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燕岳〜蝶ヶ岳 (3日目)
大天井からは極上の展望 蝶ヶ岳の樹林帯のラッセルには悪戦苦闘
 
 山域  北アルプス 常念山脈
 山行日時  2003年12月23日(火)
 天気  快晴 
 登山形態  積雪期 縦走
 メンバー  単独
 行程  大天荘冬季小屋⇒常念岳⇒2592mピーク


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■12月23日(火)   快晴   大天荘⇒常念岳⇒2592mピーク


大天荘(7:10)⇒東天井岳(8:07〜23)⇒常念小屋(10:05〜20)⇒常念岳(11:55〜12:20)⇒2512mピーク(13:35〜14:00)⇒2592mピーク(16:30)

今日はちゃんと目覚ましを掛けて寝た。5時に起きて小屋の外に出てみると、素晴らしい星空が広がっていた。今日は最高の稜線歩きになりそうだ。小屋だと撤収等が楽チンなのだが、ウダウダしてしまい、結局出発したのは7時過ぎになってしまった。歩き始める前に、ひととおり写真撮影をしておく。朝日に染まった槍・穂高がとてもきれいだった。

大天荘からの槍ヶ岳
大天荘からの穂高
大天荘と大天井岳山頂
大天荘からの燕岳方面

大天井岳からの登山道にはほとんど雪が付いてなくて、すこぶる快調なペースで駒を進めることができた。右手に純白の槍穂高連峰を見ながらの稜線漫歩はまさに極楽だった。弱い冬型の影響か、後立山には少し雲がかかっていた。

東天井岳からの横通岳と常念岳
夏タイム1:30を大幅にクリアーする、1時間弱で東天井岳に着いた。東天井岳からは西に大きな尾根が張り出しており、その南側に入るとそれまで吹いていた強風はバッタリとやんだ。ポカポカ陽気の中、ゆっくり休憩することができた。稜線に出てからゆっくり休憩できたのは初めてだった。とても居心地が良かった。

東天井岳からの夏道は西側の山腹を巻くようになっている。でも、山腹のラッセルを懸念して、稜線通しに歩いた。
東天井岳(スキーに良さそうな斜面だ)
ここから先も歩きやすい夏道を追って進む。このピッチもコースタイムを大きくクリアーする気でいた。しかし、それは常念小屋を目前にしてアウト。少しの区間だったが樹林帯で、そこは深いラッセルになってしまった。

下りにもかかわらず、かなりの手間を食った。これが登りだったら、かなり大変なことになっただろう。雪の量が同じとすれば、常念岳〜蝶ヶ岳のアップダウンの大きな樹林帯は、どれくらいのラッセルになるのか心配になってしまう。

常念小屋までは、結局夏のコースタイムを10分上回ってしまった。でも、まあボチボチのペースで今日は進んでいる。できれば蝶ヶ岳ヒュッテまで行きたいが、樹林帯のラッセルが控えているので、それはちょっと困難だろう。せめて、蝶槍の手間の鞍部までは進んでおきたいところだ。当然(?)常念小屋には誰もいなかった。蝶ヶ岳方面から誰か入って来ているのを少しだけ期待していた。

常念岳からの穂高連峰
常念小屋からは常念岳山頂を見ることができない。見えているところは8合目である。8合目でさえゾッとするくらいの高さだ。

この登りはほとんど雪が付いてなく、またジグザグが適度につけられているので、割合に楽に登ることができた。ただ、もう少しで山頂と思い始めてからは、なかなか着かなくてしんどかった。

山頂に登ると期待以上の素晴らしい展望が待ってくれていた。360度の大展望というのは、まさにこのことだ。槍・穂高はもちろん、中、南アルプスもクッキリと見える。富士山がこれだけ近く見えるのも初めてだった。長居したい気分だったが、先を急がねばならない。
常念岳からの蝶ヶ岳方面
常念岳からの下りは心配していた通りに下りにくかった。大きな岩がゴロゴロしている上に、中途半端に雪が付いている。気をつけて下らないと、雪の下に隠れた岩につまずいたり、穴にはまったりしてしまう。

常念から下り切って、ついでに2512mピークまで登っておく。この先で樹林帯になり、深いラッセルになるはずだ。ここでアイゼンからワカンに履き替えた。そして、ラッセルに備えてピッケルからストックに持ち替えた。

樹林帯に入ったとたん、想像通りかそれ以上のラッセルとなる。はじめは下りだったからまだいいが、登りになってバッタリと足が止まった。雪に埋もれたブッシュの落とし穴に落ちると、首まで埋まってしまう。ようやく赤布をみつける。夏道上にはブッシュはないので、落とし穴に落ちる心配はない。夏道上で膝上くらいのラッセルだった。1つ小さなピークを右から巻く。

次に2592mピークへの登りが始まる。これが大変だった。前半は樹林のないまっさらの斜面で、膝上くらいのラッセルで順調に高度を稼いでいた。樹林の中に突入してからはひどいラッセルとなり、ペースがガクンと落ちた。いつの間にか4時を回り、そろそろテン場を探さなければ・・・。しかし、この斜面は一定の傾斜になっていて、平らなところが全くない。意地でもピークまで登り切らなければテン場にはありつけそうにない。最悪は下るしかないか・・・。

必死で雪と格闘しながら2592mピークまで登った。なんとか平らなところがあり、ここで泊まることにしてザックを降ろす。そして地ならしするが、平らな部分の下にはブッシュが隠れており、整地できない状態だった。でも、もうザックを降ろしたし、また歩く気にはなれなかったので、我慢してここでテントを張ることに。玄関を出たら、いきなり深さ50センチ以上の大穴が開いている。なんだか落ち着かないテン場だったが、中に入ると不思議と落ち着くのが不思議だ。明日も天気は良さそうだ。蝶ヶ岳からの眺めに期待だ。



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