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燕岳〜蝶ヶ岳 (4日目)
長塀尾根は下りにもかかわらず猛ラッセル 下山が一日遅れてしまいました
 
 山域  北アルプス 常念山脈
 山行日時  2003年12月24日(水)
 天気  吹雪のち晴れ 
 登山形態  積雪期 縦走
 メンバー  単独
 行程  2592mピーク⇒蝶ヶ岳⇒長塀山⇒2000m台地


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■12月24日(水)   吹雪のち晴れ   2592mピーク⇒蝶ヶ岳⇒長塀山⇒2000m台地


2592mピーク(6:55)⇒森林限界(8:53〜9:05)⇒蝶ヶ岳ヒュッテ(10:15〜25)⇒長塀山(12:35〜53)⇒2000m台地(16:20)

今日は早めに出発して、なんとしてでも家に帰りたかった。暗くなるまでに上高地に着けば、あとは車道歩きで暗くても大丈夫。中の湯まで歩けば、車で迎えに来てもらうつもりだった。天気は予報に反して吹雪模様。ここは樹林帯だからいいが、蝶ヶ岳の稜線はつらいだろうなあ・・・。その前に、蝶槍までの標高差200mの登りが控えている。このラッセルしだいで今日の行程が決まるだろう。

蝶槍への登りまでに2つの小ピークがあり、その登りでかなり苦戦した。もう少しで最低コルという時にワカンがはずれてしまった。アイゼンは何度かはずれたが、ワカンがはずれるのは初めてだった。見ると、ワカンの本体側のバンドがはずれていた。蝶槍への登りは覚悟があったせいか、時間的にはかかったが、気分的にはすんなりと登れた。テン場から約2時間で登ることができた。

森林限界まであと20mくらいのところで休む。森林限界上に出たら、強風でとても休むどころではないからだ。あと20mは深雪だったが、ここでアイゼンに履き替えた。覚悟はしていたものの、あと20mのアイゼンによるラッセルは大苦戦。雪に埋もれたハイマツに足を取られて大変だった。

蝶ヶ岳の稜線
森林限界に出てからも、上まで登り切るまでは雪が深くて結構疲れた。稜線上は吹雪状態で視界が乏しかったが、随所に赤ペンキがついており、道に迷う心配はなく、安心して歩くことができた。

晴れていれば、右に雄大な穂高の眺めを見ながらの稜線漫歩なのだが、今日は吹雪に耐え忍びながら歩くしかない。蝶ヶ岳ヒュッテまでがやたらと長く感じた。

やっとこさ蝶ヶ岳ヒュッテに着くが、風下側に回り込んでも雪が吹き込んできて、ゆっくり休めるような状態ではなかった。そそくさとヒュッテをあとにした。
長塀尾根
誰かしら上高地から蝶ヶ岳に登っているのではないかと思っていた。下りはそのトレースを辿っていけば楽勝と考えていた。しかし、意に反して誰も蝶ヶ岳には登ってきていないようだった。

長塀尾根はダラダラの広い樹林帯の尾根。時々登り返しもあり、その度に厳しいラッセルとなる。そんな尾根なので、ルートもはっきりしない。赤布がビシバシついているので、それを頼りに下っていく。しかし、木にビッシリと雪が付いているところでは、赤布が隠されてしまい、時々ルートを見失うこともあった。

長塀山までコースタイム0:40のところ、実に2:20分もかかってしまった。こんな調子だと今日の下山は難しいのではと、このあたりから思い始めた。

ダラダラだった尾根も、長塀山から先は順調に高度を下げることになる。ここからはサクサクと進めると思っていた。しかし、2400m付近で進路を右に変えるあたりで、アリ地獄のようなラッセルになってしまった。このあたりは登山道が大きな溝状になっていて、そこにブッシュが覆いかぶさっている。その上に大量の雪が積もっていて、ブッシュの下は空洞だ。そこに落ちるともう大変だった。軽く首までは埋まってしまう。這い上がるのにとてつもない労力を使ってしまう。一度、アリ地獄に落ちる時に、状態から倒れてしまった。身動きできなくなり、このまま埋没死してしまうのでは・・・と思った。なんとかザックをはずし、上下左右にもがいて、ここを脱出することができた。とにかく落ちないように注意するのだが、巻くこともできないため、どうしようもない状態だった。ラッセル&ヤブ漕ぎといったところか・・・。

こんなひどいところがずっと続いたらえらいことになるぞ・・・、と思っていたが、木が高くなってからはまだマシになった。それでも時々胸まで埋まりながら下っていた。気が付けば4時を回っていた。薄暗くなったとしても、徳沢までは降りてしまいたい。2000m地点に台地があった。徳沢まではあと500mくらい下らなければならない。時間は4時20分。5時は回ってしまうだろうなあ・・・ということで、仕方なくこの台地で泊まることにした。

予定では今日下山だったので、今晩は予備食となる。酒は多少残しておいたのでありがたかった。家に帰りたい気持ちが大きかったが、ここまで降りてきていれば、天気が崩れたとしても問題ないので安心だ。





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