2015年夏 北アルプス縦走 8泊9日


8日目 剱沢から池ノ平


剱沢→真砂沢ヒュッテ→二股→仙人池→池ノ平 【池ノ平山往復】




お決まりの絵  仙人池からの剱岳

■2015年8月7日(土) ■北アルプス ■天気:晴れ ■メンバー:ひとり
 コースタイム 剱沢キャンプ場(6:08)⇒真砂沢小屋(7:31〜37)⇒二俣吊り橋(8:26〜39)⇒仙人峠(10:14)⇒仙人池ヒュッテ(10:24〜40)⇒池ノ平(11:13)
池ノ平(12:05)⇒池ノ平山(13:23〜52)⇒池ノ平(14:34)

休みを9日いただき、8泊9日で北アルプスを歩いてきました。上高地から槍を素通りして西鎌尾根へ。三俣で3連泊して黒部源流部を巡り、立山へと縦走し、締めは池ノ平山。テーマは通ったことのない登山道、久しぶりの登山道を歩く…です。9日間歩いて一度もカッパを着ずに済みました。お天気に感謝です!

 ※2015年夏北アルプス縦走の表紙(概要)はこちら

行程 天気
8/1 上高地〜横尾〜殺生ヒュッテ  晴れ
8/2 殺生ヒュッテ〜双六小屋〜三俣山荘  晴れのち時々くもり
8/3 三俣山荘〜雲ノ平〜大東新道〜薬師沢小屋〜祖父岳〜三俣山荘  晴れのちくもり 午後一時雨
8/4 三俣山荘〜鷲羽岳〜水晶岳〜温泉沢〜高天原〜岩苔乗越〜三俣山荘  晴れのちくもり 午後一時雨
8/5 三俣山荘〜黒部五郎岳〜薬師峠  晴れのちくもり
8/6 薬師峠〜薬師岳〜五色ヶ原  晴れのちくもり
8/7 五色ヶ原〜室堂〜剱沢  晴れのちくもり
8/8 剱沢〜二股〜仙人池ヒュッテ〜池ノ平⇔池ノ平山  晴れ
8/9 池ノ平〜二股〜ハシゴ谷乗越〜内蔵助平〜黒部ダム  晴れ

2015年夏、9日間の山歩きも8日目と終盤を迎えました。入口は上高地で出口は交通の便が良い扇沢と決めていました。9日間の予定は組むものの、まあ普通は予定通りいかなくて、五色ヶ原か室堂あたりで下山になると思っていました。ところがどっこい、9日全部晴れて全て予定通りに行きそうな雰囲気濃厚。まさか池ノ平まで行くことになるとは思っていませんでしたねぇ〜。

■朝の剱沢

今日は剱沢から池ノ平まで。時間が余りそうなので池ノ平山にも登る予定。一応この池ノ平への登山道は未踏なので…。スキーでは滑ったけど。剱沢にいるたくさんの人たちの中で、剱岳に登らない人はいったい何人いるんだろう…?未明の暗いうちからどんどん出て行ってて、剱岳にはヘッドランプの列が…。早く出ても渋滞、ゆっくり出ても渋滞…。午後から登れば空いてるかも。


剱沢の朝


たくさんの人が未明から向かいました

■まずは夏道の剱沢を下っていきます

剱沢を下ります。エアリアには『軽アイゼン以上必要』とあります。現地の掲示板にもそんなことが書かれてます。9日間歩くのに、ここのためだけにアイゼン持ってくるのもアホ臭い。アイゼンなくても何とかなるだろうと思いながらも、少し不安も…。ルート状況を聞きに行くとアイゼンなければダメとか言われそうなので、行ってみて実物を見て、自分の物差しで判断するべ。無理なら無理せず戻る。


剱沢小屋でビールの空き缶を捨て・・・・


剱沢を降りていきます


なんとかの滝

■クロユリの滝の先で雪渓に

今日は下ることからスタート。二股まで一気に1000m近く下ります。そんで仙人峠まで550mの登り。剱沢小屋でビールの空き缶を捨て、まずは夏道を下っていきます。途中で程度の良い木の枝をゲット!もちろんストック代わりです。雪渓ではストック有効ですからね。クロユリの滝を過ぎたところで雪渓が繋がっていて、そこから雪渓歩きとなります。

最初は緩いので全く問題ナシ。剱沢雪渓を下ってる人は見えてる範囲で3人のみ。少ないなあ…。剱沢のキャンプ場はあんだけ人たくさんなのに。まあ、まだ季節も早いのかも。平蔵谷出合はデブリで丘のようになっていて、丘からの下りがやや急斜面。滑りやすいけど、滑っても滑落していく斜度ではないです。ただ。転ぶと起き上がったりするのが面倒なので、できるだけ転ばないように降りていきます。


ここから雪渓に乗ります


ヅンヅン下っていきます

■平蔵谷、そして長次郎谷の出合を過ぎナルの滝の高巻きへ

続いて長次郎谷。ここも丘になってて、そこからの下りはこっちの方が急。ここも滑落してしまう斜度ではないが、ツルッ滑りやすいです。幸いにして剱沢雪渓は東向きで、朝からガンガン日が当たります。気温も高いので雪は緩くて安心。硬いとちょっと嫌かな。ナムの滝を巻くところでは、トラバースになるので慎重に。滝の音もしてましたんで、間違って吸い込まれたら大変です。あとは見えてる真砂沢まで下ります。

剱沢雪渓はアイゼンなくても降りれるけど、どうしても転ばないようにと無駄な力を使います。アイゼンあればガシガシ下れて、時間も大幅に短縮できそう。土踏まずの部分だけの軽アイゼンは微妙でしょうけど…。冷えて日の照らない朝とかは、今日よりも滑りやすいかも。ストック&アイゼンが最強は間違いなし。ピッケルは要らないかな…。心配なら保険で…程度。


これは平蔵谷


こちらは長次郎谷


これは剱沢本流


一直線に落ちるのは別山谷


こちらは剱沢本流

■真砂沢ヒュッテで情報ゲット!

真砂沢のテン場には定着と思われるテントが数張り。剱岳の登攀のベースとなってます。学生が多いのかな。小屋に行くと、小屋の人が表のベンチでお出迎え。『まあ休まれ〜』と。『アンタは早い』と言われ、『そんなことない…』と言うと、毎日ここから見てるからわかる…らしい。雪渓下ってる人を指して、あの人は早いとか遅いとか言ってました。雪渓歩いてるバランスで年もだいたいわかるそうな…。

ハシゴ谷乗越への道は、下流の橋はまだ架けてないそうな。上流の雪渓から取り付く道を使うことになります。二股方面からの場合は余分に30分みといてくれ…と。雪渓があるうちは橋は架けないらしい。話が面白かったけど、続々とベンチに人が集まってきたので出発。


これば真砂沢


学生など定着テントが多いです

■真砂沢ヒュッテから二股へ

真砂沢ロッジの下からあと200mは雪渓歩き。雪渓が終わると河原を歩くか、左岸の巻き道を歩くことになります。雪渓の方が楽で快適だったなあ…。ハシゴ谷乗越方面の渡渉点には、ハシゴと橋の材料がデポってありました。河原が広いとこは道も不明瞭になるけど、二股さえ通り過ぎなければノープロブレム。


真砂沢の少し下で雪渓歩きは終了


二股の吊り橋と北股


吊り橋

■仙人新道の登りは暑さとの戦い!

二股に架かる吊り橋で、これからの登りに備えて休憩。水もたっぷり飲んでおきます。前半は展望ナシの急坂の連続。徐々に木の丈が低くなり、真後ろからギンギンの太陽が照り付けてきます。尾根になると多少風が出てきて涼しいこともあったけど、熱中症になってしまうんじゃないかと心配になるくらいの暑さでした。コースタイムのポイントになってるベンチで思わず休憩。快適なベンチでした。

木の丈が低くなると、暑くなる代わりに展望も開けてきます。前半は三ノ窓雪渓が上から下まで見渡せ、北に進むと小窓雪渓が正面に望めるように。きつい登りでペースは遅いと思うんだけど、刻々と景色が変わるところをみると、着実に進んでるんだなと実感します。仙人峠が遠かったなあ…。なかなか着かなかったです。仙人峠からは仙人池と仙人池ヒュッテが見えていますが、結構下の方に見えます。峠に戻ってくるのが登りか…。でも、時間もあるし天気もいいので行っておこう。


三ノ窓雪渓


同じく三ノ窓だけど角度が少し変わった


小窓が見えてきました


小窓雪渓


後立山連峰

■仙人池ヒュッテで絶景を拝ませてもらいます

仙人峠から仙人池ヒュッテまでは木道になっていて、周りはチングルマ中心のお花畑。なかなかいい感じのところでした。ヒュッテに着くと登山者2名。真砂からだそうな。立ち寄っただけなのに、小屋のお姉さんが冷たいお茶を出してくれました。そう言えばそんな話聞いたことあったなあ…。有難いオモテナシです。

さて、仙人池といえば池越しの裏剱。紅葉の頃ともなれば登山者や写真家が大挙して押し寄せるところです。見えてるのは八ッ峰とチンネで、剱岳山頂は隠れてるのかな。もう20年近く前に体育の日に来たことがあるけど、その時は雨降ってて剱の根元しかみえませんでした。今日は快晴!空の色も澄んだ青空です。周りの木は紅葉してないのが残念だけど、こんだけの景色を見れたら大満足ですな。そのうち紅葉の時分にも…。


仙人池ヒュッテ


仙人池と裏剣


仙人池と裏剣




■池ノ平小屋へ

仙人峠に登り返し。峠からは仙人山をトラバース気味に100mほど下って池ノ平小屋となります。途中、池ノ平山もよく見えます。池ノ平山は岩だらけの剱岳エリアにあって、珍しくなだらかな山。GWにスキーで来た時も、南側から見ると純白の山でした。ただ、なだらかな山に見えるのはこの角度限定であって、この角度以外はとっても険しい山となっております。とくに北方稜線側は険悪です。

池ノ平小屋に到着。まだ11時過ぎだ…。しんどかったけど早いなあ。テントの受付をします。小屋の人は二人とも今年初めてのようでした。主人は鈴鹿の藤内小屋にいる人のようです。今までの小屋番は事情があって、今年は上がってこれないそうな。ビールを飲みながらテント建設。今日はテン場一等賞でした。特権ということで、石垣脇の良い場所に張らせてもらいました。ちなみに前日は2張りだったとのこと。


池ノ平山


平ノ池と池ノ平山


池ノ平小屋が見えてきた

■ゆっくりした後は池ノ平山ピストン

お昼を回り、暇なので池ノ平山へ。踏み跡を辿るとすぐに小窓と池ノ平山の分岐。しばらくは薮っぽい灌木の中を登ります。パッと開けてお花畑に。途中にはまだ雪渓も残ってて、花はまだこれからって感じでした。雪融けが早そうな上の方に行くにつれ、チングルマなどが花盛りに。ひたすらの登りで脚が重いです。見えてるところが山頂かと思ったら違って、傾斜が緩んでさらに50mほど登ったら、見覚えのある看板がぶら下がる山頂。

池ノ平山は2004年のGWにスキーで一度、2年前に北方稜線を歩いた時が2度目で、今回が3度目となります。北方稜線縦走というと、剱岳本峰から小窓でやめる人が多いみたいなので、池ノ平山に登る人は少ないと思われます。池ノ平山といっても、この登り着いた2555mは池ノ平山の南峰。北峰の方が2561mと6mほど高くなっています。この間はかなり険しくて、ちょっと行ってくる…というわけにはいきません。山頂の岩の上でしばし展望独り占め。


一杯になる感じではない池ノ平のテン場


池ノ平山に登ります


背後には後立山連峰


池ノ平山の北峰


池ノ平山南峰の山頂


剣岳方面


下ります  前に滑った斜面だ


ミヤマキンポウゲがワサワサ

■池ノ平山のあとは平ノ池を散策

池ノ平山から降りると、真砂沢ロッジで会った人たちが登ってきていました。仙人新道でクタクタのようです。ワタクシは欲張りに平ノ池にも行きました。せっかくなのでね。平ノ池は小屋から60mほど降りたところにある湿原。まだ雪が残ってて、花はこれからが盛りのようです。頑張って小屋まで登り返して本日のアクティビティは終了です。


せっかくなので平ノ池にも


花はまだこれから


平ノ池には誰も降りてこない・・・


夕方の剱岳・・・というかチンネ

池ノ平山に行ったり、平ノ池に行ったりしたのにまだ14時半。ヒマなんですけど、今日は話し相手がたくさんいました。こじんまりとした小屋でお客さんも少ないので、自然と話しすることになりますね。今日は雲があまり出てきません。だいぶ安定したかな。夕方になってテントに戻り、夕食は金沢からの人としゃべりながら。テレマークする人だったので盛り上がったのでした。この日のテント張り数は、なんだかんだで増えてきて6張りはあったと思われます。





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