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             2007GW前半  4日目

朝日岳・五輪山・黒負山 山スキーツアー

―  五輪尾根から五輪山・黒負山へ ―







 山域  北アルプス 後立山連峰  
 行程  4月27日(金) 栂池〜天狗原〜蓮華温泉〜白高地沢右岸台地BC
 4月28日(土) 一日中雷雨、あられで沈没・・・
 4月29日(日) BC〜白高地沢〜朝日岳 往復
 4月30日(月) BC〜五輪尾根〜五輪山〜黒負山 往復
 5月1日(火) BC〜蓮華温泉〜天狗原〜栂池
  
※日付をクリックするとその日の日記に飛びます 
 登山形態  山スキー(テレマーク)
 メンバー  T世
 温泉  栂の湯(600円)





■4月30日(月)  一日中快晴!  白高地沢右岸台地BC〜五輪尾根〜五輪山〜黒負山 往復

明日は下山なので、残るは今日1日。2日目には嵐で沈没しているので、予定しているルートは2つ。雪倉岳北面&赤男山と五輪山&黒負山の2つ。どっちも行きたいけど、どっちかに決めなければならない。昨日から悩みに悩んでいるが、当日の朝になっても決めかねていた。まったくもって優柔不断だが、決め手がない

テン場(6:45)⇒白高地沢渡渉(7:25〜40)⇒花園三角点(9:00〜25)⇒五輪山(11:35〜12:10)⇒黒負山(13:20〜35)⇒五輪山(15:05〜40)⇒白高地沢(16:20)⇒テン場(16:35)

今日も絶好の天気!今朝も冷え込み、雪はやや固め。はじめのうちはエッジを立てながら登っていった。スタートしたものの、行き先は未だにどっちか決まっていなかった。ひょうたん池に差し掛かる。ここがルートの分かれ目。色々と考えたが、行きにくい方に行っておくことにした。雪倉北面&赤男山なら蓮華温泉から日帰り周遊可能だ。蓮華温泉はいずれ行くこともあるだろう。対して五輪山&黒負山は、今回を逃すともうチャンスは無いと考えたほうがいい。よって、今日の行き先は黒負山に決定!

白高地沢渡渉点
五輪尾根の下のほう
ひと登りで木がなくなる


ひょうたん池から白高地沢に下りる。沢はほとんど割れているが、1ヵ所残るブリッジは昨日のうちに確認済み。ちょうど夏道の渡渉点あたりだ。帰りに落ちてたなんてことはないでしょう。五輪尾根は下部が急傾斜になっている。斜度が緩いところを狙って、大きく戻るように取り付いた。南面だがしっかり雪は付いている。藪は少々うるさい。急斜面を登り切ると、木がなくなり真っ白な斜面に。それも登り切ると、花園三角点に飛び出した。

花園三角点から五輪山を
花園三角点あたりからの雪倉岳

三角点から先は別天地。五輪高原が広がって、その先にはお椀を伏せたような五輪山がどっしりと座る。左には雪倉岳。ここに来た時点で、今日はこっちにして良かったなと思った。まあ、今日はこの天気なので、どっちに行っても良かったと思うに違いないが・・・。今日は風も無く、ゆっくり休憩できるのでありがたい。

五輪高原を見下ろす
五輪尾根
立派なダケカンバ

平原状の五輪高原を突っ切り、階段状で続いていく斜面に取り付く。今日も新しい雪なのでシールの食いつきはよい。斜度も手頃で、ほとんど直登で登っていける。黒負山の斜面を滑って、トラバースでテン場に戻ることも考えていたが、この五輪尾根を滑らない手はないなと思った。なにしろロケーションが良すぎるのだ!

白馬乗鞍岳をバックに
雪倉岳

五輪尾根のホントの尾根はやや痩せていて、スキーで登るには適していない。その尾根の右(下から見て)が台地状の斜面になっているのだ。大きくみると台地は3段になっていて、最後に尾根上を進んで山頂となる。五輪山の山頂はハイマツが露出していた。登山道が通ってないので、山頂の看板もない。わずかに踏み跡らしきものがあるだけだった。そんなマイナーな山頂なのだが、この景色は一見の価値あり!主稜線からはずれていて、周囲よりもやや低い山なので、展望は抜群なのだ。

栂海新道の山並み
五輪山山頂からの朝日岳


さて、滑るだけなら五輪山まで登れば十分。目標の黒負山までは、アップダウンのある稜線歩きとなる。距離にして片道約2.5キロ。累積標高差は500m以上。予想所要時間は往復3時間。疲れたし、遅くなるので行きたくないT世さん。確かに景色的にも滑り的にもここで十分。下から見たら立派な黒負山も、五輪山から見るとただの尾根上にあるピークといった印象。でも、以前から気になっていた山だし、今日を逃すと一生行くことができないかもしれない。疲れるかもしれないが、時間的には十分ある。T世さんを説得し、黒負山へと向かう。

小蓮華山から白馬岳 手前が雪倉岳
白馬岳から清水岳にかけて

荷物を半分デポして出発。しかし、五輪山の風上側(北側)はハイマツ地獄でスキーは通行止め。少し南側を回りこんで黒負山へと続く稜線の斜面まで進んだ。尾根歩きと思っていたので滑ることは考えてなかったが、結構楽しそうな斜面がコルまで続いていた。稜線上ということで程よく固い雪は滑りやすかった。あっという間に200m滑り降りる。ああ〜、あとでこれを登り返すのか・・・。コルでシールを着ける。

近くに山見えて遠い黒負山
五輪山の北東斜面は快適
黒負山との間の尾根

尾根自体は快適な尾根歩きができる。しかし、これを往復するとなると気は滅入る。小ピークをいくつか越えて、最後の黒負山への登り。風下側はかなり雪庇が発達している。不安定なので、風上側の樹林の中を縫って山頂を目指した。山頂は縦長で、南東側は急斜面となって落ちている。ここを滑ることも考えていたのだが、長いクラックが数本走っていた。ま、どっちみち滑って登り返す時間も体力もないのだが・・・。

黒負山手前からの五輪山と白馬方面
「なだらかな五輪山

黒負山山頂も眺めよし!五輪山から2.5キロ離れただけなのに、白馬方面の山々がかなり遠くなった。五輪山への200mの登り返しがあるので、あんまりゆっくりしていられる気分ではない。少し休憩しただけで五輪山へ戻る。五輪山手前のコルまでは順調だったが、最後の登りはさすがに辛い。T世さんはかなり疲れてしまったようだ。

五輪山に戻って
いよいよ滑り 雪倉岳に向かって

あとは滑るのみ。もう登りはないとなると気は楽だ。右手前方に雄大な雪倉を視界に入れながらの滑りは爽快そのもの!階段状の五輪尾根は緩急を繰り返し、変化があって楽しい。雪はだいぶ腐っていて滑りにくいが、贅沢な景色を見ながらの滑りはなんとも言い表せない。

五輪尾根の左の台地は変化に富んだ斜面
はるか下に五輪高原

景色がメチャクチャいいのは五輪高原までだが、このあとも無木立斜面が続く。斜度も申し分なし。最後の1段はヤブ混じりとなるが、ヤブを縫って滑るのもまた楽し!のんびり滑ったつもりだったが、あっという間に白高地沢まで滑り降りた。五輪山への登りと黒負山往復で約8時間。滑りはたったの40分。長〜いオアズケだったなあ・・・。でも極上の40分でした!

五輪高原に下りてきて降り返る
だいぶ太陽が傾いてきた
ひょうたん池

白高地沢を渡渉し、ひょうたん池あたりで若干登りとなる。板をはずすことになるかなと思っていたが、シールなしでなんとか登り切れた。あとはテン場に向かって樹林をかいくぐるだけ。それにしても、この晴れた2日間でだいぶ雪が溶けたような気がする。黒い部分が増え、藪がいっそううるさくなった。このあたりの雪も長くはないな・・・。

最後の夜。残った酒類とつまみを食べ飲み尽くす。明日の予報、良くなっていることに期待したけど、どうやら雨はまぬがれそうもない。雨はあきらめるので、風と雷だけは勘弁してもらいたいところだ。


★五輪尾根からの五輪山

このルート、雑誌でもネットでもほとんど記録を見ない。蓮華温泉ベースで登るなら、まずは雪倉岳でそのあと朝日岳ってもんだろうから。五輪山まで手の回る人はほとんどいないのだろう。

一応今回で雪倉、朝日、五輪山をやっつけたが、ボク的に順番をつけるならば、@五輪山 A朝日岳 B雪倉岳 となる。まあ、これは好みによる部分が大きいから、なんとも言えないところだが・・・。滑りだけでみると雪倉が一番に来るかもしれないし・・・。ルート全般のロケーションや変化を加味すると、五輪山がトップに躍り出ることになる。

黒負山まで足を伸ばす必要はないと思うし、五輪山だけなら蓮華温泉から十分日帰り可能なので、騙されたと思って行ってみて下さい。晴れた日に是非!
GPSではないのでテキトーです  






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