なんとかアルペンルートは開通したものの、山は大荒れでテン場が暴風雨
8月13日(木) 天気: 大雨 |
室堂(7:55発)⇒雷鳥平(8:25)⇒別山乗越(9:50〜10:02)⇒剣沢(10:30着) |
4時過ぎに目を覚ますと、一般観光客に囲まれていた。ちょうど入口で寝ていたのだが、すでに始発のケーブルカーの行列ができていた。2時間も前から並ぶとは・・・。入口の扉が開くと、我れ先にとドワ〜ッと中になだれ込んでいった。パチンコ屋の開店を思わせる光景だった。雨は本降りになっている。 室堂の天気は雨、気温11度、視界50mと出ていた。室堂に着くが、こんな天気の中出て行く気もせず、しばらく階段の踊り場でボケーッとしていた。外に出てみると風も強い。視界が効かない中、雷鳥沢に降りる。停滞組みと思われるテントが数張りあった。テン場はそれほど水浸しにはなっていなかった。 荷物が満タンになって初めての登り。足も肩も背中も苦しくはなかったが、登るペースは遅かったような気がする。大雨のため足元が緩んでおり、滑ったりして歩きにくかった。途中で休憩するつもりが、休めそうなところはなく、別山乗越まで一気に歩く。稜線まで上がると風がビュービューで大変寒い。小屋の軒下はすでに満員御礼で、割り込むスペースはない。仕方なく便所の陰に行った。なんとか風はしのげたが、寒くて休憩どころではなく、すぐに剣沢に向けて下った。雨は激しさを増してきた。早くテントを張って、中でゆっくりしたい。 テン場はどこも水が浮いている。せめて水が流れていないところ・・・とスペースを探す。大雨の中のテント張りは、今回の縦走中で一番惨めだった。張り終えて中に入るが、テキパキやったつもりなのに、テントの中は水浸しになってしまった。メチャクチャ寒かったので、火を焚いて温まり、落ち着いたところでお湯を沸かし、スープを飲んだ。 ラジオをつけると、現在富山県に大雨洪水警報が出ているみたいだ。明日は明け方には上がって、晴れてくるらしい。山はどうかなあ・・・。蝶、双六に続き、突風がくると手と足でテントを押さえていた。高校野球を聞いて時間をつぶしていた。3時頃になり大雨洪水警報は解除。これで一息つけるかと思ったとたん、これまでにも増して強烈な雨と風になってきた。テントを押さえる手と足が、風圧に負けてひっくり返りそうになるほどだった。テントを押さえる手に、大粒の雨の感触があった。 4時頃になって、雨は少しマシになってきた。それを見計らったかのように、「テントの受付がまだの方は、野営管理所まで」という放送があった。小降りをついてその管理所に向かうが、霧が濃くてどこに管理所があるのかさっぱりわからない。先に便所をみつけ、せっかくなので入った。便所の右手に管理所はあり、受付をする人でいっぱいだった。テントに戻る時も真っ白で、どこに自分のテントがあるのか・・・。運よく一瞬霧が引き、マイテントを確認。すぐにまた真っ白になったが、なんとか戻ることができた。 ラジオのニュースで天気のことをやっていた。過去、梅雨明けが一番遅かったのは8月14日らしい。もう明日だ。その更新は間違いないらしく、下手したらこのまま梅雨明けなしの可能性もあると、ふざけたことをぬかしていた。よりによって、ボクが北アルプス全山縦走をする年にこんなことになるとは・・・。薄暗くなる頃から、一時のような風雨はなくなった。 |
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