白山や笈ヶ岳の展望が素晴らしい大笠山に登ってきました。ただ、その展望にありつくまでが大変…。まずは1000mの激登り。足元もあまりよろしくないので、余分に体力を消耗します。そのあとはアップダウンの連続で精神的にやられ…。そんな骨の折れる大笠山でしたが、秋かと思うような澄んだ空気の中、良い条件で登ってこれて良かったです。やり直すとなるとキツイですからね~。
日程: 2017年6月9日(金) 晴れ ジャンル: ハイキング エリア: 富山 白山北方 メンバー: T世 コースタイム: 車止め(6:50)⇒吊橋(7:00)⇒約1550m(9:30~45)⇒小屋跡(10:35~45)⇒大笠山(11:30~12:05)⇒小屋跡(12:30)⇒約1550m(13:20~30)⇒吊橋(15:10)⇒車止め(15:20) 温泉: 大白川温泉 しらみずの湯(600円) 食事:次平(平瀬) |
もともとは人形山に登るつもりでいました。開山祭も終わって問題ないかと思いきや、開山祭の翌日から林道が年内工事で通行止めだとか…。なんじゃそりゃ!閉山祭も兼ねとるがな。…てことで、代わりの山が大笠山になったわけであります。早朝3時に起きて出発。3時間ほどで登山口であります桂湖のキャンプ場に着きました。途中、濃い霧の中を走っていましたが、太陽が出るとともに霧は解消方向に。爽やかな青空が広がってきました。
オートキャンプ場のとこにゲートがあって、一般車は進入禁止となってました。手前の駐車スペースに停めておきます。平日ということもあって、工事の業者さんが続々とゲートを開けて入っていきました。車道を歩くのは500mってとこですかね。仮に車が入っても、安心して停めておける場所がないみたいです。
車道から離れて草の道を少し歩くと大畠谷(おばたきたん)にかかる吊橋。これを渡って尾根に取り付くんですが、この尾根の末端が壁のようになってます。ハシゴや階段をいくつか登って、やっと普通に歩ける道になりました。両側がダム湖なので高度感も満載!
オートキャンプ場のところにゲートあり
大畠谷にかかる吊り橋より
吊橋の先に壁が出現!
普通の道になったはいいんですが、若干、草がボーボー気味…。朝方の霧のおかげで草がビショ濡れです。T世さん上下カッパ装着です。ボクは暑いので濡れるの覚悟で着ませんでした。草ボーボーというか、草が覆いかぶさってきてるのは下の方が中心。樹林が高いところは草の勢いは弱いです。
草から解放されると次なる敵は急登につぐ急登。急なだけなら燕岳の合戦尾根も急だけど、道の整備具合が雲泥の差。もちろんジグザグは切ってない直登。足場も階段状にはなってなくて、尾根の傾斜のまま。小石や泥などでズレやすいので神経も体力も余分に使ってしまいます。
…と書くとメチャクチャ悪路に思えますが、そんなに悪路ではないです。これが標高差で1000mくらい続くから堪えたってとこです。あと、この間ろくに展望もないし、ただひたすら登るのみ。試練の区間であります。下りも思いやられます…
時々樹林の隙間から景色が見える程度
尾根のロケーションは良くはない
ブナの額縁から笈ヶ岳
1550mピークは雪の台地になってて休憩
ひたすらの急な尾根登りが一段落するのは1500mくらいになってから。最初の目立ったピークが1522mで、ここは前笈ヶ岳となってます。前大笠ではないんですね…。残す標高差はあと300m。しかし、先はまだまだ長いです。小ピークを4つ越えてから、やっとこさ大笠山本体の登りとなるのでした。
前笈ヶ岳の次の約1550mのピークで最初の休憩。急登につぐ急登で大汗かいて、500mlのペットボトルを一気に飲んでしまいました。次のピークが『アカモノの頂』という尖ったピーク。ここで初めて遮るもののない展望にあり付けました。大笠山から笈ヶ岳、さらには三方岩岳へと続く山並みと、その奥には白山の主峰群が想像より大きくクッキリと見えています。北側には大門山から奈良岳にかけての山並みも。ここもいつか歩いてみたい。
アカモノの頂
アカモノの頂は首が痛くなるほどの傾斜
アカモノの頂から初めて大笠山の山頂が!
笈ヶ岳もバッチリ!
アップダウン区間には立派なブナも
4つのアップダウンをこなし、大笠山本体の登りの基部にあたるところに小屋の跡。ガイドブックにはキレイな小屋の写真があるけど、最近解体されたんだろうか…?現在は基礎が残ってて、その上にログハウスの壁と思われる部分が敷かれて、休憩できるようになっていました。洗濯板みたいで落ち着きませんけど…。その上に座って、最後の登りに備えて休んでおきました。
最後は250mほどの登り。これがまた急で疲れました。展望が良くなってきたのは励みになります。大笠山と笈ヶ岳のコルの方が低くなってきました。そのぶん白山主峰もたくさん見えてきます。右下には大畠谷の大スラブも。稜線に出たところには避難小屋。キレイに保たれています。小屋からほぼ水平に南に歩けば大笠山の山頂です。
小屋跡で小休止
チラホラと雪が出てきます
辿ってきた尾根が一望
奈良岳から大門山にかけての山並み
主稜線まであと一息です
大畠谷のスラブかな?
笈ヶ岳の向こうに白山主要部
白山主要部のアップ!
山頂にはスタート直後に抜かれたおじちゃん。1時間ほど先に登頂してたみたい。まだ降りて来なかったから、てっきり笈ヶ岳にでも足を伸ばしてるのかと思ってました。ちなみに笈ヶ岳方面への道、というか踏み跡は笹に覆われてます。笈ヶ岳を往復してくるのは大変そうに見えました。ここから見える限りでは…ですが。
山頂には木製の標柱、石製の展望版、石碑のような山頂標識、普通の木製の山頂看板…などなど賑やか。あちこちの地区の団体が、競うように設置したのかなあ…とか思ってしまいました。大笠山は300名山には選ばれてるけど、どっちかというとマイナーな山の印象。でも、この山頂看板の多さを見ると、マイナーとは言えないなと思ったのでありました。
山頂からの展望は素晴らしいです!主役は笈ヶ岳から北縦走路へと続く山並みと、その向こうの白山主峰群かな。白山主峰は存在感ありありです。東には登るつもりにしていた人形山。春に登った猿ヶ馬場山。少し遠いけど北アルプス、乗鞍、御嶽山も。遠いけど空気が澄んでるので、わりとハッキリ見えています。西には目立つ山はないというか、知らない山しかないです。富山や石川の市街地もよく見えました。もちろん日本海も。
大笠山の避難小屋 中はキレイでした
見えてるところが大笠山の山頂
山頂にはいくつもの標識類がありました
ちょっと遠いけど北アルプスも
乗鞍岳と御嶽山
槍&穂高のアップ!
笈ヶ岳と白山を眺める展望ベンチですな
景色も陽気も良い大笠山山頂でしたが、一筋縄ではいかないであろう下りが控えています。ボチボチ下り始めましょう。1550mの避難小屋まではずっと下りなのであっという間。そこからのアップダウン連続区間、もちろんキツかったけど、心してかかったので許容範囲。最後の1000mの激下りも心してかかったけど、ここは体が悲鳴を上げてました。スタスタ下れれば楽なんですけどね~。やっぱり足場が悪いと一歩ごとにブレーキかけることになるから負担が大きいです。最後はヨレヨレになりました…
最後に見納めです
名残惜しいけど下山開始
笈ヶ岳も見納めかな・・・
温泉は上平にもあるみたいだけど、逆方向になるのでパス。いつもの平瀬にあるしらみずの湯へ。平日ということもあってか、ほぼ貸切状態でした。夕食も近所で済ませます。平瀬にある『次平』に行きました。国道沿いや温泉の入り口など看板は何度も見てますが、入るのは初めて。T世さんはとろろステーキ、ワタクシはラーメン。山で水分放出してきたので、ラーメンは麺よりスープが進みましたね~。
明日は位山に登ります。登山口はモンデウススキー場。ここの駐車場が道の駅になってまして、今日はここで車中泊。平日だし、こんな場所だし、同業者はいませんでした。