後立山縦走 朝日岳から爺ヶ岳1日目 蓮華温泉から朝日岳
5連休。どこに行くべか…。8月1週目の一番天気の安定する時期、やっぱり北アルプスを歩きたいところ。で、どこに行くべか…。北アルプスの中でも一番ご無沙汰しているところへ行こうと記憶を巡らせると、意外にも後立山だったのであります。チョコチョコつまみ食いは多い後立山連峰ですが、縦走となると15年ぶりとかになるみたい。 ◇8月2日(土) 蓮華温泉−朝日岳−朝日小屋 晴れのちくもりT世さんに蓮華温泉まで送迎してもらいます。縦走の向きは太陽の向きからして北上がいいんですけど、お迎えが蓮華温泉よりも扇沢になるほうが具合よいので南下としました。また、土曜日のテン場の混雑を考えると、冷池よりもまだ朝日岳の方がマシなのかなと…。蓮華温泉に6時過ぎに着きます。蓮華温泉も最近の例に漏れず駐車場が心配ですが、今日は送迎なので心配なし。どのくらい路駐の列ができているか楽しみでしたが、正規の駐車場から少しはみ出した程度でした。
車はそこそこ止まってるわりに、蓮華温泉前の人は疎ら。天気は上々で、これから向かう朝日岳、明日歩く予定の雪倉岳もクッキリと見えております。週間予報は山に入っている期間はずっと「晴れ時々くもり」のマーク。前半ほど不安定で午後は雷雨のような予報。できるだけ早めに朝日のテン場に着いておきたいところです。
蓮華温泉から下りでスタート。嫌なスタートですね〜。ブナの林を兵馬ノ平に向かって下ります。この下りの木道でASKが滑って転んで大分県したんだな…。下り切った湿原が兵馬ノ平。スッキリとした湿原かと思いきや、草ボーボー系の湿原でした。木道に覆い被さってきてます。花は白のオオバギボウシとピンクのシモツケソウがツートップ。近くは草ボーボーでむさ苦しい感じですが、遠目にはカラフルで先には雪倉岳と朝日岳が見えております。
兵馬ノ平からまたまた下ります。気分的に長い下りです。標高差にして200mくらいあるんでしょうか…。重荷のテレマークで苦労して降りた記憶がよみがえりました。降り着いたところが瀬戸川鉄橋。蓮華温泉から300mも降りたことになります。帰りは通らないからまだいいんですけど…。やっとスタート地点に立った感じであります。
瀬戸川と白高地沢の間の尾根に取り付きます。いつぞやスキーで来た時はこのへんの一段登った平坦地に泊まったはず。地形図に池のあるあたりかなあ…?予定はヒョウタン池あたりだったけど、疲れて辿りつかなかったのです。この間は見どころナシで苦しくて楽しくない区間でした。汗が吹き出します。
ヒョウタン池を過ぎるとすぐのところで白高地沢を渡ります。ずいぶんと立派な橋が架かっていますが、前に来た時はなかったよなあ…。少なくとも2000年に来た時はなかったぞ。2007年にスキーで来た時もなかったぞ。雪が異常に少ない年だったので、埋まっているはずはないし。渡ったところでザックをおろして休憩。
とってもいいとこですね〜。水が流れていると涼しいです。頭から水をかぶって火照った身体を冷まします。この先に備えて水もガブガブと飲んでおき、手持ちのペットボトルも満タンにしておきました。若いカップル、中年夫婦?、若い男2人が同時に休憩です。これまでほとんど人を見なかったけど、さすがにここは長く休むポイントのようです。
さて、いよいよ本格的な登りの始まりであります。灌木の中の道は蒸し風呂状態。汗が吹き出てきます。このへんから下りの人とすれ違うようになりました。この登りは覚悟を決めていたので、意外とあっさり片付きましたね。斜度が緩むと同時に樹林がなくなります。そこそこの登りではありますが、草原の中の木道となります。
草原越し雪倉岳を眺めながら…といきたいところですが、雪倉岳の山頂には雲がかかり始めてきました。花園三角点はスルーし、その先の水場とベンチ完備の休憩所まで進みます。この手前の湿原というかお花畑が別天地。ワタスゲやイワイチョウが一面に広がっています。タテヤマリンドウやマツムシソウ、カライトソウなども…。
白高地沢からここまでコースタイム2時間となってますが、かなり甘い感じですね〜。ありがたい話ですが…。水場で再び水を満タンにしておきます。そして、キンキンに冷えた水を首筋に。生き返ります!水の豊富なところで行動食を流し込んでおきましょう!登山道の草刈りの方2名がお休み中でした。他数名も。
尾根の北側の斜面の道を進みます。土手にはチングルマやハクサンコザクラがワサワサです。ただ、草刈り開始で爆音が…。しばらくで尾根を乗り越して、五輪山の南斜面のトラバースにかかります。しばらくいい感じの道が続いていたんですが、米栂かなあ…針葉樹の暗めの森を歩くようになります。このトラバースの長いこと長いこと…。
トラバース中は沢を何度も横切ります。その度に手に水をすくって口を潤しておきます。時にはガブガブ飲んだり、後頭部を冷やしたりしながら。花園三角点から吹上のコルまでコースタイムは2時間。さっきの2時間は甘かったけど、この2時間はとっても厳しい。軽くオーバーしてしまいました。何かの間違いかもね…。
コースタイムが2時間でなくて適正だったら長いとは思わなかったんでしょうね。それでも吹上のコルに近付くと針葉樹から開放されて、雪田系の花がたくさん出てくるように。花真っ盛りです!とにかく一杯写真を撮ったんですが、重荷を背負ったままの撮影はキツイです!屈んで撮ると腰に悪いし、しゃがんで撮ると立ち上がるのに太ももの筋力を酷使します。いちいち荷物を置いて撮るわけにもいかないし、難しいところです。
やっとこさ吹上のコル。山には雲が多いですが、富山平野はよく晴れているようで、能登半島もクッキリと見えています。吹上のコルでは今までの花とはガラリと変わり、砂礫や岩場に咲くような花が一杯です!岩と花と砂が庭園のようになっていて、写真映えするようなロケーションでした。ここまで頑張って登って来たご褒美として、背負ってきたビールを1本プシュ!ザックの中には凍らせたビールあと2本在中!
吹上のコルから朝日岳までは、苦しいところではありますがひと登りです。朝日岳には3人いただけ(多分)。空はほとんど雲に覆われ、山も高いところは雲の中。展望は明日の朝に期待して、今日のところはそそくさと降りることにします。
テン場はどんなもんかいな…。朝日岳を下る途中から朝日小屋が見下ろせますが、テン場が賑わっている様子はないですね。最後の登りを登って朝日小屋へ。テントの先客は1グループ2名2張りと単独の建設中のテントがあるのみでした。時間は2時前。朝日小屋はどこから来ても時間がかかるので、この時間だとまだガラガラで良い場所選び放題です。
一人なので控えめに隅っこのスペースをキープ。荷物を置いてさっそくプシュ!受付に行くとやっぱり値上げされてて700円。ビールを飲みながらのんびりとテントを立てます。テントの脇には木のベンチがあり、すぐ横はチングルマのお花畑。こんな場所に一人では勿体ないくらいです。朝日小屋のテン場自体が自分の中では3本の指に入るお気に入りのテン場です。その中でもいい場所に張ることができて満足であります。
ベンチで一人宴会。要冷蔵のツマミは今日だけです。明日以降は乾いた物のみ。本日3本目のビールをプシュ!するとジョワ〜ッと泡が…。早まった!まだシャーベット…。シャーベットのビールほど不味いビールはないですからね〜。融け切ったかどうかの判断がとても難しいです。徐々にテントが増えてきました。最終的には10数張りになったのかな…?
そうこうしていると、雨がポツリポツリと降り出し、4時頃からは土砂降りに!夕立だろうからしばらくで上がるだろうと思ったけど、6時過ぎまでしっかり2時間降り続きました。時間があるので夕日ヶ原あたりまで散歩したかったけど、2時間以上テントに籠ることに…。雨が上がってから少し散歩したものの、花は雨でシナ〜となってしまいました。期待の夕焼けもダメ。せっかく絶好のロケーションなのに、なんかガッカリでした…。
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