越(13:40〜14:40)⇒剣沢BC(14:50着)  ※テント設営後剣御前から滑降

扇沢始発7:30のトロリーバスに乗り込む。それほどの混雑はなかったが、6泊分の荷物が入った30キロのザックを背負って、トロリーバス、ケーブルカー、ロープウェイ、トロリーバスと乗り継ぐのは、とっても苦痛だった。

黒部平からのタンボ沢
雷鳥沢を登る

前日の寒気のおかげで山は白さを取り戻していた。連休初日ということもあって、雷鳥平にはまだテント村と言えるほどのテントはない。全体的に人も少ないようだ。

別山乗越からの奥大日岳
テン場のロケーションは最高!

剣沢にテントを張って、時間があったら真砂沢を滑る予定だったが、なんだかんだで手間を食い、剣沢に着いたのは3時前。真砂沢は間に合わないので、剣御前に登って1本滑ってきた。短いコースだが、斜度、雪質とも申し分なし!一日苦労してここまで来て、一瞬のご褒美であった。ここで先発隊のYUYAと合流。

剱御前の斜面
左に同じく

剣沢小屋周辺には暇つぶしに良い、手頃な斜面がたくさんある。剣御前に登って滑るも良し、別山の斜面に登って滑るも良し、やや足を伸ばして一服剣あたりの斜面を滑るも良し・・・。



■4月30日(金)  剣沢〜長次郎谷〜剣岳  快晴                     

剣沢BC(7:10発)⇒長次郎谷出合(7:20〜35)⇒二俣下(8:40〜55)⇒長次郎のコル(11:00〜20)⇒剣岳山頂(12:00〜20)⇒長次郎のコル(12:50〜13:10)⇒長次郎谷出合(13:40〜14:10)⇒剣沢BC(16:00着)

今日も朝から快晴!長次郎谷は出合からはカーブしていて、先のほうがよく見えない。登るにつれて先が開けてきて、開放感抜群の長次郎谷となる。右に八ッ峰、左に源次郎尾根の岩峰に挟まれた長次郎谷は、まさに日本離れした景観だ。この日は雪が緩かったので、コルまで余裕でシール登高できた。

朝からこの景色!
剱沢を滑る
剱沢も捨てたものではない
長次郎谷出合は暗め
長次郎谷は左カーブすると一気に開ける
中流部で下を見ると

コルからスキーを背負って剣岳山頂を目指したが、出だしの雪壁がなかなか手強い。下りはバックステップで慎重に下った剣岳の山頂に登るのなら、二俣あたりから源次郎尾根に乗っかってしまったほうが良さそう。左下の写真の最後の懸垂が終わったところあたりに出れば、山頂までは雪がつながっている。長次郎のコルから山頂を目指すにはちょっとややこしい。三ノ窓側も普通の装備ではちょっと厳しそう。

ここは日本か?
八ツ峰を見ながらの爽快な登り
険しそうだ
こちらは源次郎尾根


肝心の滑りのほうはイマイチ・・・。新しい雪が重くて、快適な滑りはできなかった。それでもこの最高のロケーションの中を滑れるだけでも幸せだ!今日の核心は長次郎を滑り終えてから。出合から剣沢のBCまでの標高差600m、2時間の登り。最後の最後でのこの登りはとてもこたえる。




■5月1日(土)  剣沢〜二股〜池平山  快晴       

剣沢BC(7:10発)⇒二股(7:40〜8:00)⇒小窓雪渓出合(8:50〜9:00)⇒池平山(11:20〜50)⇒二股(12:35〜13:00)⇒真砂沢出合(14:00〜10)⇒剣沢BC(16:20着)


剣岳周辺のスキーは谷が中心だが、この池平山は山全体が真っ白な斜面という、このエリアとしては異色の山。

剣沢から二股までは遠い道のり。途中にある山スキールートになっている沢の出合を見ながら滑っていた。あまり評判の良くない別山谷は、一定の傾斜で一直線に源頭まで突き上げている。雪面はデブリもなく、まあまあきれいで、そんなに悪い印象は受けなかった。出合だけでみると、真砂沢のほうがよっぽど貧相だ。三ノ窓雪渓はスケール、景観ともに長次郎谷に勝るとも劣らぬ、素晴らしい谷のようだ。今回は入れなかったのが残念・・・。

別山谷もいつか滑りたい
二股ちかくなると割れも
北股に入る
池平山が見えてきた

北股から池平山へと続く尾根に上がってからは、終始裏剣の絶景を見ながらの贅沢な歩き。ずっと遮るものが全くなく、容赦なく春の陽が突き刺してくる。暑くてたまらない!日陰が欲しい!まるで夏山にいるかのような悩みだ。

白すぎて何が何やら
池平山

滑りのほうは、今日もずっと天気が良すぎるため雪はグサグサ。誰も滑っていないまっさらな斜面にシュプールをつけながらの滑降は快感だ!展望、滑降ともに素晴らしいロケーションなので、また行ってみたいところだ。

裏剱を眺めながら
滑りはこの広いボウル

今日もテントに戻るのが核心。二股まで滑った後、3時間20分かけてテントに戻った。これさえなければ最高なのだが・・・。今回は剣沢で他のパーティーと合流する都合上、剣沢にBCを設けたが、剣周辺を効率よく滑るには、真砂沢か二股あたりにBCを置くのがベストだろう。そうすればその日の行動を滑って終えることができる。
平の池手前で池ノ平小屋方面に向かうトレースから離れて、最短距離で池平山を目指した。ここからはまっさらの斜面となる。左手の裏剣の素晴らしい眺めを堪能。

池平山は剣沢から離れているせいか、穴場的な存在のようだ。しかし、山頂からの滑降ルートは色々と取ることができる。尾根筋を滑っても気持ち良いし、広い沢筋に入っても豪快に滑れる。今回A野君は一瞬の快楽を求めて、山頂直下から小窓雪渓にダイレクトに滑り込んでいた。

となりの仙人山もスキーで滑れそうな斜面が豊富で、緩斜面あり、急斜面ありで、なかなか楽しそう。二股付近にベースを作れば、当分の間遊んでいられそうだ。


■5月2日(日)  剣沢〜真砂沢〜平蔵谷  快晴       

剣沢BC(6:55発)⇒別山(8:20〜40)⇒真砂沢出合(9:10〜30)⇒平蔵谷出合(10:30〜11:00)⇒平蔵のコル(13:10〜13:40)⇒平蔵谷出合(13:55〜14:10)⇒剣沢BC(15:05着)

今日は真砂沢と平蔵谷を滑るという欲張りな1日。剣沢BCから1時間チョイでドロップポイントに立てる真砂沢は、太陽が上がらないうちに滑ることができる、おいしい沢だ。逆にカチカチになってる場合もあるかも・・・。ウチらは別山山頂から滑り込んだ。結構な急斜面だったが、雪質は程よく、下はボール状になっているので恐怖感はない。真砂岳側から滑り込んでもかなりの急斜面。アイスバーン時や緩いのが良い人は、コルから滑れば緩そう。

別山からの剱岳
別山からの立山主峰

真砂沢の真骨頂はカール状の底までの急斜面だが、中流部の広〜いU字谷も魅力的だ。チマチマとターンするより、ロングターンでゆったりと滑っているほうが気持ちよかった。出合あたりでは狭く荒れた感じの渓相となり、1ヵ所滝のようなジャンプ台になっていた。

真砂沢の滑り出し
日ひと滑りして
なんて広い真砂沢
下流には滝もあるので注意!

真砂沢出合から1時間ほどで平蔵谷出合となる。出合から見上げると、平蔵谷は狭くて一直線にコルまでのびているように見えるが、実際は中流部から上は結構開けた谷となっている。登る時に、剣岳山頂から滑り込むルート(インディアンクーロワール)も確認。雪質さえ悪くなければ、そうたいした斜度には見えない。次回挑戦だ!

平蔵谷の出合
平蔵谷も上部は明るい

平蔵谷はスキーだけの目的で登る人は少ないようで、もっぱら源次郎尾根などの下山コースとなっている。剣沢の出合までは早そうだが、そこから剣沢小屋までは1時間の登りになるので、意外と辛いのでは・・・。

平蔵のコル
平蔵谷の滑り出し

午後ということもあって、雪はこの上ないグサグサ状態。出合から見ると湧かなかった滑降意欲だが、コルに立つと俄然湧いてきた。スキーで滑ると雪崩を引き起こすので、下山の人がいないスキに滑った。沢芯はトレースでボコボコになっており、滑れたもんではない。右岸は開けており、ところどころデブリはあるものの、快適な滑りができた。実際、いくつも雪崩を誘発しながら滑ることに。出合直前の右岸の急斜面が最高に気持ちよかった。下から見ると平蔵谷はデブリだらけだったが、滑ってみると意外と快適。剣沢から割と近いので、半日余った時などにはお勧めだ。


■5月3日(月)  剣沢⇒室堂⇒扇沢  くもりのち雨      

剣沢BC(6:45発)⇒別山乗越(7:45〜8:10)⇒雷鳥平(8:55〜9:15)⇒室堂(11:00頃着)⇒扇沢(14:00頃着)


別山乗越を目指す人たち
初日から順調に消化していて、残すは三ノ窓のみ。しかし、天気のほうは下り坂。朝から剣沢周辺は真っ白けの世界。明日は全国的に荒れた天気になるという。4日間晴れ続け、かなり満腹状態になっていたので、三ノ窓には後ろ髪を引かれたが、今回は今日で下山することに決定。

重い荷物を背負って、泣きそうになりながら雷鳥沢を滑るT世さんを見て、一ノ越からタンボ沢を滑る予定を、室堂からアルペンルートに変更。それにしても、数珠繋ぎになって雷鳥沢の登る人の多さにはビックリ!そのほとんどがスキーヤー(ボーダー含む)だった。

室堂のターミナルに着く直前くらいから小雨模様となった。ザックとスキーを持ってのアルペンルートはもうウンザリだ・・・。





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