大猫山・猫又山 紅葉ハイキング大猫山から猫又山へ向かう
スカッ晴れの中、大猫山経由で猫又山に登ってきました。猫又山は剣岳北方稜線にあり、毛勝三山の一つです。以前は登山道はなく、残雪期に登るかヤブを漕ぐしかなかった毛勝三山ですが、ここ何年かで何本かの登山道が拓かれています。このへんだと2008年に赤谷山にも登っていますが、ブナクラ峠を隔てるぶん、剣岳の眺めは猫又山の方が数段上のように思いました。 前日までは裏越後三山を縦走してました。稜線付近は紅葉してましたが、山腹はまだまだの状態だったので、もう少し高い山・・・ということで、富山県まで移動してきました。大猫山から猫又山だと2000m以上の紅葉していると思われる高さを長く歩くことができるんでね。午前中に越後駒ヶ岳から下山したので、ゆっくりとした道で移動。滑川の道の駅で車中泊。
起きたら予報通りの快晴!馬場島に向かう途中、ずっと剣岳を見ながらのドライブです、。剣岳のギザギザはスゴイですね〜。海抜0メートルからなのでなおのこと。馬場島に着き、ブナクラ谷の林道に向かうとすぐにゲートがあって閉まっていた。あれれ・・・。前は奥まで入れたのに。ゲートから登山口までは約2キロ。時間にして30分ほど余分に歩かされることになりました。ゲート周辺には20〜30台くらい止めれるスペースがあり、だいたい8割がた埋まっていましたかね。
傾斜の強い林道を登っていきます。30分で200m近くも登ったことになるのか。ブナクラ谷の堰堤の広場が登山口。以前はここまで車で入れたのに・・・。登山口には赤布がぶら下がっているだけで、「大猫山」とか一言も書いていない。1400mの小ピークまでは激登り。普通ならジグザグとか切ってありそうな傾斜だが、容赦なく一直線に登っている。また、周囲は杉だったりで今一つパッとせず。写真を撮るのに立ち止まることもない。おかげで登ることに専念できて、一気に標高を稼ぐことができた。1400mの小ピークから大猫平までも同じような感じ。多少紅葉は進んでくるけど、とくに見所のない区間だった。
パッとしない見所のないところがずっと続いて、大猫平の一角に足を踏み入れると一変してパッとする。このギャップが素晴らしい。大猫平は稜線の一段下にあって、起伏のある草原とたくさんの地塘がある台地。草紅葉に赤や黄に染まった葉が点在して映える。朝のこの時間は剣岳が逆光になってしまうのだけが残念。しばらくザックを下ろして写真撮影にウロウロ。
大猫山へはまた急斜面を登ることになる。大猫平が眼下にあって坪庭みたい。登り切るといったん稜線を左から回り込み、西への踏み跡を分け、2055mの三角点の少し東の小ピークに大猫山の札が下がっていた。地形図の大猫山よりも500mくらい西になるんでしょうか。草原の向こうに釜谷山と猫又山が見えた。標高差はそんなに感じないが、距離はだいぶありそうだなあ・・・。
小さなアップダウンを繰り返しながら、徐々に高度を上げていく。笹原になったり草原になったり、その中に赤や黄の葉っぱを付けた木が点在し、マッタリとした景色が続く。これも天気が良いおかげ。紅葉の出来も重要だが、山そのものの景観と何よりも晴天があってこそ、紅葉の山に感動するんだなあ・・・と思う。歩いたり登ったりする苦痛は一切感じることなく、楽しくて仕方ない猫又山までの道中でした。
東芦見尾根の左側に落ちているのが片貝川の猫又谷。今年の5月にスキーで来たばかりです。片貝川、黒部川、早月川と毛勝三山の絡み具合が複雑で、このあたりの概念図が今一つ頭のなかで描けませんでした。しかし、今日こうやって尾根を歩いてみてやっとシックリきたかな・・・・という感じです。この東芦見尾根ってやつが案外カギだったりするのでした。
猫又谷を詰め上がった小さなコルを越えると、猫又山本体の登りになる。左側の猫又谷側はスパッと切れているので、右のなだらかな斜面を巻き気味に山頂へと向かう。この巻き斜面もずっと良かったですね〜。紅葉する樹林はあまりなかったけど、草紅葉とロケーションがのどかな感じでよかったなあ・・・。チングルマの葉っぱがたくさんあったので、初夏に来るとキレイかも。
山頂までひと登りのところに小さなケルンが積んであり、下を見るとブナクラ峠に続くと思われる踏み跡が続いていました。ちょうどカール状地形の上部だったかなあ。標識はなく踏み跡も薄いので、ウッカリすると気付かずに通り過ぎそうです。帰りにはこの小さなケルンが崩れてしまってました。
山頂直前の南側にミニ地塘のある草原がありました。ここはテン場にもなっているようですね。最高のロケーションのテン場です。天気が悪いとちょっと大変そうですが・・・。剣岳の眺めもいいし、後立山もズラリと見えている。ここから北側に抜けると猫又山の山頂となります。
そんなに広くない山頂には7,8人。山頂から張り出す岩に乗ると、すごい高度感で猫又谷を見おろすことができた。休憩するスペースはあったけど、少々モサモサしているので少し戻ってミニ地塘付の草原へ。やっぱりこっちの方がロケーションはいいです。毛勝山と釜谷山、そして後立山連峰が遮るものなく見えますので。大猫平や大猫山でも飲みたかったビール、ここまで引っ張ってきました。プシュ!
無風快晴でポカポカ陽気。暑くも寒くもなく、いつまでも居座れそうだったけど降りなければなりません。雲の通り道と化しているブナクラ峠に向かいます。しばらくは登って来た道を辿り、小さなケルンのところがブナクラ峠への分岐。登る時にはあった小さなケルンですが、帰りには崩れてしまっていました。山頂にいた人に分岐を尋ねられて「小さなケルンがあります」と答えていただけに、なくなってたら困るじゃないですか・・・。
ブナクラ峠に向かうと、最初はプチカールの中を下る。ここもいいとこでしたね〜。踏み跡はなくてペンキだけが頼り。ペンキは間隔があいていたので、時々立ち止まりながら確認していた。カールを過ぎると顕著な尾根道となる。同時に雲の中に突入。ガスがなければ赤谷山や猫又山も見えたんでしょうけど、ほとんど何も見えず消化試合的に下っていました。
ブナクラ峠からは、最初はコンスタントに下っていくが、途中からダラダラ下るようになる。なかなか標高を下げないので退屈。ブナクラ峠はスルーしたので、最初に沢を横切るところで休憩。時々下流の方が見渡せたけど、登山口は遥か彼方。やっとのことで登山口に着いても、このあと2キロの林道歩きが残されている。やれやれ・・・。最後はやや間延びしてしまった感もあるけど、とにかく大猫山から猫又山の間は素晴らしくて、大満足の一日となったのでありました。
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